ありふれた転生者は後ろにいる   作:新くさや

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もうだめえ・・・!


第31話

 

 

「すごいですぅ……誰も私の事を気にしてません! さすがウシロ様ですぅ……!」

 

 どやあ。

 まあ人の町に亜人族なんて悪目立ちしかしないからな。その上シアは珍しい髪色な上美少女だし、ユエもそうだけど魂魄魔法で普通に可愛い人間族程度に誤魔化していなければ、十中八九妙なトラブルが起きるのは想像に難くない。

 精霊の民()を冒険者として送り込むテストケースにもなるしな。

 

 今のところこちらを注視してる存在もいないし、門番も……ちょっとごたごたとしたが、忘れ(・・)させた……ヨシ!

 よくよく考えたら、教会に指名手配とかされた時のために出入りの記録とかもなるべく残さない方がいいのよね。ファインプレーだったのかも。

 普通ならステータスプレートっていう絶対的な身分証明書があるから、非合法なルートでも使わなきゃ誤魔化しようもないと思う。

 

 というわけで、今後はステータス見る奴の認識全部誤魔化していきましょうねー。

 

 

 

 ……押しの強いおばさんだったなあ。苦手なタイプだ。テンプレ的には冒険者ギルドの受付嬢といえば、未婚の美人が定番だと言うのに……まあ素材の換金も出来たし、ユエとシアのステータスプレートも作れたし、やたら有用な町の地図も手に入ったし、万々歳としておこう。

 しかし、ユエのステータスは大体想像ついてたが、シアも大概いかれたステータスしてたな……まあ大体私の分霊のせいっぽいんですけどね! でも、憑依の上乗せ量的には南雲の半分くらいのはずなのに、特化しすぎた身体強化のせいで白兵戦に限っては私や南雲のステータスに並ぶって、どういう事なの……いっそシアも魔物食わせて肉体改造した方が……? いや、魂魄を保護してなけりゃ分霊から浸食出来るだろうけど。

 懸念としては、肉体改造に耐えられたのが召喚された人間だったから。なんて理由があったのかどうかだろうか? それに神水の残りも限られてるし、白崎ちゃんレベルのヒーラーがいないのもネックかなあ。エルフにも回復魔法に適正があった奴はいたけど、まだまだ未熟だし。

 ……どっかで後腐れ無い亜人族見つけて実験出来ないかなあ。人間族なら山ほどいそうだけど、そっちで成功したからって亜人族でも大丈夫かどうか確信出来ないし。

 

 ん、宿に着いたか……それに、ようやく追いついたな。

 

「いらっしゃいませー、ようこそ〝マサカの宿〟へ! 本日はお泊りですか? それともお食事だけですか?」

 

「宿泊で。このガイドブックを見て来たんだけど、記載されている通りでいいのかな?」

 

「ああ、キャサリンさんの紹介ですね。はい、書いてある通りですよ。何泊のご予定ですか? ……あの~お客様?」

 

 キャサリン……キャサリンかあ。まあ若い頃はきっとお似合いの名前だったのではないだろうか。たぶん。

 

「え、え~と、それでお部屋はどうされますか? 二人部屋と三人部屋が空いてますが……」

 

「えっと、二人部屋二つで」

 

「……ハジメ、今更」

 

「ほんまに今更やなあ。今までさんざんくっついて寝てたっちゅーのに」

 

「……えっ? っ卯代さん!?」

 

「ミレイ……? 何で体ある?」

 

「え? えっ? どなたですか?」

 

「やっほー南雲。とりあえずツラ貸せや

 

「えええええぇぇぇぇぇぇぇ!?」

 

 私を精霊様にしてくれた恨み、忘れてへんからなあ……!

 

 

 

「誠に! 申し訳! ございませんでしたぁぁぁぁぁぁぁ!

 

「いや……えー……」

 

 何でシアに土下座されてるんですかねえ。ええおい? 南雲。寝てないでどうにかしろ。軽く折檻しただけだろうが。

 

「現界しておられたウシロ様に気付かず、疑いの目を向けるなんて、このシア、一生の不覚ですぅ……! かくなる上は、役立たずなこの目をウシロ様の糧にして頂くしか……!」

 

 いらない。本気で抉り出そうとするな。

 

「ミレイ……むふう……!」

 

「なんなのこの子? 御麗は僕のなんだけど?」

 

 あぁ^~お腹と背中が幸せなんじゃ^~でも収拾つかないからそろそろ落ち着こうか。

 

う……ううん……はっ! う、卯代さん!」

 

 ようやく起きたか。はよどうにかしろ……ん?

 

「卯代さん……本物の卯代さんだ……」

 

チッ……

 

 こら恵里、私が手を握られたくらいで舌打ちしないの。

 

「ずっと……卯代さんに会えたら、ずっと、言いたかった事があったんだ……」

 

「おん?」

 

「僕を助けてくれて、ありがとう。ずっと傍にいてくれて、ありがとう……! 卯代さんがいてくれなかったら、僕はきっと奈落の底で朽ち果てていた。運良く今の力を手に入れられていても、きっと理性の無い化け物に成り果てていた。卯代さんのくれる温もりだけが、僕を人間としてつなぎとめる(よすが)だったんだ……だから、卯代さん。本当に、ありがとう……

 

「いや、それは……はああ……私がおらんでも変わらんかった。運が良かったっちゅうてもしゃあないか。まあなんや、どういたしましてって言うとくわ。でもなあ南雲、私だけが縁っちゅーんは違うとおもうで?」

 

「ん……私も家族……ハジメを化け物には、させない」

 

「ユエ……」

 

「事情はよく分かりませんけど、私もこれからハジメさんを支えるですぅ! ウシロ様の御心のままに!」

 

 シアェ……

 

「えっと……うん。ユエ、シア、ありがとう……これからも、よろしく。その、卯代さんも、これからも、よろしく、ね?」

 

「はいよ。っちゅうか、今も南雲に分霊憑いとんやけどな……」

 

「それで、いつまで御麗の手を握ってるつもりなのかな……?」

 

「あっ! ご、ごめんっ、卯代さん! えっと、久しぶりだね、中村さん」

 

フンッ……!

 

「あ、あはは……」

 

 前途多難だなあ……

 

 

 

「僕は中村恵里。御麗とは姉妹みたいなものかな」

 

「……ミレイと姉妹なら、私とも家族みたいなもの……よろしく」

 

「ええっ!? ウシロ様とご姉妹という事は、ナカムラ様も精霊なのですか? し、失礼しました!」

 

 シアにはネタ晴らししといた方がいいのかなあ……ずっとこのままだと肩凝るぞ。

 

「んー……ユエだっけ? よろしく。それで……んふっ、えっと、シアだったかな? そうだねえ、僕も精霊だっていうのは合ってるよ」

 

「恵里!?」

 

「まあまあ……ただ、御麗ほど力のある存在ってわけじゃなくてね。言うなれば御麗の眷属みたいなものさ。立場としては君とさほど変わらないから、そんなに畏まらなくていいよ」

 

「眷属……! そのような方もおられたのですね……!」

 

「そうそう。これからよろしくね、シア」

 

 あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛! なんで私の周りには話をややこしくする奴しかおらんのだ!

 

「ミレイ……がんば」

 

 




ちなみにハジメくん、オリ主ちゃんが壁(丁寧語)を外してくれてほっこりしてるもよう

ところでヨスガって例のアニメ思い出すよね!
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