「…雷?」
八幡「雪ノ下!!」
俺は雪ノ下に向かって走ってくる男と雪ノ下の合間に入る。
俺の腹に勢いよく刺さったのは少し大きめの包丁。男は通り魔のようで俺に刺さった包丁を手放して走り去っていく。
雪乃「比企谷くん!!」
結衣「ヒッキー!!」
俺はその場で倒れた。刺された腹部からは鮮血が流れる。
八幡「ぁ…雪ノ下…だい、じょうぶか?」
痛いと言うよりかは熱い。失血で頭がうまく回らないが精一杯口を動かして話す。
雪乃「大丈夫よ!!そんなことより比企谷くん!!」
結衣「死んじゃやだよ!!ヒッキー!!」
八幡「そん…なこと言われても…な…こう…なっちゃな……じゃあな…二人とも…」
そして俺は死んだ。
雪乃「比企谷くん!!」
結衣「ヒッキー!!」
二人の叫びが俺に届くことはなかった。
さっそくだが俺は死んだ。21歳になり久し振りに二人と会って「そろそろ帰るか」なんて話をしていたんだが誰かが走ってきたのでそれを見ると懐には包丁を持っていた。
方向的に狙いは雪ノ下だと思って俺はそれを庇って刺されてあっさり死亡。中々カッコいい死に方だな。と、思い出したんだが確か雪ノ下さんも21歳のころ女の子を庇ってトラックに轢かれて亡くなったんだよな…。
何か似てるな俺と雪ノ下さん。
と、何でこんなこと考えてられるんだ死んだくせにとか思ってる方。事情があるんですよ。深い事情が___
まさか死んだと思ったら幼児退行した上、山の中で寝てたなんてな。
八幡「どうなってんだよ」
ここどこ?てか何で体縮んでんの?俺今何歳?
俺は思考を巡らせるが一向に答えは出ない。
八幡「はぁ…」
仕方ないので山を降りることにした。
八幡「あ」
「こんなところでどうしたんですか?」
山を降りる途中少女に出会った。
八幡「えっと…」
俺はこの少女を知っている。クリスタ。
確か進撃の巨人に出てくるキャラだ。結構前に少しだけ読んだことがあるが覚えてることといえば主人公のエレン・イェーガーとミカサ、アルミン。それと目の前のクリスタくらいだ。
物語の内容的には超大型巨人が壁を破壊して巨人共が街に入ってくるとか。その時ヒストリアの年齢がエレン達と同じ10歳だから…
「何も持たずに山の中へ?君の名前は?」
名前…この世界では名前が先に来るんだよな…
ハチマン「ハチマン・ヒキガヤだ」
ヒストリア「私はヒストリア・レイス。よろしくね」
ハチマン「!!」
なんと名前が違かった。でも容姿からしてクリスタであることは間違いない。クリスタは偽名か?それともヒストリアが偽名?まあそれは置いておいていい。
ハチマン「あ、ああ…」
ヒストリア「ところでハチマン君はどうしてここに?」
ハチマン「…」
どうしよう。転生したら進撃の巨人の世界に来てしまったがそれをそのまま言って信じてもらえるわけがない。どうすれば…。
ヒストリア「とりあえずうちに来る?」
ハチマン「えっ」
ヒストリア「ここに居ても熊とかが出て危ないから」
…いいのだろうか。てか初対面のよくわからない男…まあ少年だが。それを招き入れていいのか?
ハチマン「いいのか?」
ヒストリア「うん!」
ハチマン「でも初対面のやつをそんな簡単に招き入れていいのか?」
ヒストリア「本当に悪い人ならそんなこと確認しないでしょ?だから大丈夫だよ」
おぉこの子頭いい…。まあ帰る家ないしありがたくついて行かせていただきますか。
ハチマン「んじゃお言葉に甘えて」
俺はヒストリアの家にお邪魔することにした。
〜道中〜
でもここが本当に進撃の巨人の世界だとしたらどうすればいいんだ?ヒストリアの年齢が8歳(予想)として俺の体格からするに多分俺も8歳前後…。
ハチマン「ヒストリアって何歳なんだ?」
ヒストリア「8歳だよ」
じゃあ多分俺も8歳だな。まあ1歳くらい違くても悪いことはないけど。
ハチマン「ここはどこなんだ?」
ヒストリア「え…?えっとウォール・シーナ北部の山だよ。」
ハチマン「ありがとうな」
ウォール・シーナ…三重の壁の一番内側…内地だな。ヒストリアの年齢からして2年後にウォールマリアが破壊される。それまでに何かと準備しなくちゃならいというわけか。
ー1週間後ー
俺はヒストリアの働いている牧場で働かせてもらえるようになった。まあ給料出ないしただの社畜だが衣食住が確保されてるからマシな方だろう。
部屋はヒストリアと同じだ。あ、同じベットでは寝てないからな?ほんとだよ?
ハチマンウソツカナイ。
働かせてもらうようになってからトレーニングを始めた。この世界で生き残るにはまず体を鍛えなきゃならんしな。
あと、一つ目的ができた。2年後にウォールマリア南端のシガンシナ区に行ってエレンのお母さんを助けなきゃいけない。
わざわざ死にに行くようなもんだが雪ノ下庇って一度死んでるんだし大丈夫だろ。
今更死んでも何とも思わん。今からイェーガー家に行くのもありだがよくわからん子供が来て住まわせてなんて言えないよな。
ということで行くのは2年後だ。それまで体でも鍛えて社畜るしかないな。
ーひたすら鍛錬と仕事をして過ごしていたある日ー
ハチマン「寒くなってきたな」
俺たちはそろそろ寝ようと思ったんだが冬は流石に寒いな。
ヒストリア「そうだね」
ハチマン「暖かくして寝ろよ」
ヒストリア「うん。じゃあこっち来て」
ハチマン「えっ?」
俺は言われた通りヒストリアの近くに寄ったんだが、
ヒストリア「一緒に寝よ」
ハチマン「!?いやそれは…」
いくら子供でもな…俺精神的には22歳超えてるし。
ヒストリア「いいの!ハチマンが風邪ひいたら困るし」
ハチマン「はぁ…わかったよ」
そうせがまれるとな。それに風邪ひいてヒストリアに負担かけるのも悪いし…。
ヒストリア「おやすみ」
ハチマン「おやすみな」
2人で一緒の布団で寝てるわけだが、幼児退行してるおかげで俺の息子が聖剣エクスカリバーになることはなかった。まあ、精神的にはきつかった。めちゃくちゃ。だってヒストリア可愛いし…。
ー2年後ー
いや2年とか飛ばし過ぎだと思ってる方には申し訳ないがアイディアが無さすぎる筆者に言ってくれ。
まあそんなわけで丁度3日後が巨人襲撃のところだと分かった。理由は3日後に調査兵団が帰ってくるからだ。確か調査兵団の帰還と同日だった覚えがあるからまあ行くしかない。
ハチマン「ちょっといいか」
ヒストリア「?どうしたのハチマン?」
ハチマン「俺は今日ここを出る」
ヒストリア「え!?出て行っちゃうの!?」
ハチマン「声が大きいって!聞こえたら何言わ
れるかわからないだからな」
ヒストリア「あ、ごめん」
ハチマン「まあいい。俺は少しやる事があるんだ。だから荷馬車に乗ってウォールシーナから出る」
ヒストリア「!!何をするの?」
ハチマン「今は言えない。だけどいつか話すから」
ヒストリア「絶対帰ってきてね」
ハチマン「いやここに帰って来れるかはわからない。あと俺は2年後12歳になったら訓練兵に志願するからしばらくは会えない」
ヒストリア「そっか…でもまたいつか会おうね」
ハチマン「ああ」
死なない限りは会おうと思うが保証はできない。でもここで死ぬなんて言ったらヒストリアを悲しませることになる。だからまあ約束を破ることになるかもな…。出来るだけ生きれるように頑張るか。
そして俺はウォールマリアに向かうに荷馬車に乗ってシガンシナ区に向かった。
〜【ウォールマリア・シガンシナ区】〜
ハチマン「着いたか…」
ここから俺の2年間で培われたコミュニケーション能力でイェーガー家を探さなきゃならない。まあ常人程度に話せるようになっただけだけど。主にヒストリアのおかげ。サンキュー!愛してるぜヒストリア!
そして探したんだが……最悪な事が起きた。
俺の乗ってた馬車の着いた先とイェーガー家の位置が遠い。近くにいた人に聞いたが知ってる人が一人もいない。つまり遠いと言うわけだ。え?どうすればいいの?このままじゃカルラさん食われちゃうよ?
ハチマン「はぁ…」
ただ今10歳の俺が金を持ってるわけもなく移動手段は徒歩のみ。
…いや、もう一つ。俺は走り出した。
壁との距離とうろ覚えの記憶で大体の場所を予測して全力疾走。2年間のトレーニングは伊達じゃ無い。全速力でもまだいける。
ードオォンッ!!
ハチマン「!?」
何だ!?何があった!!
俺は音がした方を向く。すると、そこには___
ハチマン「!!」
大量の蒸気。そして、
ハチマン「!?」
50mある壁の上に巨大な手がある。
ハチマン「間に合わなかったのか…」
その手の主は顔を出す。
ハチマン「っ!!ヤツが……」
皮膚がなく口が巨大な顔。
ハチマン「巨人か……」
"その日人類は思い出した"
"ヤツらに支配されていた恐怖を……"
ードゴオォォォンッ!!
"鳥籠の中に囚われていた屈辱を……"
ハチマン「くっ!」
超大型巨人が壁の門に蹴りを入れ、穴を開けた。
ハチマン「…」
飛んできた岩でカルラさんは家ごと潰される。生きてはいるが巨人に食われて死亡。
これが本来の未来。俺と言うイレギュラーのせいで変えられるかもと思ったが…一足遅かったのか…俺が知ってる未来はここまで。
カルラさんが食われてエレンが訓練兵になるまででそこから先は読んだ事がない。今俺に出来ることは……。
俺は再び走り出す…イェーガー家に向かって。
〜イェーガー家付近〜
エレン「やめろぉぉおおお!!!」
巨人がカルラさんの体を握りつぶし口に入れる。
ハチマン「ぁ…」
間に合わなかった。囮くらいにはなれたかもしれないのに。一度死んだ身。囮くらい迷わず出来るくらいの覚悟はあった。でも、そもそも間に合わなかったのか…。
エレン「あ……」
巨人がカルラさんを噛む。見えるのは膝下の2本の足のみ。
俺はエレンと思わしき少年とミカサと思わしき少女を抱えてる兵士の元に走る。
ハンネス「お前の母さんを助けられなかったのは…お前に力がなかったからだ…」
エレンが兵士の人に殴りかかる。
俺はそれを眺める。
兵士がその拳を掴んだ。
ハンネス「オレが…巨人に立ち向かわなかったのは…オレに勇気がなかったからだ…」
エレン「…!!」
兵士とエレンは涙を流した。
ハンネス「すまない…すまない…」
入りずらい…仕方ないか。着いていこう。
俺はエレン達に着いて行き船に乗ってウォールマリアに向かった。が、
ードゴオォォォンッ!!
鎧の巨人によってウォールマリアは突破された。
ハチマン「はぁ……」
本当に無力だな…俺は。
この世界で人を助けるには兵士になるしか無い。生存ルートに持って行くなら対象を殺す相手より強く無いといけない。
俺は必ず……強くなる。自分に近い人を…ヒストリアやこれから出会う人たちを守れるように。
俺はエレン達とは別の開拓地に送られた。
牧場にいた時のように一日中働き続ける。飯を食ったらトレーニングをして寝る。いつも通りの生活が送れてる。
またこれを2年間繰り返すことになるんだろうな。
ーそんなある日ー
寝れねえな。トイレ行くか……。
ードンッ
ハチマン「!」
何の音だ?
俺は音のした方に向かう。そこには
兵士「何なんだよお前!」
ードンッ
兵士2人が1人の少女を殴っている。
ハチマン「…何してるんすか?」
兵士「あぁ?」
兵士「もう就寝時間だろ。何起きてんだ?」
ハチマン「寒くて眠れなくて。トイレに行こうとしたら何か音がしたんでここに…」
兵士「ならもういいだろ。さっさとトイレ行って寝ろよ」
ハチマン「いや何で殴ってるんすか」
流石にこんなの見せられたら気になるだろ。
兵士「こいつが食堂で俺らにぶつかったのに謝んねえからだよ」
兵士「わかったならさっさと寝ろ」
そんなことで怒んのかよ。餓鬼か…。まあ俺が言うのもあれだが。見た目10歳だし…。
ハチマン「今回だけは許してあげてくれませんかね?」
兵士「あ?」
ハチマン「それにせっかくの労働者を使いもんにならないようにしちゃ兵士さんたちも困りますよね?」
兵士「……ちっ…今回だけだぞ」
案外聞き分けがよくて助かった。
兵士「さっさと寝ろ」
ハチマン「うす」
そんなわけで殴られていた少女と体育館的な大型倉庫に向かったんだが、道中……
「良い事したとか思ってるんだろうけど私はあんたに何もやらないよ」
ハチマン「は?…俺は良い事をしたつもりはねえよ」
「じゃあどういうつもり?優しくして私に何見返りでも求めてるの?」
ハチマン「あんたな「アニ・レオンハート」は?」
アニ「あんたなんて呼ばれる筋合いはない」
ハチマン「はぁそれでアニ「あんたの名前は?」ハチマン・ヒキガヤだ」
アニ「それで何を求めてるの?」
ハチマン「何も求めちゃいねえよ。何かあったらすでに言ってる」
アニ「じゃあ何であんなことを?」
ハチマン「自分のためだ。あそこで何もせずに立ち去ったらあいつらと同じ。それこそ癪に触るからな。それにアニだから助けたわけじゃない。他のやつでも同じことをしてたぞ」
アニ「あんた頭おかしいね」
ハチマン「おい」
てか俺があんたって言ったら何か言ってくるのに自分はあんた呼びかよ。
アニ「まああんたは悪いやつじゃない。それはわかった」
ハチマン「良い奴でもないけどな」
アニ「だろうね」
そこは否定してくれ。悲しくなる。
そんなわけで着いたから空いてる布団に入る。
アニは隣の布団だ。
お互い何も喋らず寝る。
色々ありすぎてトイレ行く気無くしたな。
そして俺は目を閉じて眠りに落ちる。
ー翌日ー
ハチマン「…」
えー何と言うことでしょう。朝起きると布団の中にアニさんがいるではありませんかー。
ハチマン「おい」
アニ「ん……あ、おはよ」
え、可愛い…。
ハチマン「何で俺の布団にいるんだよ」
アニ「寒かったから近くにいたあんたの布団に入った」
ハチマン「初対面の相手の布団によく入れるな」
アニ「あんた寝てたし」
ハチマン「はぁまあいい。朝食食べに行くか」
俺は布団から起き上がり食堂に向かう。
食堂につき列に並び食べ物を受け取った俺は長机の空いてる席に座る。アニも隣に座り受け取ったパンを食べ始める。
ハチマン「何で隣来るんだよ」
アニ「別に。他が空いてなかったから」
俺は周りを見るがまあ確かに空いてない。
ハチマン「そうですか」
その後会話もなく食べ終えるとそこを出て労働を開始する。
ー1ヶ月後ー
俺は1週間程で開拓地生活に慣れるとそこからは早起きして鍛錬を始める。筋トレはもちろん自己流で格闘技と走り込みをする。そして、走り終えて戻ると…
ハチマン「あ」
アニ「…おはよ」
ハチマン「おはようさん」
アニは格闘技の鍛錬に励んでいた。自己流で格闘技を練習していたとはいえ彼女の強さは目に見えてわかる。
ハチマン「格闘技得意なのか?」
アニ「……」
無視された…まあいつものことか。え?何それ悲しい…。
ハチマン「少し手合わせしないか?」
自己流で鍛錬はしてるが使った事がないためどれほどのものか試したい。
アニ「いいけど」
そう言ってアニは上段蹴りをかましてくる。
ハチマン「!!」
俺はそれを避け右足でアニの左足を蹴ろうとする。が、
アニは左足で地面を蹴りそれを避ける。着地すると俺に回し蹴りをかます。俺はそれを両手で受け止める。
アニ「!!」
そして、左足でアニの左足を掬い上げる。
アニ「きゃっ!」
やべっ強く掬い上げすぎた!
俺は咄嗟にアニの膝裏と後頭部に手を添えて受け止める。いわゆるお姫様抱っこだ。
アニ「ちょ…ちょっと…お、降ろして…」
ハチマン「あっすまん!すぐ降ろす!」
俺はすぐにアニを降ろす。
アニ「あのさ、格闘技教えてくれない?」
ハチマン「え?」
何とアニが俺に格闘技を教えてと頼んできたではありませんか。
まあ事情を聞くと格闘技は父親との唯一の繋がりで、誰にも負けないと思っていた自分の存在意義を示せる唯一のものでもあったらしい。
そのプライドを真正面から折られたため毎朝一緒に鍛錬しろとのことだ。
そして、それから寒い夜はアニと同じ布団で寝るようになった。ここだけは何故か疑問だが気にしたら負けだな。
ー1年後ー
俺たちは今日も開拓地を離れ山に向かう。何だかって?食糧が少ないからだよ。食糧難が深刻化して餓死者も出てるんだ。
開拓地に回ってくる食糧も減ってるしこうでもしなきゃ死んじまうって。
あと1年もあるんだからこうするしかないだろ。俺たちは3ヶ月くらい前からこうして山に入って木の実とか山菜とか野生動物を狩って食べている。
そうして山に向かおうとした時、
兵士「これよりウォールマリア奪還作戦のための移動を開始する!!諸君らの手でウォールマリアを奪還するのだ!!」
数千人の生産者が兵士の後を追うように歩いて行く。
ハチマン「……口減らしか…?」
アニ「口減らし?」
ハチマン「まあ簡単に言うとこれの場合は人口を減らして食料不足を解消しようとしてるんだろ。運良くウォールマリアを奪還できたらそれはそれでいいし駄目でも人口が減って食料不足が解消される」
アニ「ヤツらならやる手だね」
ハチマン「まあそのおかげで狩りをしに行かなくてもよくなるんだろうけどな」
すると、
ーバキッ
ハチマン「!!」
後ろには全長3メートル程の熊がいた。
アニ「!!」
ハチマン「アニ…先に帰れ」
アニ「ハチマン!」
ハチマン「くっ!」
俺は熊に飛びかかる。持っているのは盗んだナイフ2本。それだけで熊と戦うのだ。
熊は俺に前足を振ってくる。俺はそれを避け懐に入ると飛び上がり熊の両目に2本のナイフを刺す。
「ガォー!!」
熊は俺を右前足で突き飛ばす。俺はそのまま木に激突。
ハチマン「がはッ…!」
痛ってえな……。
アニ「ハチマン!」
ハチマン「大丈夫だ。視覚は奪った。あとは止めを刺すだけだ」
だが、相手は熊。近づくとそれに気づき前足を振り回す。
ハチマン「っ!!」
爪が少し掠り、血が出る。だが俺は熊の右目からナイフを抜き取り心臓に突き刺した。
「ガッ!!」
そして、のたうち回った挙句に熊は死んだ。
ハチマン「ハァ…ハァ…」
俺の右腕や腹からは血が出ているが骨などは折れていない。俺はその場に座り込む。
アニ「ハチマン…!」
アニは俺に近づくと持っていたハンカチを俺の傷口に当てる。
アニ「大丈夫?」
ハチマン「ああ。少し掠っただけだ」
アニ「無茶しすぎ」
ハチマン「逃げきれないんだから仕方ないだろ」
アニ「バカなヤツ」
そう言ってアニは少し笑った。
え、何これ普通に可愛いんだけど……。
ハチマン「いつもその顔の方がいいぞ」
アニ「えっ…」
俺の血が止まると俺たちは開拓地に戻って寝た。
ー1年後ー
俺とアニは12歳になり訓練兵団への入団が可能となった。俺とアニ、他の訓練兵志望の子供たちは馬車に乗って訓練兵団基地のあるウォールローゼ南端に向かった。
ー到着後ー
キース「オイ貴様」
アルミン「ハッ!!」
キース「貴様は何者だ!?」
アルミン「シガンシナ区出身!アルミン・アルレルトです!!」
キース「そうか!バカみてぇな名前だな!!親がつけたのか!?」
アルミン「祖父がつけてくれました!」
キース「アルレルト!貴様は何しにここに来た!?」
アルミン「人類の勝利の役に立つ為です!!」
すると、キース教官がアルミンの頭を鷲掴みにする。
キース「それは素晴らしいな!!貴様は巨人のエサにでもなってもらおう。3列目後ろを向け!!」
アルミン「…!!」
キース教官はアルミンの首を後ろに向ける。
キース「貴様は何者だ!?」
「ハッ!」
〜〜〜
「やってるな…お前も訓練兵だった時は初っ端からあれだったろ?」
「懐かしいです。でも…あの恫喝には何の意味が…?」
「通過儀礼だ。それまでの自分を否定して真っさらな状態から兵士に適した人材を育てるためには必要な過程だ」
「?……何も言われてない子がいるようですが」
「あぁ…すでに通過儀礼を終えた者には必要ない。"恐らく2年前の地獄を見てきた者達だ。面構えが違う"」
〜〜〜
あれ?俺何も言われてなくね?いいの?まあ面倒だしあんなこと言われたら泣くかもだからいいけど…。あ、エレンとミカサとアニも通り過ぎられた。何故に?面構えとか見て決めてるのか?確かにあの3人と数名は他と違うが…俺が通り過ぎられる意味がわからん……。ん?
あれ…ヒストリア?やっぱ来ちゃったか…まあ本編でもいたし仕方ないか…調査兵団に入らないことを切に願う。
ハチマン「ヒストリア」
俺は夕食が終わってヒストリアに声をかける。
クリスタ「あ!ハチマン君!あ、それと私の名前はクリスタ・レンズね」
ハチマン「は?何で?」
クリスタ「その…色々あって…」
ハチマン「ヒ…クリスタ。言いたくないならいいからな」
クリスタ「う、うん。ありがとう」
何でそうなったか気にならないわけじゃないが無理に聞くのも野暮だろ。
ー翌日ー
今日することの説明の前に一つだけ言いたい事がある。
昨日のキース教官の恫喝時に芋食べてる女がいたんだよ。あのメンタル半端なくね?まあその女は死ぬ寸前まで走らされてたけど。
それと、その女死ぬ寸前まで走れって言われた時より飯抜きって言われた時の方が絶望的な顔してたな。何でそのシーン書かなかったって?
知らねえよ面倒くさがった筆者に言え。俺は悪くない筆者が悪い。
まあ、そんなわけで今日することだが…
キース「まずは貴様らの適性を見る!両側の腰にロープを繋いでぶら下がるだけだ!!全身のベルトで体のバランスを取れ!これができない奴は囮にも使えん!開拓地に移ってもらう」
「これはまだ初歩の初歩だがこの段階から立体機動の素質は見てとれる。ん………見ろあの子だ」
教官らがミカサを見て何やら言ってる。
結構みんなできるっぽいな。俺できるか?一応現代人だし俺の時代にはあんな遊具ないぞ。まあやるだけやるしかないか…。お、エレンだ。ってえ?何してるの?
エレンは上体が反転して逆さになっていた。
八幡「……」
エレンって卒業できてたよな?何でこうなってるんだ?ここで落ちたらまずまず兵士になんてなれないんだぞ…エレンはここからどうするだ?
俺は考えるがやがて…
まあ、今考えても仕方ないか。今日駄目でも明日最終の適性検査があるからそこでできればいい話だしな。
そして、俺の番がやってきた。
ハチマン「……」
思ったより簡単だな。最初に少しブレてたけど力の入れ方が分かったらブレが無くなったな。上半身の筋肉を固くして下半身は柔らかく。バランスは両足の位置で…。
そんなわけで俺は無事適正判断問題なしと言われた。
ー数日後ー
エレンはあの日の翌日に適性検査に合格。何故か器具が破損してたらしくて普通のでやったら全然問題なかったらしい。
そして、今日は短刀の対処法をペアを組んで訓練中。まあ簡単に言えば対人格闘術だな。俺は誰とやってるかだって?俺はボッチだから相手がいないと?
舐めてもらっちゃ困る。今までの俺ならそうだったが今は違う。
ハチマン「…」
俺はアニと組んでる。アニは点数の稼げる立体機動術以外やる気がないらしいから教官が来た時だけ真面目にやってる。だって俺も休みたいし。巨人に格闘技が通じるとは思えないがアニの使ってるやつなら3m級くらいはやれるんじゃね?多分…。
アニに俺は短刀を突き出す。アニは足を蹴ろうとするが俺は踏み込んだ右足を後ろに引きアニの足は空振る。
アニ「!!」
そして、右足をもう一度前に持っていき空いている左足に足をかけアニが倒れないように後ろに入って首に短刀をかざして俺の勝利。
アニ「何で毎回私が倒れそうになると助けるわけ」
ハチマン「俺が倒そうとしたわけだし俺が支えるべきだろ。敵だったら助けないけどアニだからな」
アニ「私だから…?」
ハチマン「これは痛めつける訓練じゃなくて短刀の対処の訓練だ。わざわざ倒して怪我させることもないだろ」
アニ「あっそ…ならありがと」
ハチマン「いつもか弱い乙女とか言ってるからな」
アニ「いつものあれ気にしてくれてるんだ」
ハチマン「べ、べつに気にしてはねえよ」
アニ「ハチマンも可愛いとこあるじゃん」
ハチマン「男が可愛いとか(戸塚を除いて)気持ち悪いだろ。特に俺とか俺とか俺とか」
アニ「どんだけ自分をいじめたいの。何そういう趣味?」
ハチマン「んなわけねえだろ。それにこんな目の腐ったやつが可愛いとかありえねえだろ」
アニ「私ハチマンの目が腐ってるとか思ったことないんだけど」
てか何でこんな戦いながら呑気に話せてるんだよ俺ら。ちなみに短刀はアニが持ってる。
ハチマン「いや腐ってるだろ」
鏡見てねえからわからんがこの年で確か腐り始めたはず。
アニ「そう思ってるならいいんじゃない」
アニは諦めた。
ー翌日ー
今日は立体機動の訓練の一環としてロープを体につけて崖の上…正確には15m上から降りるというものだ。
下にはマットが敷いてはあるがそのまま飛び降りたら怪我はする。まあ俺は安全に…いや待てよこれ本気でやらないと後々立体機動装置つけた時に死ぬかもしれないな。
ちゃんとやるか…。
そして、俺の番が回ってきた。
キース「始め!!」
俺はロープをある程度余裕のある状態で持つと、すぐに飛び降りた。
ハチマン「うお!」
巨人に比べたらマシだが怖いなこれ。俺は一気にあと10m程の位置まで来た。
ここからはロープを少しずつ持ち直しながら降りていく。すると、
ハチマン「え?」
いきなりロープの安定感が無くなった。てか切れたロープが降ってきた。
ハチマン「はぁ…」
ここが約9m地点。ビル換算で3階くらいの高さだ。え、高。
そんなとこから落ちるのかよ。てか誰だよ切ったの。殺したいの?でも俺は死ぬわけにはいかない。
一度死んだ身とは言え死にたくないよ。
俺が死ぬ時は守りたい人を守る時って決めてるんだよ…!
キース「(さて、闇討ちにどう対応するか…)」
ロープを切ったのは教官のキースだった。
周りの訓練兵達は驚愕の目で見ているがキース教官はただハチマンがどう出るか見ているだけだった。下ではマットをもう一枚重ねている教官達がいる。
俺は仰向けで落ちている為体を捻りうつ伏せになる。さらに膝を曲げた。
ハチマン「ふざけんなよ…!!」
そして、俺は残り2m地点で思いっきり崖を蹴りマットのギリギリのところで受け身を取る。
ハチマン「ハァ…ハァ…」
あっぶねぇ。一歩間違えたら大怪我だろ。ふざけんなよ。
俺は崖を蹴って下方向にかかっている力を無理矢理前に変えて衝撃を緩和したのだ。
キース「(ほう…闇討ちに冷静に対処して無傷とは…とんだ化け物が来たな)」
ー夜ー
クリスタ「大丈夫だったの!?」
ハチマン「お、おう。なんとかな」
アニ「あの教官わざとロープを切ったんだよ」
ハチマン「え…マジで?」
アニ「見てたから」
ハチマン「止めてくれよ」
アニ「教官に逆らったら評価が下がるから」
ハチマン「俺の命よりお前の評価なのかよ」
アニ「当たり前でしょ。それにハチマンなら死なないと思ってたし」
ハチマン「随分と信頼されてますね」
アニ「2年間一緒に過ごしてハチマンの強さは知ってるから」
クリスタ「むぅ…」
ハチマン「ん?どうしたんだクリスタ」
クリスタ「2人だけ楽しそうに話してて…その…」
ハチマン「(拗ねてるクリスタ可愛い…)」
アニ「変なこと考えてるでしょ」
ハチマン「なっ!?か、考えてましぇんよ?」
クリスタ「ぷっ」
ハチマン「お、おい…」
ー半年後ー
早くも半年が経ったが今日は少し特別なんだよな。何があるって?それはな…
キース「今日が諸君ら初の立体機動装置をつけての訓練となる!!」
らしいです。まあこれが特別な理由な。俺大丈夫かな…?やるしかないから心配するだけ無駄だが……。
「第3班!発進!」
八幡「ふぅ」
俺はアンカーを射出し約8m先の木に刺しガスを噴射。巻き取りを開始し一気に木との距離を詰める。アンカーが外れ、俺は次の木にアンカーを射出し進んでいく。
八幡「おお…!」
すげえなこれ。厨二心に来るものがあるな。言ってしまえば最高だわ。この浮遊感癖になる。
俺は他の3班の奴らの3倍以上の速度で進み圧倒的大差でゴール。これが今期最高記録らしい。ちなまに2番目がミカサ。
俺普通に安全運転で行ったつもりなんだがそんなに速かったのか?
キース「(ハチマン・ヒキガヤ……初の立体機動で調査兵団の熟練なみの移動速度を出す歴代でも類を見ない逸材。"あの男"をも超えるかもしれんな)」
ー半年後ー
俺たちは今森の中を立体機動で移動しながら巨人の模型のうなじを削ぐ訓練をしている。
まあ実際の巨人は動くから意味ない。だから俺は模型のサイズに合わせた巨人を想像してそれに合わせて動いてうなじを削いでいる。
ハチマン「くっ!」
俺の目の前。想像しているのは10m級奇行種。
俺は振ってきた腕を体を捻って避け木にアンカーを射出。そこから遠心力を使って一気に接近。そして、うなじを削いだ。
ハチマン「あ」
勢い余ってうなじの模型の下部分まで切り込んじまった。次のやつ使えないんじゃ……まあいいか。仕方ない仕方ない。
ただ評価が下がるかもしれないが。
そして、俺は次に移動しまた見つける。目標は3体。前方1体が5m級、その後ろ2体が15m級。
ハチマン「…」
俺は右手を逆手に持ちアンカーの片方を15m級一体に刺し巻き取りを開始。
5m級の横を通る時出してきた左手を避ける為左側奥にいる15m級にもう片方のアンカーを射出。避けた後高速回転で5m級のうなじを削ぎ最初に刺したアンカーを外す。
ハチマン「っ!!」
そして、ガスを最高出力で噴射。高速回転をし左側から攻め一気に2体のうなじを削ぐ。
ハチマン「ふぅ」
さらに俺は前方に進み見つけ次第早々に片付けていく。
教官「あの持ち方…リヴァイ兵長の…」
教官「自分で使い始めたとは…すごい逸材だ」
ハチマン「ぐっ!」
目に入った巨人模型は全部削いでいく。
コニーがジャンの見つけた獲物を横取りしようとし、さらにそれをサシャが横取りしようとする。が、
コサジャ「「「!?」」」
俺が横から入りうなじを削いで離脱。次に移る。
ジャン「おいハチマン!俺の見つけた獲物だぞ!!」
その言葉が俺に届くことはなかった。
ーしばらくしてー
ハチマン「うおっ!!」
俺の進む目の前にいきなり巨人模型が立てられる。
ハチマン「ちっ!」
俺はアンカーを巨人模型に刺し変えうなじをそごうとする。が、
ミカサ「!?」
ハチマン「なッ!?」
ミカサが目の前に出てくる。木の陰で見えていなかったのだ。
ハチマン「っ!!」
俺は体を無理やり後ろに向けアンカーを射出。
巻き取りミカサとの衝突を避けるが、元々刺していたアンカーのワイヤーが切れた。
ハチマン「あっぶねぇ」
キース「(…!!突然の巨人の出現への冷静な対処。味方とのあの速度での衝突直前で衝突回避をできるあの身体能力と力と精神力。それにこれまでの動きを見ていると自分で想像して巨人と戦っているように見える…ハチマン・ヒキガヤ…本当に化け物か…)」
ハチマン「ミカサ大丈夫か?」
ミカサ「大丈夫。ハチマンは?」
ハチマン「ワイヤーが切れただけだ。怪我はない」
ミカサ「よかった。私の不注意で危険な目に遭わせてしまってごめんなさい」
ハチマン「いや俺も見てなかったからな。お互い様だ」
そして俺は1つのアンカーで次へ進む。
ミカサ「ハチマン!?」
アンカー1つで次に向かおうとするハチマンに驚愕するミカサだった。
ハチマン「(壊したの怒られるのか…?サシャみたいに教官室に呼ばれたくはないな…)」
ー訓練兵になり1年がたったー
今日全員に成績表が配られた。それでみんなが結果見て騒いでる。今日は騒がしくしても怒られないらしい。
ジャン「俺は7位か…マルコはどうだったんだ?」
マルコ「僕は8位だよ。ライナーは?」
ライナー「俺は3位だ。ベルトルトはどうなんだ?」
ベルトルト「僕は4位だよ。アニは?」
アニ「5位」
コニー「俺は9位だったけどエレンはどうなんだ?」
エレン「俺は6位だ。サシャは?」
サシャ「私は10位ですよ」
コニー「え、じゃあ1位はミカサか?」
ミカサ「私は2位」
エレン「じゃあ誰なんだよ首席は」
ジャン「…!!まさか…」
アニ「(多分あいつ…)」
ジャンとアニは気がついた。
ミカサ「多分ハチマンじゃない?」
エレン「ハチマンは…ってどこだ?」
ハチマン「ハァ…ハァ…」
話が振られる前に逃げてきたぜ。あんな集団の中で話すなんていくらクリスタに鍛え上げられてても無理だ。結局は俺だし。
てか………………どうしてこうなった!?
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[ハチマン・ヒキガヤ]
立体機動術 12
対人格闘術 10
兵法講座 7
兵站行進 7
馬術 10
技巧 10
格闘 10
行動力 12
頭脳 9
協調 7
総合成績順位 1位
〈咄嗟の判断能力、行動能力に長けており危機回避能力が非常に高い。孤立気味ではあるが連帯を取るとなれば相手の実力に合わせてアシストを行えている為協調性も問題ない。これからも修練に励むよう〉
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何なんだこの好成績…しかも10段階評価なのに12とかあるんだけど……どゆこと?
アニ「あ、いた」
ハチマン「げっ」
アニ「いくら私でもその反応は傷つくよ」
ハチマン「すまん。いきなりでビビっただけ」
アニ「それで、どうせ1位なんでしょ」
ハチマン「疑問系じゃないあたり確定なんだな。まあそうですが」
アニ「ちょっと見せてよ」
ハチマン「まあいいけど」
俺は成績表を渡す。
アニ「……何で12があるの」
ハチマン「いや俺に言うなよ書いた教官に言え」
アニ「まあでも正当な評価だね。立体機動でハチマンに勝てるやつなんてここに1人もいない」
ハチマン「そうか?ミカサとかの方がすごいだろ」
アニ「それ本気で言ってるなら舐めてるね」
ハチマン「は?何で?」
アニ「はぁ。まあ私には関係ないからいい」
ハチマン「おお。変なやつだな」
すると、アニのパンチが俺の腹に入る。
ハチマン「うっ!」
アニ「変なのはそっち。私は何もおかしくない」
ハチマン「は、はい。何も変じゃありません」
すると、アニはみんなの方へ戻った。
ハチマン「はぁ」
まあ結構頑張ったとこあるしな。自分的に。
2年になってからは少し落とすか。
ー2年後ー
またまた一気に飛ばしました。筆者に代わってお詫び申し上げます。
と、そんなわけで
「開始!!」
卒業模擬戦闘試験が始まった。
八幡「はぁ」
流石にこれには少し本気を出すか。
俺はいつも以上に集中して巨人模型をのうなじを削いでいく。最初の巨人模型での訓練から1年半経ったら刃を鈍にしないままうなじの下を切ることに慣れてきた。
それと、教官にバレないように立体機動装置を改造した。工場区の人たちしか仕組みを知らないって?まあ色々と研究したんだよ。
ちなみに改造したのはアンカーの長さとガスの噴射量の調整だ。より少ない量で高速に動くために少し改造した。まあ微量な差だが少し癖がある感じになったから俺以外使えない。
アンカーは通常の1.3倍の長さだ。見た目は普通だが。
そして、卒業模擬戦闘試験が終了した。
ー数日後ー
「心臓を捧げよ!!」
全訓練兵「「「「「「ハッ!!」」」」」」
「本日諸君らは訓練兵を卒業する…その中で最も成績の良かった上位10名を発表する。呼ばれた者は前へ」
「首席、ミカサ・アッカーマン。
2番、ライナー・ブラウン。
3番、ベルトルト・フーバー。
4番、アニ・レオンハート。
5番、エレン・イェーガー。
6番、ジャン・キルシュタイン。
7番、マルコ・ボット。
8番、コニー・スプリンガー。
9番、サシャ・ブラウス。
10番、クリスタ・レンズ。
以上10名_____」
「本日を以て訓練兵を卒業する諸君らには3つの選択肢がある。壁の強化を努め各街を守る、
[駐屯兵団]。犠牲を覚悟して壁外の巨人領域に挑む、[調査兵団]。王の元で民を統制し秩序を守る、[憲兵団]。無論、新兵から憲兵団に入団できるのは成績上位10名だけだ。後日配属兵科を問う。本日はこれにて第104期[訓練兵団]解散式を終える…以上!」
全訓練兵「「「「「「「ハッ!」」」」」」」
ー夜ー
何かエレンとジャンがまた話し始めたと思ったらジャンが現実的な話を始めてしまった。
ジャン「もう十分わかった。人類は…巨人に勝てない…」
あ?何言ってんだこいつ?
俺は今までの俺含め全員の努力を否定された気がして久し振りにイラっときた。
ハチマン「お前なんかと一緒にするよな」
ジャン「は?いきなりどうしたんだハチマン」
ハチマン「さっき巨人1匹に平均30人死ぬとか言ったよな。でもな、俺を倒すまでに巨人30匹は必要だぞ?巨人1匹なんて目瞑ったって勝てる。そうやって俺らの3年間を否定するなよな。少なくとも卒業した直後に…」
柄にもなく取り乱してしまった。
ジャン「それはお前だけだ。お前みたいに才能があるやつだからそうなだけなんだよ」
エレン「でも、諦めていいことあるのか?確かにハチマンには才能があるし俺らと差があるのはわかる。でも、だからって諦めるのか?あえて希望を捨ててまで現実逃避する方がいいか?」
ハチマン「はぁ…」
俺はその場から離れて、外に出た。
本当久しぶりだな。あそこまでイラついたのは。
アニ「珍しいねハチマンのあんな姿」
ハチマン「俺も思ったよ。柄にもなくイラついたんでね」
アニ「気持ちはわからなくもない」
ハチマン「否定された気がしたんだよ。俺が自分に鞭打って鍛えてきた7年間を」
アニ「ハチマンでもそう言うことあるんだね」
ハチマン「俺も驚いた。でも、言いたいことは言えたからいい」
アニ「それと、ハチマン自覚した?」
ハチマン「え?何を?」
アニ「自分が強いってこと」
ハチマン「……」
流石に自分で言っておいて違うとは言いづらい…でも俺強いか?
アニ「まあ認めなくてもいいけど。でも、ハチマンは強いよ」
ハチマン「そこまで言われると信じたくなるな」
アニ「それは勝手にして」
酷くね?まあいつものことか。え?何それ泣きそう…。
アニ「ハチマンはどの配属兵科にするの?」
ハチマン「俺は……調査兵団にする」
アニ「ハチマンらしくないけどそうするんだ」
ハチマン「最初は俺もそう思った。だけど…ライナーが言ってたんだ。力を持つ兵士としての責任って。俺はまあ、あれだ。立体機動に関してはそこそこ自信あるしな。その責任を取るために調査兵団に入る。駐屯兵団に入ってもその責任は果たせないと思った。この力は…巨人を殺すためにある」
アニ「……私も…調査兵団に入る」
ハチマン「!?アニお前あれだけ憲兵団入るって…」
アニ「私もハチマン程じゃなくても力は持ってる。その責任を取ろうと思って…」
ハチマン「まあ、お前「アニ」!アニの決めたことだから俺がとやかく言う資格はねえよ」
クリスタ「あ!いたいた!ハチマン!」
ハチマン「お、クリスタ。どうした?」
クリスタ「少し話したいなーなんて」
何それ可愛い。
すると、脇腹に痛みが走る。
ハチマン「い、痛いって!」
アニ「……」