偽ルフィが本当にモンキー・D・ルフィに似ていたら   作:身勝手の極意

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FILM RED観てきました。

まあ、感想はあれですね…賛否両論みたいですけど、それもまあ納得ではありますけども、わたくしは好きでございます。というより、ウタちゃんが可愛い。属性過多だよね。幼馴染みの闇属性とか無敵じゃん。でた!負け惜しみ~とか何なのさ。

そして…お久しぶりでございます。
約1年ぶりくらいで申し訳ない。あのですね…ぶっちゃけると、覇王色纏いだったり、ゴムゴムの実の真実だったりと、恐れ多くもこの作品が予言作と仰ってもらったりして、本当に恐怖を感じておりましたww

やべぇよ、次は何を未来視すりゃあいい!?

そんな感じで…"赫猿"ブラックの帰還!!



海の導き

 

 

 海風に靡く旗。

 

 逆さにした海軍旗に剣が突き刺さった髑髏マーク。

 

 それは"NEO海軍"の象徴だ。

 

 元海軍大将ゼファーが海軍を抜け、海賊の殲滅のみを目的とし設立した組織である。海賊の殲滅の為ならば一般人や海兵達といったいかなる犠牲も厭わないという超過激的な組織的だ。もはや、犯罪組織と大差ないだろう。

 

 そのNEO海軍だが、普段は偉大なる航路(グランドライン)の後半部"新世界"にて活動しているはず───それが今、()()()()()から前半部へとやって来ていた。

 

 

()()()()()。麦わらの一味が魚人島へと向かった模様。そして、その見送りにやって来ていた()()()()…いえ、"ブラック海賊団"を確認しました」

 

「そうか」

 

 

 2年前、あれだけ世間を騒がせておきながらもマリンフォード頂上戦争後まったく音沙汰のなかった"最悪の世代"の一つに数えられる麦わらの一味が再び活動を始めた。しかも、元王下七武海"海賊女帝"ボア・ハンコックを仲間に引き入れ、戦力も向上している。

 

 海賊と()()()()に強い憎しみを持つゼファーによって結成されたNEO海軍にとって、麦わらの一味の活動再開は決して見過ごすことのできない事案である。

 

 しかし、それ以上に見過ごすことができないのは、五皇の一角であり、もっとも海賊王に近いとまで謳われる世界最悪の海賊──"赫猿"デマロ・ブラック率いるブラック海賊団がシャボンディ諸島に姿を見せたことだ。

 

 ブラック海賊団には、頂上戦争で麦わらのルフィと義兄弟関係であることが明らかになった副船長"炎鬼"ゴールド・エースがいる。そして、ブラックの妻の1人であることが明るみになった"王の女"ニコ・ロビンが麦わらの一味にはいる。そのことから、ブラックは妻、エースは義弟……大切な者の見送りにやって来たのは間違いないだろう。 

 

 ただ、海賊の見送りの為に五皇が動くなど、傍迷惑にも程がある。五皇が動くことで、どれだけの騒ぎが起き、どれだけの血が流されることか…。

 

 ブラック海賊団は五皇内でも"赤髪海賊団"と同じ位置付けで穏健派とされ、ブラックも一度暴れさせれば手に負えないが、自ら世界をどうこうする男ではない。 

 

 最も海賊らしい肩書きを持つ、最も海賊らしくない海賊だ。

 

 仕掛けられなければ、ブラックは何もすることなく新世界へと帰還する……はずだった。

 

 

「オーロ・ジャクソン号…よりにもよって、ブラックが受け継ぐとはな」

 

「ブラック…」

 

()()()。事情はどうあれ、ブラックは海賊になってしまった。オレは()()()として義務を果たす」

 

 

 だがどうやら、ブラックとゼファーの間には何やら繋がりがあるようだ。そして、ゼファーだけではなく、ゼファーの隣に立つ青髪の美女海兵との間にも深い繋がりがあるらしい。

 

 

「戦う覚悟はできています」

 

 

 とはいえ、ゼファーの海賊に対する憎しみは強い。

 

 海賊に良いも悪いもない。海賊は悪。悪は滅ぼすのみ。

 

 かつて、海賊王ロジャー率いるロジャー海賊団と何度も激闘を繰り広げたゼファーことゼットは、ほんの一瞬だけオーロ・ジャクソン号との海戦や、ブラックとの思い出を懐かしみながら、五皇との戦闘準備を始めるのである。

 

 現役時代───弱冠38歳で海軍最高戦力である本部大将にまで上り詰め、海賊達から"黒腕"と恐れられた武装色の達人ゼファー。

 

 だが、それはもう過去のこと。 

 

 

「奴らを滅ぼし…大海賊時代を終わらせる!!」

 

 

 原動力は憎しみ。その憎しみが、海賊もろとも……世界すらも滅ぼすつもりだ。

 

 ゼファーはここ最近では見せることのなかった───いや、部下達も初めて見る、かつて海軍大将だった頃のような真剣な表情を部下達に見せる。

 

 

「海賊を滅ぼせ! 砲撃開始だァ!!」

 

「はい、一斉に砲撃開始ッ!!」

 

 

 怒りに燃えるゼファーと、ゼファーの右腕的存在のNEO海軍バイス・アドミラル───青髪の美女アインの指示にて、五皇"ブラック海賊団"の母船への一斉砲撃が開始された。

 

 超少数精鋭のブラック海賊団 VS 元海軍大将ゼファー率いるNEO海軍の戦いが幕を開けようとしている。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 愛する妻(ニコ・ロビン)との短いながらも情熱的な一時を過ごし、弟弟子であるルフィ率いる麦わらの一味を見送ったブラック海賊団。

 

「行っちゃったね」

 

「行っちゃったな。やっぱ、こっそり追いかけようかな。魚人島は何度行こうと死の確率は変わんないからな…」

 

 

 シャボンディ諸島に滞在する海賊達が恐怖のドン底を味わっていることなど知らず、麦わらの一味……正確には、妻のロビンを心配しブラックは過保護に陥っていた。だが、ブラックはその心配や過保護さを納めなければならなくなった。

 

 

「ロビン達と一緒の航海も楽しそうだよね!」

 

「だよな──ッ!? この覇気…まさか()()()()()()()()()()か!」

 

「!

 ねェ…黒吉っちゃん…アインって誰だい?」

 

 

 冒険が大好きで仕方がない陽気な雰囲気は一変し、殺伐なものへと変化してしまう。もっとも、ブラックとヤマトでは些か要因が違いそうではあるが…。

 

 

「バルトロメオ! バリアを張れ!!」

 

「りょ、了解だべさ!!」

 

 

 やはり一番最初に気付いたのは、ブラック海賊団の船長だ。ただ、ブラックが気付くことができたのは、見聞色の覇気の範囲が広いのもあるだろうが、警告もなしに砲撃してきた敵が()()()()()だったこともあるだろう。

 

 

「おいおい、あの旗…"NEO海軍"じゃねェか。

 船長、かなり派手な戦いになりそうだぜ」

 

「ちょッ!?

 NEO海軍って元海軍大将がいる過激派の犯罪組織だろ!?」

 

 

 もちろん、NEO海軍についてはエースやペローナも知っている。どのような組織で、何故NEO海軍が危険視されているのかも…。

 

 

「危険な輩を打ち倒すことで、美しいボクは更なる名声を手に入れることができる! ボクが相手になるぞNEO海軍!」

 

 

 そして、キャベンディッシュは常に平常運転のようだ。

 

 

「できれば戦いたくはないんだがな…。

 エース、オレちょっと行かなきゃなんねェから、こっち頼む」

 

 

 やはり、五皇が動けば必ず何かが起きる。平穏無事に終わるということは絶対にあり得ない。

 

 せめてもの救いは、NEO海軍が麦わらの一味に手を出さなかったことだろう。もし手を出そうとしていたら、ブラックは旧知の間柄であろうと、大切な者を守る為に敵対していたはずだ。

 

 

「お、おいッ! 1人で突っ込む気か!?」

 

「いや…再会の挨拶かな? とりあえず行ってくる」

 

 

 複雑ながらも真剣な表情を浮かべたブラックは、エースの制止の声に耳を傾けることなく、NEO海軍の軍艦へと1人で飛んで向かっていく。

 

 船長が不在となってしまったオーロ・ジャクソン号では、不穏な空気が流れている。エース達は、これまで見たこともないブラックの表情を目の当たりにしたこともあり仕方ないだろう。

 

 しかし、相手は元海軍大将率いる過激な組織というこもあり、ブラックの旧知の間柄だろうとも気を抜くことなどできない。そもそも、ブラックとNEO海軍の間にどのような繋がりがあるのか、エースは知らない。

 

 妻であるヤマトですらだ。

 

 

「黒吉っちゃんのあんな顔…初めて見た」

 

「オレもだ」

 

 

 一つ確かなのは、ブラックにとって大切な関係だということだけだ。

 

 ただ、ヤマト達はふと思う。 

 

 自分達はブラックが賞金首になる以前の過去を漠然としか知らないのだと…。

 

 ブラックとNEO海軍の間にいったいどのような関係があるのか……過去にいったい何が起きたのか…。

 

 

「そういえば、アインって女の名前…ブラックから聞いたことあったな。確か…()()()()()()()()()()だったかな?」

 

「ペローナ…その話、詳しく聞かせてくれるよね?」

 

 

 何故か、ブラックの聞き捨てならない過去をペローナが口にし、オーロ・ジャクソン号の雰囲気が凍りつく。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 己に目掛けて放たれる砲弾を素手で弾き落としながら、ブラックは()()()()()()()()を思い返す…。

 

 ブラックがまだ前半の海のみを冒険していた頃のことだ。

 

 前半の海のとある海域にて、とある海賊から襲撃を受けるゼファーと出会った。

 

 

『奴らの仲間…ではなさそうだな』

 

『あー、海賊船に乗ってこそいるけど、オレ…海賊じゃなくて冒険家兼トレジャーハンター。で、今は海賊相手に盗人中』

 

『海賊の嘘に騙されると思ったら大間違いよ』

 

 

 それと、青髪の美女(海兵)──アインとの出会いでもある。

 

 ブラックは当時、悪魔の実の能力で縮小化して海賊船に乗り込み、盗みを働いているところだったようだ。ただ、その海賊船が海軍の演習艦を襲撃し、ゼファーは窮地に立たされていた。ブラックの視線の先で、腕を切断されようとするゼファー……ゼファーを危機から救い出したのがブラックだったのである。

 

 もし、この時遭遇した海兵がゼファーではなければ、ブラックは9年前にすでに賞金首になっていたかもしれない。賞金首にされ、五皇の一角にまで数えられるようになった今、改めて考えたらゼファーとアインとの出会いはブラックにとってかなり大きいものだったのではないだろうか…。

 

 

『すまん、助かった』

 

 

 ゼファーからしたら、ブラックは間違いなく命の恩人だ。

 

 

『あ、ありがとう』

 

 

 無論、アインにとってもだ。

 

 その事件をきっかけにブラックはしばらくの間、特別にゼファーの軍艦に乗ることになった。

 

 9年前の時点ですでに覇気を扱うことができていたブラックではあるが、我流だったこともあり当時はまだまだ未熟者。ゼファーは、命の恩人であるブラックにお礼と称し、覇気の基礎を叩き込んでくれたのである。

 

 

『何れ"新世界"に行くつもりならばもっと強くなれ!!』

 

 

 ゼファーはブラックに迷いなく覇気の基礎を叩き込んでくれた。恐らく、ブラックに対しこう願ったのではないだろうか…。己達が偶然とはいえ救われたように、命の危機に曝された弱き者を助けて欲しいと…。

 

 ブラックにとっても、たった1人で冒険を続ける上で力は必要不可欠。偶然の結果とはいえ、ゼファーからの恩返しは願ったり叶ったりたったはずだ。勘違いから賞金首にされてしまうまでの7年間、ブラックが自由気ままに冒険を楽しむことができたのはゼファーのおかげでもあるのだ。

 

 その上、海賊ではない覇気使いにして、幻獣種の能力者など、海軍からしたら喉から手が出るほど欲しい逸材のはずなのをゼファーは、ブラックの意思を尊重し、海軍にその存在を黙っていてくれたのである。

 

 覇気の真髄こそ教えてくれなかったが、ブラックが初頭手配額で3億を超える懸賞金をかけられる強さを有していたのは、複雑ではあるだろうがゼファーのおかげでもある。

 

 そして、ブラックにとってゼファーと同様にアインは大きい存在だ。ゼファーから鍛えてもらう傍ら、アインはゼファーとの稽古で傷だらけになったブラックを手当てしてくれたりなど、面倒を見てくれた。最初こそ警戒していたアインだったが、彼女も次第に警戒心が薄まっていき、ゼファーの厳しい稽古に根を上げずに頑張るブラックに心を許すようになった。そんなアインに、ブラックは心惹かれるようになった。ブラックにとってアインは数少ない……彼が共に冒険して欲しいと思った異性でもある。

 

 

『ありがとう、ブラック。

 わ、私もあなたが好きよ。けど、一緒には行けない。私は海兵だから』

 

 

 もちろん、アインは海兵であることに誇りを持っており、ブラックの誘いを断ったが…。ただ、アインにとってもブラックは大きい存在となっていたようで、真剣に悩んでいたようだ。

 

 

『それでも…今日だけは…』

 

 

 ブラックの誘いを断りこそしたが、ブラックとアインは一夜限りだけ……深く愛し合ったのである。

 

 しかし、その3人──ブラック、ゼファー、アインは現在、9年前とはまったく違った立場で再会を果たそうとしている。

 

 片や、懸賞金40億を超える五皇の一角──"赫猿"デマロ・ブラック。

 

 片や、海賊の殲滅の為ならば一般人や海兵達といったいかなる犠牲も厭わないという……海軍を自称する超過激的な犯罪組織を率いるゼファーと右腕のアイン。

 

 奇しくも、3人は世に仇なす存在と認識されてしまっている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ふーん…一夜限りだけ深く愛し合った関係かァ」

 

「あ…ヤ、ヤマト…い、一応言っておくけど、ブラックにとってはもう過去のことみたいで、今はちゃんとお前とニコ・ロビンのことを愛してるみたいだぞ!!」

 

 

 船長が不在となったオーロ・ジャクソン号にて、()()()()()()()()()()()()ブラックの過去の一つ。

 

 ただ、ペローナは余計なことを喋ってしまったと後悔している。他人の過去を本人の許可なく勝手に喋ってもろくなことにはならないのである。

 

 しかし、どうしてペローナがブラックの過去を知っているのか…。

 

 

「まァ、ボクとロビンを愛してくれてるのは本当だろうけどさ…お酒呑んで酔ってたとはいえ…NEO海軍の記事読んで動揺もしてたのかもしれないけど、一夜限りとはいえ深く愛し合ったことを口にするってことは今でも忘れられないってことだよね!? しかも、どうしてペローナにだけ話してるのかな!? ハッ! もしかして不倫!?」

 

「お、落ち着けって!!」

 

 

 とある日、酒を呑みながら新聞を読んでいたところたまたまゼファーとアインの現状を知ることとなり、珍しく動揺したブラックはたまたまその場所にいたペローナにポツリポツリと、懐かしむように語り始めたのだそうだ。

 

 決して、ペローナと不倫しているわけではない。

 

 もっとも、ブラックの妻となったヤマトにとっては、色々と衝撃を受けたことだろう。変な考えを抱いてしまうのも些か仕方がないかもしれない。

 

 

「というかさ! 黒吉っちゃんは過去に一夜限りの関係を持った女が多いんじゃないかな!? だって一処に留まる男じゃないし! ちょっとボク聞いてくる!」

 

「お、おいヤマト!?

 ったく、あのバカ夫妻が!!」

 

 

 ヤマトはブラックを心から愛している。だからこそ、ブラック関係の話になると暴走する節がある。

 

 エースの制止を無視し、ブラックのもとへと向かうヤマト……事態は緊迫化(修羅場)しつつあるようだ。

 

 

「ふふ…ブラックの爛れた過去をネタに、ニコ・ロビンをボクの妻に!!」

 

「おめでたい奴だべ」

 

 

 こんな状況でも、キャベンディッシュは平常運転である。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 

 砲弾を弾き落としながら飛ぶ速度を上げて軍艦に降り立ったブラックは複雑な笑みを浮かべながら、かつての恩人へと再会の挨拶を述べた。

 

 

「お久しぶりですね、ゼファーさん。

 アインも…久しぶり」

 

 

 もちろん、ゼファーの隣に立つアインにも…。

 

 しかし、複雑な笑みを浮かべるのはブラックだけではない。

 

 

「…ブラック」

 

 

 本来なら喜ばしいはずの再会。ブラックは海賊で、アインが海兵(自称)でなければ…。彼らは決して相容れない存在だ。この再会が複雑でないはずがない。

 

 この再会がもし、2年以上前だったら……ブラックが賞金首になるよりも前だったら、喜ばしいことだったはずだ。

 

 

「ゼファーさん」

 

「デマロ・ブラック。オレ達に言葉は必要ない。

 お前は、()()()()()()()()()()()()()()()おきながら海賊になった。しかも、ロジャーの息子とカイドウの娘を仲間にし、オーロ・ジャクソン号にまで乗っている。実に罪深いことだ」

 

 

 だが、この再会を心から喜べる日は未来永劫、絶対に来る日はない。

 

 海賊は悪。ゼファーとアインにとって、ブラックは殲滅対象でしかないのだ。

 

 

「あなたはもう、私が恋…愛したブラックではない。

 懸賞金40億を超える大犯罪者(大海賊)…"赫猿"デマロ・ブラックよ。海賊は葬り去る」

 

 

 ブラックの想いは、2人に届かない。

 

 元海軍大将のゼファーなら、どうしてブラックが賞金首になってしまったのか……その経緯を知っていないはずがない。当然、異を唱えようともしたはずだ。ゼファーにとってブラックは、海兵でこそないが大切な教え子であり、命の恩人なのだ。

 

 期間は短かったとはいえ、確かな絆がある。

 

 それでも敵意を見せるのは、頂上戦争で海軍を相手に暴れ回ったブラックが海賊に見えてしまったからなのだろう。

 

 

「この大海賊時代を終わらせる。

 アイン…()()

 

「はい、ゼット先生」

 

 

 だからこそ、ゼファーはブラックをその手で葬り去るつもりなのだ。

 

 とはいえ、五皇の一角に数えられるブラックを相手に、元海軍大将といえども老いた体では勝てないはず……それを己自身で理解しているゼファーは、普段ならば絶対に頼ることのない()()()()()()()()()()、ゼファーは伝説の海軍大将へと戻る。

 

 

「!」

 

「オーロ・ジャクソン号に乗り、白ひげの武器を持った海賊が目の前にいる…過去に戻った気分だ」

 

 

 アインに3回触れられたゼファーは海軍大将だった全盛期時代への姿へと変貌し、当時を懐かしみながら鋭い視線をブラックへと向けた。その身から迸る強大な覇気に、ブラックですら驚愕している。

 

 これが、すべての海兵を育てた男とまで称される伝説の海兵……"黒腕"の異名を持つ海軍大将の姿だ。

 

 

「行くぞ──デマロ・ブラック!」

 

「ッ!?」

 

 

 問答無用。

 

 これ以上の会話は一切必要なし。

 

 拳のみが唯一の語る術。

 

 すべての海兵の模範となった伝説の海兵の黒腕には覇王色の覇気が纏われており、かつての教え子へと襲いかかる。

 

 

「ゼファーさん──上等だ!!」

 

 

 そして、教え子であるブラックはほんの一瞬だけ瞳を閉じ……過去と訣別し、ゼファー同様に拳に覇王色の覇気を纏わせ、師へと拳を放つ。

 

 

 

 

 

覇滅

 

 

 

 

 

 最強の漢同士の拳の激突は触れることすらなく天を割る。

 

 

 

 

 






FILM REDももちろん書きたい!

けど、まずは大好きなFILM Zからいこうかな?そんな感じのリハビリ作であります。

ゼット先生カッコいいよね。

今作でのゼット先生は、ブラックとの出会いのおかげで腕切断されておらず、教え子達も重傷者多数、死者数名で済んでおり、アイン以外にも生存者います。

ただ、NEO海軍設立は……少なからず、ブラックの一件もきっかけになっております。世界政府が何も悪くないブラックを賞金首にしたのは許せないけど、頂上戦争での暴れっぷりは……複雑なとこですね。


そして、アインは……爛れたブラックの過去が少しずつ明らかになる新世界編。


とりあえず…ただいまです!!

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