旅に出る前に起こった出来事の短編集みたいな形です。本編で書きたかったけどカットした部分をいくつか書かせていただきました。
本編は予約投稿をして、時間までに何度か見直しておかしな部分がないかを確認するのですが、番外編は出来上がり次第投稿するので若干変な表現が入る可能性も……。
旅を始める前に:一
『両親と料理』
「ねえねえ、どうして父さんも母さんも料理しないの?」
俺がまだゴウザン師匠と出会う前のことだったか。
我が家の食事は既に出来上がった料理を買ってきて食べるというものだった。
他の子の家に遊びに行くと母親が料理の準備をしている光景を何度か見てきた。
だから俺は一度も料理しているところを見たことがない両親にそう尋ねていた。
「それはね、僕たちが料理できないからだよ」
「どうしてできないの?」
「どうしてって言われても困るわね……頑張って作っても美味しくできないのよ」
変な薬品を入れてるだとか、見た目の時点でヤバイものだと分かるといったものではなく、ただただ美味しくないらしい。
その後、一度だけ頼んで手料理を食べさせてほしいとわがままを言ったことがある。
「お待たせー。母さん特製よー」
出てきたのは見た目は何の変哲もない普通に美味しそうな料理。
俺は躊躇なく口に運んだ。
「………………」
食べられないわけじゃないが、美味しいわけでもなかった。匂いも良かった筈だ。口当たりも問題ない。なのに美味しくない。
「やっぱり美味しくなかったかしら……?」
「!」
悲しそうな顔をする母さんを見て、俺は首をブンブンと横に振った。
「無理しなくても大丈夫よ。ごめんなさいね、あなたに私たちが作った美味しい料理を食べさせてあげれなくて……」
そう言う母さんに俺は何も言えなかった。
それから数年後。
俺はゴウザン師匠の弟子になり、平和国ロベッタにあるいろんな店でアルバイトをするようになった。
その店の中には飲食店もあり、そこの店主から料理の仕方を教えてもらった。
数日かかったが店主から合格を貰えた俺は早速両親に手料理を振舞った。
「はいどうぞ」
そう言って俺が出したのは野菜や肉が入っているシンプルなシチュー。
二人はゆっくりと食べ始めた。
「……どう?」
店主から認めてもらったとはいえ俺は不安になっていた。
二人はゆっくりと味わった後、ゆっくりとこっちを向いて同時に口を開いた。
「「美味しい!」」
その言葉が聞けてすごく嬉しくなったのは今でも憶えている。
笑顔でシチューを食べ続けている二人を見続けていた。
俺の作ったシチューを完食した二人は突然泣き始めた。
「うう……まさか息子の料理を食べれることがこんなに嬉しかったなんて……」
「ぐすっ、今まで食べたどの料理よりも美味しかったわ……。将来は高級レストランのコック長ね……」
「そんな大げさな……」
しばらくしてようやく泣き止んだ両親に俺は聞きたいことがあった。
「二人は昔一緒に旅をしていたと言ってたと思うんだけどその間の食事はどうしてたの?」
「基本的には訪れた国の店で食べたりパンを買ったりしてたね」
「一度材料を買って自分で作れば安く済むんじゃないかと思って試したけど結果は分かるわよね?」
「う、うん……。ところで旅の中で一番美味しいと思ったものは何?」
今度二人の思い出の料理を作ってあげよう。なんて思いながらの質問だ。
しかしその質問に二人は微妙そうな顔をしていた。
「…………僕たちは一度だけお金がすっからかんになったことがあってね。何も買うことができなかったんだよ」
もしやその時に親切な人が作ってくれたシチューだったとかだろうか?シチューなら今回作ったから二番目に美味しかったものを聞かなければならないな……。
感動的な話になるはずだよね?
「…………私の魔法でね、二人の味覚を操作して地面に生えていた雑草を食べたわ」
おや?サラダの比喩表現かな?地面のような色の皿に乗っていたのかな?
「その時涙を流しながら二人で食べた雑草が一番美味しかったかな……」
そのサラダのあまりの美味しさに泣いていたのかな?
これからは夕食だけでも俺が作るようにしようかな……。
『フランさんと料理(?)』
イレイナと戦い、お互い目標に向かって頑張ろうと再び誓った日の後。
今までイレイナと関わらなさ過ぎたことを反省した俺は、たまに出来立てのパンやおやつを持って森の奥の家に訪れるようにしていた。
今回はパンである。
「すみませーん」
「はい。あら、カイじゃないですか。丁度良いところに来ましたね」
何が丁度良いのか分からないけど俺はフランさんに案内された。
案内された先、食卓のテーブルを見た俺は絶句した。
椅子に座る顔が真っ青なイレイナ。その目の前、テーブルの上にはいくつかの皿。その上には、黒い、ナニカ。
「フランさん、これは、何ですか?」
「カ、カイですか……来てしまったんですね……」
「イレイナ、駄目じゃないですか。そんな言い方は。カイ、これはですね……」
私の作った料理です。なんて戯言を言ってきたフランさん。
「これが……料理……?」
「はい、イレイナに食べてもらおうと思った矢先にあなたが来たのですよ」
「これを食べさせる……?」
「ええ。ついでにあなたにも食べていただこうかと」
そう言いながらイレイナが座っている隣の椅子の前のテーブルに黒い物体を置くフラン先生。実は呪いの儀式の準備をしているのかもしれない。
「これを拒否したらどうなりますか……?」
「イレイナが全部食べます」
「ちょっと先生!?」
もしかして夢?いや、現実だ。
俺が何か悪いことでもしたか?そうだったら謝るので許していただきたい。
この目の前の闇から逃げ出したい。
だが、俺が食べないとイレイナが二人分食べることになってしまう。
ならば俺が取る選択肢は一つしかない。
「フランさん、料理(ではないナニカ)はこれで全部ですか?」
「はい。そうですよ」
「……食べます」
「カイ、無理しなくても……」
俺はイレイナにパンを渡してから椅子に座り、一度深呼吸をしてから全ての料理(?)を口の中に流し込み始めた。
「ちょ、ちょっとカイ!何してるんですか!?死にますよ!」
「酷くありません?」
俺の耳には今、何も聞こえない。集中してるからとかではなくそのままの意味で何も聞こえないのだ。
目がチカチカするし、喉が熱いし、体全体が震えている。意識も朦朧としてきた。
だが、止まるわけにはいかない。俺が食べきらなければ次はイレイナの番だ。
こんな危険物、この灰色の髪をした少女に食べさせるなんて俺にはできない。
無形流は誰かを守るための流派、ここで俺が体を張らないでどうする。
俺は自分に掛けている過重力の魔法を解いて更に加速する。
イレイナが止めようとするが俺は止まらない。
地獄のような時間は続き、ようやく俺はテーブルの上のモノを全て食べ切った。
「……ごちそう……さま……でした」
「まさか全部食べ切るとは。私も予想していませんでしたね」
「カイ……大丈夫ですか?」
「気絶してますね」
「カイ!?」
●
俺が目を覚ました時、窓の外には夕日が出ていた。
ベッドから立ち上がった俺は周囲を見回す。
「俺は何を……?」
「カイ、起きたんですね。心配しましたよ……」
「イレイナ?……あれ、なんで俺はここにいるんだ?」
「もしかして記憶が……」
パンを作ったことは憶えているがそれ以降の記憶が無い。
「……?俺は記憶を消す魔法を掛けられた……?イレイナ、もし何か知ってたら教えてほしいんだけど」
「……あなたはフラン先生の魔法で気絶してたんですよ。だから記憶がないのでしょう」
「なるほど。そのフランさんはどこに?」
「それは__」
イレイナが言い終わる前にフランさんが帰ってきた。
「イレイナ、ただいま戻りました。おや、目が覚めたのですね。あなたの師匠に今日の修行は中止になったことを伝えておきましたよ」
「ありがとうございます……?ところでフラン先生、俺に記憶を失う魔法を__」
「先生、カイは記憶が混濁しているようですので私がロベッタまで送りますね」
何か慌てた様子のイレイナが俺の背中を押してくる。
「ちょっ、押さなくても自分で歩けるから」
「いいから早く行ってください」
「あらあら」
イレイナに押されるまま家を出てロベッタまでの道を歩き始めた。
「なんだか釈然としないな……」
なんでフランさんから魔法を貰うことになった理由がよく分からず、俺は声を漏らしていた。
「今日はありがとうございました。助かりました」
「何が?」
「……パンを届けに来てくれたことです」
「確かにパンを作った記憶があるな」
となるとパンを届けに来た俺が何かしたのだろうか。
怪しい人物が来たと勘違いしたフランさんが魔法を掛けたってわけか。
「俺そんなに怪しい感じだった?」
「何がですか?」
「いや、何でもない」
聞いた後に聞く必要なかったなと思った。怪しかったからこんな結果になっているのだろう。
それに気付かない振りをしてくれたイレイナに感謝だな。
それからは他愛ない話をしながら歩いた。
「ここまでですね」
「ありがとうな。楽しかったよ」
「どういたしまして。こちらこそ楽しかったですよ」
イレイナに手を振ってから俺は家に帰った。
〇
カイが手を振ってくれたので私も振り返しておきました。
カイの姿が見えなくなったのを確認してからほうきを取り出して今来た道を戻ります。
森の奥にある家まで暇だったので今日のことを思い出しました。
フラン先生の暗黒物質を食べなければならないところにカイがやってきて私の分まで食べてくれました。
その代償として彼は気絶してしまい、私は付きっきりで彼の看病をしました。
目が覚めた時は安心しました。直近の記憶を失っていたようですが。
フラン先生には反省してもらわなければなりませんね。
後遺症があって途中で倒れたりしないように彼をロベッタまで送り届けることにしました。
「俺そんなに怪しかった?」と途中で彼は聞いてきましたが、どこから怪しかったかどうかの話が出てくるか分かりません。
私が思ったことは一つ。
「かっこよかったですよ」
身を挺して私を守ってくれて嬉しかったです。しかし、このことを直接彼に言うことはないでしょう。
私はほうきの速度を上げました。
●
次の日、山の頂上の家にて。
いつもはすぐに修業を始める俺と師匠だが、今日は師匠からスープを出された。
「儂の手作りじゃ。食うが良い」
「珍しいですね。いただきます」
少しの野菜が入ったスープはすぐに飲み切ることができた。
「ふふふ、飲みおったな馬鹿弟子が!それには毒が入っていてな、別に死ぬわけではないが吐き気や眩暈、痛みに苦しめられるものじゃ」
「何飲ませてくれてるんですか」
「お主の体調が悪かったとしても敵は待ってくれぬ!どんな時でも戦えるようにするのが今回の修行内容じゃ!さぁ隣へ行くぞ」
「はいはい」
そう言って俺は立ち上がる。
「……待て。お主、何故普通に立ち上がれる?この毒はそんな生易しいものではないはずじゃが」
「そう言われましても……」
結局この日はいつもの修行と変わりなかった。
師匠は間違いなく毒を入れたと言っていたが何故効かなかったのかは分からなかった。
師匠に「以前に超強力な毒を口にしたりはしなかったか?」と聞かれたが、そんな記憶はないので「ないですよ」と答えた。
二人して首を傾げていた。
『師匠と本』
いきなりだが、俺の師匠は変人である。
一人で山に住んでいるというのもあるが、孫がいてもおかしくない年齢なのにエロ本を読んだりロベッタで若い女性をナンパしているのだ。ナンパが成功しているところは見たことないが。
俺が師匠に初めて会ったときに渡した包み。感触からして本が入っているのは分かっていたが、なんとそれはエロ本だったのだ。
それが判明したのは師匠に弟子入りしてから数年後。まだ師匠がエロ本を読むことを知らなかった十歳くらいの話だ。
修行を付けてもらおうとしたら、山の頂上にある家の中で師匠はお茶を飲んでいた。
師匠がお茶を飲み終わるまで暇だから質問することにしたのだ。
「師匠。ずっと気になっていたんですけど、俺が最初に渡した包みの中には何が入っていたんですか?」
「む。そうか、あれが気になっておったか。お主も興味を持つ年頃じゃ。特別に見せてやろう」
そう言って渡してきたのは表紙に二人の男女が描かれた薄い本。
読み進めていくと、黒髪の男性が同じく黒髪の女性に救われ、最終的に二人は夫婦となるというものだった。どうやって仲良くなったかは簡単にしか書かれておらず、半分くらいのページは二人が裸で愛し合っているというものだ。これ以上の詳細は省く。
「なっ、何ですかこれは!」
「良いじゃろー。これは儂の宝物じゃからな。上げんぞ」
「いりません!」
顔を赤くした俺はその本を待っ二つに引き裂いた。
「なんてことをするこの馬鹿弟子がーーー!!」
「知りません!」
「隣へ行くぞ!その性根を叩き直してくれるわ!」
その日はいつもの四割増しでボコボコにされた。
本は師匠の時間逆転の魔法で直されていた。
師匠の家の中にはテーブルやベッドなど、最低限の家具しかない。
そんな家に、一つだけ異色を放っている物が本棚だった。
武術の指南書が半数を占めていたが、それ以外はエロ本だった。
無形流は指南書に書かれているような構えや型というものはないが、参考になる部分もあるのでできる限り読むようにしていた。
指南書を本棚から取り出す際に、一緒に置いてあるエロ本に目が行ってしまうのは男故仕方ないだろう。
ほんの少し、そちらに手を伸ばし、取ってみてしまうのも仕方ないだろう。
いくつか読んでみたところであることに気付く。
「全部作者が同じ?」
本棚に入っている全てのエロ本を取り出して確認してみたところ、師匠が持っていたエロ本は全部同じ人が書いたものだった。きっと師匠はこの作者の熱狂的なファンなのだろう。
「……あれ?まだ奥に何かが……」
本棚の奥にまだ何かが入っていた。
取り出してみると、何かが入った箱。開けると書かれてからもう何十年も経っているであろう本が出てきた。
何度も読まれたからだろうか。表紙も中身もまともに読むことができなくなっていた。
辛うじて読める部分も、文字の一部分だけとかのレベルである。
「カイよ、何をして――それから手を離さんか!」
「わっ」
師匠は俺の手からボロボロの本を取り上げた。
「いきなり何をするんですか」
「これは儂の本当に大切な宝物じゃ。そこに入れていた儂にも責任があるがこればかりはお主が触れることを許さん」
この本は若い頃の師匠が目標にすべきことが書かれていた本で、長年持ち歩いていたせいで読めなくなってしまい、箱に入れて保管していたということだ。
自分の過去を語ろうとしない師匠の昔の姿に興味があったが、この本の存在だけで他は何も教えてくれなかった。
「では修行を開始する。今日こそ儂に一撃でも入れることができるかのう?」
「行きます」
俺が強くなったら、師匠は過去を語ってくれるだろうか。
そんなことを考えながら、俺は今日も師匠と戦うのだった。
『イカサマと頼み事』
今日も今日とてイレイナとフラン先生に出来立てのパンを届けに行く俺。
記憶はないけど俺は怪しいことをしたっぽいからそのお詫びのパンである。
「すみませーん」
「はい。あら、カイじゃないですか。丁度良いところに来ましたね」
聞いたことがあるような会話だったが、気にしないことにした。
俺はフランさんに案内されるがままにテーブルに座った。隣にはイレイナがいた。
「今日は何しに来たんですか?」
「昨日のお詫びとしてパンを持ってきたんだ」
「お詫び……?寧ろこちらがすべきものでは……」
何か不思議そうにするイレイナにパンが入ったバスケットを渡しておいた。
バスケットの中を見たイレイナは、パンを一つ手に取って食べ始めた。
「イレイナ、私の分も残しておいてくださいね」
そう言いながらフランさんは俺の前の席に座った。
「カイ、今から私と賭けをしてみませんか?」
「賭け……」
「今からカイにはこのトランプの中から一枚引いてもらいます。そこに書かれている数字を覚えたら、山の中に戻してください。私があなたが見たカードを当てて差し上げましょう」
「なるほど、俺が負けたら何をすれば?」
「皿洗いをしていただきます」
「皿洗い……?」
キッチンの方を見てみると、大量の食器が積み重なっていた。
「俺が勝ったら何かくれるんですかね?」
「賞賛ですかね」
「…………」
どうやら星屑の魔女様の賞賛は皿洗いと同じ価値のようだ。どれくらいすごいかはよく分からない。
隣のイレイナがフランさんに向ける視線は冷ややかなものだ。
「まあ別に良いですけど」
「決まりですね。ふふふ……イレイナには負けましたが、今度こそ勝って皿洗いを変わってもらいます……」
「あ、イカサマとかはありなんですか?」
「え……気付かれなければイカサマではないですね」
私、イカサマしますと宣言してきたな……。
フランさんはトランプをシャッフルし、それを広げようとしたところで、「トランプはまとめたまま、そこに置いてください」と言っておいた。
フランさんがトランプをテーブルの上に置いたので、俺は右手で一番上のカードを引いた。ジョーカーだ。
フランさんに見られないようにテーブルの下で確認した俺は、カードを左手で一番下に戻した。
「それでは、今からカイが引いたカードを一番上に持ってきてみせましょう。……えいやー」
「…………」
トランプに手をかざして謎の掛け声を出したフランさんに対しどう反応すれば良いか分からなかった。この人本当に俺より年上なのだろうか。
一番上のカードを一枚取ってめくる。ジョーカーだった。
「カイが引いたのはこのジョーカーですね?」
勝ちを確信した顔をするフランさん。
「俺が見たのはそのカードではないですね」
「…………はい?何故イレイナと同じようなことを言うのですか?」
「俺が引いて、見たジョーカーはそれではないですよ。全部見せてもらいますよ」
俺は素早くトランプをひっくり返した。
全てのトランプがジョーカーだった。
「あ……」
「これってイカサマじゃないですか?あなたの負けですよ」
「…………イレイナにもバレましたが、どうして分かったのですか」
「イレイナがどうして分かったのかは知りませんが、俺は単純に見たカードを戻してないだけですよ」
「でも確かにカードを戻してましたよね」
俺はテーブルの下に隠していた右手を見せた。そこにはカードが一枚握られていた。
「俺は一番上にあった二枚を引いて、上から二番目にあったカードを見て、一番上にあったカードを戻しました。だから俺が見たカードはこの右手のジョーカーだけです」
「それはイカサマではないでしょうか。私は一枚引いてと言いましたし」
「フランさん。バレなければイカサマではないのでしょう?」
「…………うう、あの量のお皿を一人で洗わなければならないのですか……」
崩れ落ちるフランさん。
「……別に俺が勝ったからって皿洗いをやらないとは言ってませんよ」
「…………え?」
「え?」
今までずっとパンを食べていたイレイナにまで驚かれた。
「本当に……本当に皿洗いを変わってくれるのですか」
「いえ、手伝うだけです。フランさんも一緒にやってくださいよ」
「うう……カイ、すみませんでした……いろいろと……」
早速俺たちは皿を洗うことにし、少し時間かかったが全ての皿が綺麗になった。
良い時間になったので俺は帰ろうとしたらイレイナが話しかけてきた。
「フラン先生をあんまり甘やかさないで下さい。さらにダメ人間になってしまいますよ」
「別に甘やかしたつもりはないんだけどなぁ……」
「それでも、です。次からは何か頼まれても断るようにしてください。分かりましたか」
「善処します」
「それは分かってない人の言葉ですよ」
「イレイナも何か困ったことがあれば相談してくれよー」
「あ、ちょっと……」
これ以上ここにいたら言い負かされるので俺は強引に会話を切り上げて走って帰った。
俺は知り合いから頼られたら基本的に断ることはしない。
そうすることで、一人で抱え込むことが多い人でも、「この人なら自分の我が儘も受け入れてくれるのでは」と相談や頼み事をしやすいだろう?
まだ書きたいことはあるので次の番外編も出すつもりではあります。それがいつになるかは分かりませんが……。
これより下はコメントみたいなことを少し書かせていただきました。これらの話を書いた理由や軽い捕捉だけなので読まなくても問題ありません。
『両親と料理』
カイの両親は料理はできません。食べても体に異常がないだけまだマシですね……。
この話を思いついたのは、魔法で痛覚を操作することができるので味覚も行けるのでは考えたのが切っ掛けです。原作の方でも同じことやってる旅の魔法使いとかいそうですよね。
『フランさんと料理(?)』
料理のやべー方です。原作ではイレイナが一口食べただけでリバースするくらいの危険物です。流石に幼馴染の少女をそんなことをさせるのはNGな漢の話です。
最後の方は強力な毒を食らえば弱い毒は効かないみたいな感じです。
ちなみにフランがゴウザンにカイが休むと伝える際、詳細は言いませんでした。
『師匠と本』
師匠と(エロ)本。「始まり」で渡した包みの中身の正体です。本というか漫画ですね。それを子どもに持ってこさせようとする師匠とそれを持って行かせる母親……。
ゴウザンは守る対象がいないからこんなことに……。
『イカサマと頼み事』
二つ目の話の続きみたいなものです。勘違いしたままパンを持って行ったら、その原因が勝負を挑んできた話です。最終的に反省し、これ以来フランが料理を作ることはなかったのだとか。パンはイレイナが全部食べました。
どこかの魔女見習いさんが一人で抱え込みすぎた結果泣いてしまったのを見た少年が、頼ってもらいたいと思っている話でもあります。最終的に自分が泣かせてしまった罪悪感もありますが、灰色の少女には笑顔でいてほしいからです。
以上になります。
ありがとうございました。