【完結】男性向け同人エロゲの女主人公だけは勘弁してください! 何でもしますから!! 作:どうだか
タイチとユウ*1には、生きていてほしかった。幸せになってほしかった。あの二人が笑って生きる未来の一助になれるなら、僕にとってこのうえない幸福だった。
だから、僕が死んでも構わないと思っていた。
──まさか、命拾いするとは思わなかった。
しかも、僕みたいな
軽く助走をつけ、屋根から屋根に飛び移り、真っ直ぐ
たしか、日中は”姉”とやらが起きているから自由に動けないとほざいていた。だからこそ、恩返しをする時間の余裕があったのだが*3。
脳裏の広域地図に点在する”血痕”。ついさっき増やしたばかりの”血痕”は、微動だにしていない。本人の望みとはいえ、だいぶ無理を強いたから、たぶん寝てるのだろう。
それにしても、変わったコだった。
移動しながら、二人目の
そうしなければならないという、強迫観念。
タイチとは、また違う方向で揺るがない瞳と感情。まあ、さすがに、僕が正体をはぐらかしたときは怒ってたか*4。女ってやつは、ああいう受け答えをするとすぐ怒る*5。
それはさておき。あのコのしてほしいことが、短時間で済むうえに僕がすぐできることでよかった。命を救ってもらった恩返しが、きちんとできた。
『命を助けてもらってこれだけじゃ、釣り合ってない!』
僕の目を見てそう言い切ったタイチの姿を思い出す。
「……ふ」
なんとなくおかしくなって、唇の端が吊り上がる。彼に恩返ししてもらった僕が、誰かに恩返しすることになるなんて!
ああ、本当にタイチの言うとおりだ。僕は、なんて狭い世界で生きていたんだろう。
”血痕”の感知に、おぞましい気配とそこから溢れる殺意が引っかかった。圧倒的な”死”の概念が叩きつけられる。怖ろしい。過去に置き去りにしたはずの恐怖が、じわりと胸に去来する。
──タイチとユウが、僕の世界から失われてしまうことが、何よりも怖ろしい。
だから、僕は立ち向かう。
それに──
「またね、と言ってしまったし」
約束は、守らないと。
そうだろう?
命の危機にあるというのに、僕を見つけて破顔する