【休載中】転生八幡。スライムになったよ!てへっ♪   作:甘味の皇帝

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13話

ー翌日ー

 

リムル「______という訳で、人間の国に行こうと思う。ドワルゴンとは違い魔物を受け入れてくれるとは限らないからな。今回は人間に化けてコッソリ潜入するつもりだ」

リグルド「…お話はわかりました。ですがリムル様とエイト様がお2人で旅立たれるというのは」

ハクロウ「左様じゃな。万が一のことがあればジュラの大同盟も根底から崩壊するやも知れぬ」

エイト「コッソリとは言っても2人旅じゃないぞ。リムルの影に潜んだランガを連れて行くし。それに…」

ソウエイ「俺の分身体を一体リムル様とエイト様の連絡役に回しておく。何かあれば皆にもすぐ知らせらよう」

リムル「ということだから安心してほしい。案内役も頼むつもりだしな」

リグルド「案内役?」

リムル「ああ。今ゴブタに呼びに行ってもらってる」

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リグルド「なるほど。カバル殿にエレン殿。それにギド殿ですか」

リムル「イングラシア王国に行くにはブルムンドを経由するし彼らなら俺たちがスライムなのも知ってるしな」

シュナ「確かに…人間の国へ入るのに我ら魔物が付き添っては帰って火種になりかねませんし」

エイト「だろ?」

ゴブタ「リムル様!エイト様!」

ゴブタが影移動で戻ってきた。

リムル「戻ったか。どうだった?」

リムル「『大船に乗ったつもりで任せてくれ!!』だそうっす!」

リムル「引き受けてくれたか」

シュナ「…わかりました。ですが、くれぐれもご注意くださいね」

エイト「ああ。わかってる」

リグルド「リムル様とエイト様にもしものことがあれば我らは…ッ」

リグルドが泣きながら言う。

リムル「十分気をつけるよ」

ベニマル「頼んだぞソウエイ」

ソウエイ「無論だ」

というわけでカバル達が到着し次第出発することが決まった。

シオン「なんなら私がお供を…」

エイト「話聞いてたのか?」

 

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1番の目的はリムルが夢で見た子供達だが、せっかく外に出るんだ。この旅ではテンペストの特産品…回復薬の販路を確保したいと考えている。

俺たちは拠点移動(ワープポータル)でベスターたちがいるヒポクテ草の栽培上と研究室に来た。

 

ドワルゴンでは回復薬が品薄だと聞いた。ガゼル王との交渉でウチからローポーションを納入することになった。ただし、ドワルゴンの薬師を研究員として受け入れるのが条件だ。

ベスター「ふむ…これなら全員雇用しても問題なさそうです」

エイト「役に立ちそうか?」

ベスター「ええ。昔、同じ学舎にいた者の名前もいくつかあります。彼らなら信用できる」

リムル「その後、回復薬の開発状況はどんな感じだ?」

ベスター「安定していますよ。今では1日に1つのフルポーションの作成に成功しています。彼らが開発チームに加わるなら…そうですね。少なくとも1日3本は固いとお約束します」

リムル「おお…!」

 

 

ここで復習。完全回復薬(フルポーション)はリムルの回復薬や俺の[超回復]と同等の効力を持っていて英知曰く欠損した部位すらも再生可能な万能薬だ。これを特定の状況で20分の1に薄めたものが上位回復薬(ハイポーション)。どんな大怪我でも治癒が可能。ただし、欠損した部位の再生はできない。そして、フルポーションを100分の1に薄めたものが下位回復薬(ローポーション)。怪我をある程度治癒する効果があり冒険者の持つ回復薬といえば通常これを指す。

 

 

カイジン「フルポーションを売るのは難しいぜ旦那。この薬は性能が良すぎるんだよ。気軽に使用できるもんじゃねえし、妥当な値段をつけたら冒険者には手の出ねぇ金額だ。ローポーションは冒険者にとって最も馴染みのある回復薬だ。今更どこぞの特産品だと周知させるのは難しいだろう。となると、特産品として一番有力なのがハイポーション。こいつは駆け出しが買うような代物じゃねぇ。ベテランの冒険者が万一に備えて持つような薬だ」

エイト「なるほどな。ターゲット層はそこそこ金を持ってると…」

カイジン「その通りだ」

リムル「分かった任せろ。高値で交渉して利益を上げてみせるさ。行く行くは10倍にも100倍にもして国庫を潤せるように頑張るぞ!」

カイジン「その意気だぜ旦那!」

 

その夜カバル達が到着し、早朝には到着することが決まった。

 

 

ー翌日ー

 

リムル「よし、と」

エイト「んじゃ、留守は頼んだぞ」

リムル「よろしくな3人とも」

カバル「旦那は俺たちについてきてくれればいいぜ!」

エレン「どーーんと任せちゃってよね」

ギド「あっしの本領発揮でやすね!」

この世界に来て2年近く経ったが…

リムル「任せたぞ」

エイト「よろしくな」

人間の国に行くのは初めてだ。結構楽しみだな…。

 

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道中になんやかんやありながらも旅は順調に進んでいった。

エレン「リムルさんとエイトさん!ずっと一緒に冒険しましょう!」

嬉しい申し出も出たが俺たちは責任ある立場だ。遠い将来…テンペストに俺たちが必要とされなくなったらその時は自由な冒険者になるのもいいかもしれない。…そういえば…スライムの…俺たちの寿命ってどれくらいなんだろ…?

俺が隠居を考える頃…こいつらは生きているんだろうか……………ミリムもこんな感じだったのかもな。

 

ミリム「ワタシの友はお前たち2人だけなのだ!」

カバル「2人ともどうしたんだ?もうすぐブルムンド王国だぜ」

リムル「…ああ」

大事な友人を作っても先立たれてしまうなら俺は孤独を選ぶだろうか…いや、俺はボッチだったがいつだって孤独ではなかった…小町がいたし…雪ノ下や由比ヶ浜…他にもまあ、色んな奴がいた。そして、今は…リムルがいる。慌てて答えを出す必要はないがこれだけは確かだ。

エイト「今行く」

この世界でも…本物を見つけられるのだろうか…この世界で見つかるならそれはきっと命を賭けることで見つかる本物なんだろう。

 

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ブルムンド王国。魔物の生息する森に近いためか建物は堅固な造りだ。街を警戒している人員もいる。

住民の表情は明るい。

「仮面のお嬢ちゃん。焼き立てのパンはいかが?」

リムルがパンを買う。

「一個サービスしといたよ」

リエ「「(うん。いい国だ)」」

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カバル「あ、そうだ旦那。イングラシアに行くならギルドで冒険者に登録しといた方がいいぜ」

エレン「え?なんで?」

カバル「ホラ冒険者って街の外での活動が殆どでしょう?ギルドと連携している国なら身元証明されるのよう」

つまり身分証明書ってわけか。

リムル「んじゃ、一応取っとこうかな」

 

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「冒険者登録?その仮面…英雄に憧れるのは分かるけど…あなたには、まだ早いと思うわよ?」

リムルがそんなことを言われる。あ、ひょっとしてシズさんのコスプレだと思われてるのか?

カバル「まあまあそう言うなって。この人はこう見えて俺たち3人が束になっても敵わねぇんだから」

「えっ!?」

「あのちっさいのがカバルさん達より強いってのか!?」

「ウッソだろ…」

「どう見てもガキなのに…」

ギド「あっしらの客人に失礼な態度はやめてくれやすかねぇ」

「すっすみません!!」

「し、失礼しました。それでは試験を許可します。こちらにお名前と希望される部門をご記入ください」

俺とリムルに紙が出される。

意外と言ってはなんだがあいつらって結構信頼されてるんだな。ポンコツなイメージがあったが改よう。

 

「はい、希少植物の買取ですね」

「こ、これは幻妖花!?それもこんなに沢山…」

あれはこの前の…

 

そう、俺たちは出発して数時間あの花のせいで森の中を迷ったんだ。それでゲルド達の現場宿舎で1日泊まる羽目になったのだ。その原因があの花で希少らしくゲルド達が取ったやつも合わせてもらっていったのだ。

 

「すげーー」

「こないだの魔物の素材もそうだけどどこで見つけてくんだろうなぁ」

「そらおめー熟練冒険者の勘ってやつだろ」

 

そういえばあいつらうちに来るたび俺たちがいらないって言ってるやつ持って帰るよな。

……なるほど、そうやって信用を得てるのか。

 

すると、またしてもリムルに心配の眼差しが向けられる。

「討伐部門…ねぇ君いいの?採取や探索部門にしておいた方がいいんじゃないかしら」

リムル「実地試験なんだろ?採取や探索じゃ時間がかかる」

「それはそうだけど…」

「確かにな…討伐の実地試験なら隣の棟でできる。一番お手軽で一番危険な試験だ」

義足か…。

エレン「…あんたは?」

ジーギス「試験官のジーギスだ。受けるつもりなら2人ともついてこい。カバルどもの紹介ね…はッ。どれほどのもんか知らんがな」

エレン「お前らあの人に恨みでも買われたか?」

カバル「あれーー?」

 

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場所は変わって試験会場。最初はリムルでリムルが魔法陣に囲まれている。

リムル「この中で戦うのが試験か?」

ジーギス「そうだ。これは外に被害を出さないためのもの。受験者であるお前は、この円から一歩でも出れば失格とする」

リムル「なるほどわかった。で、相手は?」

ジーギス「ではEランクの試験を開始する。魔物に見事打ち勝って見せよ」

魔物?

ジーギス「いでよハウンドドック」

魔法陣が現れそこからハウンドドックが出てきた。召喚魔法か…。

リムル「おお…っ」

と言った後にはハウンドドックの首は刎ねられた。

リムル「召喚魔法ってやつか。すごいな初めて見たよ。じゃ、次もよろしく」

ジーギス「………いいだろう。次だ」

:

:

それからというものリムルはダークゴブリンを瞬殺。下位悪魔(レッサーデーモン)も十数秒で倒して、Bランク冒険者として試験を合格した。レッサーデーモンを召喚した時俺とリムルは召喚魔法の[悪魔召喚]を習得した。

んで、次はお____

フューズ「討伐部門の試験だとぉ…?リムル殿に何かあったらブルムンドが滅びてもおかしくないのだぞ?なぜこんな事態になっておるのだ…!!」

 

その後フューズを宥めるのが試験よりも大変だった。ちなみにフューズに連れてかれた所為で俺は試験を受けれなかった。

 

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フューズ「ったく、ブルムンドに到着したらすぐに俺のところまでお連れしろと言っておいたのに」

リムル「ま、まぁおかげで身分証も手に入りそうだし」

フューズ「初めから私に言ってくだされば支部長権限(ギルマス権限)でBランクまで取り立て出来るんですがね。エイト殿にはそうしますけど」

あ、そうなのか。てか、試験会場に現れたフューズは怖かった。

フューズ『静まれ貴様らぁ!!』

レッサーデーモン以上の迫力だったわ。まぁ、あれくらいじゃないと荒くれ者の冒険者達をまとめあげるのなんてできないのかもしれないな。

フューズ「…我々は貴方方が邪悪でないと知っています。ですが他の者達はそうではないのです。もしリムル殿とエイト殿の正体が多くの魔物達の主だと知れたら…」

リムル「…そうだな。ブルムンドとまだ正式に国交を結んだわけじゃないし、悪かった。俺も自重するよ」

フューズ「………実はリムル殿とエイト殿の到着を知り、ブルムンド王が極秘会談を希望されています。イングラシアへ急ぐと聞いておりますが…」

マジか…予定外ではあるが…これを逃すわけにはいかないな。

リムル「是非頼む」

フューズ「わかりました。では3日後に場を設けるよう掛け合います」


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