とある学院のシュッツエンゲルとシルトとその周辺 作:癒月るな
むかしむかしあるところに、いちぃさんとくすみぃさんが住んでいました。
いちぃさんは山へピュージ狩りに・・・『ピュイ〜っ!!』・・・くすみぃさんは家の掃除と昼食の準備と部屋に閉じ込めているそらはぁへの餌やりを終えてから川へ洗濯に行きました。
くすみぃさんが川で踊るようにフェアリーウォッシュで洗濯物を洗っていると大きな桃が流れてきました。
「すっごい大きい桃! 家に持って帰ったらそらはぁねえさまといっちゃん喜ぶかな」
くすみぃさんは背中に担いで家に帰り、その桃を切ろうとすると、なんと桃から大きな女の子が出てきたのです。
『桃より大きい子出てきた!?』
「・・・・昨日りりぃちゃんと遊んだゲームみたいだね」
「あれ、ホラーゲーだったけど?」
「うん? そうだね」
『?』
「まあ、技術転用できれば今以上に楽にヒュージを討伐できるだろうし、あとでもゆぅさまのところに持っていこっか」
「今日はもう遅いから明日にしよ」
「だね」
二人は桃から明らかにそれ以上の大きさの女子が姿を現したことに驚いたけれども、そこに軍事転用の可能性を見出してとても喜び、
「名前は何にする?」
「桃から産まれたんだし、亜羅太郎で良いでしょ」
「いっちゃんの言ってる意味はまったく分からないけど分かったよ」
亜羅太郎はあっと言う間に大きくなり、立派に女を食い荒らす女の子になりました。
ある日、亜羅太郎は二人に言いました。
「百合ヶ島に悪いリリィが住んでいると聞いたわ」
「亜羅太郎の方がよっぽど悪い女だって近所では評判だけど?」
といちぃさんが答えると、
「それでは私が行って討伐してくるわね。くすみぃさん、きび団子とお弁当を1ヶ月分作ってくださいな」
「聞いてねえなこいつ」
「亜羅太郎、来月と再来月分のお小遣いから天引きしておくからね」
「娘が命を懸けて戦いに行くのにお金取るのは薄情すぎない!?」
「毎回B型兵装ぶっ壊して帰ってくる女にはこれで充分でしょ」
くすみぃさんはとってもおいしい日本一のきび団子を作り、亜羅太郎はそれを腰の袋に入れるとさっそく鬼ケ島に向けて旅立ちました。
「え、もしかしてあたし監禁されたままなの?」
旅の途中、桃太郎は犬耳たつきぃちに出会い、
「亜羅太郎、袋の中には何が入ってるの?」
「世界一のきび団子とお弁当1ヶ月分だよ」
「1週間分くれたらおともしますよ」
「図々しいわね、喰っちまいますわよ?」
「どうぞご自由に?」
「!?」
なぜか最初から好感度がカンストしていた犬耳たつきぃちは亜羅太郎から言葉通りに1週間分のきび団子とお弁当をもらいメンバーになりました。
亜羅太郎とイッヌたつきぃちが歩いて行くと、猿耳つくしぃがやってきて、
「亜羅太郎! 貴方の悪行はこれまでだよ!」
「私は何も悪いことはしてないわ。諸悪の根源は百合ヶ島にいるリリィだったのよ」
「!? そういうことだったのね!?」
「そうよ。だから私の手を取りなさい、つくしぃ」
「分かったわ亜羅太郎! これからよろしくお願いするわねっ」
おバカなモンキーつくしぃは亜羅太郎から一つの団子ももらわずに同行者になりました。
しばらく行くと、キジ耳あかねぇが飛んできて、
「亜羅太郎ちゃん、私も同伴させてもらって良いかしら」
「きび団子もお弁当ももうないけれど?」
「あなたたちがいるならそれで良いの」
そう屈託のない笑顔で言ったキジ耳あかねぇは亜羅太郎一行の一員に加わりました。
しばらくすると百合っ百合なエフェクトが飛び交う島が見えてきました。「あれが百合ヶ島みたいですね」と犬耳たつきぃちが吠えました。
百合ヶ島に着くと、お城の門の前に大きなリリィオタクが立っており、亜羅太郎はそこら辺にいた大きなピュージを掴むとリリィオタクに向かって投げつけまくりました。モンキーつくしぃは門に登り鍵を開けました。キジのあかねぇはみんなの奮闘を後方で優しく見守っています。
「参りました! 参りましたからこれ以上ピュージを投げつけないでください!?」
『ピュイっ!』『ピュイ?』『ピュピュイー!』『ピュッピュっ』『ピュピュピュピューイっ!?』
「誰かーー!! 誰か助けてーーっっ!!!?」
「ふっ、他愛ないわね」
半ルナティックトランサー状態になったリリィオタクはお城の中に逃げていきました。するとお城から沢山のリリィオタクが出てきて、ついに小さなリリィオタクが現れました。
「おや、私の憧れのリリィに良く似てますね。そこの人、懲らしめるのは最後にしてあげます」
「私はふみぃ、リリィのふみぃです」
自身の胴体ほどの大きなグングニルを振り回しながらふみぃは言いました。「あなたがふみぃですか」と言うと亜羅太郎は素早くグングニルの上に飛び乗り、
「悪いリリィ、うちのかわいい子たちに悪いことをしたからには許せないわ。私の性技を受けてみなさい」
「え、あの、私は尊いものを見て鼻血を出していただけですけど?」
「その度にマグマを出しているなら有罪よ」
「あと“正義”のニュアンスおかしくありませんでしたか?」
「性技は正義よ、どこもおかしくなんてないわ」
そうして行われた盛大な決闘の末、汗だくになりながらも亜羅太郎は無事にふみぃに勝利したのでした。
「痛たたっ・・・・あぅっ。すいません。すいません。もう無理です、降参です」
「本当かしら?」
「約束します。嘘は吐きません。というか吐けません。宝物も献上します」
「ならふみぃさんも持って帰るわね」
「!?」
亜羅太郎はお城の百合小説や百合漫画や週刊リリィ新聞のバックナンバー、いっぱいの宝物を手に入れたのです。
こうして亜羅太郎はいちぃさんとくすみぃさんの待つ家に帰り、みんなで幸せに暮しましたとさ。
「あたしの存在忘れてないかな!?」
♢
窓から差し込む朝日を浴びて亜羅椰の意識は覚醒した。百合ヶ島で手に入れた財宝がどこにもないところを見るに当然ではあるが夢まぼろしの類いだったらしい。
「なかなか面白い夢だったわね」
「ーー亜羅椰、訓練行くぞ〜!」
「ふふ、いっちゃん。朝から私のところに来るなんて・・・・遠回しに誘ってるの?」
「言ってろ。さっさと行くよ」
「あ、身支度が終わるまで少し待って頂戴」
「それを先に言いなさいよ」
「そういえばいっちゃん。何か私に言わなきゃならないことがあるんじゃないかしら?」
「うっ。まあ、そうね。その、亜羅椰、誕生日おめでとう。いつもありがとね」
「ふふ。こちらこそいつもありがとう、壱」