普通にゲームしてたら、なんか空閑遊真のブラックトリガー拾いました。   作:詠海だよ

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2月25日

日間ランキング(加点式・透明) 1位

実験ピックアップ1 70位


まさかランキング乗るとは…ありがとうございます!


イズには大量の恨みと少しの感謝を

「…なぁ、レプリカ。昨日のイベントでボコボコにしたやつが現実世界で自分と同じクラスだったんだけどどうすればいいかな…?」

 

『そうだな…』

 

その後。

ログインした僕は、悲しみのあまりレプリカに相談した。

ちなみに今は地底湖で釣りをしている。

イズから素材を取ってきて、との依頼だ。

イズには恩もあるし、ちゃんと礼も用意するらしいから受けたのだ。

 

『相手は、ユキだと気付いていないのか?』

 

「…恐らく」

 

『ならば下手に刺激しないのが一番だろう。気付いていないならそのまま放っておけば良い』

 

「まぁ、それもそうか…」

 

ならばやはり放っておいてなるべく関わらないようにしよう。

 

 

「おおおお!すっごい速かった!」

 

おいちょっと待て。なんか知ってる声が…

 

「ふふふ…崇めたまえ〜!」

 

「ははーっ!サリー様〜!」

 

馬鹿野郎ォォォ!メイプルッ!何故よりにもよって貴様がここに来る!

嘘だッ!嘘だと言ってくれ!

 

 

「──【気配遮断】」

 

僕は思わず壁に張り付いて【気配遮断】のスキルを使った。

イズ特製のコートのおかげで【気配遮断】のスキルレベルが上がっているからか、メイプルと──サリーと言うらしいが…あれは白峯さんか?

ともかく。二人は僕に気づくことはなく、さっきまで僕が居たところに座り、釣りを始めた。

 

それを見てため息を吐き───

 

「【トリガー・起動(オン)】【超加速】」

 

超速で逃げ出した。

 

「…?メイプル、何か言った?」

 

「?何も言ってないよ?」

 

僕はある意味ボス以上の恐怖から脱出した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「イズコラァァァァッ!!」

そして扉を叩き割る勢いでイズの店に突入!

 

「ギャアァァァァッ!…って何よユキ。素材の採取を頼んだはずだけど…」

 

「メイプルが来たんだよ!僕はメイプルと遭遇したくないって言っただろ!?」

 

「あぁ、メイプルちゃん。そういえば地底湖勧めたわね。それはそれとして、素材は?」

 

「あぁ、メイプルちゃん。じゃないわー!お前には説明したじゃないか!リアルの同級生とゲームで関わりたくないんだよ!」

 

そう。こいつとクロムだけには相談したのだ。僕とメイプルをあんまり会わせないようにしてくれって。

なのにこの始末。信用を返せ。

 

「でも遅かれ早かれいつかバレるでしょう?ならさっさとバレた方が良いじゃない。…それはそうと、素材は?」

 

「そういう問題じゃない。メイプルとその友達は僕を倒すーとか言って息巻いてんだぞ?PKされそうだから会わないに越した事は無いってこと」

 

「私はちゃんと話した方が良いと思うけどね…レプリカ先生もそう思うでしょ?……ていうか、素材は?」

 

『それを決めるのは私ではない。ユキ自身だ』

 

「まぁそうよね…ていうか素材は!?」

 

ちょっと何言ってるのか分かんない。

 

 

 

 

結局。取れた分の素材はちゃんとイズに渡して、今僕は二階層に繋がるダンジョンに来ている。

 

またイズからの依頼だ。

まぁ、ダンジョン攻略が依頼ではなくイズの新作武器(片手剣)の試運転ではあるが。

これまた自信の逸品だとか。

僕もMP切れた時用に剣とか持ってても良いかも。

 

そうして歩いていると、イノシシ型のモンスターが前から現れ、突進してくる。

 

「…さて」

腰から剣を抜き放つと、薄い水色の金属が鈍く光る。

 

「…おぉ、軽いな」

僕のビルド構成は好みからAGIに寄っている。

 

これぐらいの軽さだと使いやすくて良い。

 

そして、さっき素材集めの報酬としてイズに貰った、剣専用スキル【雷切】のスクロール。

これはもうスキルにしてある。

使わないだろコレとか思っていたが、結構速く使い時が来た。

 

「【雷切】!」

スキル名を叫ぶと、緑色の矢印が視界に映る。

なるほど、動きの軌道を先に設定するのか。

とりあえずイノシシの鼻っ面に向けておき、右足を一歩踏み出す。

 

「…!」

すると。

動きがありえない程加速し、気付いた時にはもうイノシシは消滅していた。

 

「おぉ」

凄いな。スキルもそうだけど、剣。

軽いけど切れ味抜群だ。現に、スキルを使ったとはいえイノシシを一発で倒した。

…うん。これはイズが自信持つのも納得だ。

 

再び奥へと進んでいく。

ダンジョンはそこまで深くないみたいだ。十回ほどモンスターとの戦いを挟んだだけで、ボス部屋っぽい大扉に到達することが出来た。

 

「さてと…行くか」

その大扉を開けて中に入る。

 

天井の高い広い部屋で奥行きがあり、一番奥には大樹がそびえ立っていた。

部屋に入って少しすると、背後で扉が閉まる音がする。

 

そして───

 

 

 

───大樹がメキメキと音を立てて変形し、巨大な鹿になってゆく。

樹木が変形して出来た角には青々とした木の葉が茂り、赤く煌めく林檎が実っている。

 

鹿は一度体を震わせると、こちらを睥睨し、咆哮を上げた。

 

 

そして僕は、その咆哮に応えるように笑みを浮かべ───

 

「──戦闘開始だ。サポート頼むぞ、レプリカ」

 

『了解だ』

 

 

 

 

 

 

まずは小手調べ。

相手のHPがどんくらいか調べる。

 

『射』印(ボルト)

数発通常弾(アステロイド)が鹿へ飛んでいくが、鹿の目の前で緑に輝く障壁に阻まれて消失した。

 

「おお、マジか」

 

『恐らくあの魔法陣だろう。攻撃が無効化されたが…どうする?』

 

「…いいや、放っとこう。こっちは物理攻撃主体だしな」

 

 

 

鹿が地面を踏み鳴らすと、巨大な蔓が次々に地面を突き破り現れ、襲いかかってくる。

 

それを剣で斬り、攻撃が止んだ瞬間に走る。

 

『弾』印(バウンド)!」

 

『承知した』

 

『弾』印(バウンド)によってすっ飛んだ僕は、鹿の顔面を勢いのままに思い切り蹴り飛ばした!

 

すると衝撃により鹿の体が傾き、弱点であろう首が僕に晒される。

 

「【雷切】ッ!」

 

横一文字の一閃。

首をスキルで斬ったことにより鹿のHPが一気に減る。

 

「おお、めっちゃ減るな」

 

残り4割。

 

鹿が起き上がる。

 

 

いや…起き上がろうとした(・・・・・・・・・)

僕の戦いでのモットーは【完封】。相手に何もさせないのがベストだと思っている。

 

「だから…『鎖』印(チェイン)二重(ダブル)

 

相手に休む隙を与えない戦法が多いんだよね、僕。

 

鹿の近くに待機させておいたレプリカから鎖が放たれ、鹿が縛られる。

これでもう鹿は動けない。

詰みだ。

 

『強』印(ブースト)

 

STRを上げ、剣を急所に突き刺す。

 

そのまま数秒待つと、鹿は光となって消えた。

 

「ふぅ…」

 

『戦闘終了だ』

 

「…帰るか」

 

思えば、2層行ってもやることないわ。

 

 

 

 

 

 

そして、第一層に帰ってきた僕は早速イズの店へGO。

 

「イズ」

 

「あ、ユキ。もう終わったの…剣はどうだった?」

 

「かなりいいね。…イズ、この剣売ってくれない?」

 

「200万」

 

「うぐ…まぁいいだろ」

 

200万ゴールドをイズに渡し、剣のステータスを見る。

 

 

宵月(よいづき)・Ⅶ】

【STR+75】

【AGI+38】

 

 

…いやいやいや、強過ぎだろ!

これは200万取るのも納得だ。

 

「それにしても…」

 

『どうしかしたのか、イズ』

 

「何で剣?あんた、剣のスキルなんて取ってないでしょ?」

 

「MPが切れた時用に副装備として使うためにね」

 

「あらそう」

 

「また世話になるよ、じゃあ」

 

『ではな、イズ』

 

「またねー」

 

そうやりとりし、イズの店から出て宿屋へ向かう。

 

それにしても良い装備を手に入れた。

メイプルと会わせられかけた恨みはあるが、少しだけ感謝しておこう。

 

「割合にすると恨み8、感謝2だな」

 

『何の割合だ?』




メイプルの恨みは深い!

ギルドォ!どうしよォ!
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