普通にゲームしてたら、なんか空閑遊真のブラックトリガー拾いました。   作:詠海だよ

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やべっ防振り2期もうすぐじゃねぇか!と焦って書きましたね。
だいぶ書き方が前と違いますが、お楽しみいただけたら幸いです。


ユキ虐

つ……疲れた。

 

ユキは日の暮れた草原にてぐったりと寝転がっていた。

 

あの後も、おおよそ1時間にわたり数々のギルドと対戦したユキ。流石にここまで自分を欲しがるギルドが多いとは思っていなかった。

連戦に次ぐ連戦。まだ対戦希望のギルドはいたが、ユキは逃げ出した。

 

「ハァ……」

 

目を閉じ、思考に耽る。ユキにとって今はギルドだのなんだの言っている余裕はないのだ。

人生で初めて告白されたユキはどう対応すれば良いのかわからない。

 

 

別に嫌だったわけではなかった。むしろ嬉しい。

だが、別に本条楓という存在を特別に思っているわけでもない。そんな状態で付き合ってしまっていいのか?

そもそも、ゲーム内で確執のある相手だ。険悪な雰囲気にならないだろうか。

天崎雪菜が『ユキ』だということを知ってなお好きだというのなら、恐ろしく切り替えが早いかストックホルム症候群かの2択になる。

 

「あ゛ぁ゛〜」

 

溜息を吐いた。自分の浅い知恵では浅い考えしか出てこない。どうすべきか…と目を開くと。

 

 

「何してるんです?」

 

「……」

 

なんでおんねんコイツは。ユキは顔を顰めるのを堪えつつ、いつのまにかいたサリーを見据えた。

そもそもここはマップの端であり、人が寄り付かないような場所のはずだが……。

 

「なぜここに?」

 

「さっき見かけたのでつけてきました」

 

「…………」

 

…………???

 

何を言っているんだ…?

ユキは至って一般的な感性を所持しているという自負があり、ゲーム内とはいえ犯罪スレスレの行為を堂々と報告してくる目の前の女の精神が理解出来なかった。

控えめに言って精神を患っているし、倫理観を犬の小便ほどにしか思っていないのが露呈している。

 

正直、こんな危ない人間と関わり合いになりたくはないが、一度構成した人間関係は簡単に振り解けるものではない。ユキは諦めた。

 

 

「……な、なるほど。それで、わざわざ僕を付け回した理由は?」

 

「ギルドの件です。なんかあなたに勝ったギルドがあなたを貰えるらしいですね」

 

 

なんてことを…!ユキは数時間前の自分を憎んだ。

なぜサリーがギルドを作ると考えなかったのか。サリーがいるとなればメイプルもいるだろう。気まずいなんてものじゃない。

仮に……仮にだが。ユキがそのギルドに入ることになった時、『ユキ』の正体はバレるだろうか?隠せる気がしない。すぐにボロが出そうだ。

 

「面白そうなので、ウチもやります。第三回イベントの後日でどうですか?」

 

な、何だ……?

もう日程の話を始めている。おかしい。こいつは今自分がお願いする立場だと分かっているのか?拒否権はないのか?多くの疑問が脳内を駆け巡った。涙が出そうになる。

 

 

「……………………わかった」

 

「よっし!じゃ、日程の詳細は追って連絡します!さよならー」

 

サリーがその場で光の粒子になって消えていく。ログアウトだ。そのままログインしないことを切に願う。

 

 

取り残されたユキは、現実を直視できないのか天を仰ぎ白目を剥いた。

 

「………寝るか」

 

ログアウトした。

 

 

 

 

 

──────────────

 

 

 

「………………」

 

「どうしたのそんな目ぇかっぴらいて」

 

昼休みの教室。唯はクスリでもキメたかのような目をしている雪菜に問いかけた。

雪菜は眼鏡を外してレンズを拭きながら、苦しげに言う。

 

「ちょっと今やってるゲームで面倒なのに絡まれてさ…」

 

雪菜はゲームで面倒な人に絡まれると酷く興奮して目がガンギマリになるらしい。字面だけなら精神異常者の域に突入している。

 

「えー!チーター?煽り厨?暴言厨?マルチプレイなのに一人で突貫して死ぬヘタクソ?」

 

なぜか唯が息を荒くして尋ねてくる。唯は特定のゲームで害悪プレイヤーをボコボコにするのが大好きという少し異常な趣味を持っていた。

 

「違う。強い人が僕に粘着してくんの」

 

「ほえー」

 

唯は興味ありげに獰猛な笑みを浮かべた。悪いことを考えている顔だ。まあいい、放っておこう。雪菜はバックの中から弁当を取り出し、右隣の席で寝ている響の頭に叩きつけた。

 

「ぐえぇ!?」

 

「ほら、弁当食べに行くよ」

 

「はいはい…」

 

三人で中庭へと向かう。晴れている時、特に用事が無ければこの三人で食事をする。今日は快晴だ。

 

 

「お?」

 

しかし今回は先客がいた。

中庭の隅の椅子に男子生徒がいる。一人の女子生徒と仲睦まじく話している様子だ。

雪菜はそれを凝視しながら少し遠くの椅子に座った。二人から冷たい視線が向けられる。

 

「もう、ただの友達かもしれないでしょ?そんな親の仇みたいな目で見なくても…」

 

「せっちんすげー顔してるー」

 

そうだ。ただの友人かもしれない。自分や響だって唯とはよく喋る。勝手に恋人認定したらかわいそうだ。雪菜は思い直した。

ため息を吐き、先程買ったジュースに口をつける。

 

次の瞬間、男子生徒と女子生徒はそれはそれは熱い抱擁をしてキスまでした。舌を絡ませるほうのだ。

 

メキョっと雪菜の手に握られているペットボトルがあり得ない音を立ててへし折れた。全く予備動作がない。ボトルが自分から死んだようにしか見えなかった。

ジュースが大量に顔にかかり大変なことになっているが全く気にした様子はなく、目の前の畜生どもをどう排除するかで思考が埋め尽くされていることが理解できる。

響と唯はビビり散らかした。こいつの前で恋人とイチャつかんとこ……と誓った。

 

 

「なんなんだろうね……恋って」

 

雪菜が急に落ち着いて意味の分からないことをしみじみと呟く。急に怒り、急に落ち着く。まるで賢者タイムだ。

もう何もかも考えることが面倒になったので、雪菜は自分の悩みを相談することにした。

 

 

「二人にさ………相談があるんだ」

 

唐突に始まる相談。響と唯は親友の情緒の不安定さにドン引きした。

 

「これは友達の話なんだけど」

 

雪菜の話だ。二人は顔を見合わせた。

 

「ソイツはクラスで密かに人気な可愛い女の子に告白されたそうなんだ。でもソイツはその子とあるゲーム内で因縁を持っていると。今は身バレしていないけど、いつバレるか分からないし、そもそも好きって感情は抱いていないんだけど、どうすればいいと思う?」

 

「じゃあいいんじゃないかな、断って」

 

唯があっさりと言った。

 

「別に好きじゃないんでしょ?」

 

「うーん、俺はそう思わないかなぁ」

 

響も意見を挟む。

 

「付き合ったら好きになるかもしれんし。ゲーム内の因縁は……まぁ後で考えるかなぁ」

 

『メイプル』と『ユキ』の関係はとりあえず忘れて言うならばそれは確かにそうだ。どちらも筋が通っている。雪菜は眼鏡を外して眉間を揉みながら考え始めた。

 

 

 

僕は………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




アンケートやります。参考にさせていただきます。
さ……『参考』だからな!必ずしもそうなるってわけじゃあないですよ!?

どうする?

  • 付き合う
  • 付き合わない
  • ダークライ
  • ゲーム内の名前を打ち明ける
  • ボコボコにする(ゲーム内で)
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