西暦2050年を過ぎた頃から
世界には異形の化け物達が現れ始め
人類は衰退の道を進み始める
極東の旧国、日本に伝わる八百万の神に因み
『アラガミ』と名付けられた怪物
あらゆる物質を喰らい、様々な形態・異能を備えながら
今もなお進化し続けているこの化け物達に抗う為
アラガミを構成するオラクル細胞の研究を進めていた企業
『フェンリル』により唯一の対抗手段が発見された
オラクル細胞を人間に取り込ませ
同じくオラクル細胞を使い作られた武器『神機』を操る
『GOD EATER』の活躍
世界各地に作られた支部と呼ばれる基地の周囲に
生存者を集め構築された狭い居住区とそれらを覆う隔壁
対アラガミ装甲壁で守られた世界に点在する拠点に籠り
かろうじて滅亡を免れている現状を打破すべく
旧日本に位置する、現在では極東支部と呼ばれる場所で
アラガミの侵攻にも耐えうる最後の砦
通称『エイジス計画』が進んでいる…
ルナ「らしいわ」
リョウ「いや、らしいってそんな…」
物凄い棒読みな朗読の最後に付け足された
あっけらかんとした物言いに思わず突っ込む
リョウ「そのエイジス計画の手助け?にルナは行くって話?」
ルナ「いいえ?
ただのGOD EATERが1人入ったところで進む計画な訳ないし
純粋にお仕事ですよ、お仕事」
溜め息混じりの突っ込みにもルナは全くペースを乱さない
淡々とした口調のまま手に持つ資料をペラペラと弄んでいる
リョウ「いや、まぁボクの言い方も大袈裟だったけどさ
いつも通りの出張に出る話で良いんだよね?」
こう見えてルナはフェンリル本部所属のGOD EATERである
世界各地に点在する支部に属するGOD EATERと違い
本部所属の彼女は一箇所に留まらず
各支部を飛び回っているのが常だ
アラガミは常に進化する生物なので
どの地域でもパターンとか法則と言ったものが見つけにくく
対処が難しいことに加えて深刻な人材不足も重なり
本部所属のGOD EATERはルナ曰く便利屋的な扱いらしい
ここ半年程は珍しく出張がなく
本部での仕事が集中していたので
一緒に過ごせていただけで
ちょっとした休暇のような物だったと言える
かくいうボクはGOD EATERではない
一応、適性はあるのだがボクに適合出来る神機が現状無くて
日々、オペレーター・整備士・その他諸々の勉強をする毎日だ
ぶっちゃけ扶養されている身なので肩身が狭いのだが
若いことに加え現場に出れない今やれることは
幅広い知識と叶うなら技術を身に付けるようにと
この
周りの大人達から言われている
つまりは、ルナが仕事に行っている間
ボクの仕事はお留守番になるのが常…だったが
ルナ「出張というよりは転勤ね」
という言葉にボクは固まった
いや、いつかは起こりうる話だとは思っていた
各支部を転々としつつ戦い続け
生還しているルナの実力ならば
現状、最前線と呼ばれ
人類にとって
当然の帰結と言えるし
長く留まるなら転属させた方が都合がいいことくらい
素人のボクにも分かる話だ
リョウ「寂しくなるね…」
別に今生の別れではないのかもしれない
これまでだって1年365日中300日は離れて暮らしていた
それでも家族のような彼女が居なくなるのは
やはり寂しかった
ルナ「え?なんで?」
ボクの落ち込んだ言葉を吹き飛ばすような
それは見事な?マークを浮かべたルナの表情に再度固まる
え?いやだって…ルナと離れ離れ…
いや確かに、これまでも似たような感じだったけど
って言うか、死なない限り再会だって出来るとは思うけど
ルナ「極東行くの、イヤ?」
イヤとかそういうのじゃなくて…ん?
なんかニュアンスが…
リョウ「え?ルナは極東に行くんだよね?」
ルナ「うん、行くよ?リョウと一緒に」
リョウ「ボクも?」
え?なんで?
ルナ「可愛い妹が居ない生活は
お姉さん耐えられません」
答えになってないんですけど
いやそれ以前に、口に出してない言葉に返事すんな
ルナ「お姉さんですからね」
だから答えに…口に出して…ちょっとタイム
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からかい過ぎちゃったらしい
目をグルグルさせながら一生懸命考え込むリョウの姿を眺め
口元が緩むのを感じながら
ワタシ自身も極東行きは覚悟していた
というか確信していたし
なんなら予想していたより遅かったなと感じる程には
今回の異動に驚きはなかった
来るべき時が来たのだと落ち着いて受け止めている
懸念していたのはリョウを連れて行く事が出来るかどうか
いずれ極東に
何としても一緒にと決めていた
これまでの出張に比べれば長丁場な仕事である事に加え
あちらで自分が抱えるであろう
リョウの同行には骨を折る必要があるだろう
という予想に反し
あっさり許可されたのはむしろ僥倖だとも思えた
先々のことを考えれば極東の方が色々と都合がいいはずだから
初めてリョウに出会った頃を思い出す
4年前、丁度今のリョウと同じ歳だったか
ワタシがまだ新人と呼ばれていた頃の記憶
緊急のミッションだと駆け付けた先は地獄のようだった
赤黒い血溜まりが無数に広がり
辺りに飛び散る人の欠片
それらを生み出した
子供の姿を見た瞬間、無我夢中に神機を振り回し駆け出した
気が付けば、人形のように生気のないリョウを抱き抱えながら
共に出撃した先輩方に多大な
行き場も居場所も失った彼女を引き取るのは
非常に面倒な悶着があったが
最終的にはワタシの希望通りになった
「助けた責任の取り方は分かるな?馬鹿者め」
「お前さんの挙げた戦果だ、誰も奪えやしない」
先輩方のお陰でもあったなと思い出していると
リョウ「ルナ?」
可愛い妹の呼び声で思い出の扉がゆっくりと閉じられる
ルナ「なんでしょう?」
リョウ「ボクも着いていくのは分かったけど…荷物とかは?」
あぁ、そうでした
別に急ぐ必要はないですけど
早いに越したことはありませんね
ルナ「ゆっくり準備しましょうか
出立は1週間後の予定ですから」
分かった、と小さく頷き立ち上がるリョウと共に
ワタシもやるべきことを思い出す
手頃なカバンを探して棚を漁るリョウの背後
衣装箪笥の引き出しを開けて荷造りのお手伝いを始めようとして
ルナ「リョウ…大変です」
ワタシは深刻な事態に気付いた
がさごそと棚を漁る手を止めたリョウにゆっくり振り返り告げる
ルナ「先に買い物に出ましょう、事は急を要します」
幸い、今日は午後からの予定はない
え?何を買いに?と首を傾げるリョウは
この緊急事態に気付いていないらしい
ルナ「 リョウ…」
ワタシは先程開けた棚からある物を手に取り告げる
ルナ「急ぎ
スポーツブラしかないなんて思いもしませんでした
機能性は大事ですがそれが全てではありません
お姉さんが全身全霊を持って選んだ逸品を着せてあげ…」
瞬間、鼻っ面に感じた衝撃と遅れて襲いかかる後頭部の痛みに
ワタシは珍しく混乱し状況把握が出来なかった
ワタシの手に握られていたブラをひったくりながら
乱暴に胸倉を捕み引き起こす手はやや赤みを帯びており
至近距離から顔を覗き込むそれは真っ赤な表情に
ようやく殴られたことを理解した瞬間
リョウ「ルナ…そんなことより大事な要件が出来たよ」
静かな、だけど迫力のある声に思わず息を飲んだ
その日、2人は買い物に出ることはなく
彼女らの部屋からはそれはそれは大きな怒鳴り声に混じり
何か固いものを壁にぶつけるような音が時折
それは日が沈むまで続いたそうだ
ルナは色々抱えているので地の文が複雑です
口調が違うのも意識してなのですが
いざ形にすると難しいですね
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まだ1話しか書いてない
なんだったら、1話の途中だったにも関わらず
しおり・お気に入り登録がされてて
めちゃくちゃびっくりしました
ご期待に添えるか分かりませんが
ゆっくり書き連ねて行きますので
御付き合い頂ければ幸いです
ところで先輩方の台詞を書いてる最中
自然と脳内で担当声優さんの声で再生されて
しばらく書く手が止まったのは
私がGOD EATERファンだからに違いない
決して声優ヲタクだからではないと信じたい