【完結】男性向け同人エロゲの女主人公だけは勘弁してください! 何でもしますから!!   作:どうだか

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第三十二話 繁華街へ逆ナンに行こう!

 年度末が近づき、少しずつ寒さが緩み始めた今日この頃。私は、処女でなくなること半ば諦めていた。

 

 だって! これまでいろいろとやってきたけど、ぜんぜん上手く行かなかったんだもん!!

 

 さすがに疲れたわ!!

 

 そろそろ腹をくくって、同人エロゲの”女主人公”を回避するのは諦め、”女主人公”になった後の対策に注力した方がいいかも。などと考えていた時だった。

 

「逆ナンに行きたい~~?」

 

 あまりにも突然の提案に、思わずすっとんきょうな声をあげてしまった。電話の相手であるTS”ヒロイン”ちゃん*1は、プンプンと怒った様子で『そう!』と返事をする。

 

「いやいやいや、誘う相手を間違ってませんかね? ワタシ キミにフられた オーケー?」

 

『そうだけどさぁ……』

 

 さっきまでの勢いはどこへやら。しおしおと元気が無くなる。

 

『たしかにね、僕はフられたし、友だちのままでいるってことに納得したさ。でもさ! まったくもって依然と対応が変わらないって何!? たまに「あれ? 僕って女のコになったんだよね??」って思ってしまうレベルで! 対応が! 変わらない!!』

 

「見た目で対応を変えないなんて、めちゃくちゃいい人じゃん」

 

 おっと思わず余計なことを言ってしまった。TS”ヒロイン”ちゃんは、ヒートアップしていた気持ちがシュンと萎えたらしく、めそめそ泣き始めた。

 

『そうなんだよぉ~~!』

 

 相変わらず、親友”主人公”くんに関することは、情緒の乱高下がスゴい。ただ、これでもマシになった方だ。もう三ヶ月近く経ってるし。

 

『そういうところが好きだったんだよぉ~~!!』

 

 好きだったというか、今でも好きで気持ちの整理*2が追いついてないんだろうなぁ。

 

『だから逆ナンに行く!! 女の子扱いしてもらう!!!!』

 

 なるほどね。女の子としての意識を高めつつ、前の恋を忘れるための逆ナンかぁ。

 

 まあ、TS”ヒロイン”ちゃんは、ものすごく可愛いので、逆ナンなんてちょちょいのちょいだろう。

 

 しかし、ここは男性向けエロゲみたいなことが起きる世界。前世の日本と比べると、治安がものすごく悪い。そのうえ、犯罪のほとんどは”主人公”たちや”ヒロイン”たちに集中する。

 

 そんな世界で、”ヒロイン”が繁華街で逆ナンなんてした日には……即堕ちでアへ顔ダブルピース待ったなしだ。

 

 けれど、『逆ナンに行く!』と息まくTS”ヒロイン”ちゃんに「危ないから止めなよ」と言ったところで、逆効果になりそうだよねぇ。『一人でも行く!』とか言い出しそう。

 

 ロクなことにならないだろうと知りつつ、TS”ヒロイン”ちゃん一人で逆ナンに行かせて、何かあったら後味悪いよなぁ。ついていってそれとなく逆ナンを阻止した方が、なんぼかマシか。

 

 せっかくだからショッピングとしゃれこもう。ちょうど春服が見たかったんだよね。

 

『じゃあ、今週の土曜日! 11時に駅前で!!』

 

「へいへい」

 

 ──そもそも。

 

 好きな相手から女の子(トクベツ)扱いされるからうれしいのであって、どうでもいい相手からチヤホヤされてもうれしくない(というか怖い)と思うんだけど。

 

 まあ、ここら辺は個人差か。

*1
彼女とは、なんやかんやで、たまに電話でおしゃべりする仲に落ち着いていた。

*2
私? 私はねぇ、TS予定イケメンくんとTS”ヒロイン”ちゃんが別人に思えて仕方ないので、そこはもう割り切って考えてる。

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