【休載中】転生八幡。スライムになったよ!てへっ♪   作:甘味の皇帝

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14話

ー翌日ー

 

ベルヤード「お初にお目にかかります。魔物の国の主殿。私はブルムンドの大臣の1人、ベルヤード。どうかお見知り置き願いたい」

リムル「初めましてリムル=テンペストです」

エイト「初めましてエイト=テンペストです」

リムル「作法に疎いので失礼があったらご容赦を」

フューズ「こいつは貴族ですが私の昔馴染みでもあります。構えず普段通りに接してやってください」

いや、めちゃくちゃ緊張するんだけど。シュナがいないのは心細すぎる…。

 

 

実務的な協議はこのベルヤード男爵と行い王との会談は明後日。その内容を元にお互い確認する形となるらしい。

ベルヤード「時間は有限です。早速始めましょう」

 

魔国連邦(テンペスト)とブルムンド王国の開国の条件は二つ。一つ、両国間の相互安全保障一つ、両国間の相互通行許可。

まずは相互安全保障について。

ベルヤード「我が国の魔物への対策はギルドとの協力で成り立っています。そこで…貴国での補給を認めていただきたいのです」

テンペストが活動拠点となれば冒険者の活動範囲は大きく広がる。必然ブルムンドへの脅威が減るというわけか。

ベルヤード「正直な話、そちらのメリットは少ないかもしれません」

たしかに…"相互"である以上こちらも助けてもらえるわけだが…俺らが助けて欲しい状況というと…

・豚頭帝出現!!

・魔王ミリム来襲!!

・カリュブディス急接近!!

みたいな時だ。互いの国家に危機が迫った場合

"可能な限り"協力するという概要に照らしてみれば…テンペストか受けられる恩恵はあまりないな。だが………実はもう一つの案件はこっちにかなりの益が見込める。一つ断ってもう一つを不意にするのもな…。

リムル「わかった。簡易宿と武具を整備できる施設を用意しよう」

ベルヤード「ああ、助かります」

まあ、特に大きなデメリットは無いしな。信頼を買ったと思えば安い方だろ。

ベルヤード「では、もう一つの件について話しましょう」

相互通行許可…これによってテンペストに人間が来るようになり、更に魔物が人間の町に赴けるようになる。人と友好的に付き合いたいと考えている俺たちからしてみればこれは大きな一歩になる。更に言えば税収も見込める。商人がテンペストに入る時の関税だ。

 

少し揉めたがここはベルヤード男爵が折れてくれた。

ベルヤード「期限を定め、国が商人達の支払いを立て替えるものとしましょう」

エイト「いいのか?」

ベルヤード「我が国にとって最重要なのは安全保障に関してです。貴方方は先程折れてくださった。今度はこちらの番です」

おお…っ…。

ベルヤード「互いに利のある関係でいたいものですね」

こうして、ベルヤード男爵との会談はとても有意義に終わった。

 

ー2日後ー

 

フューズ「こちらですリムル殿!エイト殿!」

いよいよ会談本番の日。

:

:

2人とも最初こそ緊張したものの、言ってしまえば2日前の繰り返し。ベルヤード男爵の奏上にブルムンド王が頷く。俺たちが「(王妃美人だなー)」とか思ってる間に条約は締結された。

 

「今後ともよろしくお願い致しますぞ、リムル殿、エイト殿」

リムル「ええ、こちらこそ」

そういえば俺って殆ど喋ってなくね?リムルに任せっきりで何も言っていない気がするが……まあ、気のせいだ……

「東の帝国が攻めてきた場合にも協力のほど、よろしくお願い致しますぞ」

は?

リムル「ええ………え?」

「では、また!」

ブルムンド王は手を振って帰っていった。

………東の帝国…?はっ!!まさか…!!

エイト「っ!!」

俺たち2人はベルヤード男爵の方を見る。

ベルヤード「気づかれましたか」

そうだ…ブルムンドを脅かす存在は何も魔物だけではない……危険への対処というなら例えばどっかの国家が攻めてきた場合も含まれる……だ…っ騙されたーー!!!!

関税の利益など防衛費からすれば微々たるもの…ブルムンド側が警戒しているのは他国からの侵攻だったか…!!

ベルヤード「まあ、そう気を落とさずに。条約は既に結ばれております。今後ともいい関係でいましょう」

リムル「くそぅ…」

やはり人間は油断できないな…。

けどまぁ、不思議と腹は立たなかった。騙された俺たちが悪いわけだしベルヤードの手段も見事なものだった。

エイト「ちょろいな…」

フューズ「交渉はヤツの得意分野ですから」

まぁ、これも経験だな。帝国が動くならその時だ。

 

 

それはそれとして、騙されたままでは面白くない。こっちにも大きなメリットのある話をするか。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「旦那様、リムル様とエイト様、フューズ様がおいでです」

ベルヤード「応接室へお通ししろ」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

リムル「やぁ、男爵。一つお願いがあってきたんだ」

ベルヤード「…聞きましょうか」

ジーギス「すみません男爵。お邪魔してます…」

ベルヤード「ジーギス。なぜ彼までここに?」

リムル「ああそれは…実演販売に協力してもらおうと思ってな」

ベルヤード「実演販売?」

エイト「ジーギスさんこれを」

俺はフルポーションをジーギスさんに渡す。

ジーギス「あ、ああ」

ジーギスさんは渡されたフルポーションを全て飲む。

ベルヤード「彼に何を飲ませたんです?」

エイト「完全回復薬(フルポーション)だ」

ベルヤード「フル…からかっているのですか?完全回復薬はドワーフ王国ですら…」

リムル「まあ見ててくれよ」

「ゴトンッ」

ジーギスさんの義足が床に倒れる。

ベルヤード「……え、義足…?」

ジーギス「あ…あああぁ…」

ベルヤード「ジーギス?」

ジーギス「足が…生えた…!!」

ジーギスの義足があった右足部分には綺麗な足が生えていた。

ベフュ「「ええええぇええ!!」」

ベルヤード「バカな!!部位再生級(リジェネーション)の回復薬などと神聖魔法に匹敵するぞ!!おい足よく見せろジーギス!!」

2人はジーギスさんの足を真剣に見つめる。

何この図…。

ベルヤード「どこでこんな凄い薬を…?」

リムル「どこってウチの特産品だよ。といってもまだそんなに出回っていないんだ。だからここで販路を開拓したくてさ」

ベルヤード「特産品!?これが量産されているというのか!?欲しがる人は多い…いや政治や戦争の概念をも覆しかねんぞ…」

あれ?軽い意趣返しのつもりが…思ったより深刻な空気になってしまった…。

まあ、ジーギスさんには感謝してもらえたし

ジーギス『ありがとうリムル殿、エイト殿。まさか冒険者に戻れる日が来るとは思わなかった』

上位回復薬(ハイポーション)を定期的に下すことが決まってブルムンド王国でやるべきことはひとまず終了だ。

 

 

〜イングラシア王国〜

 

俺たちはイングラシア王国に到着し、中に入った。

エイト「………」

うおお…っ建築物が高い!しかもガラスがある!

 

久しぶりに感じる都会の空気に俺たちは年甲斐もなくはしゃいでしまった。

リムル「治安も良さそうだな」

エイト「警備もしっかりしてるしな。?そういえばブルムンドでもギルドの組合員が警備してたけどここの警備兵は衣装が統一されてるんだな」

ギド「ああ彼らは西方聖教会所属の兵士ですね」

エイト「西方聖教会?」

エレン「唯一神ルミナスをあがめるルミナス教の組織名のよぅ」

リムル「へー」

宗教か…まあ、俺たちには関係ないな。

カバル「あ、そうだ旦那らは教会には気をつけた方がいいぜ」

エイト「え?」

カバル「西方聖教会は魔物の殲滅を教義としてるから、旦那らの正体が知れたら聖騎士団の討伐対象になっちまう」

エイト「おぉ…それは恐いな…」

ギド「旦那らならそうそうやられたりはしないと思いやすが、彼らは対魔物のエキスパートなんでやす」

リムル「なるほど…」

関わらないことに越したことはないな。

カバル「なんてったっけ聖騎士団の団長」

エレン「えっと確かぁ…そうそうヒナタ・サカグチ!」

ヒナタ・サカグチ……坂口?それか阪口か?また日本人か…日本人多くね?

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「5名様ですね。お部屋はいくつご用意いたしましょう」

カバル「二部屋で」

自由組合総帥(グランドマスター)のユウキ・カグラザカは若い風貌の男だという。リムルの夢の記憶を見せてもらったがもう1人の方が間違いなく「ヒナタ」だ。全く関係のない人物という可能性もあるが…なぜか確信がある。なんでだろうな。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

エレン「リムルさんエイトさん先寝るねぇ」

リムル「おう、おやすみ」

エレン「おやすみ」

それにしても対魔物のエキスパート集団の団長か…考えていた以上に厄介そうだな。

エリ「「(っていうかなんで俺たちエレンと同じ部屋なんだろう…)」」

 

ー翌日〜自由組合本部(ギルド本部)〜ー

 

リムル「うおぉぉ…これまた立派な建物だな」

リムルがガラス張りの入り口を触る。すると、

「ガーー」

自動ドア…………だと……!?

「ようこそ。本日はどのようなご用向きですか?」

リムル「あ、ああ。グランドマスターに会いたい。これが紹介状」

「確認して参ります。こちらにて少々お待ち下さい」

リムル「あ、はい」

 

ー数分後ー

 

「大変お待たせ致しました。リムル様とエイト様のみお通しするようにと言い付かりました。ここからは専属の秘書である私がご案内します」

さっきとは別の人が来て案内してくれるそうだ。

:

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:

リムル「あの」

「グランドマスターはすぐに参ります。こちらの部屋でお待ち下さい。では」

「バタン」

ドアが閉められた。

リムル「あ、どうも」

素っ気ない人だな。まあ、俺的にはそんくらいの方がいいというかむしろそれであって欲しい。めっちゃ話しかけてくるタクシーの運転手とかめっちゃ苦手なのよ。

リムル「下手な駆け引きをするよりは真実を話して信頼を得るべき…だよな」

エレン「まあ、グランドマスターっていうかギルドを敵に回せば俺たちが人間に認めてもらうのは難しくなるだろうからな」

俺たちはスライム姿になりソファに座る。

すると、ドアが開き

ユウキ「お待たせしました。僕が自由組合総帥(グランドマスター)の神楽坂勇樹(ユウキ・カグラザカ)です。僕のことは気軽にユウキと_____うわスライム!?(しかも2匹!?)」

リムル「初めまして魔国連邦(テンペスト)の盟主リムル=テンペストという。俺のこともリムルと呼んてくれ」

エレン「同じくエイト=テンペストだ。俺もエイトと呼んでくれ」

ユウキ「は、はあ」

ユウキは俺たちのスライムボディーを掴みながらいう。

:

ユウキ「いや驚きましたよ。フューズに聞いていましたが、噂の魔物の国を興したのがまさか……その……」

エイト「スライムだとは思わなかったって?でも俺の方が驚いたぞ。その若さでここの総帥なんだろ?」

ユウキ「ああ、いえ。実際には二十代後半です。僕は異世界からの転移者なのですが、この世界に来た時スキルを獲得できなかったんです。その代わりか身体能力は異常に発達しまして、肉体の成長もそこで止まってしまったようなんです」

そんなケースもあるのか。

ユウキ「そのせいにするのもなんですが、なかなか大人の男としては見てもらえず。未だに女性と付き合ったこともなくて」

友達さえいなかった俺よかマシだろ。彼女がいないなんて当たり前だ。

リムル「いやー、そうかね?残念だったね、それは。なーに、そのうちいいことあるさ!はっはっはっ」

ユウキ「なんでそんなに嬉しそうなんです?」

エイト「……」

そんなに嬉しいのかよ。

リムル「いやなに、ただのスライムスマイルさ!」

ユウキ「そういえばリムルさんとエイトさん。一体どうやってここに入ったんです?この建物の入り口には結界があるので魔物は入れないはずなんですが…」

エイト「ああ、自動ドアの前にあったセンサーか。俺はスキルで無効化した」

結界も魔法の一種だからな。完全結界で遮断したまでよ。

リムル「俺の方は…ひとつはこの仮面。これでオーラを抑えることができる」

リムルは胃袋から抗魔の仮面を取り出して言う。

ユウキ「その仮面はシズ先生の…っ」

リムル「それから…その仮面の持ち主の意志と姿を継いだ。俺は喰った相手に擬態できるんだよ」

リムルが人の姿になり言う。

ユウキ「喰った…相手…」

ユウキはリムルに蹴りかかるが、

エイト「落ち着けグランドマスター。事情も聞かずに殺そうとするなんて立場的にまずいんじゃないか?」

俺はその蹴りを片手で受け止める。

ユウキ「…やはり只者ではありませんね。信じ難いが…たかがスライムがシズ先生を殺したとい事実を認めざるを得ない…」

エイト「あのな、先生を敬愛するなら形見は大切にしろ。今の蹴りで壊れるとこだったぞ」

俺は風圧で上に飛んだ仮面をキャッチしていった。

ユウキ「…詳しく聞かせてもらいますよ」

リムル「もちろんだ。出会いから話そう」

:

:

ユウキはまだ俺たちを信じられない様子だったが話を聞く姿勢にはなってくれた。シズさんの最期の下りは噛み締めるように聞き入っていた。

リムル「まあ、そんな感じだ。スライムの言うことなんて信じられないかもしれないけどな」

ユウキ「…いえ先生らしい決断だと思いました」

リムル「そうだ、言い忘れてた。ほらエイトも」

エイト「え?あーあれか………はぁわかった」

リエ「「俺は『悪いスライムじゃないよ!』」」

ユウキ「ぶっ!!………っそのネタ…!!」

ユウキが震えながら言う。

リムル「ああ、俺たちも元ネタを知ってるよ。でも、戦時中にこっちに来たシズさんは違う。同郷だった子から聞いたと言っていた」

ユウキ「ええ僕が話しました。先生はあちらの様子を知りたがっていましたから…」

リムル「現代の日本か。俺も終戦後のイメージを見せたら喜んでくれたよ」

ユウキ「……ということはやはりリムルさんも?」

リムル「そうだよ日本人だ。ついでにエイトも」

だが、ユウキは疑いの目を向ける。

ユウキ「………」

リムル「まだ疑うのか?いいだろう、では君の望むものを見せてやる。(頼んだぞ大賢者)」

大賢者『…了』

リムルの口?から布が出てくる。

ユウキ「うわっ…こっこれは…『はがぬの錬金術師』の最終巻!?発売前にこっちの世界に来てしまい、どれ程悔しかったことか…!!」

あーそゆことか。あ、なら俺もできそうだな。

てか、あいつの棚見れば一発で趣味がわかるな。うん、まさにスキルの無駄遣いだな。

リムル「あいにく紙がないんで布に転写するしかできないが…」

ユウキ「紙!?紙ですね!!ありったけの紙を持ってきてくれすぐにだ!!」

秘書可哀想…。

「は、はい」

 

その後俺はラノベ、リムルが漫画を転写した。

ユウキ「あああ…もう二度と続きは読めないと諦めていたのに…ありがとうございます、師匠!!先程までの無礼の数々、どうかご容赦を!!」

土下座をかましてユウキが言う。

リムル「うむ」

スライムから師匠か…漫画の力は偉大だな。

ユウキ「そういえばまだ用件を伺っていませんでした。いらしたのは何か理由があるんですよね。もちろん協力させてもらいますよ!」

リムル「さっき言っただろ。シズさんの意思を継いだって。もし知っていたら教えてくれ。イングラシアにいる彼女の心残り。5人の子供たちの現状が知りたい。シズさんに替わってあの子供達を助けるために俺たちはこの国に来たんだ」

ユウキ「………知っています。ですが、それは簡単ではありません」

エイト「わかってる。シズさんが成し得なかったことをするんだ。朝飯前とは思ってない」

ユウキ「……そうですか。あの子供達のことを話す前に…ちゃんと伝えないといけないことがあります。…それがシズ先生の遺志だというのなら僕も貴方達に託してみます」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

リムル「おーい」

リムルが眠っているカバル達を起こす。

カバル「旦那…」

エイト「悪い待たせたな」

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

俺たちはレストランに来た。

リムル「まさかここまで長く話し込むとは思わなかった。悪いなずっと待たせちまって」

カバル「気にしないで下さいよ!」

エイト「ねぇねぇグラマスと目的の話は出来たのぅ?」

エイト「ああ、それな。それで、お前たちに言っとかなきゃならないんだが…」

カバル「なんでも言ってくれっす!」

エイト「突然だがここまでの案内ありがとな」

エカギ「「「へ?…………………クビ?」」」

エイト「違う違うそーじゃねーよ」

リムル「子供達を助けるためにもシズさんの代役を務めることになってな。旅は中断だ」

ギド「シズさんの代役って…なんでやすか?」

エレン「英雄とかぁ?」

リムル「コホンッ」

リエ「「教師だ」」

 

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