【休載中】転生八幡。スライムになったよ!てへっ♪ 作:甘味の皇帝
ー夜ー
その夜。新築した迎賓館で歓迎の宴を催したのだが…
アルビス「ああ幸せ…♡」
えらく酒のウケがいい。
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少し立つと樽ごと酒を飲み始めた。
リムル「おい、誰だ樽ごと渡したのは…」
エイト「スフィアさん同僚を止めた方がいいんじゃ………えぇーー!?」
虎がいた。しかもそれがスフィアさんだ。
エイト「この姿って他人に見せていいものなのか?」
「特段見せてはいけないものではないのですが…些かお恥ずかしいですな。油断しすぎで」
虎(スフィアさん)が飲んでるもの酒だった。なんでわざわざ大盃で飲むんだよ。
でもまあ、それだけ信用してくれてるのか…?
リムル「ああ…気づけばリンゴのブランデーがどんどん空に…」
アルビス「あまり量は造れませんの?」
エイト「あ、すまんすまん。客人に振る舞うのがメインだから気にしなくていいぞ。果物は試験的にしか作ってなくて森からの恵みに頼ってるんだ」
リムル「酒は嗜好品だしまだ皆には行き渡ってないんだよ」
アルビス「…では良い考えがございます。我がユーラザニアの果物をこちらに回すよう手配致しましょう」
リムル「えっ!?いいのか?」
アス「「」」
2人が目を丸くしてこちらを見つめてくる。あー『それで酒を造ってこっちにも寄越せ』とな。
エイト「割合は?」
スフィア「細かいことは任せる!オレは美味い酒が飲めればそれでいい」
雑務はこっちに丸投げか。物々交換となると妥当なラインが難しい……
リエ「「(うん。専門家任せよう)」
リムル「ゴブタ。商人詰め所にいる代表を呼んできてくれ」
ゴブタ「はいっす」
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コビー「リ、リムル様エイト様コレは一体…」
彼は犬頭族(コボルト)の商人の代表でコビーと呼ばれてる。俺たちがつけたわけじゃないけど。
エイト「んじゃ、あと頼むわ」
リムル「よろしくな」
コビー「ええ!?ええっ!?」
案外取引なんて酒の席でまとまるものなのかもしれないな。
他国との交流。その始まりとしてはなかなか上々だ。
ー数日後ー
アルビスとスフィアはユーラザニアに帰っていったが彼女らの配下達はテンペストの首都リムルでの滞在を続けている。なんでも、ここの技術を色々学んでこいと言われているらしい。
ーさらに数日後ー
こっちから送った使節団も帰ってきた。
ベニマル「獣人達の強さは流石の一言です。一兵卒に至るまで徹底的に鍛え上げられていました。やはり、魔王カリオンと獣王戦士団の影響力が大きいようです」
リグル「そのためか王宮には贅が凝らされ、一般市民の住居は質素なものでした。ですが、悪い意味ではなく住民がそれを望んでいるようです。それからお土産をもらったのですが…是非リムル様とエイト様に召し上がって頂きたいとのことです」
俺たちの目の前には果物が盛り付けられた皿がいくつか並べられた。
エイト「おお果物か」
リムル「どれどれ」
リムルと俺はりんごと思われる果物を口に入れる。
リムル「甘い!」
リグル「でしょう?」
エイト「凄い品質だな。天然のものか?」
リグル「何代にも渡って改良を重ねたそうです」
リムル「へ〜」
エイト「リリナ」
リリナ「はい。生産管理部門から次回の使節団に加わる者を選出します。ぜひ、その技術を我が国にも取り入れましょう!」
エイト「よろしくな」
リムル「よっと」
リムルが椅子から降りる。
リムル「じゃあ、俺たちはドワーフ王国へ行く準備が行く準備があるから後の取り決めは頼んだぞリグルド」
リグルド「お任せください」
ベニマル「リムル様エイト様。お許し頂けるならば、次回からはリグル殿を使節団の団長に指名してやってくださいませんか?」
エイト「何か問題があったのか?」
ベニマル「いえ。魔王カリオンは信用できる人物だと判断しました。彼の御仁が我らを闇討ちするような心配は無用です。ならば俺はリムル様とエイト様が留守の間国の守りとしてここに残る方が有用でしょう」
リムル「…わかった。そうしよう」
エイト「お前にそれだけ言わせるならカリオンは力に頼った王ではないんだろ?」
ベニマル「ええ。実はケンカを売ってみたのですが笑っていなされましたし」
リエ「「え!?」」
エイト「お、お前…」
ベニマル「コテンパンにされましたね。俺もまだまだです。ミリム様に鍛えられて少しは強くなったつもりだったんですがねぇ」
こいつ……
ベニマル「あ、ですがフォビオには勝ちましたよ」
リムル「そう…」
…駄目だな。こいつは外に出してはいけないやつだ。
ー翌日ー
「いってらっしゃいませ!」
「お気をつけて!!」
リムル「留守は頼んだぞー」
俺たちはドワーフ王国への出発だ。
エイト「出してくれランガ」
ランガ「はッ」
リムル「いざ、武装国家ドワルゴンへ」
エイト「って!!速い速い速すぎだよランガ!!」
今回の旅に同行してもらうのはシュナ、シオン。狼車を引くランガに、カイジンとドワーフ三兄弟。護衛としてゴブタ率いるゴブリンライダー。
後ろの荷台にはガゼル王へのお土産を積んでいる。無限収納にしまった方が楽だって言ったら
シュナ『こういうのは形も大切なんです』
だそうです。さすが元大鬼族の姫。最近はベスターから色々と学んでおり儀礼においてのマナー面でも頼りになるようになっな。
ちなみにシオンはベニマル以上に外に出してはいけないやつだと思ったんだが…
シオン『えっシュナ様がリムル様とエイト様と旅行!?ズルイです!ズルイのです!!シュナ様だけリムル様とエイト様と遊びに行くだなんて…っ』
エイト『いやだから仕事』
とまあ泣くわ喚くは大変で置いていったらリグルドが過労死しちゃうので連れて行くことにした。まぁ、シオンも黙ってれば美人秘書だし俺たちが見張っていれば大丈夫だろ。
シオン「リムル様エイト様見てください」
リムル「ん?」
シオン「ゲルド達は仕事が早いですね。暴風大妖禍(カリュブディス)戦でボロボロになった道がもうほとんど片付いています」
エイト「ホントだ」
リムル「ランガ。路面工事の作業員がいたら止めてくれ」
ランガ「はッ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ゲルド様。石畳の石材の追加をお願いします」
ゲルド「わかった採石場の者に手配しよう。……うむ…大分整ってきたな」
リムル「おーいゲルドー」
ゲルド「リムル様!今日がドワーフ王国への出発の日でしたか」
リムル「ああ。道が整ってるから揺れも少なくて快適だよ」
エイト「これ良かったら皆で飲んでくれ」
ゲルド「エイト様。これは…」
エイト「麦芽酒(ビール)だ」
リムル「あまり飲み過ぎるなよ」
「「「「「「「うおおおおおお」」」」」」」
オークってビール似合うよな。
ー4日後ー
着いたな。
「開門ーーー!」
ドルフ「ようこそお出で下さいました。我が王ガゼル・ドワルゴが王宮にてお待ちです」
シュナ「こちら、ジュラ・テンペスト連邦国国主リムル=テンペスト陛下にエイト=テンペスト陛下にあられます。どうぞガゼル王へのお取り次を…」
シュナが俺たちを改めて紹介する。
ドルフ「ではこちらへ」
王宮へ着いてからも誰かと話す時は代わりにシュナが話してくれた。シュナってすごいな!俺とリムルはただニコニコしてただけだ(多分シオンも)。正直頭が真っ白で何話してたか覚えてない。
英知『[絶対記憶]にて記憶しています。再生しますか?』
あ、いや…大丈夫です。
ガゼル「ふははは外交などハッタリが全てだぞ。あれでは甘く見られても文句は言えぬな」
ぐうの音も出ない。
ガゼル「さて、今は大臣らもいない。迂遠な言い回しや腹の探り合いは無しだ。本題に入ろう。貴様らの国で高出力の魔法兵器を所有しているというのは事実か?」
は?
リムル「(あーエイトは離れた場所から攻撃したからなぁ。だからエイトが倒したとは思われてないんだろう)」
エイト「あーそれやったの俺」
俺は自分を指差して言う。
ガゼル「なにぃ?エイトは離れた場所から観戦してただけで何もしてないと聞いているぞ」
リムル「いや、エイトのスキルなら離れていても攻撃できるんだ。カリュブディスを葬ったのはこいつの一撃だよ。ドルフさんは魔法兵器を疑ってたみたいだけどさ」
エイト「まあ俺が倒したかはともかく魔法兵器を所持してたわけじゃないからな」
リムル「あ、それとウチに魔王ミリムが滞在することになったんだよ」
ドガ「「………」」
リムル「ある日突然『挨拶に来た』とか言ってさ。そのまま流れで友達なったんだよ」
エイト「まあ、信じられないってのもわかるが…俺なら絶対信じない」
ガゼル「ふっくっくっくっ…ホラにしては荒唐無稽すぎるな!よかろう。信じるぞリムル、エイトよ」
リムル「どーも」
ガゼル「ふむ…それにしても土産にもらったこの酒は美味いな」
エイト「お、流石ガゼル王。お目が高い」
リムルがシュナに手を挙げる。
リムル「りんごで作った蒸留酒なんだ。果実類を輸入できる目処が立ったんでね」
シュナが後ろの2人に蒸留酒を注ぐ。
ガゼル「ほう?」
シュナ「お二人もぜひ…」
「ああ、これはどうも…」
ガゼル「このドワルゴン以外にも貴様達と国交を結ぼうという者が現れたのか」
エイト「ああ。獣王国「「「ユーラザニアか!?」」」あ、うん」
3人とも顔が近いよ。
リムル「知ってたのか」
ガゼル「当然だ。誇り高き獣王の治める国を知らぬはずがあるまい。貴様ら獣王にも懐かれたのか…?たらしか?」
たらしって…。
リムル「いやいやいや魔王カリオンの部下を助けただけだよ。んで、交易を申し出てみたら了承してくれたってわけ」
「だとしたらテンペストの重要性は一気に跳ね上がる。いずれはファルムス王国に代わる貿易の中心地になるやもしれん」
ガゼル「うむ。確かにな。少なくともこれは我が国がファルムスから輸入するどの酒よりも美味い」
ファルムス王国…たしかヨウムの出身地だったな。でもあいつあんまり故郷のこと良く言わないよな。
リムル「ファルムス王国ってどんな国なんだ?」
ガゼル「まぁ、西方諸国でも1、2を争う大国だがな。ここだけの話だが俺はあの国王は好かん」
エイト「そうなのか」
ガゼル「だから是が非でも獣王国ユーラザニアとの貿易を成功させろ。そして兄弟子にも酒を融通させるのだ」
リムル「兄弟子は関係ねーだろ」
すると、シオンがリムルの後ろの背もたれに手を置き
シオン「大丈夫です!リムル様ならきっと、ユーラザニアとの貿易をばばーっとステキにまとめてくださいます!!」
おい。
シオン「我らの食卓にも当たり前のように美味しい料理が並ぶやうになりました」
シュナ「シオン!?あなたまさか飲んで…っ」
シオン「そこに酒が加わるのも、きっともうすぐです!!」
シュナ「もうっシオンったら…」
シオンが持っているコップの中の酒を一気飲みする。
シュナ「あっ……!?」
そしてシオンがふらっと倒れた。
リムル「…セーフ」
リムルがシオンの背中に入り受け止めた。
ドガ「「「………ぶわわははははは」」」
リムル「悪いなウチの秘書が」
ガゼル「よいよい。早く部屋に連れて行ってやれ」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
シュナ「…もう恥ずかしい…」
エリ「「本当な(にな)」」
けどまあ、これだけ信じられると…応えてやらねえとな。
リムル「よし、シュナ。明日の演説の原稿もう一回読み直そう」
シュナ「はい!」
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一夜明けて今日は二国間の有効宣言の式典だ。すでに書面上では友好国なわけだが国民に向けて俺たち仲良しアピールをするわけだ。つまり俺たちは今、テンペストのイメージを背負ってここにいる。
エイト「えー初めまして。ドワルゴの皆さん。ジュラ・テンペスト連邦国。略して魔国連邦(テンペスト)の盟主。エイト=テンペストです」
リムル「同じくリムル=テンペストです。この通り私たち2人はスライムなのですが、人と魔物の橋渡しとなるような国家を築きたいと願っております」
エイト「ここドワルゴはまさに共存共栄を為された国であり私たちの目標です。こうして、友誼を得ることが出来、ガゼル王には感謝の念に堪えません」
リムル「我が国には魔物が多数所属しています。ですがその心根は皆様となんら変わるところはないのです。できれば恐れるのではなく新しい友として受け入れて欲しい。この言葉が本心であるのことをここに誓い私の挨拶に代えさせていただきます」
そして、盛大な拍手がおこる。ガチガチに緊張したがうんまぁ…中々のスピーチだったんじゃない?
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ガゼル「短すぎる、謙りすぎる、情に訴えかけすぎる。はっきり言って零点だ」
なん………だと……!?
ガゼル「国を治める者が国民に遜るものではない。ましてや他国の住民に下手に出れば舐められるだけだぞ。こうなったらいいなどと甘えた統治は厳禁だ。素晴らしいものとは自然にやってくるのではなく自ら掴み取りに行くものなのだからな」
厳しい。が、心からの忠言であることは間違いない。
エイト「…肝に銘じとく」
リムル「今後の課題にするよ」
ガゼル「せいぜい励め。危うくて見ておれんわ」
ほんと……俺たちは縁に恵まれてるな。
ー夜ー
シュナ「リムル様はどちらに行かれたのですか?」
エイト「あー…、えっと……」
どうしてこうなった!?
ー数時間前ー
リムル「エイトも来るか?」
エイト「あーじゃあ
「そういうの小町的にポイント低いよ!」
………まあ、そう言われちゃな。
エイト「やっぱやめとくわ」
という出来事があり俺はリムルについていかなかった。
なんで、いきなり小町の言葉が出てきたんだか…まぁ、あいつなら言いそうだけど。ただ、俺が行かないからって教えるのはリムルに悪いし……
シュナ「エイト様なら知っていますよね?」
エイト「あ、え、いや、知らないです…」
シュナ「嘘ですよね?教えなくてもいいですけどその場合…」
エイト「その場合…」
シュナ「シオンの料理1週間です」
エイト「リムルは夜の蝶っていうエルフのいる店に行きました」
あ、結界でどうにかできるの忘れてた。いや、でもそれだと1週間味無しの料理を食べ続けることになる……リムル1人のためにそんなことする必要はないな。
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リムル「ほら、ゴブタ。お前もちゃんとしろ!」
ゴブタ「ちょっと…貧血でむりっす…」
リムル「ったく…」
シュナ「お手伝いしましょうか?」
リムル「ああ、すみませ……んーー!?」
帰り途中のリムル達を発見したからシュナが声をかけた。
リムル「しゅ、しゅ、しゅ、シュナ!?なぜここに…」
シュナ「なぜって、エイト様が全て話してくれましたので」
リムル「エイト……裏切ったな…!!」
シオン「酷いですリムル様…」
リムル「し…シオン!!」
シオン「置いていくなんてあんまりです!」
リムル「いやだって女の子が行って楽しい場合なのかわからないし…」
シオン「でも黙っていくなんてひどいです!」
すると、シュナがカイジンたちの方をギロリと見て
シュナ「あなた達がリムル様を夜遊びに誘ったのですか?」
カイジン「え!?さ、誘ったというか提案したっていうか…」
そして、全員が正座させられた。
その後リムルは1週間シオンの朝ご飯で許されることになった。
〜その頃俺は〜
まただ…眠る必要のない体になってしばらく経ったが…最近意識を手放すと彼女の夢を見る。実の妹の夢……"あいつら"の夢が出ないってことは…もう未練はないだろうな……だけど…何であいつが……
「反対側だよお兄ちゃん」
そこで俺は意識を戻した。
エイト「反対側…?ま、夢か」