チートじゃ済まないin月世界   作:雨期

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前回上昇したノービスのステータスは

敏捷:E→D

だけです。



1回戦 その13

 シンジは…………見えた。少し離れた場所で待っているみたいだ。本当に待っているとは思わなかった。ならその余裕に漬け込ませてもらおう。

 

「はん、来たのか岸波。大丈夫、お前が強欲なのは、他の奴には秘密にしておいてやるよ! せっかく来たんだ。僕のサーヴァントとどっちが早く財宝を集められるか競争しようじゃないか。手加減はしてやるからさ、気軽にやればいいよ!

 

「こういう催しは嫌いじゃないよ。そぉら、ハントの始まりだ! 死ぬ気で走りな!!」

 

 走り出したシンジ達。それを急いで追いかける。シンジ達は完全にアリーナ内を把握しているのか最短ルートを走っていく。

 アリーナなだけあってエネミーは当然居る。エネミーを避けながらだとどうしても遅くなる。もうシンジ達は財宝を1つ獲得したみたいだ。

 

「マスター、少し時間をくれ」

 

 ノービス? ってキャアッ!? な、なななんでお姫様だっこするの!?

 

「チャージ、フルブースト。セット…………フラッシュムーブ!!」

 

 くぅっ!? は、速い。目を開ける余裕もない。でも、これなら…………

 

「待ちな。鬼ごっこは終わりだぜ」

 

「お、お前どこから!?」

 

「ギリギリ2つ取られたか。まあいい。ぶっ潰す」

 

「くそ! お前なんてここでゲームオーバーにしてやる! エル…………ライダー! 財宝はあげたんだから、働けよ!」

 

「これっぽっちで何言ってんだい。全く、割りに合わない仕事だよ。けど、仕事は仕事。お嬢ちゃん、恨みっこなしだよ」

 

 戦闘が始まる。さっきまでの高速移動で頭がくらくらするけれど、大丈夫。指示はしっかりと出せる。

 

「しかし敏捷が上がったお陰で、フラッシュムーブを使えるようになって良かったぜ。サンキューマスター」

 

「余所見している暇があるのかい?」

 

「余裕だ」

 

 至近距離で放たれた銃弾はノービスを掠める事すらなく飛んでいった。昨日までの動きとまるで違う。

 

「すばしっこくなったもんだね。貯めた財宝、パーッと使い込んでいくよ!!」

 

 今のはノービスの武装拳と同じ自己強化のようだ。どのステータスが強化されたのかは分からないけど、面倒な事に間違いはない。こちらも対抗して強化していこう。

 

「OK。この身は強固な鎧なり、なんてな」

 

 ライダーである彼女に魔力攻撃はほぼ無いと踏んで、耐久を強化しておく。問題は相手の強化がこちらを上回っていた時だ。

 回避に専念するだけなら今のノービスでも十分のはず。今はセラフからの強制介入による戦闘終了を待てばいいので、それでもいいのだけれど、今後を考えたらそんな消極的な姿勢ではいけない。ここで倒すつもりで戦う。

 

 変幻自在に武器を変え、攻め続けるノービスの動きもこれまでの戦いで解析されているようで、上手く凌がれている。それでもこちらも情報収集の甲斐があって、相手の行動をそれなりに先読み出来ている……………………! そこっ!!

 

「プッ!!」

 

「含み針!?」

 

 フラッシュムーブで回り込んでから、一撃!!

 

「一気に行くぜ!!」

 

「こんのぉ!」

 

「おせぇんだ、っつ!!?」

 

 確実に決まるはずだった攻撃は、何者かによって防がれた。この場でそんな事が出来るのはただ1人。シンジだ。

 

「甘いんだよねぇお前。頭のいい勝ち方ってのはこういう事さ」

 

「たった1発、相手の攻撃を止めただけだろうに。でもナイスだったよシンジ」

 

「スタン攻撃か。油断したな。マスター、ああいう妨害系のコードキャストもある。覚えておけ」

 

 戦闘中に、マスターがここまで直接的に妨害出来るとは思ってもみなかった。自分の想像を超える行動を相手がしてくるというのを覚えておこう。

 

「さぁて、仕切り直しだねぇ。次はあんな姑息な」

 

「ボンッ」

 

ーードゴオォォォォォォンッ

 

 凄まじい大爆発。ノービスが何かしたのは間違いないけど、それが何かは分からない。爆発物を仕掛ける余裕なんてなかったはずだ。

 シンジは距離が離れていたので巻き込まれなかったようだが、彼のサーヴァントはそうはいかない。あの爆発だ。どれほどのダメージを負った事か。

 

「ゲホゲホッ…………こりゃ、流石にきついねぇ。戦闘続行は無理だ」

 

「ぼ、僕が負けた…………!? お前! 調子に乗るなよ! こんなまぐれ、千に一つもないんだからな! おいライダー! 何やられちゃってんのさ! 手を抜いたんじゃないだろうな!!」

 

「あん、手を抜いたぁ? そんなの、当然じゃないか!!」

 

 …………え? あのサーヴァントは何を言っているの?

 

「はあ!? ふ、ふざけるなぁ!! 何やってるんだよお前はぁ!?」

 

「いやぁ、アタシは本気でも、こればっかりは仕方ないっつーか。あくまでアタシは副官だよ。命じられた事以上の事なんて出来ないっつーか。金を出すのは主人の役目だし?」

 

「ま、負けたのは僕のせいだって言うのか、このポンコツ!!」

 

「べっつにぃー? そう聞こえたんなら、アンタ自身に何か思うところがあるんじゃないかい? 実際アタシは欲求不満だけど、気にするなよチェリー! 魔力不足で弾丸補充もままならなかったが、こんな事だろうと思ったさ!」

 

「うう、五月蝿いぞ! 黙ってろトリガーハッピー! 負けたのはお前が大雑把だからだ!! 僕よりあいつらが上なんて有り得ない! お前も分かっているだろ」

 

「おや、それを口にしていいのかい? アタシは商人だ。いずれ値打ち物になる物にだけは、歯に衣着せられないよ?」

 

「うっ…………き、聞くまでもないね! 行くぞ! 次はちゃんと勝てよ!!」

 

「あいあい、ヨーソローってか。そっちこそたぁっぷり弾ぁ用意してくれよ? アタシも借り作ったまんまってのは性分に合わないからねぇ」

 

 比較的余裕があったみたいだけど、あれ以上戦えば私達の勝利は確実だっただろう。その前にセラフによる強制介入があったろうけど。

 それよりノービス、あの爆発は何?

 

「オレの武器はナノマシンの粒子の塊だ。だから戦闘中に結構散らばるんだよ。その散らばった粒子の魔力をオーバーロードさせて爆発させたんだよ」

 

 そんな事したら武器がどんどん小さくなるんじゃないの? それと今見せる必要はあった?

 

「自己修復機能で増えるから残り一粒になっても数時間で元通りだ。今見せた理由としては、警戒させるためだな。さっきのような爆発は相当な数の粒子をオーバーロードさせる必要がある。いくら素手でも戦えるとはいえ、武器を一時的に無くす攻撃はそうそう使えねぇ。だがワカメ君達はその事実は知らねぇ。あの強力な一撃を無駄に警戒してくれるはずだ」

 

 なるほど。でもノービスって素手の方が強そうだよね。暇があるとトレーニングしているし。

 

「オレはまだ武器を使った方がつえぇよ。さて、これからどうする?」

 

 レベル上げ。武器は使えなくてもエネミーなら素手でやれるよね?

 

「任せとけ。明日の決戦、必ず勝とうぜ」




どうでもいい話

ミコト君の父、ユウトには弟がいますが、転生特典のない転生者だったりします。でもミコト君と戦うと楽勝です。ついでに三国無双の張コウやトリコのサニー並に美意識過剰。
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