ありふれた転生者は後ろにいる   作:新くさや

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魔王堕ち前に露骨に好感度を稼いでいくスタイルの初投稿です

御麗<(喋り方の使い分けくらい)できらぁ!


第04話

 

 

 ふむん。一応聞いてみるか。つんつん。

 

「南雲くん、おはようございます」

 

「ぴょっ!?」

 

 いや、そんなぎょっとした顔して驚かなくても。というかすごい声出たな今。

 

「え、あ……お、おはよう。卯代さん」

 

 あ、すごい周り警戒してる。白崎ちゃんじゃあるまいし、私に話しかけられたところで別にやっかむ奴はいないと思うが。

 

「今、少し時間をもらってもいいですか?」

 

「えっと、うん。大丈夫だよ」

 

 さて、何から聞くべきか。

 

「南雲くんはここで何か調べていたんですか?」

 

「あ~っと、うん。とにかくいろいろ……ほら、僕って戦闘職じゃないし、ステータスは最弱だし、魔法も適正が無くて技能も戦闘に使えない錬成だけだから、せめて知識だけでも溜め込もうって、さ」

 

 おや、錬生(・・)師? 私と同じか。確かに直接的な戦闘能力は無いからなあ……ステータスや他の技能に恵まれなければ戦闘は難しいか。

 

「そうだったんですか? でも、偉いですね。そんな状況でも、ふてくされないで自分に出来る事を見つけて励めるなんて」

 

 よしよし。えらいえらい。

 ……うん。南雲は弟妹じゃなかったな。すまない。

 いや、ちゃうねん。だってなんか南雲が孤児院(うち)の子らみたいな雰囲気出しとんやもん! 二週間でどんだけ追い詰められとんねん!!

 だからそんな涙目で顔赤くしないでもらえます? 私だって同級生の男の頭撫でて悦に浸る趣味なんてないんだよォ!

 

 あーもう、やめやめ。南雲もなんか固まってるし無かった事にしよう。

 で、何を聞こうと思ってたんだったか。

 

んンっこほん。ええと、それでですね……ああ、そうそう。良ければですが、私達(・・)から見て、役立ちそうな本があれば教えてもらえませんか?」

 

「え? ええ……? あ~……えっと。その、どんな事が知りたいの? 僕が調べた事でよければ、説明しようか?

 

 む? ……うむ。よきにはからえ。

 

 

 

 ふむふむ。

 南西にオルクス大迷宮。西にグリューエン大砂漠、オアシスのアンカジ公国にグリューエン大火山。その先に海上の町エリセン。

 東にはハルツェナ樹海や中立商業都市フューレン。その先にはヘルシャー帝国。

 南にはライセン大峡谷を挟んでシュネー雪原やその奥に氷雪洞窟があり、大陸中央には魔人の王国ガーランドがある、と。

 意外に国が分かれてるな。エヒトとやらは創世神だとか言われていたが、王国以外への影響力はそれほどでも無いのだろうか……?

 

 いや、創世(・・)神だと言うのなら魔人族を作ったのも創世神なのでは……?

 魔力を持たない亜人族が神に見放されてるのなら、魔法的資質に優れる魔人族の方が人間族より神に愛されているのでは……?

 エヒト神とやらが本当に存在しているのか、いたとしてそれは本当に創世神なのか。

 教会の意向は神の意思ありきなのか、それともただの戦争の神輿なのか。

 まあこの辺りの事は王国内で調べるわけにもいかないが、やはり座学で教わった事だけでもいくらか違和感を抱くことを禁じ得ない。何か私達がまだ知り得ていない理由があるにしても、だ。

 

 

 

「――なるほど。亜人族には土人族(ドワーフ)森人族(エルフ)獣人族(モフモフ)を含めて亜人族という事なのですね」

 

「うん。他にも翼人族とか、海の町には海人族っていうのがいるんだって

 

 何の話をしてたのだったか。とりあえず南雲は異世界に少なくない憧れがある事は分かった。だんだん声が大きくなってきて司書っぽい人に睨まれてるし。まあ単に現実逃避してるだけかもしれないが。

 

「へえ……と、ああ、もう訓練の時間ですね」

 

「え? あっヤバイ!」

 

「ごめんなさい、結局長々と時間を取らせてしまって。でも色々と話が聞けて助かりました。ありがとうございます」

 

「あ~いや、全然大丈夫だよ! それよりもその、僕の方こそ、えっと……ありがとう

 

「はい?」

 

 何の事だろうか。会話に飢えていたとか?

 

えっと、あ~……それよりもほら、急がないと!」

 

「まあいいですけど。ああ、私は友人を部屋に迎えに行かないといけないので、先に行っていてください

 

 念のためだが、訓練の時間までに戻るか聞かれたし、鈴が誘ってないとも限らないけどたぶん恵里の事だからまだ部屋にいると思う。

 

「そっか、じゃあ先に行ってるね。その、また何か気になる事があったら調べておくから、その時は遠慮なく言ってね」

 

 おや、返事をする間もなく行ってしまった。まあ自主訓練にも時間使いたいし、調べてくれるというなら助かるが。

 

 

 

「ああ恵里、やっぱりおった」

 

「おかえり御麗、遅かったじゃないか。もうすぐ訓練が始まっちゃう時間だよ?」

 

 案の定である。やたらと安らかな表情でベッドにごろ寝してるし。

 

「ん、図書館に行ったら南雲がおってな。聞いてみたらここしばらく図書館に入り浸っとるっちゅーんでまあ、丁度ええかなって色々聞いとってん」

 

「ふうん……?」

 

「まあそのへんの話は向かいながらにしよか。さすがにそろそろ行かな遅れるわ」

 

 

 

「――ちゅうか、私が先行っとるやろ思て直接こっち向かっとったらどうすんねん」

 

「大丈夫だよ。その時は、御麗が僕がいない事に気付いて部屋に迎えに来てくれるから」

 

「はあ? ああー……まあそうやろうけど」

 

 釈然としないのは何故だろうか。まあ時間ギリギリだが訓練の時間には間に合ったのだから良しとしよう。

 

 ……なんか一部の奴らの雰囲気がおかしいな。何かあったか?

 白崎ちゃんがチラチラ南雲の事を見てるのはいつもの事だろうが、やたらと心配そうに見える。ふむーん。

 

 

 

「明日から、実戦訓練の一環として【オルクス大迷宮】へ遠征に行く。必要なものはこちらで用意してあるが、今までの王都外での魔物との実戦訓練とは一線を画すと思ってくれ! まぁ、要するに気合入れろってことだ! 今日はゆっくり休めよ! では、解散!」

 

 




※この小説に精神的BLは含まれておりません

※この小説に精神的BLは含まれておりません

大事な事なのでry
まあほら、オリ主ちゃんも外面は女の子なので。
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