ありふれた転生者は後ろにいる   作:新くさや

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オリ主ちゃんだるそうなので初投稿です


第09話 表

 う゛あ゛ー、だるう……なんかデジャヴ。

 

 オルクス大迷宮から逃げ帰って、もう三日。虚脱感が続いている。

 錬生しても若干楽になるだけで一向に快復する様子が無い。まあ分霊分の生体減ったまんまだからなあ……そりゃ治らん。

 ステータスが小刻みに戻っていってるから、どっかから補充してるのか身体が生産してるかで不足分が補完されてるっぽいのは確かだけど。しばらく錬生に集中した方が効率いいかな?

 

 あの時。南雲の錬生のステータスの足しにと憑依させた分霊。

 私もかなり必死だったから同期はしてても意識からは外してたんだけど、南雲が奈落に落ちてしばらく。ふと、何か落し物をしたような気分になったんだよね。それがどうも"意識してなかったけどしてはいた同期"が外れる感覚だったらしい。前日に習熟したばっかで出来る事なんて、別々の体から伝わる感覚で混乱しないように意識から外す事くらいだったんだから仕方ないと思う。

 そういや南雲に憑依させっぱなしだったなーと思い出したけど、結局分霊はどうなったんだろう。コントロールを失って霧散したのだろうか? あるいはそのまま南雲に同化? まさか独立して彷徨ったりはしないだろうけど……

 

 まあなんにせよ分霊は諦めるしか無さそうだ。仮に近付けば戻せるとしても、もう一度あそこまで行った上で奈落に落ちたのと等しい距離近付かなければいけない。しばらく大人しくして回復に努めよう。

 

 南雲に関しては……まあ、十中八九死んだだろうな……仮に分霊と同化したとしても、その程度で助かるとも思えない。あるいは落ちた先が水場であったり、先に落ちたベヒモスの体をクッションにすれば生き残る目は出てくるが……食べ物が無い。魔物の肉なんて食べたらそこで終わりだし、餓死するまでに助けが来なければそれで詰みだ。

 

 そして、助けは出ない。

 

 私も含めて、誰も南雲の生存を信じていないし、お姫様(白崎ちゃん)が気を失ったままあの日から目覚めていないらしく、勇者は動かないだろう。

 そして、勇者が動かないなら他の奴らが動くはずもない。理由は多少違えども、結局私も動かないのだから責めるつもりもないがね。もし生きていたのなら、南雲は恨んでくれていい。いずれ遺品だけでも回収出来ればいいが……

 

 それはそれとして、檜山の件だ。

 ほぼ確実にこいつは黒なんだが……証拠が無いんだよなあ。状況証拠がいくつかあっても決定的では無いし、そもそも私の言う事が周りにどれだけ信用されるか……他に見た者がいればいいのだけど。

 とはいえ、私としては思うところなど……まあ嫌悪感くらいしかなかったのだが、自らが作った窮地から私達全員を、そして自身すら救った功労者を、一方的で下らない嫉妬などという感情任せに陥れるような卑劣漢を野放しにしておきたくはない。

 一応鈴にそれとなく話しておいたが、うまい事広まっているだろうか? 友人を利用するようで心苦しいが、私と恵里はそういった事に向いてない。この仕込みがうまくいけば、周りの目が檜山を縛る事になるはずだ。

 

 逆に言えばうまくいくまでは野放しって事なんだよなあ……今の体調じゃ分霊で監視する事も出来ないし、取り急ぎ八重樫ちゃんにだけは警告しておくか。暴走する野獣に眠り姫が襲われかねないし。

 

 

 

 八重樫ちゃんは普通に話せる数少ないクラスメイトだ。割と現実的な思考する子なので話しやすい。幼馴染組に甘いと言う所を除けばの話だけど。まあその辺は情もあるだろうし仕方ないか。

 という訳でのっきんぐなう。いん白崎ちゃんずるーむ。

 

「……卯代さん。どうしたの? 香織はまだ……目を覚ましていないわ」

 

「いえ、今日は白崎さんでは無く、八重樫さんにお話がありまして。少し時間を貰えませんか?」

 

「それは構わないけれど……あまり香織の傍を離れたくないの。ここでしてもらってもいいかしら」

 

 まあそうだよなあ。うーん、もし白崎ちゃんに聞かれたらって思うと少し不安だけど、八重樫ちゃんも離れるのは不安だろうし、仕方ない。という事で部屋に入れてもらった。鈴も連れてきて白崎ちゃん見ててもらえば良かったかも。

 

「それで、話って何かしら?」

 

「そうですね……南雲くんに魔法を当てた人の話です」

 

「ッ!?」

 

 うんまあ起きてないか確認するよね。

 

「っどういう事? どうしてそんな話を?」

 

「私はあれが故意に当てられたものだと思っています。そしてそれは白崎さんに関わる事だとも」

 

 混乱の極みといった様子の八重樫ちゃんだが、それも収まらないうちに訥々と話しておく。

 当日は、朝から檜山が何度も南雲をねめつけていた事。

 前日の夜、白崎ちゃんが南雲の部屋に出入りし、それを檜山が憎しみすら宿っていそうな表情で見ていた事。

 南雲に魔法が当たった直後、檜山は薄ら笑いをしていた事。

 

「所詮状況証拠に過ぎませんし、私の考えすぎかもしれませんが……もし想像通りだとすれば、彼のタガは外れてしまっています。そうなれば危険なのは……」

 

だからってそんな、まさか……いえ、でも確かに、彼は香織の事を――」

 

 

 

 とりあえず警戒は促せたかな? しかし八重樫ちゃんですらあれを誤爆だと思っていたなら、他の奴らもそう思っていそうだな。仕込みがうまくいってればうまい具合に誘導できそうだけど……あれに台無しにされないといいなあ。

 

 あーだるい。

 

 




体調不良でオリ主ちゃんじゃっかんゆるい感じ
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