ウォール・マリア内壁側には獣の巨人と大量の巨人……こいつらは街から距離を取った状態で俺たちを囲むように構えている。恐らく檻の役割なんだろうな…獣の方に行こうにも使える建物がない。
そして、シガンシナ区内には
リヴァイ「エルヴィン。鎧が登ってくる」
〜〜〜
ービキッビキッ
鎧の巨人は両手、両足の指を硬質化させ、それを駆使して壁を登り始めた。
エルヴィン「総員"鎧の巨人"との衝突を回避しろ!!奴に近寄るな!!」
『了解!!』
〜〜〜
エレン「ハンジさん。攻撃命令はまだですか!?団長は何を!?」
ハンジ「敵の動きを見ているんだ。どうもライナー君達は手の込んだ催しで歓迎してくれるようじゃないか」
〜〜〜
エルヴィン「…!!」
団長が獣の巨人の方向を見ていると、ある一体の巨人が目に止まった。
エルヴィン「(あの"四足歩行型の巨人"。荷物を運ぶ鞍がある。先ほど一斉に巨人化したものではないな……だとすればあれが敵の斥候か?我々の接近にいち早く気づきライナーらに伝えた……とするなら)」
エルヴィン「あの"四足歩行型の巨人"も知性を持った巨人だ。いや…もっといてもおかしくない」
アルミン「(荷物!?一体何が…)」
エルヴィン「予想よりも…敵の規模は大きそうだ」
すると、獣の巨人は右腕を振り上げた。
獣「ウォォオオオオオオッ!!!」ドォンッ!!
獣の叫びと共に、敵の巨人の中の2〜3m級の巨人"だけ"が動き出した。
〜〜〜
ハンジ「動いた!!2〜3m級ら多数接近!!」
エルヴィン「(ウドガルド城の襲撃と同じく奴がまず狙うのは馬。我々から撤退の選択肢を奪う)」
以前巨人の領域であるここウォール・マリア領から我々が馬無しで帰還する術はない。馬さえ殺してしまえば退路を閉鎖するだけで我々の補給線は断たれる。
そうすれば後は、ただ待つだけで敵はエレンを奪い去ることが可能。まさに今敵の大型巨人が隊列を組んで動かないあたり、それ自体が檻の役割を担うものだと確信できる…。
アルミン「だ、団長。鎧がすぐそこまで…それにベルトルトがまだどこにいるか…」
エルヴィン「あぁわかってる。(何より今危惧すべき課題は"
先ほどまで顔を下に向けっぱなしだった団長は、何かを決めたのか顔を上げた。
リヴァイ「やっと何か喋る気になったか…先に朝食を済ませるべきだった」
エルヴィン「ディルク班並びにマレーネ班は内門のクラース班と共に馬を死守せよ!!リヴァイ班並びにハンジ班は!!"鎧の巨人"を仕留めよ!!各班の指揮の下「雷槍」を使用し何としてでも目的を果たせ!!」
エルヴィン「今この時!!この一瞬に!!人類存続のすべてが懸かっている!!今一度人類に心臓を捧げよ!!!」
『ハッ!!』
〜〜〜
全員が持ち場に回ろうとする中、エルヴィンは二人に声をかける。
エルヴィン「リヴァイ、アルミン待て!リヴァイ班と言ったがお前だけはこっちだリヴァイ」
リヴァイ「俺にエレンではなく馬を守れと?」
エルヴィン「そうだ。そして隙を見て奴を討ち取れ」
リヴァイ「……了解した。さっき鎧のガキ一匹殺せなかった失態は…そいつの首で埋め合わせるとしよう」
そう言ってリヴァイ兵長は壁を降りて行く。
エルヴィン「アルミン。"鎧の巨人"用に作戦がある」
アルミン「はい!」
エルヴィン「人類の命運を分ける戦局の一つ。その現場指揮はハンジと君に背負ってもらう」
そして、鎧の巨人が壁上に到達した。
〜〜〜
ハチマン「で、何で俺たちはここで待ってるだけなんですかね?」
ハルノ「敵の味方を見てるの。鎧は団長の指示通りにエレンくんたちが動けば戦えるし、上手くいけば倒せるよ。危惧すべきはベルトルトくんかな」
アニ「…」
ハチマン「…なら尚更俺たちも加わるべきなんじゃないんすか?」
ハルノ「じゃあ、もしもベルトルトくんが巨人化した時近くにいたらどうするの?」
ハチマン「え?」
ハルノ「鎧の巨人"だけ"なら簡単に倒せるだろうけど、そこに超大型が入ったらそうもいかない。その時私たちがいないのが一番困るの」
それはそうだが……だからって何もしないのはどうなんだ?まあ、来てる巨人はあんまでかくないしリヴァイ兵長もいる。損害が出るとは思えないが……。
ードオォンッ!!
ハチマン「!」
俺は後ろを振り返ると、そこにはエレンが巨人化していた。
〜〜〜
鎧「(なぜ自分から姿を現した!?)」
ライナーはエレンの奇行に戸惑うが、熟考の末に馬を殺すのを諦めた。
ライナー「考える時間もくれねぇってわけですか。
…ったく団長。せっかく登ったってのによぉ…」
ーガガガガガッ‼︎
鎧の巨人は壁を削って速度を調整しながら壁を降りて行った。
〜〜〜
ハチマン「食いつきましたね」
ハルノ「あとは"雷槍"が効くかどうかだけど…」
ハチマン「祈るしかないっすね」
俺たちの新兵器"雷槍"。ハンジさんの要望
「"鎧の巨人"に対抗できる兵器」というのに、中央憲兵が秘匿していた技術を駆使して応えたものだ。
槍もとい鉄の棒だが、威力は半端ない。巨人のうなじは木っ端微塵に砕けるし、多分
まあ、その危険性故に近くでその爆発を受ければ怪我では済まない。当然、目標本体にアンカーを刺して接近してから殺すようなことは不可能。自分も一緒にお陀仏だからな。
ハルノ「それじゃあ、私たちはエレンくんとライナーくんの戦いを観戦しよっか」
ハチマン「あんた何しに来たんだよ……」
始まったエレンとライナーの格闘戦。エレンはこの前実験で獲得した手の甲に硬質化を集める「硬質化パンチ」を使ってライナーを殴る。
効果は有効なようで、エレンの繰り出した拳はライナーの顔面の硬質化を砕き、吹き飛んばした。
〜〜〜
お前には─────ここがどこだかわかるか?ここは…俺の…俺たちの…故郷があった場所だ
エレン「ウァアアアアアアッ!!」
取り返してやる。お前らをぶっ殺して。お前らに奪われた────すべてを。
〜〜〜
アニ「…エレン怒ってるね」
ハチマン「そりゃそうだ。あの日…ここであいつとベルトルトに壁を破壊されて母親を食われたんだ」
アニ「…」
ハルノ「…そういえばさ、ひとつ聞きたいんだけど」
ハチマン「…?」
ハルノ「君さ、なんでシガンシナ区にいたのかな?」
ハチマン「ッ…」
今それを聞くのかよ……いや、まあ今更思えば不自然なことこの上ないが────。
ハルノ「内地の牧場にいた人間が、わざわざ最南端の地に行くっていうだけでも変なのに、それがまた壁が破壊される日とピッタリ。偶然なわけ、ないよね?」
怖い怖い怖い怖い怖い怖い────。何なのこの人?神なの?悪魔なの?全知全能か何かですかね?
アニ「……ハチマンをいじめるのはいいですけど、どうせ屁理屈捏ねて言いませんよ」
え?いいの?ひどくね?
ハルノ「それもそっか」
納得しちゃったよ…。
ハルノ「ま、何となく理由はわかるけどね〜」
わかるなら聞くなよ……それもアニの前で。昨日誤魔化すの超苦労したんだぞ。ぽろっと海懐かしいとか言っちゃったし……。
ハルノ「……?あれって…」
ハチマン「何かあったんすか?」
ハルノ「…ほら、巨人と仲間の動きを見て。徐々に前方に集められて行ってる…」
アニ「…まさか……」
アニは何か知ってるのか?獣の巨人は巨人を操ることができる……それはさっきの叫びとウドガルド城を見れば一目瞭然。つまり、ハルノさんがいうようなことも可能────。
でも前方に集めて何を…?
「オオォォォオオオオッ!!!」
ハチマン「ッ!?」
これは…鎧の叫びか!?
アニ「やられたね……ベルトルトはあそこ」
アニが指を指したのは獣の巨人────ではなくその隣にいた四足歩行型の巨人だ。
〜〜〜
ベルトルト「来た!!合図だ!!」
ベルトルトは樽の中に入り、荷物に紛れていた。そして、それは
獣の巨人はベルトルトの入った樽を持つと、壁の上目掛けて投げた。
〜〜〜
リヴァイ「な!?」
エルヴィン「くッ……やられた」
俺たちが獣の巨人の方を見ている間に、ハンジ班とリヴァイ班のみんなは鎧の巨人を追い詰めたらしい。雷槍も効いたらしくライナーの顔面は吹き飛んだ。
だが、なぜかライナーはそれでも死なず叫びを挙げた。
それは
〜〜〜
ハンジ「クソッ!!全員"鎧の巨人"から離れろ!!"超大型巨人"が!!ここに落ちてくるぞ!!」
アルミン「(まずい!!この距離じゃもう…!あれは避けられない!!)」
ベルトルト「(地面との距離…今だ…!!まずはここらを吹き飛ばす!!)」
と、ベルトルトが巨人化しようとした瞬間──外を見るために開けられた数個の穴にライナーが見えた。
ベルトルト「ッ!?ライナァァァァ!!」
ベルトルトは樽から姿を表すと、立体機動でライナーの元まで飛んで行った。
ベルトルト「…ライナー?」
ベルトルトは脳みそが吹き飛んだライナーの胸に手を当てると、心臓の鼓動を感じる。
ベルトルト「生きてる。これは…全身の神経網に意識を移すことに成功したのか?でもこれは最後の手段だ。君がここまで追い詰められるなんてな…ライナー」
〜〜〜
ハンジ「ひとまずは助かった。ベルトルトがライナーの状態に気づいて攻撃を中断したんだ。何にせよ、我々の作戦目標が目の前に飛び込んできたんだ。好都合だと言っていいだろう」
〜〜〜
ハルノ「さてと、そろそろ作戦を決めよっかな」
ハチマン「何か策でも?目標は全員出揃いましたけど」
アニ「獣には気をつけた方がいいですよ。
"投げる"のが得意みたいなので」
ハルノ「…じゃあ、まずは獣の巨人から仕留めよっかな」
マジかー。まずまずあそこまで移動するのが至難の業だぞ。巨人を辿って行ったとしても途中で気づかれる。近づくことすらできないんじゃないか?
ハルノ「…巨人を辿るよ。私は左、ハチマンくんとアニちゃんは右からね」
ハチマン「…途中で気づかれますよ」
ハルノ「大丈夫。本命がひとり通せればいいから」
アニ「本命?」
ハルノ「うん。それじゃあ具体的に説明していく
けど────」
ハルノ「作戦開始は1分後。持ち場について」
ハチマン「うす」
アニ「…」コクッ
ハルノ「…勝つわよ」
〜〜〜
ハチマン「…1分経過。行くぞ」
アニ「ん」
ープシュウッ!
俺とアニは立体機動で巨人を伝っていく。うなじは削がずに移動だけ。殺せば気づかれるが、低空飛行かつ巨人の身体に身を隠しながらならある程度は近づける。
エルヴィン「(ハルノ班が動き出した…果たして獣の巨人を打ち取れるのか…)」
できるだけ音を立てないというのが難しい。というか立体機動装置は隠密行動に向いてないからな。
ハチマン「(こんなことなら消音装置とか作れないか試しとくんだった…)」
アニ「(気づかれたら間違いなく殺される…もしそうなった時には…)」
と、俺たちが巨人の3分の1あたりに到達した頃────シガンシナ区内で異変が起きた。
ードオオオォォォンッ!!
ハチマン「ッ!?」
物凄い爆発音が鳴り響き、後ろを振り向けば、そこには壁の高さを悠に超える大量の蒸気が見えた。
ハチマン「(ベルトルトが巨人化したらしい。あいつら…あの爆風に巻き込まれてないだろうな?)」
だが、そんな心配をしている暇はない。そう思い知らされたのは超大型巨人出現から数秒後。
ーヒュンッ!
ハチマン「え…?」
俺の顔の横を掠めてくる小さな石。そして、目前に迫る大量の石礫。
ービリッ
ハチマン「アニ!!」ザシュッ
アニ「ッ!?」
俺はアニの足裏にアンカーを刺し、地面に叩き落とした。
ーダアァンッ!!
先程まで俺たちがいた場所───というか巨人は蜂の巣になって倒れた。
〜〜〜
ハルノ「ま、まさか…!そんな…(このままいくと私もバレる。この距離なら戻った方が得策ね…)」
ハルノは獣の巨人にバレる前に引き返し、壁まで戻った。
〜〜〜
アニ「ぅ…ッ」
ハチマン「大丈夫…なわけないよな…悪い…
いきなりアンカー刺しちまって…」
アニ「ハァ…ハァ…だ、大丈夫……すぐに治るから。それより…ありがとう。あのままだったら今頃死んでた…」
ハチマン「あいつは多分…俺たちがあの投石を避けれたと想像もしてない筈だ…今のうちに後ろに後退。ハルノさんの指示を仰ぐぞ」ダキッ
俺はアニを抱えると、立体機動で移動を始める。
アニ「あ、ありがと…」
まあ、二度目ともなると大分慣れた。アニって軽いよな…。
〜〜〜
ハルノ「全員壁まで後退して!!巨人から投石が来るわよ!!」
ハルノは戻り次第、前方に集まりつつある兵士のところまで来て指示を出した。突然のハルノの言葉に兵士は一瞬戸惑ったが、分隊長であるハルノの指示であることからすぐに実行に移された。
『り、了解!!』
だが、その次の瞬間───────
ードオォォンッ!!
獣の巨人の投石は、街の前方を吹き飛ばした。
〜〜〜
獣「う〜ん…
と、獣が自分の投球の分析をする中、丸く繰り抜いた岩を四足歩行型の巨人が運んで来る。
獣「あ、そこ置いといて」ガシッ
ービキッビキッ
獣は隣に置いてあった岩を掴むと、軽く粉々にした。
獣「まあ、初球は様子見で───目指すは、
〜〜〜
エルヴィン「前方より砲撃!!総員物陰に伏せろおおおお!!!」
マルロ「なッ!?」
「何なの!?」
リヴァイ「クソッ!!お前ら────ッ!!」
〜〜〜
ハルノ「ハァ…ハァ…」
ハルノは獣の投石が来る直前に、建物と建物の間に入った。ハルノの指示があったおかげで投石が直撃したのはその場にいた内の約半数。
ハルノ「ッ…(まずいわね…この投石が続けばここら一帯は更地になって隠れる場所はなくなる…)」
投石を逃れた兵士は壁に戻っていく。
ハルノ「(どうすれば…)」
ードドドドドドッ ドオォォォンッ!!
再びの砲撃。街の前方にある建物は潰れていき、徐々に壁に迫ってくる。
〜〜〜
「なっ何なんだよこの砲撃音は!?」
「敵は大砲なんて持ってたの!?」
「だとしたら100門はあるぞ!!」
マルロ「お前ら落ち着け!馬が荒れるぞ!!」
すると、
ープシュウッ!
リヴァイ兵長とハルノさんが戻ってきた。
リヴァイ「巨人から投石だ!!全員馬を連れて壁側に後退しろ!!」
『了解!!』
ードドドドドドッ‼︎ ドオオォォンッ!!
リヴァイ「急げ!!射線の死角を移動しろ!!」
「うわぁああ!」
ひとりの新兵は馬を放棄して頭を抱えた。
リヴァイ「オイ立て!!死にてぇか!?」
マルロ「団長!!」
団長も壁の上から降りてきて、内門側の勢力の全てがここに集まる。
リヴァイ「状況は?」
エルヴィン「最悪だ。奴の投石で前方の家は粗方消し飛んだ。あの投石が続けばここもすぐに更地になり我々が身を隠す場所は無くなる」
リヴァイ「壁の向こう側には逃げられそうにないのか?」
エルヴィン「あぁ……"超大型巨人"がこちらに迫ってきている。"炎をそこら中に撒き散らしながら"な……」
マジかよ……どうすりゃいいんだこの状況…。
リヴァイ「ハンジ達はどうなっている?」
エルヴィン「わからない。だが大半はあの爆風に巻き込まれたようだ…我々は甚大な被害を受けている。内門側の残存兵力はディルク・マレーネ・クラース班の生き残り約二十名と、新米調査兵士の諸君。リヴァイ兵士長、ハルノ分隊長、ハチマンとアニ、そして私だ」
ードドドドドドッ‼︎ ドオオオォォォンッ!!
「うわぁああ!!」
「ひいいいぃぃい!」
「もうダメだぁああ!!」
リヴァイ「エルヴィン…何か…」
「おしまいだ…」
「何で俺こんな所に…」
リヴァイ「策はあるか?」
と、リヴァイ兵長の質問に重なるように投石とは別の音が鳴り響いた。
ードオォンッ!!
それは壁上に何かが叩きつけられた音であり、その何かはすぐにわかった。
リヴァイ「オイ…あれはエレンか?…壁の上まで吹っ飛ばされたってわけか…
ードドドドドドッ‼︎ ドオオオォォォンッ!!
ハルノ「どうやら…ここらにあたりをつけたみたいだね」
獣の投石は先程以上に威力を増し、範囲を狭めていた。
ハチマン「ここらもすぐに蜂の巣ですね…」
リヴァイ「エルヴィン…反撃の手数が何も残されてねぇって言うんだったら…敗走の準備をするぞ」
マルロ「オイ馬が逃げたぞ!!お前らの担当だろ!?」
フロック「うるせぇ!!もう意味ねぇだろ!?」
マルロ「何だと!?」
フロック「お前もわかってんだろ!いくら馬を守ったってなぁ…それに乗って帰る奴は誰もいないって!!」
ハチマン「おいフロック」ガシッ
俺はフロックの胸ぐらを掴んだ。
フロック「は、ハチマン…!」
ハチマン「泣き喚くのはいいが、仕事はやれ。帰れなくなったらどうすんだよ」
フロック「だから言ってるだろ!?もうやったって意味ねぇんだか────」
ハチマン「仕事はやめることはあっても終わることはねぇよ。死んでも、死んだ後も」
俺はフロックから手を離すと、アニの方に向かう。
ハチマン「…頼む。力を貸してくれ」
本当は嫌だ。今更アニの力を出せば、何で今まで使わなかったのかと、散々言われるだろうからな。でも、それでも────
ハチマン「(俺は選ぶ…)」
アニ「…わかった」
ハルノ「何か考えがあるのかな?」
ハチマン「まあ…ハルノさんはエレン達の方に行ってください。あっちもやばいみたいなんで…」
ハルノ「ふぅん…了解♪君の考えに賭けるよ」
そう言ってハルノさんは壁を登って行った。
リヴァイ「ハチマン。どうするつもりだ?」
ハチマン「…俺とアニで獣の巨人を殺します」
リヴァイ「…あぁ…わかった」
〜〜〜
ハチマン「───作戦は伝えた通りだ。まあ、何があっても止まるなよ」
アニ「うん。…足も治った。いけるよ」
ハチマン「……もし…あいつに勝ったら…外の世界のこと教えてくれないか?」
アニ「…わかった。だからまずは───」
ハチマン「あぁ、絶対に決めるぞ」
そして、ウォール・マリア奪還作戦は最終ラウンドに突入する。
ープシュウッ‼︎
俺たちは全速力で獣の巨人の方向を目指す。あいつは今投球に夢中────しかも、あたりをつけて調査兵団の壊滅に一直線だ。なら、さっきよりは近づける。多分そこからなら"届く"。
アニ「そろそろだけど…」
ハチマン「まだだ。あいつが気づくのを待つぞ」
もうすぐ巨人をつたり始めて半分。あいつが気づく頃だ────。
〜〜〜
獣「まあ…このまま終わるとは思ってなかったけど……懲りないねぇ…」ズズッ
獣の巨人は用意してた球を構える。そして、
獣「終わりにしてあげようぜ」ビュンッ!!
ハチマンとアニに向けて投げつけた。
〜〜〜
ービュンッ!!
ハチマン「───今だ!!」
アニ「ッ!」
俺はアニの手を掴み、回転するとその勢いのまま上に投げた。俺は大量の石飛礫と対面する。
アニ「ハチマン…ッ」ピュッ
アニは自分の右手人差し指にはめていた指輪の棘で親指に切り傷を入れる。
そして、落雷と共に女型の巨人が現れた。
〜シガンシナ区〜
コニー「ミカサ!!無茶だっ!!」
顎の開き切らない鎧に、ミカサは突撃しようする。だがその瞬間────
ハルノ「いや、よくやったよ!」
ハンジ「あぁ!」
ードオォンッ!!
ライナー「んな!?」
ハルノはライナーの両目を、ハンジはライナーの顎の筋肉を吹き飛ばす。
ハルノ「今だよ!!」
ハンジ「ミカサ!!」
ライナー「おい…まさか…!」
ミカサ「ライナー…出て」
ードオォンッ!!
ミカサの放った雷槍は、鎧の巨人の口の中からうなじを吹き飛ばし、
〜〜〜
そして超大型巨人────。
アルミンの命を賭けた陽動作戦は成功し、
エレンが立体機動で飛び上がる。
エレン「
今度こそエレンの刃はうなじに届き、ベルトルトを巨人から引き剥がした。
エレン「くそ…わかってたハズなのに…お前が誰よりも…勇敢なことぐらい…」
〜ウォール・マリア内門〜
ービリッ
ハチマン「ぁ…」
目の前に死が迫ってるハズなのに…なんだろうか……恐怖を感じないのはこの世界に来てからそうなんだが……あぁ…そうだ…。
ハチマン「(すげぇ遅いな…)」
俺はガスの噴射を利用して石飛礫の隙間ギリギリを通り抜ける。流石に全てを避け切るなんてことはできず少し食らったが…即死する程じゃない。
ハチマン「アニ。今だ」
ープシュウッ!
俺が
ハチマン「ぐッ…!!」
力が一番乗る瞬間────そのピンポイントなタイミングで俺はアンカーを外した。俺の体は物凄い速度で獣の巨人の上空に迫る。
獣「すごいことやってくれるじゃないか…面白いものが見れた…だが……もう避けられない…さようならだ」
ービュンッ!!
…石が密集してるな…避けれるか?いや、掠るじゃすまねぇな……でもこいつを殺せればいいんだ……喰らってでも死ぬ前に殺す。
ハチマン「お前は俺らを舐めすぎだ」
ープシュウッ‼︎
獣「ッ!?」
ーグシャッ!
ハチマン「ッ…かッ……!」
俺の腹に一つ、大きめのが突き刺さる。だが、俺はそれに構わずアンカーを差し込んだ。
獣「ウォォオオオオオオッ!!」
獣の巨人は右腕を俺に叩きつけようと伸ばしてくるが、そんなもので止められるはずもない。
ハチマン「ぁあッ!」
獣「なッ…消え───」
───・・・・・・「え?ひとりの兵士に気をつけろって?」「はい…ハチマンは危険です」
獣「(こいつがハチマンか!?)」
ーザシュッ!
獣の右腕と両目は斬り伏せられた。
獣「(何も見えない!目をやら───)」
ハチマン「あぁッ!!」ザシュッ!
「何ぃぃッ!?!」
ーダアァンッ!!
獣の巨人は倒れ、そのうなじの上には四肢を斬られた獣の本体がいる。
ハチマン「ハァ…ハァ…」タンッ
俺は地面に着地すると、ひとつの事に気がついた。
(あぁ…死んだわ…)
投石で内臓は損傷、多量出血────。
(じゃあな…アニ…)