それでも俺は進み続ける。   作:甘味の皇帝

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season3 Last Part

アルミン「ベルトルト…?」

 

サシャ「うぅ…痛いよぉ…」

 

壁上で目を覚ましたアルミンは、隣で寝ているサシャを見た。

 

アルミン「サシャ!?ひどい怪我だ…!何でこんな…」

 

すると、起きたアルミンに気づいてエレンが駆け寄ってきた。

 

アルミン「エレン…これは────」

 

ーガシッ

 

エレンはアルミンを抱きしめる。

 

エレン「よく…戻ってきた…」

 

アルミン「え?」

 

 

リヴァイ「起きたか」

 

アルミン「兵長。これは?こうなった記憶がないんです…」

 

リヴァイ「だろうな」

 

アルミン「え?」

 

リヴァイ「エレン。ありのままを話せ」

 

ーパシュッ

 

リヴァイは信煙弾を撃ち、アルミンが起きたことを知らせる。

 

そして、アルミンにはことの経緯が伝えられた────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

リヴァイ「どうだ?わかったかアルミン」

 

アルミン「ええっと…まず…調査兵団は…ここにいる50人で全員……なんですか?」

 

ジャン「あぁ…今の所はな。戦闘が終わってから四時間…ずっと生存者を探しているんだが未だ…」

 

アルミン「…シガンシナ区の壁の封鎖に成功」

 

ライナーと獣ともう一人の敵は…逃亡したと思われる……超大型巨人(ベルトルト)は捕らえることに成功…。

 

アルミン「そして…瀕死の僕と瀕死のハチマン…どちらに注射を使うか言い合った後…僕が巨人になって…ベルトルトを食った…」

 

すると、アルミンは吐きそうになる口を抑えて水を飲んだ。

 

アルミン「ハァ…ハァ…どうして…僕なんですか?」

 

リヴァイ「…エルヴィンの指示だ。ハチマンの戦闘能力とお前の頭脳。お前はその選択の上で選ばれた」

 

アルミン「…そん…な……」

 

ハルノ「…正直ね、私はどっちに打ってもいいと思ったよ。君たちはそれぞれに違う能力を持ってて、どちらも捨てがたいものだった…だから、選ばれたからには頑張ってね♪」

 

アルミン「…はい」

 

 

エルヴィン「では、そろそろ行くぞ。私とリヴァイ、エレン、ミカサ、ハンジで調査に向かう。他はシガンシナ区壁上で四方から見張れ」

 

ハンジ「エレン。鍵はなくしてないかい?」

 

その言葉に、エレンは胸元を握った。

 

エレン「…はい。ここに」

 

〜〜〜

 

エレンとミカサの案内で、エルヴィンたちは地下室に到着し、中に入った。

そして、部屋の中にある机に鍵穴のある引き出しを発見した。

 

ーカチャッ

 

エレンは鍵を開け、取っ手を引く。

その中には────

 

エレン「空…!?」

 

リヴァイ「よく見ろ。二重底だ」

 

リヴァイは二重底を見破り、その下にあるものを見つけた。そこには3冊の本が綺麗に並べられている。

 

ハンジ「この匂いは…ハッカ油に木炭。防湿防虫用に加工されてるのか。本が3冊…」

 

リヴァイ「俺たちの探し物はこれらしい…」

 

エレン「親父(おやじ)は…俺に…何を見せたかったんでしょうか?」

 

エレンは本の表紙を開ける直前で、そう聞いた。それに応えたのは────

 

ミカサ「…」スッ

 

エレンの手に重ねるようにミカサは手を置く。

 

ミカサ「…」コクッ

 

そして、世界の真相が明らかになった。

 

 

 

 

人類は滅んでなどいない────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…!?」

 

俺は目を覚ますと、目の前に広がる景色に驚愕した。

 

無限に広がる夜空、沢山の光の道、そしてそれらが交わる一点。何も遮るものがない砂浜。

 

「……死んだのか…?」

 

前に死んだ時はこんなとこ来なかったが…というか転生し────ん?…待てよ…なんだ?

 

「俺は……ここに来たことが…ある…?」

 

すると、俺の元まで歩いてくるボロボロの少女を発見。

 

「なんだ…?どこかで見覚えが…」

 

少女は俺の隣にくると、膝をつき、砂をこねて俺の腹につけた。

 

「は?」

 

俺は状況が理解できず、とりあえず下を見た。そして、そこには異常な光景が見える。

 

(腹に穴が…ってそれは普通か。さっき食らってそれで死んだんだしな……でも…砂でそれを治してるのはどうなんだ…)

 

にしても、俺は腹に穴が開くのが好きらしい。これで二度目だ。しかも同じ場所。俺不運過ぎません?

 

 

少女がこねる砂は俺の腹を埋めていき、損傷した内臓すら治り始めた。

 

「…お前は…誰なんだ?」

 

「」コネコネ

 

…あーこの感覚久しぶりだわ。うん。俺よく無視されたもんね。え?何それ?泣くよ?

 

「あのな、いきなりこんな訳分からんとこに来たんだぞ?それでいきなり砂捏ねて体作るとか…マジで意味不明なんだが…」

 

「」コネコネ

 

「ハァ…」

 

どうやったら戻れるんだ?もしこのまま生き返れるなら…どうすれば────。

 

「」グッ

 

「マジか…」

 

考え事をしてる間に本当に全部治りやがった。何この子…普通の少女じゃねぇだろ…。

 

「まあ、なんか…ありがとうな」

 

「」

 

やっぱ無視ですか…ここ"数年"ずっと話しかけてそれだっから今更驚かな────

 

「え?……俺…今なんて……」

 

ービリッ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!」

 

俺は目を覚ますと顔の上にかけられていた調査兵団のマントを取った。

 

「…あれ…?なんか…すっげぇ長い夢を見てた気がするんだが……なんだ?思い出せねぇな」

 

だが、次の瞬間────俺はある事に気付く。

 

「なんで…無傷なんだ?」

 

えぐれたはずの腹が綺麗に治っていた。だが、腹に穴が空いたのは本当らしい。服にはちゃんと穴がある。

 

「てか…ここどこ?」

 

見た感じ家だが…….まだシガンシナ区にいるのか?奪還作戦はどうなった?

 

「俺の立体機動装置は…」

 

ベットの横を確認すると、そこには綺麗に整頓された立体機動装置が置いてある。間違いなく俺のものだ。

 

「ま、詳しいことは外に出てから考えますか」

 

俺は立体機動装置を装着して、窓から外に出る。その先に広がる光景から見ても、シガンシナ区なのは間違いない。所々煙が立ってるのは気になるが……火でも放たれたのか?

 

「どうっなてるんですかねぇ…」

 

ープシュウッ

 

俺はとりあえず内門側の壁上に移動する。

 

「ガスも残りは…半分もねぇか」

 

壁の下を見てみれば、馬が一頭いるだけで他は何もなかった。

 

「えー…みんな帰っちゃった感じ?置いてかれたの俺…」

 

やばいマジで泣きそう…あ、目から水が…。

 

「ハァ…仕方ねぇ。帰るとしますか」

 

わからないなら聞きにいくしかない。トロスト区まで行こう。幸い外門と内門の両方はしっかり塞がれている。奪還作戦は成功と見ていいだろう。

 

ということで俺は馬に乗り、できるだけ急いでトロスト区に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

〜トロスト区〜

 

俺がトロスト区に到着した頃、なんかめちゃくちゃ歓声が挙がっていた。

 

そして、壁上を見るとそこには数十人の調査兵団がいる。

 

 

ープシュウッ!

 

 

俺は壁上に上がった。まあ、上がったのはいいんだが……何て声かければいいわけ?ほら、多分俺死んだとか思われてるだろ?この目を加えればゾンビと言われても仕方ない。

 

ハチマン「(どうすれば…)」

 

だが、そんな悩みは必要なかったらしい。立体機動の音を聞いて全員が振り返った。

 

ハチマン「…」

 

「「「「「…」」」」」

 

え、気まず…。何この空気。

 

アニ「…」

 

すると、アニは無言で俺の方に走ってきた。

 

ハチマン「え、ちょ…」

 

アニ「ハチマン!!」ガシッ

 

アニは俺に抱きつくと、その勢いのまま倒れた。俺を下敷きにして。

 

ハチマン「お、おい…アニ…」

 

アニ「ぅ…グスッ……」

 

え?アニさん泣いてるの?珍しい…というか初めて見ましたが…。

 

アルミン「は、ハチマン…これって…どういうこと…?」

 

ハチマン「ああ、俺にもよくわからん。目覚めたら置いてかれてたからな」

 

アルミン「そこじゃないよ!なんで…なんで無傷なんだってこと!」

 

ハチマン「俺にもさっぱりだ」

 

てかアニさん、いつまで俺の上に乗ってるつもりですか?約五十名程にガン見されてますが?俺やっぱり死ぬよ?恥ずか死ぬからな?

 

アニ「どうやったか知らないけど…よかった…ハチマンが生きてて……」

 

ハチマン「…あー…なんだ?心配かけて悪かったな」

 

アニ「本当だよ」

 

そこは、そんなことないよとか言ってくれてもよかったのでは?最近俺の扱い雑過ぎない?

 

エルヴィン「ハチマン。生きて帰ってきたことは喜ばしいことだが、その前に話がある。

外の世界についてだ」

 

ハチマン「!」

 

ということは…地下室に辿り着けたのか?

 

ハチマン「とりあえず…場所移しません?あとアニは降りてくれ。恥ずかしくて死にそうなんだが…」

 

アニ「…………忘れて…///」

 

…それは反則では?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【現在公開可能な情報】

 

「壁外人類」

壁外に住む人間たち。外見や言葉に違いはない。しかし、文明は我々のよりも先に進んでいるようだ。そして、"壁内人類"である我々を大罪を犯した"悪魔の民"と呼んでいる。

 

 

「エルディア人」

ユミルの民の別称。巨人になれる人種。壁中人類のうち、少数の血族を除いた殆どはこれに値する。巨人の力による他民族の弾圧や民族浄化といった先祖の犯した大罪を理由に差別され、大陸に残ったエルディア人はレベリオ収容区に収容されている。

 

 

「九つの巨人」

ユミルの民に眠る人知を越えた力。

知性を持つ巨人の正体であり、その力と記憶は空間を超越した道を通じて継承される。

その道のすべてが交わる一点たる"座標"こそが『始祖の巨人』である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ー数日後ー

 

 

"九つの巨人"にはそれぞれ名前がある。これからお前(グリシャ)へと継承される巨人にもだ。

 

その巨人はいついかなる時代においても自由を求めて進み続けた。自由のために戦った。

 

エレン「名は───進撃の巨人」

 

 

エレンは親父の記憶を見た。その内容はグリシャ・イェーガーが残した手記と一致し、同時に俺たちの置かれる危険な状況を痛感させた。

 

だが、そんな深刻さは次の一瞬で吹き飛ぶ。

 

ハンジ「何してるの?」

 

ハンジさんはエレンが先ほどやっていた厨二病(ポーズ)を真似し────

 

ハンジ「進撃の巨人。ってやってたよね?今?ねぇ?」

 

エレン「いえ…」

 

ハンジ「えぇ!?やってたよねぇ!?三人とも今のを見たでしょ!?」

 

ハチマン「あー…まあ…はい」

 

アルミン「でも…あれは…」

 

ハンジ「お父さんから受け継いだ君の巨人の名前でしょ?何で誰もいないのに独りで喋ってたの?」

 

ハチマン「…もうやめてあげてくださいよ。可哀想になってきました。こいつもそういう時期なんですよ」

 

そうそう。俺にだってあった。うん。…えぇ…俺こんなだったの?

 

ハンジ「はぁ?何だよそういう時期って?誰もいないところで空を睨みつけながら独りごちる時期なんて私には無かったよ?」

 

アルミン「ハンジさん…後で僕が説明しますから本人の前ではもう勘弁してあげてください…うまく説明できるかわかりませんが…」

 

ハンジ「はぁ?なにそれ?どういうこと?」

 

エレン「何しに来たんですか!?」

 

ハンジ「身支度を急いで」

 

ハチマン「…何をするんです?」

 

ハンジ「謁見だよ。女王陛下がトロスト区にお越しだ」

 

 

〜〜〜

 

ザックレー「この三冊の本の存在を知る者は現在この部屋にいる者のみである」

 

それぞれ"グリシャ・イェーガー氏の半生"、

"巨人と知りうる歴史の全て"、"壁外世界の情報"であった。

 

ザックレー「これは彼ら調査兵団五十名と、ここにはいない190名の戦果だ。幾千年まで語り継がれるべき彼らの勇姿を讃え、弔う場はまた後に設けさせていただくとして…」

 

本日は女王の御前で今一度我々の状況を整理しこの会議の場で意思の共有を図りたい。

 

 

 

ザックレー「調査兵団団長エルヴィン・スミス。この状況をどう見る?」

 

ーガタッ

 

エルヴィン「我々調査兵団は多数の英雄を失うことと引き換えに、ウォール・マリアを奪還し超大型巨人の力を奪うことに成功しました」

 

ですが我々"壁中人類"は極めて危険な状態にあることに変わりありません。敵が巨人という化け物だけであればどんなによかったか…。

 

エルヴィン「しかし、我々が相手にしていた敵の正体は人であり、文明であり、

言うなれば────世界です」

 

手記によれば我々は"エルディア国"の中でも巨人になれる特殊な人種"ユミルの民"。

 

そのユミルの民は世界を支配していた過去があり再び支配する可能性がある。

 

エルヴィン「だから世界は我々"ユミルの民"をこの世から根絶するのだと」

 

〜〜〜

 

クルーガー「始祖の巨人がマーレの手に落ちれば収容区のエルディア人は用済みとなり、この島にいようと大陸にいようとエルディア人は終わりだ」

 

グリシャ「そんなこと…壁の王が許すわけない…」

 

クルーガー「壁の王は戦わない」

 

グリシャ「!?」

 

クルーガー「『エルディアが再び世界を焼くというのなら我々は滅ぶべくして滅ぶ』『我から"始祖の巨人"を奪おうと無駄だ。我は"始祖の巨人"

と"不戦の契り"を交わした』」

 

クルーガー「145代目フリッツ王は大陸の王家にそう言い残し壁の門を閉ざした」

 

グリシャ「『壁の巨人が世界を平らにならす』とも言い残したのではないのか?」

 

その言葉が抑止力になる間に束の間の平和を享受するらしい。壁の王は民を道連れにし、エルディアの滅亡を望み受け入れている

 

クルーガー「『不戦の契り』が何なのかはわからないが…もはや民を守らぬ王は王ではない。フリッツの名は名乗っていないだろうが、必ず見つけ出して…臆した王から"始祖の巨人"を取り上げろ。それが俺達の使命だ」

 

〜〜〜

 

エルヴィン「イェーガー氏はその後使命を果たし、"始祖の巨人"は壁の王から息子エレンに託されました。…しかし、クルーガー氏にはわからなかった"不戦の契り"が何なのか、今の我々にはわかります」

 

"始祖の巨人"がその真価を発揮する条件は王家の血を引く者がその力を宿すこと。

 

しかし王家の血を引く者が"始祖の巨人"を宿しても145代目の王の思想に捕われ、残される選択は自死の道のみとなる。

 

エルヴィン「恐らくそれが"不戦の契り"です」

 

ザックレー「我々にもし…その強大な敵の侵攻を退ける術があるのだとしたら、"始祖の巨人"

の真価を発揮させ"壁の巨人"を発動すること以外に手段は残されておらんだろう。だが…"不戦の契り"がある限りそれは叶わないと…」

 

エルヴィン「…しかし、過去にエレンは"無垢の巨人"を操り窮地を逃れたことがあります。

なぜあの時だけ力を使えたのかはわかりませんが…王家の血を引く者ではないエレンにも"始祖の巨人"の力を使える可能性があるかもしれません」

 

 

エレン「(そうだ……あの時は一瞬だけ…全てが繋がった気がした…あの時だけ…どうして…あの一瞬だけ…)」

 

───・・・・・・私はダイナ・フリッツと申します。王家の…血を引く者です。

 

エレン「まさか!?」ガタッ

 

エルヴィン「…突然どうした?」

 

エレン「あ、あの…今……」

 

ザックレー「続けたまえ、我らの巨人よ」

 

ミカサ「…?」

 

エレン「なんでも…ありません…お騒がせしました」

 

リヴァイ「あ?」

 

エレン「会議を妨げてすみません…」

 

ハンジ「あぁ…そう…なるほど。なんでも彼は

"そういう時期"にあるようでして突然カッコつけたり叫んだりしてしまうようです」

 

ザックレー「…あぁそうか。それは気の毒に…年頃だしな」

 

アルミン「エレン?」

 

ハチマン「(どうしたんだ…?まさか本当に厨二病なわけもないだろうし……)」

 

エレンが始祖の巨人の力を使えた理由…何か思い当たる節があったのか?そして、それは多分

"不戦の契り"を掻い潜る方法…じゃなきゃ始祖の巨人は使えないはずだ。

 

もしそれがわかる瞬間がエレンの記憶にあるのだとしたら……エレンは俺たちに話してない事があるんじゃないのか?

 

「しかし、このことを公表すれば壁は大混乱に陥りますぞ!」

 

「そうだ。我々でさえ事の大きさを計りかねている状態にあるのだ」

 

ピクシス「ならば、また民を騙すか?レイス王がやったように何も知らない民をこの壁の中で飼おうというのか?ならば…我々はなんの大義があってレイス王から王冠を奪ったのだ?」

 

ヒストリア「公表しましょう。100年前レイス王が民から奪った記憶を100年後の民にお返しするだけです。我々は皆、運命を共にする壁の民。これからは一つに団結して力を合わせなくてはなりません」

 

 

そして、外の世界の情報は壁中人類すべてに知れ渡った。

 

〜〜〜

 

リヴァイ「ガキ共。時間だ、並べ」

 

ウォール・マリア奪還作戦に参加した調査兵全員が勲章を授与される。そして、その代表として十二人がヒストリアの前に並んだ。

 

次々と勲章が授与されていく中、エレンはひとり考え事をしていた。

 

エレン「(地下室にあったものは何だ?希望…だったのか?それとも絶望か?)」

 

敵は果てしなく強大だった。このまま何も変わらなければまたあの惨状が繰り返される。

 

何かを変えることができるなら自分の命くらいいくらでも捧げてやるのに、俺には…ヒストリアを犠牲にする覚悟が無い…どうすればいい…こんなこと…誰にも…

 

そして、ヒストリアの手にキスをした瞬間──

 

ービリッ

 

エレン「」

 

ヒストリア「エレン?」

 

エレン「」

 

ハチマン「(どうしたんだ?ヒストリアの手にキスをした瞬間……)」

 

だが、そんなこと考えてる間に俺の番が回ってきた。

 

ハチマン「(まあ、気になったら後で───)」

 

ービリッ

 

ハチマン「…」

 

ヒストリア「…ハチマン?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

積もった雪が溶け出す頃、兵団はウォール・マリア内の巨人は掃討されたと発表した───。

 

トロスト区から昇降機が解放され、街道の舗装事業が開始される頃には草花が芽吹き蝶が舞っていた。

 

シガンシナ区を拠点とする住民の入植が許可されたのはトロスト区襲撃から一年が経過する頃であった。

 

この日調査兵団は六年ぶりとなるウォール・マリア外への壁外調査を行った。

 

 

リヴァイ「お前の読み通りだなエルヴィン。ウォール・マリア内に入っていた巨人が殆どだった。俺たちは奴らを一年でほぼ淘汰しちまったらしい」

 

エルヴィン「それでは予定通り、目的の場所を目指すぞ」

 

 

ーパシュゥッ

 

赤い信煙弾が上がる。

 

ジャン「巨人だ」

 

コニー「やっと現れたか。気をつけろ!!」

 

と、巨人のいる方向に向かったが────

 

コニー「ん?」

 

そこにいるのはうつ伏せで倒れている巨人だった。

 

コニー「動けない…のか?」

 

サシャ「あの体で…少しずつ這って壁まで進もうとしたんでしょう。とても長い時間をかけて…」

 

エレン「…"楽園送り"にされた…俺達の同胞だ。

ここから近いぞ」

 

そうして進んでるうちに、俺たちの前には壁のようなものが現れた。

 

エレン「間違いない。ここの場所でエルディア人は巨人にされた。そしてあの先に────」

 

 

そこに見えた光景を俺は一生忘れないだろう。

目の前に広がる無限にも見える青。

 

この日、俺たちは海に辿り着いた。

 

〜〜〜

 

コニー「ああぁぁあい!」バシャッ

 

サシャ「目があああぁぁ!!」

 

ジャン「うおおぉしょっぺぇ!!」

 

 

ハンジ「うへえぇ!これ本当に全部塩水なの!?あっ!?何かいる」

 

リヴァイ「おいハンジ。毒かもしれねぇから触るんじゃねぇ」

 

 

 

 

アルミン「ほら…言っただろエレン。商人が一生かけても取り尽くせないほどの巨大な塩の湖があるって。僕が言ったこと…間違ってなかっただろ?」

 

エレン「あぁ…すっげぇ広いな…」

 

アルミン「うん…ねぇ、エレンこれ見てよ。壁の向こうには────」

 

エレン「海があって」

 

アルミン「!」

 

エレン「海の向こうには…自由がある。ずっとそう信じてた…」

 

 

でも違った海の向こうにいるのは敵だ。何もかも親父の記憶で見たものと同じなんだ───。

 

 

 

 

エレン「…なぁ?向こうにいる敵…全部殺せば

…俺たち自由になれるのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アニ「…ねえ、ハチマン」

 

ハチマン「…なんだ?」

 

アニ「私…帰らないといけないんだけど」

 

ハチマン「……え?まさか…海の外にか?」

 

アニ「うん…父親が待ってる。必ず帰るって約束した」

 

まさか……アニが戦士としてこの島に来て…裏切ったことがバレてるなら…いや、ライナーが帰還してるんだ。間違いなくバレてる。もしそうなら……アニの父親は────。

 

 

 

ハチマン「…なら…なんであの時ライナーたちを裏切ったんだ?」

 

アニ「…言ったでしょ。私はハチマンの味方」

 

ハチマン「……わかった。それなら助けに行くか」

 

アニ「…え?」

 

 

ハチマン「行くぞ。海の向こう側に」

 

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