とある学院のシュッツエンゲルとシルトとその周辺 作:癒月るな
ある日の早朝。
少しずつ明度を増していくカーテン越しの射光を浴びていつものように目を覚ました私は、これまた例によって
「時間は大丈夫ですの?」
「7時集合なので、あともうちょっとくらいならぁ」
「はあ・・・・・・まったくもう、だらしのない顔をして」
豪奢なキングサイズのベッドの上。私の腕のなかでそんなうわ言を呟くねぼすけさん。私の赤のネグリジェによだれを垂らしていることにも気づきもせず夢うつつといった具合の彼女の名前は二川二水さんです。
この姿だけを見た人には到底想像もつかないかも知れませんが、並いる
・・・・・・あるのですけれど。いくらなんでも寝すぎでは? こんなに近い距離で見つめているのに本人は未だ目覚めないとは。頬をつついても多少
「もう。本当に二水さんは」
非難するような口調こそしているものの空色の瞳には笑みが湛えられている。楓はリラックスした様子で身体を預けてくる二水の頭を優しく撫でさすり、彼女に代わって今日の予定に目を通すのだった。
§
「か、楓さん! どうして毎回起こしてくれないんですか!?」
「あら? この間は指一本触れないでくださいとかなんとか言ってなかったかしら、どこぞのちびっ子は」
「それとこれとは別に決まってるじゃないですか!? ギリギリ間に合う時間だったから良かったですけど今度からはきちんと起こしてくださいね!」
「ええ、それは分かりましたから。早く支度したらどうです?」
「あー!? ほんとだやばいもう時間が〜〜??!!」
どたばたどたばた。先ほどまでのゆったりとした空気とは真逆の空間がそこには広がっていた。それもこれも今
そんな彼女から次回以降のモーニングコールをと頼まれた楓。しかし恐らく今後もこの部屋で二水が時間通りに起こされることはないだろう。それは楓の表情を一目見れば分かること。あんな朝早くから良い空気を吸っていた彼女が大人しく言うことを聞くはずもないのだ。
楓自身、寝ぼけた二水とのゆるりとした朝の時間は嫌いではないし、もはやモーニングルーティンにすらなりつつある。なので毎日の密やかな楽しみをわざわざ手放すわけもなく。かくして彼女の知らないところで次からも間に合うか間に合わないかの瀬戸際で起こされることが確定したのであった。
「楓さ〜ん?! 私の靴下どこですか〜〜〜!!?」
「落ち着きなさいな、ちびっ子。そこに
「・・・・・・あ、ほんとだ」