村娘の師匠   作:もっち~!

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息子のような娘

 

---マイン---

 

ユーナの鍛錬67日目。指導者LV0がサードジョブに生えた。コレを育てていけば、良いはずだ。今日もユーナにエルの指導をさせていく。朝の鑑定でエル

に魔法の初歩が生えていた。これを起点に育てていけば、魔法使いになれるはずだ。

 

エルには昨晩、作り上げた簡易術式のテキスト全属性版を渡した。これで使える属性が分かるはずだ。

 

朝の慌ただしい時間が過ぎ、まったりとしていると、城から迎えが来た。抵抗せずに、城へ連れて行ってもらう。連れて行かれたのは、謁見の間…数段高

い位置に座る女王、ルナール・クラリッサ陛下であろう。随分と苦労したのか、顔に若々しさが無い。

 

「二人だけにしてくれ」

 

「陛下、こんな胡散臭い男と二人きりになんかさせられないです」

 

まぁ、胡散臭い男って表現はあっているいる。

 

「妾のプライベートじゃ」

 

「それでもです。陛下のプライベートは我らの知るべきことですから」

 

宰相らしい男が、ルナに食い下がっている。

 

「その男は、大罪人マインなんですか?陛下。おい、コイツを捕らえよ!」

 

宰相が何かに気づき、近衛達が俺に剣を向けてきた。

 

「問答無用の大罪人認定かよ。この国も腐っているなぁ。ルナール、家に帰るぞ」

 

俺はルナールを連れて家に転移した。置き土産を一発撃ち込んで…

 

 

 

---ルナール・クラリッサ---

 

父親は小さな国の王だった。でも父の弟が母に恋をして、父を殺し、国を乗っ取った。私はお姉ちゃん達と一緒に逃げた。殺されない為、生き延びる為に。追っ手が後ろに迫った時、目の前の崖をみんなで飛び降りた。

 

落ちたショックで意識が飛んだらしく、お姉ちゃんが私を抱き締めていた。

 

「名前は?」

 

「ルナ…この子もルナ…あっちはナル」

 

お姉ちゃんが助けてくれたらしい人と話をしていた。

 

「そうか、君達は幼名なのか。じゃ、姉はルナで妹はルナールだ。いいな?そうそう、この子は娘のルシアだ。俺はジョナサン・グランデだ。よろしくな」

 

ジョナサンは追っ手を難なく倒し、ルシアが放った魔法は追っ手の一団を消し飛ばした。

 

すごい…本物の魔法使いって、すごいと思った。

 

どこをどう歩いたか分からないけど、彼らの家に辿り着いた。

 

「今日から、ここが、君達の家になる。ここなら追っ手の心配は無いぞ」

 

大きなお屋敷だったが、近くに街や村が無いらしい。ジョナサンは流刑にでもあったのだろうか?

 

「鑑定をしたんだが、二人共元王女で、ルナは剣士、ルナールはレジスタンスになっている。だから、その方向で教育をするから、覚悟しろよ」

 

お姉ちゃんは毎日、剣の稽古を始めた。私は座学と簡単な魔法の学習である。ルシア姉さんが魔法を教えてくれる。家の周囲には何も無いので、広範囲迎撃魔法の練習には打って付けと言われた。まだ、見習い程度の私に。

 

2年もすると、私もお姉ちゃんも見習いを卒業出来る程度になった。そんな時、私を迎えに来た者がいたらしい。

 

「相手の身元を調査したけど、悪しき者では無い。ルナ達の父親に仕えていた者で、ルナールを養女にしたいそうだ。ルナは剣の道を行くらしいので、騎士学校に入れようと思う。どうかな?」

 

「また、お姉ちゃんと暮らせますか?」

 

「先のことは分からない。まぁ、エラくなって、そうできる様になれよ」

 

そして、私は養女になり、レジスタンスのリーダーに成り上がって、国を取り戻し、王女に認定され、今に至った。

 

「人間はエラくなると過去を消したがる。だから宰相は、ルナールの過去を消す為に、俺を呼び寄せたのだろう。アイツは、ルナールの養父の弟だった」

 

「わたしは、お父さんの娘です。ダメですか?」

 

「ダメじゃないよ。ルナールが気が済むまで、ここにいていいよ。もう、あの国は無いから」

 

「無いって?まさか、お父さん…」

 

「お城をクレータにしてやった。今後はクラリス公国となって、大公クラリス殿が国を治めるそうだよ」

 

お父さんにあの宰相の傀儡女王の座から助け出されたようだ。

 

 

 

---マイン---

 

ユーナの鍛錬68日目。ユーナを迎えに行ったら、これからゴタゴタするからと、クラリス大公からエルを預けられた。ルナールの侍女にするかな?

ルナの双子の妹のルナールが娘に復帰したので、ユーナは五女になってしまったが、姉が増えたと喜んでいる。

 

「お父さん、お兄さんとか弟はいないの?」

 

って、訊かれたが、返答に詰まる。記憶が定かではないのだ。息子と思って育てていても、実は娘でしたって、こともあるので…

 

「たぶん、いないと思うよ」

 

そんないい加減な答えしか出来ない。では、息子らしき者を迎えに行こうかな?

 

ユーナと共に、ノース騎士王国の大聖堂へと向かった。この大聖堂に、息子らしき娘を預けてある。枢機卿に面会をして、

 

「あの子を迎えに来たけど、持って帰れるかな?」

 

「儀式の際には出勤可能ですか?」

 

「善処します」

 

枢機卿と共に、修道院へと向かった。息子らしき娘は、儀式の際には大司祭として務め、普段は修道騎士団の団長をしているそうだ。この子には問題があるのだ。俺と一緒だと娘なのだが、俺から離れると息子になる、という性別が安定していないというか…娘モードの時は巫女なのだが、息子モードの際にはセイクリッドバーバリアン、要するに殴り僧侶にジョブも変わってしまう。なので巫女としての儀式の際は俺も同席しないとダメなのだった。

 

訓練場では、ランスを持つ騎士相手に拳一つで対峙している僧侶がいた。怪我をしても、直ぐさまヒールで回復し、まず倒れない上、バトルジャンキーである。

 

「なんで、ルナお姉ちゃんに似ているの?」

 

「アイツ三つ子だったんだよ。拾ったのは別々だったんだけど…お~い!ウラン!」

 

「え?お父様?」

 

血みどろな僧侶振り向き、俺に気づくと、俺に向かって走り寄って来た。見た目、ルナの息子版であるが、俺に抱きつくと、ルナにソックリな娘に変化した。その変化ッぷりに驚くユーナ。

 

「えぇぇぇぇ~!」

 

「ルナールが帰って来た。お前も戻るか?」

 

「うん、おうちに帰る。じゃ、みなさん、またね」

 

って、俺達はウランの転移術で帰宅していた。娘の時はウランで、息子の時はナルという名前になる。「NARU」から「URAN」になるらしい。俺が命名したわけで無く、最初から名付けされていたのだった。それはルナもルナールも同様で、名付け状態で拾ったのだった。名前が紛らわしいので変えようとしたが、変更は不可だった。鑑定するとルナ三姉妹って表示されるし…

 

「コイツが暫定長男だよ。俺に触れると娘になり、その後、俺から10メートル位離れると、息子に戻るんだよ。あぁ、この子がユーナだ。ウランの妹だよ」

 

「私にも妹が出来たのね。よろしくね、ユーナ」

 

こうしてユーナは六女に格下げになったのだった。なんか納得出来ないユーナである。

 

 

 

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