幽体離脱してアイドルに憑いて回るRTAはーじまるよー!
いやー、奈緒は強敵でしたね……。
ライブバトルの様子? しぶりんのやる気が爆発していたとだけご報告します。
真面目な話、なんとか音ゲーはフルコンしましたが、それだけでレベルの差を覆せるほど奈緒は甘くなかったです。
奈緒の特性は衣装によってガラッと変わります。カッコいい系の衣装だと、もちろんクールなパフォーマンスを。しかし、可愛い系の衣装を着せると、キュートアイドル顔負けの可愛らしさを発揮します。
この特性を活かして、奈緒は幅広いファン層を持つことができます。さらに、ライブバトル中に衣装を変え、前半とはまったく違うパフォーマンスを行えるので、ライブバトルにどちゃくそ強いです。
そんな強敵だったのですが……。
これから地球滅亡を阻止するために宇宙船に乗り込むパイロット並みに覚悟完了したしぶりんには勝てなかったよ……。
最初から最後までフルスロットル。今まで培ってきた力を全て出しきったしぶりん。ライブバトル二回目にして会場を完全に飲み込んでましたね。
しぶりんの鬼気迫る気迫に押され、奈緒は序盤からガンガンスタミナを消費し、衣装チェンジさせる余裕もありませんでした。結果、しぶりんがなんとか最初のインパクトと勢いで僅差ではありますが勝利を手に入れました。
ライブバトル終了後、汗で輝いているしぶりんと奈緒の姿を幽体離脱の特権を活かして360度からスクショを撮りまくります。
やっぱ汗だくのアイドルは……最高やな!!
冬のモコモコ姿のアイドルも好きですが、夏の開放的な格好のアイドルのほうが好きです(隙自語)。
この調子でしぶりんの覚醒を目指しましょう!
しぶりんの覚醒条件は特定のアイドル全員にライブバトルで勝利することです。ちなみに、ニュージェネは所謂御三家的な位置付けであるため、三人とも同じ覚醒条件で覚醒させる難易度は低いです。
しかし、それは年数を重ねればの話です。半年ごとに発表されるランキングにそもそも名前がないアイドルは、アイドルとしてデビューしていない扱いになります。つまり、戦うことが出来ません。この仕様がRTAには鬼門となります。
詳しく説明しますと、サ○エさん時空の本作において、一年が経過してもアイドルの年齢は変わりません。ウサミンは永遠に17歳です(迫真)。
しかし、プレイ時間として一年加算されます。すると、ランキングが更新され、新たなアイドル達がライバルとなり、彼女達と一年間戦うことになります。
逆にランキングから姿を消したアイドル達は、一般人として町中にいるのでスカウトしない限り、一年間はアイドルとして活動しません。
ランキングに載るアイドルは全アイドルのおよそ1/3。
この1/3にしぶりんが覚醒するための相手アイドル全員がいることが一年で覚醒するための絶対条件です。
しぶりん覚醒のために必要なアイドルは全部で10人。
神谷奈緒、北条加蓮、神崎蘭子、二宮飛鳥、新田美波、アナスタシア、高垣楓、鷺沢文香、塩見周子、速水奏
改めて見ると錚々たるメンバーですね……。彼女達がランキングに載っているか否かで、今回のチャートはタイムが一年単位で変わります()。
前回、奈緒と加蓮は確認しましたが残りの8人はまだ確認できていません。……覚悟を決めてランキングを見ましょう。
…………神は言っている。走るのを止まるんじゃねぇぞ、と
無事に全員の名前がランキングにありました! これで後は全員倒すだけになりましたね……(倒せるとは言っていない)。
さて、大分話も脱線してしまいました。
何はともあれ、今後の心配が一つ消え、お宝(スクショ)も増えたので、この調子で加蓮も倒しちゃいましょう!
そのためにも米内Pには目を覚まして欲しいところです。まーだ時間かかりそうですかねぇ?そろそろ起きるはずなんですが。
……下手するとこのまま幽霊コースですかね。スタミナが低下してもゼロにならなければ、時間で回復するのですが、稀にそのまま回復することなく幽霊化します。そうなった場合は小梅としかコミュニケーションとれないのでリセですかね……。
仕方ないので、アイドル達(ちひろさん含む)を様々な角度から撮影しておきますか。
プロデューサーはやくきて~、はやくきて~。
……プロデューサー撮影中……
お? 幽体離脱モードが強制解除されました。
「プロデューサー!!」
きた!メインプロデューサーきた!これで勝つる!
目を覚ますと泣き顔のアイドルとちひろさんの姿。どうやら無事に目を覚ますことが出来たようです。
その後はアイドル達とちひろさんからたっーぷりとお灸を据えられました。(超連打スキップ)
さて、ようやくプロデューサーも目を覚ましたのでお仕事を再開しましょう!
ちひろさーん!とりあえずPC持ってきて!
え? まだ働いたら駄目? そんな殺生な!
ちょっとだけ! 朝8時から朝8時まで働くだけだから!
鬼! 悪魔! ちひろ!
にっこにこのちひろさんは慈悲のかけらもありませんでした。……まま、ええやろ。今の時代スマホさえあれば大抵のことは出来ますからね。
あれ、でもスマホって事務所に置きっぱなしじゃ……。
うわぁぁぁ!!(錯乱)
誰か、誰か私に文明の利器を……。とりあえず病院の電話から事務所に連絡を……。
看護師さん!? 米内Pを病室に連れ戻さないで!? こっちはスタミナもう回復してるから!
――疲れてるだろ? 今日はもう寝ようぜ
――疲れてるだろ? 今日はもう寝ようぜ
……駄目です。何度やっても変わりません。
はぁー。このタイムロスは痛すぎますね。この状態がいつまでつづくか分からないとなると幽霊ルートの方が早いタイムが出そうです。
未練たらたらでベッドに転がります。あーあ、折角しぶりんが下克上アイドルと化し、キャッツの調子は絶好調、まゆの覚醒はまだわかりませんが、全体を見るとそれなりに上手くいっていたんですがねぇ。
こん!(笑)こん!(笑)こん!(笑)
うん?悲しみに暮れていると病室がノックされました。
もしや、大天使ちひろさまがスマホとPCを持ってきてくれた??
扉が開いた先にいたのは、緑の事務員ではなく、髪をくるっくるっにまいた病弱系ジャンクフード大好きアイドル。
「いきなりすいません。誰かと電話したいんですか? たまたま通りかかって聞こえて来たんですけど……」
どうして加蓮がこのタイミングで現れるんですか??
――――――――――
奈緒:悔しい!
ピコンとスマホに届いたメッセージ。同じ事務所に所属している奈緒からだ。
加蓮:どうしたの?
奈緒:ライブバトルに負けた!完全に相手に飲まれた……
奈緒:(泣いてる様子のスタンプ)
たしか、奈緒の対戦相手はライブバトル二回目だった筈。場慣れしてない新人が奈緒を追い詰める程のパフォーマンスを出来るものなのか。
加蓮:その相手の子って確か、次の私の対戦相手だよね?
奈緒:そうだぞ。相手のプロデューサーが前来た時に連戦をセッティングしてすぐ帰ってったもんな
そうだ。確かに先日うちの事務所に来て、なんとか私と奈緒にライブバトルをしてくれないか、と交渉に来ていた人物がいた。
その人物の真剣な表情がやけに記憶に残っていた。
加蓮:仕方ないから、負けた奈緒にはハンバーガーをご馳走してあげるよ
奈緒:えぇ~、またジャンクフードかよ……。そろそろ検診があるから控えるんじゃなかったのか?
加蓮:残念でした。今日がその検診だから、もう食べ放題なんだよね~♪
昔から体が弱かった私。今でも定期的に病院に訪れては体の調子を診てもらっている。
病院につく頃にはハンバーガーに乗り気じゃない奈緒を言いくるめ終わっていた。会話の区切りにスタンプを送り、スマホを鞄にしまいこむ。
自動ドアをくぐると、嗅ぎなれた消毒の匂い。通いなれた病院の中を歩き、受付を済ませるとソファーに体を預ける。
待合室のテレビをぼーっと眺める。すると、今日のライブバトルを振り返る番組が始まった。
「こんばんわ! 今日のライブバトルのお時間です!」
画面に映し出されたのは、今日行われたライブバトルの数々。うわ、《三天》はやっぱり別格だね……。あ、この衣装可愛い……。働かない宣言……?面白い歌だな~。
心の中であれこれと考える。アイドルになることが夢で、実際になることも出来たけれど、やっぱりアイドルを応援することも好きなままだった。
(あ、奈緒だ)
番組も終盤に差し掛かる頃、奈緒のライブバトルの様子が映し出される。
対戦相手の名前は……渋谷凛。
会場は奈緒のコールで沸き立っていた。彼女にとってはアウェーもいいとこだろう。向かい風の中、先攻の彼女は静かにステージへと上がる。
彼女がマイクを握り顔を上げると沸き立っていた筈の会場は、波紋一つない湖面のように静まり返った。
張り詰めた空気を、彼女の歌声が震わせた。
(嘘……)
画面越しに鳥肌が立った。
病院の待合室。大きなスクリーンでも、優れた音響設備でもない環境。なのに、目が離せない。気づけば周りの人達全員がテレビに釘付けだった。
歌も、躍りも人を惹き付けて止まない。《三天》を初めて見たときと同様の衝撃。
《三天》には技術では追い付いていない。けれど、彼女の歌は私の魂にまで響いた。彼女の心の声が聴こえてくるほど。
『勝ちたい』
奈緒にも聴こえていたんだ。だからあんなに悔しがってた。
ライブバトルの映像が終わってからも暫く私は放心状態だったと思う。受付で名前を呼ばれて、気づいたら検診が終わってた。
頭の中はさっきのライブでいっぱいだった。
次は、私の番だと思うとぶるりと体が震えた。
(武者震いってアイドルもするんだ)
自然と頬に笑みが浮かぶ。きっと今の私は熱っぽいに違いない。
あ~次のライブバトルが楽しみ。私も彼女と真っ正面からぶつかり合いたい。
「そこをなんとか! せめて連絡だけでも!」
「疲れてるだろ? 今日はもう寝ようぜ」
ルンルンな気持ちの足が止まる。ちらりと声がした方を覗く。
そこには対戦相手、渋谷凛のプロデューサーの姿があった。記憶にある真剣な表情ではなく、泣きそうな表情だった。どうして病院に彼がいるのだろう? 元気そうに見えるが、怪我でもしたのだろうか。
困っていたようなので話だけでも聞いてみようかな。
帰ろうとしていた足を出口とは反対方向に向ける。
……それに、気になってしまった。渋谷凛に彼がどんなプロデュースをしたのか。
私は意を決して、病室のドアをノックした。