ありふれた転生者は後ろにいる   作:新くさや

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第22話

 

 

 とうとう奈落に落ちてから次で百階層目、か。

 

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南雲ハジメ 17歳 男 レベル:76

天職:錬成師

筋力:3528

体力:3786

耐性:3702

敏捷:4404

魔力:3348

魔耐:3303

技能:錬成[+鉱物系鑑定][+精密錬成][+鉱物系探査][+鉱物分離][+鉱物融合][+複製錬成]・錬生[+生体精査][+精密錬生Ⅱ][+生体探査][+生体操作Ⅱ][+生体剥離][+生体増幅][+生体吸収][+高速錬生]・風魔法適正[+魔力消費減少][+効果上昇][+想像構成][+雷属性]・合気術・先読[+遅視]・魔力操作[+魔力放射][+魔力圧縮][+遠隔操作]・胃酸強化・纏雷・天歩[+空力][+縮地][+豪脚]・風爪・夜目[+暗視]・遠見[+拡視]・気配感知[+生体感知]・魔力感知・熱源感知・気配遮断・毒耐性・麻痺耐性・石化耐性・金剛・威圧・念話・言語理解

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 南雲もよくもまあここまでステータスを伸ばしたものだ。私の憑依分も入ってるが、技能数もちょっとおかしい。というか見辛い。

 

「ハジメ……いつもより慎重……」

 

「うん? えっと、次で百階だからさ。もしかしたら何かあるかもしれないと思って。一般に認識されている上の迷宮も百階だと言われていたから……まぁ念のためかな」

 

――ユエがいたのも五十階だったしねえ。いかにもって感じはするな――

 

「そうそう。定番って感じ」

 

「……そういう、もの?」

 

 まあそうと決まったわけではないが、念のため私もボス戦と考えて準備しておくとしよう。

 

 

 

 ――いやあ……ヒュドラは強敵でしたね!

 

 各種ブレスが強力なのは当然として、回復役に盾役、デバフ役もいて最後には起死回生のアタッカー。根っこは同じ癖にパーティー組んだみたいになってやがんの。

 分霊爆撃でいい感じに行動阻害出来てたし、デバフもなんかあんまり効いてなかったみたいで、割と順調に事が済んだかと思えば、あんな隠し玉を持ってやがった。

 

「はああ……ほんと……死ぬかと思った」

 

――あの銀頭、本当に好き勝手やってくれたなあ――

 

「ハジメ……目が……!

 

 ずっと生体感知してたから初撃はなんとか避けられたんだがなあ。ユエも私が無理矢理動かしてギリ重傷で済んだし。光の毒も妨害に回してた分霊の生体注ぎ込みまくる事でなんとかなった。

 ただ、妨害に回してた分霊を使うって事は、その分敵の攻撃も激しくなるわけなんだよな。あの無数の光弾にはほんと参った。おかげで南雲の右目が潰れてしまったし。

 

「うん、大丈夫……とはさすがに言えないけど、死ななかっただけよくやれたと思うよ。僕はまだ、前に進める」

 

――死ななきゃ安いとまでは言わんがね。なに、私が憑いている間は視覚くらい補ってやるとも――

 

「ありがとう、卯代さん」

 

――うむ。とにかくしばらく休憩だな。私も分霊を補充しないと――ぬっ!?――

 

 うわびっくりした……奥の扉が開いたのか。ボスラッシュとかじゃないよな……?

 

「とりあえず向こうの様子だけでも見てみよう。魔物が入ってくる可能性もあるし」

 

「ん……危険……」

 

――分霊を先行させる。二人はひとまず、例の水を飲んで体を休めていろ――

 

 さーて扉の先は、と……これは……もしや――?

 

 

 

――ほーん……〝神の遊戯〟に〝解放者〟ねえ――

 

「ハジメ……大丈夫?」

 

「あ、うん……にしても、とんでもない話を聞かされちゃったね」

 

「……ん……二人は、どうするの?」

 

――どうするもなにも、という感じだな。このオスカーとやらも自由にしていいと言っていたし、私は故郷に帰る術を探す。それだけだ――

 

「うん。元々、勝手に召喚して戦争しろなんていう神なんて碌なものじゃないと思ってたしね。この世界の住人の事も気にならないわけじゃない、けど……それでも、優先するべき事ははっきりしてる……僕は故郷に帰る。この世界の事は二の次だ」

 

――それより、ユエはいいのか? 前にも話したが、私達の世界では生きづらいかもしれんぞ?――

 

「私の居場所は二人の傍……他は知らない」

 

 まあ三百年近くも囚われの身だったものなあ。その上吸血鬼は滅んでるし。

 まさしく居場所が無いというわけだ。

 

――ならいいが……問題は、わざわざ召喚した私達という手駒が盤上から去るのを、あの性質の悪そうな神がみすみす見逃すのかって話だな――

 

邪魔するの? なら、神も僕らのなのかな」

 

「ぴぇっ……」

 

――落ち着け。ユエが怯えてるぞ……希望的観測で言うなら、奴の本命は勇者であって、それ以外はただ巻き込まれただけであまり興味は無いというパターン――

 

「勇者……誰だっけ。えっと……ああ、天之河くんか。そういえばこっちに召喚された時の魔法陣、確かに天之河くんの足元から出てたような」

 

――うむ。だが、仮に意図せず巻き込んだ召喚であったとしても、その上で私達が自分の駒だと認識されていたのだとしたら――

 

「そうだね……最悪、帰れたとしても、また召喚される可能性すらあるかもしれない」

 

「ん……聞いた話だけでも……神が傲慢なの、わかる」

 

 可能であれば、神を打倒するなり封印するなりしてから帰りたい所だが……その神に勝てなかった解放者。そしてその解放者が用意した程度の敵に苦戦する私達。とても勝てるとは思えん……しかし、だ。

 この魔法陣に乗った南雲と、私にもおまけのように刻み込まれた神代魔法。生成魔法だったか? うまく使いこなせば、抗う事くらいは出来るようになるかもしれない。とりあえずユエにも乗ってもらおう。

 

 

 

ここをキャンプ地とする!

 

「!?」

 

――いつからここはドイツになったのか……――

 

「あ、知ってるんだ卯代さん。えっと、冗談はともかく。二人とも、しばらくここに留まってもいいかな……? 地上に出れるのは確定したんだし、出たいのは僕も山々なんだけど……ここは、錬成師にとって、宝の山なんだ! オスカー・オルクスの残した道具や理論書もそうだし、迷宮深層の素材だって地上に出たら手に入らなくなると思う。それに、生成魔法を使いこなす時間も欲しいんだ。他の七大迷宮を攻略する時のためにも、ここで可能な限り準備しておきたい……どうかな?」

 

 そうだなあ。オスカーの手記から他の迷宮で神代魔法が得られると分かったが……思うに、神に抗うためには、それら全ての神代魔法を習得する事は最低条件(・・・・)だ。帰るために使える神代魔法を手に入れるためにも、迷宮攻略で躓きたくは無い。

 それに、ここの生成魔法は南雲に特に相性が良かったみたいだしな。

 

――私はそれで構わない。どうせ分霊の身だしな。――

 

「……私も。二人と一緒なら、そこが私の居場所だから」

 

 あらかわいい。

 とにかく、しばらくはここで戦術の拡充に努める事になったわけだ。分霊でしかない私でも、何かしら出来る事が無いか、考えておくべきだな。

 

 




ここから表パートしばらく無くなります
オルクスに潜りながらこそこそ腕を磨くだけなので・・・
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