エロゲー世界のモブは、ラスボスを拾ってしまった。 作:すぺしあ
人間がモブになるのは戦争と災害と、それから怪獣だと言った。
であれば戦争は? この夢幻世界にそれは存在しないのだろうか、もちろん答えは否である。
ゲーム、
『無限奇譚』はそもそも燃えゲーである。燃えにはバトルが付き物で、主人公たちはその中で戦い勝利するのだ。色々なものを失いながら。そして、そもそも失ったことを認識すらされないのは、モブとしか言いようがないだろう。
奪う側と、奪われる側。俺は間違いなく後者だった。
そして、
「ああああ、どうして夢幻機関の連中と、縛の戦いに巻き込まれなくちゃ行けないんだよ!」
俺は今、戦場のモブに成り果てていた。
それは戦闘要員ですらなく、戦地に紛れ込んだ民間人。これが普通の戦争なら、まだ同情される立場の存在である。しかしこの世界は常在戦場、どこでこのような戦闘が行われるかわかったものではないのである。
そして、そもそもこの世界に民間人と呼べる立場の存在は厳密には存在しない。
俺だって、そうだ。ただ立場がモブであると言うだけで、強者になすすべなく吹き飛ばされる立場であると言うだけで、決して守られる存在ではないのだから。
第一この世界に、モブを守るような連中は存在しないのだから。
「兄ぃ、声おっきいと、見つかっちゃうよ?」
隣から呼びかける者がいる。ランだ。俺の同行者。旅の道連れ、俺を兄と呼んで懐く少女。そして、この世界で最も脅威とされる災害だ。
「これだけ戦闘の音が激しければ、見つからないよ」
俺はそう答えて、物陰から戦闘の推移を見守っていた。
上空では二つの勢力が戦っている。
一つは、どこか現代的な甲冑と呼ぶべき装備に身を包んだ男たちだった。年齢は十代後半から二十代前半。甲冑というか3Dのための機材とでも言ったような装備だが、サイバネティックな騎士とでも呼ぶべきだろう。彼らは統一した装備を身に纏っており、組織的な集団であることが窺える。
対するは年齢も性別もバラバラ、着ている服装も現代的なものから、ファンタジー風なものまで、中には耳がどう見てもエルフ耳な者もいる。こちらはそもそも戦闘に連携の概念がないのか、同士討ちすら発生していた。
片や連携の取れた、光の散弾をばら撒いて、地面を抉り吹き飛ばしている。この間の怪獣の熱線と比べれば大したものではないが、秒間数発飛んでくるのは間違いなく脅威だ。
それを連携という概念のない統一感という言葉をかなぐり捨てた連中は、それぞれの武器で散弾を弾き飛ばす。涼しい顔で、中にはドチンピラとしか言いようのない笑みを浮かべながら暴れ回るものもいる。連携故に抑え込まれてはいるが、個々のスペックで見た場合、総合力はこちらの方が一段上だ。
そのように、それぞれ二つの勢力がこの場でぶつかっているのだ。どちらの勢力も、俺はよく知っていた。
「どうする、兄ぃ」
「このまま戦闘が終わるのを待つ、両方の勢力から逃げ切るのは難しいけど、片方なら行けなくはないだろ」
いける、とはいえないのがモブの悲しいところだ。
ただ、そもそもランが聴きたいのはそこではないだろう。彼女はなんたって、災害なのだから。
「んーん、吹っ飛ばさないの?」
「吹っ飛ばさない、ラン、加減をすれば彼らを夢散させずに追い払えるか?」
「わからない……」
そういうことだ、とランの頭を撫でる。この世界のラスボス様にとっては、今あそこで戦っている連中すらモブなのだ。だから吹き飛ばすコトは簡単だ。吹き飛ばしたものの中から、命というやつだけを取り出すことよりは、よっぽど。
「あとね、アレ……」
そして、ランは話題を変えた。自分たちのことではなく、それ以外のこと。
そろそろ意識を向けなくてはならない相手に、意識を向けるべきなのだろう.
俺が視線を向ける、その先で。
「どうなってるんだ、これは!」
冴えない風貌の、スーツ姿のおっさんが叫んでいた。
そもそも、この戦場に俺たちが紛れ込んだのは偶然だ。本当にたまたま近くを通りかかって、そして彼を放っておけなかったからこうして彼と共に隠れているのである。
いかにも、現代的な、こんな世界のことなど思い描いたこともないような、とにかく普通のおっさんだった。
俺と同じ、モブだった。
「き、君たちは言ったいなんなんだ!? 彼らは一体何をしている! 夢!? 夢幻世界!? 何を言っているかさっぱりだ!」
「落ち着いてくれ、俺はあんたの敵じゃない。こっちはラン、俺はーー」
「兄ィ」
ランにインターセプトされた。
「君たちは……そうか兄妹か。お、教えてくれ……私はどうなってしまったんだ!?」
おっさんが俺に縋り付いてくる。やめてくれ、おっさんに縋りつかれても嬉しくない。というか単純に息が臭い。
スーツ姿のサラリーマンって割には髭も無精髭だし、いまいち清潔感がないおっさんである。
「ここが夢で、夢幻世界って名前だってコトは聞いてるんだな。悪いけどいちいちそこは説明できない。時間がないんだ、落ち着いて聞いてくれ」
「しかし……」
「あいつらは、それぞれ別の勢力だ。装備が統一されているのが夢幻機関だ」
食い下がるのを無視して続ける。おっさんはそこら辺は物分かりがいいのか、俺が説明する気はないとみるや、すぐにそこは流した。というか、萎縮したようだった。
そんなに圧をかけて話しているつもりはないのだが。
「あ、ああ……聞いた。私が目を覚ました時、彼らがそばにいたんだ」
「なんて言ってたの?」
ランが問う。俺はすぐにその内容に察しがつくが、ランにまでそれを求めるには無茶だろう。ランはまだ幼いのだ。
「この夢幻世界に大いなる秩序の在らんことを。夢幻機関の名において、私を保護する……と」
「だろうな、まぁ、見ての通り彼らは組織だよ。この世界の警察と思ってもらって構わない」
若干語弊があるが、そこを語っている暇はない、
「対して、あの統一感のない連中は、縛」
「バク、とは夢を食うという、あの?」
「そうだ。ただし、漢字では縛ると書いてバクと読む。縛って言うのは組織じゃなくて、言うなれば種族だ。種族の特性に縛られるから、縛。そう言われてる」
その言葉に、おっさんはまた首を傾げた。
現実感がないだろう、どう見ても人にしか見えない彼らが、人ではない、などと。
「彼らの獲物はおっさん、あんただ」
「私……!? 彼らが人喰いだとでもいうのか!?」
「そうだ」
俺の即答に、おっさんは息を呑んだ。
信じられない、と顔に出ている。当たり前だ。俺だって信じたくない、だがおっさんは何も言い返さなかった。言い返せなかったというのが正しそうだが。
「で、では警察に保護を求めれば……!」
しかし、すぐにそう言って立ち上がり、おっさんは物陰から飛び出そうとした。
しまった。警察と言ったせいで夢幻機関に対する信用が生まれてしまったか。俺は慌てて彼の手を引いた。直後、
おっさんが飛び出そうとした場所に、夢幻機関の連中の流れ弾が飛んできた。
地面を軽くクレーターにして、人なんて一瞬で溶かしてしまいそうな一撃だ。殺意しか感じられないそれに、おっさんは思わず悲鳴と共に飛びのいて、数歩後ずさった。
「な、なんで!? 彼らは私がここに逃げ込んだことを知っているはずだ!」
「見ての通りだよ」
俺がそう言った直後、俺たちが隠れる岩盤が揺れた。これも、夢幻機関の攻撃の余波だ。ヘタをすると、壁が持たないのではないかというほどの。
「うわああああああああああ!」
「落ち着け! 逃げ出したところで蜂の巣にされるだけだ!」
結局のところ、秩序というのは彼ら夢幻機関にとっての秩序だということ。俺たちモブは、そんな秩序の外にしか存在できないということだ。
この夢幻機関、ゲームにおいては主人公たちが最初に保護される組織である。秩序を謡い、主人公を保護する組織ともなれば、要するに善玉であると誰もが思うだろう。
しかし、実態はこれだ。
ゲームの主人公には記憶がない。そんな主人公に世界観を説明するための組織。だから表向きは品行方正に見えるし、とある事情から主人公たちを助けてくれもする。
だが、決して善良な組織ではない。プレイヤーにこの世界へ行きたくないと思わせるには十分な理由だった。
「……どころか、夢幻機関にとってはあんたは消えてくれた方が助かる存在なんだよ。敵対する縛の餌が減るんだから」
「じゃ、じゃあなんで今すぐ私を殺さないんだ!?」
「それは……」
俺は少しだけ苦笑いしながら、ランを見た。
まぁ、この場におけるモブではない存在はランしかいないのだから、そういうことだ。
「そもそも、どうして縛という連中は私のようなやつを狙うんだ。人間を襲うなんて、普通じゃない」
話が移る。夢幻機関が碌でもない組織であるという現実が動かない以上、気にするのは縛の方だ。まぁ、残念ながら連中もまったくもってろくでもないが。
「人間じゃないよ」
俺は、おっさんの方を見て、言う。
「虚夢だ」
「……虚夢?」
虚夢。
この世界に落ちてくるモブ、夢の世界に人間はいない。もともと、この世界には怪獣しかいなかったんだ。無数の夢がごちゃごちゃになって、そして嵐によって夢散ことで巡回する。
そんな世界に落ちてきた、バグ。
彼らは――
「おっさん、あんた死にたいと思ってるだろ」
――心の底から死を望むことで、この世界に落ちてくる。
「なっ――あ、いや、私は……」
「取り繕わなくていい、この世界にいる人間は、皆死にたいんだ。死にたくて、消えてしまいたいからここにいる。それを俺たちは虚夢と呼んでいる」
見ればおっさんは、今にも死んでしまいそうだった。
身なりがいいわけではない、清潔というわけでもない。ただ、意思は弱く、死にたいと思っても誰かに背中を押してもらわなければ、死のうとも思えないだろう。
だから、おっさんは――
「私は……そうだ」
俺がそれを指摘したその時から、正気に返った。
思い出したのだ。
「どうして、死ねていないんだ?」
それまで困惑と混乱に支配されていたはずの一般人が、この状況に耐性どころか理解すらないはずの凡人が、どうしてか、それを理解した瞬間に、受け入れてしまった。
死という存在を。
生きていく上で、おそらく最も縁遠いはずのものを、当たり前のように。
「…………くちゃ」
「……え?」
おっさんは、ポツリと零した。
「死ななくちゃ」
「あ、ちょ――」
異様。
冷静になったはずの男が、しかしまるで正気とは思えないことを呟いて、死ににいく。その姿は、まさしく異様。だが、違うのだ。
虚夢にとってはこれが普通の行動なのだ。
だから――
「ちょっと待った」
それを止めるのは、俺の声ではなかった。
ランでもなかった。
この場にいるはずのない第三者、どこからともなく現れた声だった。
少女の声だ。彼女は空白から現れた。まるで最初からそこにいたかのように、俺と、ランと、それからおっさんのそれぞれ対角線上に、意味があるかのように現れたのだ。
探偵、という職業を想起した時、きっと誰もが彼女と同じ姿をしているだろう。年の頃は十四かそこらに見える幼さで、鹿撃ち帽を抑えながら、ニヒルな笑みを浮かべる少女は、まるで人を喰ったようなと評するにふさわしい、そんな出で立ちをしていた。
「な、なんだ――?」
おっさんが視線を向ける、突如として現れた乱入者、彼女は俺とランに一瞥してから、おっさんに近づく。何かを観察するように、探偵が犯人を追いつめるように。
そして、しばらくそうしていると、
「……この場から、逃げ出したいかい?」
そう、問いかけた。
「い、や――」
問いかけて、おっさんが否定するより先に、畳み掛ける。
「アレらに殺されるのを、許容できるのかい?」
そう、指を指した。
ただのおっさんでしかない彼の目の前に、
戦場が広がっていた。
「考えてもみれば、理不尽な話。彼らは君を巡って争っているが、しかし彼らの目的は君ではない。解るかい? 君でなくともいいんだよ」
「……おい」
少女は、
「君は虚夢という立場に置かれただけに過ぎない、ただそれだけの理由で、君は夢幻機関に排除されようとして、そして縛の餌になろうとしている」
「……おい!」
少女は笑っていた。
その意図は、読めない。楽しげでもあり、慈しむようでもあり、あざ笑うようでもあり、唆すようでもある。否、彼女は常に笑っているのだ。
笑み以外を忘れた女――
「それを……本当に許容するべきなのかい?」
「おい、ヒュノ!」
俺は、彼女の名を呼んだ。
「ぁ、ぅ……」
おっさんは、完全にヒュノにのまれているようだった。無理もない、こいつはおっさんの心のなかにある本音を引き出しているに過ぎない。
今、彼女が口にしたことは全ておっさんの本音だ。
そして、おっさんのような人間が、絶対に口には出せない言葉だ。
が、しかし。
「もう、お兄さんはせっかちだなぁ、なぁラン?」
「……そうじゃない」
「ランまでそんな事を言うのかい?」
ちがう、そういうことではなく。
俺たちがいいたいのは、おっさんに対してではなく、ヒュノ自身のことだ。
「…………バレてる」
そう言って、ランは上を指差した。
先程まで戦場だった空中に、静けさが戻っている。それは、理由は明白以外の何物でもなかったのだ。なぜなら、これまでただ闘争本能をぶつけ合うだけだった縛ですら、手を止めている。
手を止めなくてはならない存在がいる。
今、この場において、
「……おや」
笑っているのは、ヒュノ唯一人。
俺とラン、おっさんを覗く全ての存在が、ヒュノに武器を向けていた。
「歓迎されてしまっているなぁ。もちろん、わかっているよ。でもね……無視してくれると思ったんだ」
見上げて、両手を広げて、武器を向ける連中に視線を送りながら、また、笑う。
「だってボクがこんなにも皆のことを愛しているのに、皆がボクの邪魔をするはずないんだから!」
そして、
「好きだ! 愛している! 皆ボクと一つにならないかい!?」
直後、彼らの攻撃が全てヒュノに対して向けられた。
「……逃げるぞ!」
「おー」
俺はランをひっつかんで、即座にその場を離れる。おっさんは無視だ。だってこのままなら、ヒュノがおっさんを守るだろうから。
こっちは守ってくれないんだよな! 俺がモブだから! 興味がないってことだ!
そもそも――
「んー、全員下層まで使えるのか。練度が足りないな……そうだ」
ヒュノはそれを前に、まったくのんきな口調で口元に指を当て、
「ボクは上層で相手をしてあげよう」
その手を、上に上げた。
「急げラン! ヒュノの攻撃に巻き込まれる!」
「おー」
――そもそも、この場合危険なのは、ヒュノの攻撃を間近に受けることだ。
「上層“ハーモニクス”」
直後、
この場に存在していた戦争は、俺たちモブが、いくら生命があっても足りない戦場が、またたく間に、跡形もなく消失した。
遠く離れた場所で、ランの手を引いて俺は見る。
――これが、
これが、『無限奇譚』ルートボスの一人、“
そしてこいつが追いかけるのは鹿ではなく、俺たちだ。ディアストーカーとはよく言ったものである。
ああ、本当に。
どうして俺は、俺達は……こんな奴に目をつけられてしまったのだろうな?
:::
――戻ってくれば、おっさんはヒュノの手の中へと溶けて消えていた。
縛の一人であるヒュノは、当然ながら虚夢を餌とする。この場に現れたのも、ランと話をするついでに、おっさんを食べに来たのだろう。
結果として、縛たちはほうほうの体で逃げ出し、夢幻機関の連中は、跡形もなく消し飛んだわけだが。
「一応、縛を夢散させなかったのは、君への配慮なんだよ? ――ラン」
そう言って、消えゆく彼を抱きしめるようにしながら、ヒュノは言う。
――彼女の表情の中に、おっさんへの興味は微塵もなかった。
「君の教育に悪いと思って、ボクも無駄な殺生は控えているんだ」
「…………」
「警戒されているね」
残念だ、とヒュノはランを見る、どこか威嚇めいて唸り声を上げるランに対して、ヒュノは肩をすくめる事しかしない。
「君の教育は、よほど善良なようだ。お兄ちゃん」
「……俺のことは、どうでもいいだろう」
なにせ、俺はモブなのだから。
ランという災害になつかれてしまっただけの、どうでもいい存在。ヒュノが俺に興味を持つはずはないのだ。なにせ彼女にとって、興味のある人類は、“生きたい”と思うやつだけなのだから。
「くく……ランが警戒しているし、ここは引くさ。たまたま目についただけだしね」
「……そう」
そう言って、ランから目を話し、ヒュノは一歩後ろに引く。
――もう、虚夢のおっさんは、この場所にはいなかった。
夢散。――この世界における死を迎えたのである。
「あの人は……」
ランが、それに興味を示す。
「よくある男さ。妻子に捨てられ、仕事でも鼻つまみ者。特に面白みもない。ああでも、あの子には使えるかもなぁ」
「……そうじゃ、ない」
「うん?」
「最後に、なんて……言ってた? 聞き取れなかった」
――最後の言葉。
なにか彼は、ヒュノに対して言っていたのか? 気にする暇もなかったが、ランはそこまで観察していたらしい。そして――
「ありがとう、だってさ」
ヒュノは、それをこともなげに言う。
――ありがとう。
彼は死のうとしていた。虚夢とはすなわち死んでもいいと自分でも心の底から思ってしまった人間だ。だから、例えば目の前に死ななくてもいいという選択肢が与えられて、それでも生きようとする人間は稀である。
だが、だからこそ、
死に方は、選びたいのだ。
誰だって、最後はモブではなく死にたい。
おっさんは、そういう死に方を選べたのだろう。一介の塵ではなく、ただ一人の人間として。羨ましいことに、彼はそうやって死んだのだ。
――縛神ヒュノ。
間違いなく善人ではない、ルートのボスであり、主人公たちとは敵対する立場の存在だ。縛の中には、ヒロインとして主人公と行動を共にする者もいる。
だが、ヒュノはそうではなく、あくまで敵だ。
それでも、敵の中では、こうした行動が取れる存在だ。
だから――
ヒュノが消えた後、ランはつぶやく。
「ヒュノは、いい人だね」
そう、思うのだ。もちろん、俺は否定するけれど。
「俺はそうは思わないけどな。あいつは何でも知っている癖に、それを活かそうともしない。強いのに、その強さで何かをしようともしない。それって、果たしていい事なのか?」
「ヒュノは、何でもしってるの?」
「……そりゃあな」
「…………そっか」
そう言って、ランは空を見上げた。
相変わらず、人の夢は星のごとく輝いている。
あそこから、虚夢はこの場所へ堕ちてくる。
夢幻世界には、そんな奴らしかいないのだ。
夢を謳っていながらに、
――果たして、この世界に夢や希望ってやつはあるのだろうか。
俺は、そう思わずにはいられないのだった。
あらゆる方法でモブを殺してくる厳しい世界です。
この男がモブかは意見が分かれます。