エル「すまないね…
歳を取るとどうしても心配事が増えてしまって
若い娘達に恥ずかしい姿を見せてしまった」
リョウ「いえそんなことないです
その…心配して貰えるってちょっと贅沢ですが
ボクは嬉しかったです」
懐かしいというか
お父さんが生きていたらこんな感じなんだろうなって
そう思うとエルンストさんに失礼かもしれないが
やっぱりちょっと嬉しかった
エル「何か困ったことが有ればいつでも言いなさい
私に出来る限り、力になろう」
そう言ってにこやかに手を差し出してくれた
その手をとって握手をしていると
ルナ「でしたら、早速で申し訳ないのですが
一つお願い事があるのです」
と、ルナがやや硬い表情で言う
え、珍しい…
普段、泰然自若という言葉が良く似合うルナが
そんな表情を見せたこともそうだが
あまり誰かに頼み事をしない
貸しを作るのは好きだが借りを作るのは嫌い
と公言している彼女が素直に頼るなんて…
何か天変地異の前触れでは…?
とか、考えているボクの手を
そっと離したエルンストさんが
エル「珍しいな、ルナ嬢が…」
と同じことを口にしていた
エル「ひとまず言ってみなさい
私に出来ることなら喜んで力を貸そう」
エルンストさんってやっぱり男前だなァ
とか思いつつ、真面目な話だと感じたので
席を立とうとしていると
そっとルナに手で制される
なんだろう?
長話が続いてすっかり紅茶も冷めてしまっているので
ついでに淹れ直して来ようかと思ったが
ルナ「アナタの話だから」
と有無を言わさぬ口調で短く告げられ大人しく座り直す
エル「リョウさんの?」
エルンストさんも真面目な表情だ
ルナ「午前中、本部に呼ばれましてね
極東行きの話だと思っていたのですが…
少し事情が変わったようで」
一旦、口を閉じ言葉を選ぶように再度ゆっくりと話始めた
ルナ「任務内容については機密も含まれるので
詳細をお話することは出来ないのですが
端的に言って、私の極東行きは少し遅くなりそうなのです」
そこからざっくり説明された話では
本来、GOD EATERが転属や出張をする場合
あらかじめ、現地に神機を送り
本人は後からその場に向かうことが多い
今回の極東行きも当初はこれまで通りの予定だったそうだが
つい昨日、極東支部の道中にあるいくつかの支部から
応援要請があったという
しかしその要請に割ける人員が足りない
だが、極東への転属も急ぐ必要がある
そこで本部は苦肉の策として
極東支部に転属予定のルナを含むメンバーに
神機と共に各支部を経由しながら
極東に向かうようにと今朝、命令が下ったという
ルナ「珍しく決断が早…いえ失礼
状況を鑑みれば間違ってない指示ですし
本来の予定から遅れはしますが
解決策としては妥当な判断です」
一瞬、不穏当な発言をしていたように思ったが
エルンストさんは小さな苦笑いを浮かべただけで
聞かなかったことにしてくれている
ルナ「それで、今朝の指令の後に伺ったのですが
エルンストさんも近く極東に出向かれるとか?」
エル「あぁ、仕事と私事を同時に…ね
それがどうかしたのかい?」
ルナ「本来ならワタシがやるべき事なのですが…」
本当に珍しい日だな
ルナがこんなに申し訳なさそうに頭を下げるのは
中々見られない光景だ
とか思いながら、ルナを眺めていると
チラリと目が合った
ルナ「リョウを一緒に連れて行って頂けませんか…?」
あ、ここでボクの話?
エル「なるほど…それは構わないが
ルナ嬢が極東に到着するまでは大丈夫かね?
私も長くは滞在出来ない、2~3日以内にはこちらに戻るが
あ、いや向こうの別宅があるからそこで良いなら…」
エルンストさんはボクが1人になるのを懸念しているらしい
ルナ「いえ、そこまでして頂かなくても大丈夫です
本部を通して極東へ先に通達して貰えるようにしてますし
極東に着きさえすればリョウが暮らす準備も出来ているはず
一応、向こうにいる旧友にもメールを送りますので
リョウの世話までは何とかなります」
流石と言うべきか、ルナは先読みというか
備えあれば憂いなしを信条としている
今回も割りと急なアクシデントにも関わらず
打てるだけの手は打っている
リョウ「それに住める場所さえあれば
ボクは大丈夫ですよ」
何度も言うがボクはもう13歳だ
それなりに自炊も出来るし家事はこなせる
ルナが出張していた頃はほとんど1人暮らし同然だったし
今回はそれに比べて随分楽だとすら思う
むしろ…
リョウ「極東に向かう移動手段さえあれば
ボク1人でも大丈…」
ルナ「ダメ」
言い切る前にキッパリ短く却下された…なんでだ
エル「そうだね…安全性で言うなら
私と一緒の方が間違いないだろう
流石はルナ嬢、相変わらずの慧眼だ」
エルンストさんは小さく拍手している
釈然としないけど2人の口振りから
どうやらボク自身の心配をしている訳ではないと感じ
ひとまず納得することにした
エル「それで…私の予定では4日後に出立することになるが
向こうに着いてから一度別宅に寄るから
極東支部には5日後に入ることになるかな」
ルナ「構いません、むしろ先の予定とあまり変わりませんし…」
うん、それくらいなら準備も間に合うし
リョウ「ルナは?いつ出るの?」
ふと気になったので尋ねてみたら
突然、抱き締められた
ちょっ離せ!
ルナ「2日後には出発なの…」
あー…やっと分かった
なんでこんなに珍しいルナが見れるか
というか出張していた頃は割りと良くあった現象だ
半泣きでボクを抱き締める彼女を引き剥がすのは
ひとまず諦め、よしよしと頭を撫でてあげる
そう言えばそうだった、
急なアクシデントのせいでボクと一緒に過ごせる時間が
無くなって荒れていたのだ
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その後、簡単に打ち合わせた後
改めて淹れ直した紅茶を3人で楽しみ
エルンストさんは仕事の都合でお帰りに
ボク達は少し遅くなったが予定通りに買い物に出掛ける事にした
リョウ「ひとまず必要なのは…」
ルナ「下着ですね
大丈夫、安心して下さい…!
お姉さんが腕によりをかけて選びますから!!」
リョウ「要らんって言ってるでしょうがっ!」
今日もボクのグーパンチはキレキレで
ルナは絶望に打ちひしがれた顔をしていたが
ひとまず雑貨屋さんに引きずって行った
ボクは楽しみは最後に取っておくタイプだからね
たまにはデレるリョウでした
作者は割りと雑食なのでツンデレ黄金比率って
よく分からないのです
皆様は、?(ツン)対?(デレ)がお好きですか?
(リョウがその通りになるとは言ってません、多分)