月の鏡   作:P.M.FF

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9話

 

 

コウタ「あー…疲れた…」

 

リョウ「いや、寝てたじゃん」

 

榊博士の座学も終わり

ボクと第1部隊の3人はラボラトリの廊下を歩いていた

あくび混じりに呟くコウタに思わずジト目で突っ込むボク

 

榊博士にいきなり前に立たされ

新形状神機の種類を話し出した時点で船を漕ぎ

ひとまず最初に思い出したチャージスピアの説明中には

完全に寝入っていたコウタに

いつの間にか敬語が外れてしまうのも仕方ないと思う

 

いきなりの出来事に緊張し

言葉に詰まりながらだったとは言え

博士には褒められたし

ユウさんやアリサさんには

分かりやすかったとお礼を言われたが…

 

若干尖る唇をそのままにコウタを見つめていると

彼は気を取り直すように声を上げた

 

コウタ「それよりさ!

この後は特に任務とか無いからさ

ちょっと早いけど一緒に夕飯にしね?」

 

ユウ「あ、良いね

加賀美さんとお話したかったし

アリサちゃんは?」

 

仕方ないな、と言いたげな笑みと共に

最初に同意したユウさんは小首を傾げつつ

アリサさんを見やる

 

アリサ「私は結構です、自主勉強したいので」

 

アリサさんはすげなく断りつつ

エレベーターの方を振り返る

 

うん、真面目な人だなぁとか思ってると

やや慌てた様子でコウタが止めに入る

 

コウタ「いや、ちょっと待ってよ!

アリサの歓迎会みたいなのもついでにしたいしさ」

 

どうやら、アリサさんも極東に来たのは最近らしい

 

アリサ「そういうの要りませんから

意識が低過ぎませんか?」

 

やや冷たい口調でバッサリ切り捨てるがコウタも譲らない

 

コウタ「任務や訓練のない時くらい良いだろ?

チームで飯食うのもGOD EATERの仕事だし

それに、()()()()()()1()()じゃ可哀想じゃん?」

 

ん?

 

ユウ「え…?」

 

アリサ「それがどうかしたんですか?

別に私には関係ない話ですし」

 

アレレ?

 

ユウ「ちょっ…」

 

なんか聞き間違いしたのかな?って首を傾げるボクと

話についていけずオロオロしてるユウさんを後目に

ヒートアップする2人の口論

 

とりあえず右手をグーに握りしめ振りかぶろうとした時

 

ツバキ「なんの騒ぎだ!!」

 

ちょうど、エレベーターから降りてきた

ツバキさんの一喝でかろうじて踏みとどまったボクと

ピタリと口論を止めた2人

 

カツカツとヒールの音を響かせながら

歩み寄るツバキさんと

その後ろ、呆れたように額に手をやる

ショートボブの女性、サクヤさんがいた

 

先にツバキさんに聞かれた時は

まだうろ覚えだった容姿も

今、姿を見たことでハッキリ思い出せた

ついでにあの頃よりも明らかに()()()()()()()()()を見つめ

思わず自分の()()へと目を落とした

 

いつかボクも大きく…なんかちょっと視界がボヤけた気がした

 

少しショボンとしたボクの頭を優しくポンポンと叩きながら

若干、虚ろな目をしているユウさんと2人見つめ合う横で

ツバキさんに促され事情を説明し出すコウタ

アリサさんも若干気まずそうに首を竦めていた

 

コウタ「だから…その…

講義も終わったしこっちに来たばっかの

加賀美とアリサを歓迎しようと思って…

夕食に行こうって話をしてて…」

 

アリサ「私は断ったんですけどコウタがしつこくて…

男女2人ずつの方が雰囲気が良いとかなんとか…」

 

ツバキ「貴様ら、そんなことで口論を…?

それに…男女2人ずつとはどういう意味だ?」

 

呆れたような口調で問うツバキさんに

2人はキョトンと首を傾げ揃ってボクを見た

 

改めて拳を握りしめ振りかぶるボクを

その控え目な胸を押し付けるように留めるユウさん

2人の視線を追ってこちらを見て

更に呆れたような溜め息を零すツバキさんとサクヤさん

 

ツバキ「念の為にもう一度聞くが誰が男だと?」

 

コウタ&アリサ「「加賀美(さん)のことですけど…」」

 

よし殴ろう、と拳を震わせるボクを

更にギュッと抱き締めるユウさん

 

そんなボクらを横目にツバキさんは告げる

 

ツバキ「お前達…リョウは女の子だ」

 

え?と目を点にしてボクを見つめる2人に

精一杯にっこり笑って見つめ返す

 

コウタ「え…いやだって()が…」

 

言いやがったな?このイエローモンキーがぁ!!

 

抱き締めるユウさんを振りほどかんばかりに暴れるボクを

今まで静観していたサクヤさんが押し留める

 

あ、柔らか…えっ凄ぉ…

 

ユウさんごと抱き締められて

その脅威的(胸囲的)な柔らかさに思わず固まるボク

 

ツバキ「…ひとまず、元気が有り余っている2人は

特別に私自らがしごいてやろう、有難く思え」

 

無情なセリフに逆らうことも出来ない2人は

女性が持つ魅力に溺れるボクを置いて

訓練所に連れて行かれたのであった

 

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