ひとしきり泣いた後、
ようやく
リョウ「すみません…!
お見苦しい所をお見せしてしまって…」
しかし、エルンストさんは優しく微笑みながら
エル「いや、気にしなくていい
君の事情はルナ嬢から伺った事がある
バカ息子からも聞いていたが、すまない
思い出させるつもりではなかったのだが…」
申し訳なさそうに頭を下げられる
リョウ「いえいえ、そんな…大丈夫ですから」
うわぁどうしよう、エルンストさん優しいんだけど
なんて返したら良いのか分からず困っている所を
ルナ「ところで、詳しいご用件を伺ってませんでしたね」
という、ルナの落ち着いた声で空気が変わった
タイミングは良いと思う
礼儀的には良くないかもしれないけど
エル「あぁ…そうだね
要らぬ世話…かもしれないのだが」
エルンストさんは少し眉を下げながらチラリとボクを見た
あ、席を外すべきだったのを忘れてた
未だにルナに抱き着いている現状を思い出し
再び恥ずかしい感情が湧き上がってきた
慌てて、ルナから離れ…おい離せルナ
なんだその「えー…(´・ω・`)」みたいな顔は
エルンストさんが話しにくそうだろうが
ルナ「もうちょっと…ダメ?」
ダメに決まってんだろうが
少し強引にルナの腕を払い除けて立ち上がると
エルンストさんが慌てたように遮った
エル「違うんだ、席を外す必要はないよ
リョウさんについての話だから」
はて?ボクの話?
思わずキョトンと首を傾げるボクの横で
ルナ「あぁ…なるほど?」
と納得したように頷くルナを見つめる
とりあえず座りなさいと仕草で促されたので
ルナの隣の椅子を引き腰掛ける
ルナ「むぅ…」
いや、拗ねた声出すな
ぽんぽんと自分の膝を叩いていたけど
今は…ってか普段でもアンタの膝には座らねぇよ
エルンストさんは少し顔を綻ばせながらこちらを見ていた
エル「気を遣わなくてもいいんだよ?」
リョウ「いえいえ、普段からそんなことしてませんから!
それにもう13歳です、子供じゃないんです」
ちょっと砕けた物言いになったがしっかりと否定する
エル「あぁ、そうだね
もう立派なレディだ、失礼してしまった」
エルンストさんは一層笑みを深めていたが
軽く咳払いをして表情を改めた
エル「ルナ嬢には色々と助けて貰っていてね」
そう言えば、本部所属とは言え一介のGOD EATERが
こんな上役の人と繋がりがあるのは不思議だ
しかも、この
エルンストさん、弱味でも握られているのかな
少しジト目になりながらルナを見やるが
ルナは涼しい顔でキョトンと首を傾げるだけ
エル「聞くところによるとルナ嬢は
近々、極東支部に出向くそうだね
それも長期間の任務になると聞いている」
真面目な話の途中にふざけてましたすみません
エル「その間、リョウさんを置いて行くのは
色々と心配もあるだろう
それで私に何か力になれることがあるかと思ってね」
えっと…どう言う意味だろう
少し困ってルナを見やるが彼女も真面目な表情で
こちらを見つめ返すだけだ
エル「ルナ嬢が不在の間、こちらでリョウさんを預かるとか
或いは、この家で1人で暮らす援助をするのも手段だ」
あ、そういう事か
でもルナから聞く限りボクも極東に行くことになってるし
フェンリルの上司から許可もあるって言ってた
チラリとルナに目を向ける
彼女は先程と変わらず真面目な表情でこちらを見ていた
えっと…ボクから話せってことかな…
リョウ「…エルンストさん、
お気遣いはとても有り難いのですが
ボクはルナと一緒に極東に行く予定ですから
お気持ちだけで十分です」
感謝の気持ちを込めて失礼のないように気をつけつつ断る
エルンストさんは少し驚いた様子でルナを見て
エル「そうなのかい?」
と、尋ねた
ルナもコクリと静かに頷きを返す
それを見て「そうか…」と呟くエルンストさん
エル「しかし…先程の様子を見るに
極東はリョウさんにとっては色々と複雑な場所だ
それでも大丈夫なのかい?」
あぁ…凄い良い人だな、エルンストさん
多分、極東で失った
余計に心配してしまっているんだろう
リョウ「確かに、不安はあります
でもボクはルナと一緒に行きたいです」
ルナとボクは家族だ
許されるなら側に居たい気持ちがある
リョウ「それに…ボクはまだ未熟ですが
それでもGOD EATERの適性はあります
怖い気持ちはあります
でも、逃げたくないんです
ルナが…家族が戦っているのに
ボクだけ待っているのはイヤなんです」
すぐには無理だと分かっている
でも気持ちだけでもルナと一緒に戦いたい
エル「リョウさん…」
エルンストさんはジッとボクを見つめていたが
その瞳にはボク以外の誰かが映っているように見えた
ルナ「…エリックも似たような事を言って
極東に行ったんでしたね…」
それまで黙ってボクを見つめていたルナが口を開いた
ルナ「少し違うかも知れませんが
ワタシは今、エルンストさんと同じ気持ちだと思います
エリックが極東へ赴いた時の、貴方と」
エルンストさんは目を伏せて黙っている
ルナ「正直に言えば、リョウをGOD EATERにしたくない
でも、ワタシ自身もGOD EATERですから
リョウの気持ちも分かる気がするんです」
目を閉じて、静かに息を吐き出すルナ
ルナ「エルンストさんのご好意は非常に嬉しく思います
状況によっては願ってもない話だとも」
ですが、と閉じていた瞳を開き
ルナ「ワタシはこの娘の姉として
ただ守るだけではいけないのだと知りました
ワタシはリョウの意志を尊重します
そして誇りに思います」
深く頭を下げる彼女に合わせてボクも頭を下げる
ルナ「お気持ちを無碍にして申し訳ありません
そしてワタシ達を心から思って下さって
本当にありがとうございます」
ルナの言葉に続いてボクは
真っ直ぐエルンストさんを見つめ言葉を続けた
リョウ「代わり…という訳じゃありませんが
1つだけお約束します」
エルンストさんは伏せていた目をこちらに向ける
リョウ「必ず、生きて戻ります」
ボクの言葉にエルンストさんは静かに涙を流した
エル「…絶対だよ?
そして、忘れないでくれ
君たちは2人きりではない
帰りを待っている人達が居るんだ」
リョウ「はい、絶対に…!」
なんか予定より長くなる…
作者は思った以上に文才が無いようです
めっちゃどうでもいいですが
高校時代、友達とGOD EATERプレイ中に
私「なぁ、なんでエリックはすぐ死んでしまうん?」
って言ったら馬鹿ウケしました
でもみんな、そんなエリックが…大好きです
だけどこの小説ではエリックは(多分)出ません