もちろん、グレイラット家の女性陣も御用達。の、はずだが…?
※今回の話は一応R15に指定させていただいております。
苦手な方はご注意ください。
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どんな辛辣なものでも甘んじて受け入れる覚悟がありますのでよろしくお願いいたします。
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グレイラット家の定例会議、通称女子会。
それはルーデウス・グレイラットの妻たる三人の女性による情報交換の場である。
時に互いの不満について、またある時には互いの悩みについて、各人の思いの丈をぶつけ合うのだ。
さて、今日の議題はというと...
「男性は、やはり女性の匂いに興奮するものなのでしょうか」
「うーん、間違いないんじゃないかな。アスラにいたときも王族の方は匂いフェチみたいな人は多かったし...」
「少なくとも、ルーデウスは興奮するでしょうね」
どうやら後者のようだ。
「──では、私も香水を付けたほうがルディも喜んでくれますかね...?
シルフィとエリスはその、するときによく香水を付けているようですし」
私は普段、香水の類を付けない。
なにせ、ミグルド族の里には香水のようなものは存在していなかった。
人族の世界に来てからも、香水を付けているような高貴な人と関わることはあまりなかったから、自分には馴染みのないものだと遠ざけていた。
それに、香水を付けていなくてもルディは私との行為に満足している様子だったし...
「あ、ロキシーはルディとそういうことするとき香水付けてないの?」
「そう、ですね。私にはそういった物は似合わないと思っていましたし...」
「もったいないわ!せっかくだし付けてみたらいいじゃない」
「うん、良いんじゃないかな。きっとルディも喜ぶよ」
ルディも喜ぶ、かあ...
私が香水を付けたらもっと激しくなったりするんでしょうか、それは...アリですね。って私は何を...
はぁ、とため息をつく。
「しかし、お恥ずかしい話ですが私には香水の知識などはありませんし...」
「じゃあ、明日買いにいこうよ!ロキシーもたしか休みだったよね?」
「いいわね!三人で買い物なんて久しぶりだわ!」
「い、良いんですか?じゃあ、お言葉に甘えて...」
────翌日
朝食を食べ終え、ゆったりした時間もそこそこに外出の準備を進める。
「あれ、今日はみんなでお出かけ?」
「はい。ですが、すみませんがルディは連れていけません。子供たちをお願いします」
「え、ロ、ロキシーさん...?」
「これはボクたちだけじゃなくてルディのためでもあるんだから、今日くらいは我慢してね」
ルディは状況が呑み込めていない様子ですが、その方がこちらとしても好都合ですね。
「そ、そうなの...?ま、まあ三人とも気を付けてね」
わかってるわよ、とエリス。
「「「いってらっしゃ~い」」」
玄関で手を振る子供たちに見送られながら私たちは街に繰り出した。
ラノア魔法大学から歩いて約十五分、ラノアの中心地には様々な店が軒を連ねている。
私たちはその中でも高級店に格付けされるブティックが立ち並ぶ区画に足を踏み入れた。
「あの、シルフィ?」
「ん?どうしたの?」
「その、こんな高級な店で買わなくてもいいのでは...?私はもっと手頃なもので十分ですよ」
「まあまあ。せっかくの買い物なんだから良いものを買うべきだよ」
「そうよ。ロキシーはもっと自分に自信を持った方がいいわ」
ルーデウスも喜ぶわよ、と続ける。
ルディが喜ぶと言われれば引くに引けないじゃないですか...
でも確かにいつまでもウジウジとはしていられませんね、ルディに相応しくなれるよう、私も堂々としているべきなのでしょう。
と、シルフィはある店の前で立ち止まる。
「あ、ここだ。アリエル様がラノアで懇意にしてたお店なんだ。ボクも買ったことあるんだけど、かなり品質が良いからオススメだよ」
「へぇ、いいじゃない。さっそく入りましょ」
エリスに続くように店に入る。
──店内いっぱいに広がる香水の香り。
しかし、きついものではない。
上品に洗練された気品ある香りに、普段香水に馴染みのない私でも思わずうっとりしてしまう。
店内には意匠の凝らされた香水瓶がずらりと並んでいる。
うーん、やはり種類が多いですね...
シルフィとエリスはどんなものを付けているんだったか、、
────昨夜:定例会議中
「そういえば、二人はどのようなものを使っているのですか?」
「私はローズの香りが多いわね。ルーデウスと初めてのときも付けてたわ。
おかげでその、、夜はルーデウスも嬉しそうにしてるわね、初めての時を思い出すって。
初めての時は胸元やうなじに顔をうずめてきたり、────や────してきて、凄かったわ...」
ローズですか、エリスのイメージにピッタリでs...ってえええ!?
な、ななな、なんですかそれは。。
「そ、それは凄いですね...エリスがそんなになってしまう程とは...」
「ローズの香水って優雅な感じがしていいよね~、エリスにはピッタリな香りだと思うな」
ローズは優雅、なるほど。
たしかにエリスはメリハリのある体つきでグラマラスですからね...
私には、、ローズは少しイメージが違いますね。
「シルフィは何使ってるのよ?」
「えへへ~、ボクはね、これ!」
シルフィはそういって小瓶を取り出した。
「季節によって付けるものを変えてるんだけど、今はこのバニラ系のやつ!」
「バニラって香りが甘すぎてきついイメージなんだけど、どうなの?」
「嗅いでみる?」
「わ、私も嗅いでみたいです」
小瓶を開け、手首に付けてもらう。
こ、これは...!
「思ってたより仄かに香る感じなのね。これならきつすぎなくていいかも!」
「はい。なんというか、優しい甘さですね」
優しくゆったりとした香りだ、まさにシルフィにピッタリだと思う。
「ふふっ、そうなんだよ。これ付けてるとルディがいつも以上にハグしたいって言ってくれるんだよ~。ハグした後はきまって────」
ああ、なるほど。たしかに、包まれていたいと思うような香りだ...
これが求めたくなる甘さというアレか、だからあえて控えめな香りにしてあるんだ、納得。
「────それでボク、そのあとしばらく痙攣しちゃって、立てなくなっちゃったよ」
「え、えええ.../// わ、私ももっと甘い香りとか試してみようかしら...!」
エリスはシルフィの話を聞いて今にも火が出そうなほど顔を赤らめている。
ああ、聞き逃してしまった、、でも、それほど効果があるということなのだろう。
こんな貧相な体でも、少しは期待できるだろうか。
私も立てなくなってみたい...
────現在
「こうも種類が多いとさすがに迷いますね...」
「こういう時は店員さんに探してもらうのがいいかもしれないね」
「そうですね、尋ねてみましょうか」
すみません、香水を探しているんですが、と店員に声をかける。
すると、、
「どのようなシーンでの使用をお考えですか?」
ど、どうしよう...
夫との夜の営みを充実させるため、なんて口が裂けても言えないし、ええと、ええと、、
って、シルフィたちはニヤニヤ見てないで助けてくださいよ...
「ふ、普段香水を付けないので、いつもと違う雰囲気をだしたいなあ、なんて思いまして。
夫と一緒にいるとき、ここぞって時に使ってみたいんですけど...」
ああ、恥ずかしい、、
「...なるほど、それでしたらこちらなどいかがでしょう?」
一瞬の間の後、店員は一つの小瓶を手にした。
淡い青色で、丸みを帯びておりおとなしい印象を受ける造形だ。
「こちらは数種類の花から得られた精油をブレンドしたものでして、大人の女性らしい爽やかな印象を与えるような香りとなっています。
それでいて、香りが強いわけではないので、日常生活をはじめ、多くのシーンでご活用いただけるかと。」
花の香り、大人の女性、仄かに香る、...良い。
よろしければお試しください、と用意されたテスターを手に取り、自身の手首になじませてみる。
スンスン。ああ、落ち着いた雰囲気のいい香りだ。
貴族の方が付けている香りの爆弾のようなものよりも、こういった落ち着いた香りの方が私の好みに合っている。
一応、シルフィとエリスにもどんな感じか聞いてみよう。
「今気になっているものを付けてみたんですが、どうでしょうか」
尋ねると、代わる代わるに私の手首をスンスンと嗅ぎ、それから驚いたように顔を見合わせている。
「あの、二人とも?」
「これ、ロキシーのイメージにピッタリの匂いだよ!」
「頼れるお姉さんって感じの香りね!ロキシーによく合ってると思うわ!」
「そ、そんなにですか...」
よし、これにしよう。
二人がこんなに背中を押してくれているんだ。きっと間違いない。
「すみません、では、これを一つ頂けますか?」
「はい。ありがとうございます」
値段は、、結構な額ですが、これでルディが喜んでくれるなら安いもの。
思わずニヤけてしまう、楽しみにしている自分がいる。
シルフィとエリスも私が悩んでいる間にお目当ての物を手に入れたようだ。
シルフィはフルーティな香りのものを、エリスはバニラ系の香りを基調としたものを選んだらしい。
その後は手頃な店でお茶をしながら今日の戦果について語ったりして、帰路についた。
「ただいま帰りました~」
「「ただいま~」」
「あ、おかえりみんな。今日は楽しかった?」
「うん!ルディもお留守番、ありがとう」
「お安い御用さ。ところで、今日は何を買ってきたの?」
「秘密よ!ね、ロキシー?」
「そうですね。ルディは、楽しみにしておいてください」
「??は、はい」
ルディはまだ要領を得ていないようですね、よしよし。
それから、食事をとって、入浴を済ませる。
今日は私の日だから、いつもより入念に...
よし、ここからが本番...
用意した香水を手首と首筋に少量塗布する。
こういう時のために用意しているワンピースのネグリジェにゆっくりと袖を通し、深呼吸する。
ふぅ...
もう結婚して何年にもなるのに、今日はやけに動悸が激しい。
...喜んでくれるだろうか。
そんな心配を胸に、甘い蜜に誘われる蝶のようにルディの部屋に向かっていった。
────翌日:グレイラット家の緊急会議
「それでそれで?昨日はどうだったの!?」
「その、、立てなくなりました...」
「「おお~!」」
結論から言うと、昨日の心配は杞憂に終わった。
いつものようにベッドに腰かけ、ルディの横に寄り添った途端、彼の表情が豹変した。
ロキシー、いつもと雰囲気違いますね。その一言以降、言葉はなかった。
あんな情熱的なルディは初めてだ。
いつもよりずっと長い抱擁の時間だけでも幸せで蕩けそうだったというのに、そこからさらにあんなこと...
「シルフィとエリスの言っていたことは本当だったのですね...あんなに激しい夜は初めてでした。
ですが、私の予想に反してルディはいつもより甘えん坊になっていましたね」
「ええ~!?いいなぁ、ボクもルディに甘えられたいよ!ボクはいっつも言いなりになっちゃうから」
「...甘えたルーデウスってどんな感じだったの?」
「ずっと抱擁を求めてきましたね。エリスが言っていたように身体に顔をうずめてきましたし、、」
「ロキシーずるいな~!多分ルディが甘えられるのはロキシーくらいだよ、羨ましいなぁ」
「ですが、いつもあのようでは私の身体が持ちませんからね。香水に頼るのはしばらく控えます」
それに、こういうものはたまに使うからこそ効果も大きいというものだ。
「そっか。でも良かったねロキシー」
「そうですね、正直予想以上でした。、二人には感謝しています、ありがとうございました」
「いいのよこれくらい。私たち、家族なんだから。それにルーデウスだって、ロキシーとより深い関係になることができてきっと喜んでるわ」
────
はあ、昨日は凄かった...
ロキシーはいつも魅力的な女性だが、昨日は普段より、その、妖艶だった気がする。
あれが大人の魅力というやつか。
それに、いつもより凄くいい香りがしたし。いや、普段から石鹸のいい香りはするのだが、昨日のあれはそういう類のものではなかったな。
ずっと抱きしめていたい衝動に駆られる魔性の香りだ。
おかげで事を終えた後のロキシーは変な笑い声を出しながら、
は、あはは、ル、ルディ、動けません...助けてください。
なんて言ってたくらいだ。
香水か...なるほど、秘密といっていたのはアレのことだったのか。
マンネリ化していたのかな、普段から全力で彼女を愛しているはずだが。
だけど、嬉しかったな。彼女の魅力も再発見できたし。
...やっぱり俺はパウロの子だなぁ。
思わずロキシーメインの話が多くなっていますが、エリスの話やそのほかのキャラクターに焦点を当てた話も書きたいと思っていますので暖かく見守っていただけると嬉しいです。