【休載中】転生八幡。スライムになったよ!てへっ♪ 作:甘味の皇帝
これから俺たちはしばらくイングラシアに滞在することになる。住む場所はユウキが手配してくれた。人前ではスキルを使ったり擬態を解いたりできないからここが唯一木を抜ける場所だ。
自由学園。ユウキが理事長を務める学校だ。俺たちはその寮の一室に部屋を借りている。……教師として。
ユウキの話によると、5人の子供たちのクラスにはシズさん以降後任がいないらしく、それがなぜかというと子供たち全員が召喚の儀式というもので異世界から強制的に呼び出されたのだとか。しかも、推定余命が1、2年らしくその理由が、世界を渡る際に取り込む大量の魔素(エネルギー)をスキルに変換できず、行き場を失ったエネルギーがやがてその身を焼き尽くすとか。不完全召喚されて子供たちはその殆どが5年以内に死んでしまうらしい。ユウキ曰く子供たちは『理不尽に呼び出され死を目前に控えた勇者のなり損ない』だと言っていた。
それに加えて英雄シズエ・イザワの後任ということもあり、荷が重いのだとか。
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そんなわけで俺とリムルは図書館で魔法書を手に取って解析、を繰り返していた。
…まあ、魔法書に載ってたらとっくに助けられてるんだろうが。
英知『告。魔法書の網羅が完了しました。これにより無詠唱での魔法の行使が可能となりました』
調べ物しに来たのについでに大量の魔法書を解析する英知さん流石です。
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ー翌日ー
「いやぁ、理事長の紹介ですので信用したいのは山々ですが、あの子達の面倒は難しいですよ?まして、君の方は子供じゃないですか…」
リムル「大丈夫ですよ。見た目より年は行っているので」
「はぁ……ああ、ここです」
そう言われて見た教室のドアには黒板消しが引っ掛けられていた。
「ああっ、またこんなイタズラを!!」
リムル「はははかわいらしいじゃないですか。案内ありがとうございます」
「は、はぁ、ではワシはここで…」
リムル「ちーっす、今日から君達の担任に…」
「どりゃああたあっ!!」
俺はリムルに振り下ろされる剣を短刀で受け止める。
リエ「「え、何これ」」
リムルは俺が受け止める少し前に避けて黒板の前にいた。
「剣ちゃんかっけー!」
「それ必殺技だろ?ついに完成したか!」
学級崩壊かよ。
「詰めが甘いわね。受け止められてるじゃないの!」
これは、リムルの奥の手が出るな。
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リムル「えー…先生の名前はリムル=テンペストだ。で、こっちが」
エイト「エイト=テンペストだ」
リムル「皆の顔と名前も覚えたいので呼ばれたら返事をするように。アリス・ロンド」
アリス「…はぁい」
リムル「ゲイル・ギブスン」
ゲイル「…はい」
リムル「クロエ・オベール」
クロエ「はい…」
リムル「リョウタ・セキグチ」
リョウタ「は、はい!」
リムル「ケンヤ・ミサキ」
ん?声がないな。
リムル「ケンヤ・ミサキくん?呼ばれたら返事しなさい」
ケンヤ「お…おーぼーだ…」
リムル「ん?先生の奥の手がどうかしたかね?」
ケンヤの頭にはランガがかぶりついている。
ケンヤ「こんなのおーぼーだ!!ちょっと強い犬を従えてるからって卑怯だぞ!!」
エイト「着任初日の先生に斬りかかってくるのは横暴じゃないのかよ…」
ケンヤ「そ、それは…っシズ先生なら簡単にかわせるし」
リムル「……なるほど、一理ある」
あるのかよ。
リムル「よし、予定変更。今からテストをする」
「「「「「えーーーっ」」」」」
リムル「えー、じゃない。運動場に移動するぞ」
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ゲイル「テストって…一体何をするんです?」
リムル「模擬戦だよ。全員いっぺんに来てもいいぞ。信頼を得るのが難しそうだしな。シズさんに劣らないとこ見せないと」
すると、ゲイルは右手に魔力弾を作り
ゲイル「ご自分がシズ先生に並ぶと?ずいぶん大口を叩くんですね。大怪我しても恨まないで下さいよ!!」
ゲイルはそこそこデカくなった魔力弾を投げてきた。
エイト「魔力弾ねぇ…結構威力あるな…」
[完全結界]
エイト「当たれば」
ゲイル「なんですかそれ汚い!!」
リムル「よく覚えておきなさい大人は汚いのだよ」
リョウタ「ぐるあああッ!!」
リョウタがリムルを殴りつけるが避けられる。
リムル「狂戦士化。肉体強化は中々だが……意識がないのはマイナスだな」
リムルが指を弾くとリョウタの意識が戻る。
ケンヤ「これでも…くらえぇ!!」
ケンヤが炎を俺たちにバカスカ撃ってくる。
俺には効かないけど。
リムル「…シズさんに憧れるのはわかるけど」
リムルがケンヤの目の前に現れる。
ケンヤ「うわっ!!」
リムル「扱い慣れないなら炎に拘るのはやめておけ。エネルギー効率が悪い」
ケンヤにリムルがデコピンする。
クロエ「流れる水流よ(ウォーター)我が敵を捕らえよ(ジェイル)」
リエ「「!」」
エイト「水の檻…」
リムル「見事なもんだ」
俺たちは魔力操作で水の檻を壊す。
クロエ「あ、あれ??なんで…」
リムル「すごい魔法だった。今後ともしっかり勉強するように」
リムルがクロエの頭をポンっと叩く。
アリス「こうなったら私のお人形で…あ、」
アリスの取り出した人形は右耳が焦げていた。
アリス「こ…焦げてる!!なんで…」
泣き出してしまった。
アリス「もーっあんたがパカスカ火ばっかり使うからぁ!!」
ケンヤ「お、俺のせいかよ!?」
ゲイル「2人ともそれどころじゃないだろ!!」
リムル「ほら直ったぞ」
早。
アリスは直った人形を見てご機嫌だ。
エイト「次はアリスか?その人形でどう戦うんだ?」
俺的には今めっちゃ気になるんだが…。
クロエ「………先生、その仮面シズ先生の?」
リムルの仮面を見て言う。
リムル「ああ、この仮面と一緒にお前達のことも託されたと思っている」
クロエ「あのねアリス。私、リムル先生とエイト先生は信じていいと思う」
リョウタ「ボ、ボクもそう思う。だってシズ先生の後に来た先生達はみんな玩具とかくれたけど…ボクらと話そうとはしなかった」
ゲイル「リョウタの言う通りこの人は今までの先生とタイプが違う。それにシズ先生の知り合いなら…」
アリス「…わかったわよ。冷静なゲイルまでそう言うなら信じてあげる。お人形直してくれたしテストはここまでにしてあげる!」
リムル「ありがとな」
テスト受けてたのはそっちだけどな。
エイト「…どうだケンヤ。お前も信じてくれるか?」
ケンヤ「………シズ先生だって俺たちを見捨てて行っちゃったじゃないか。今さら新しい先生が来たからなんだっていうんだよ俺たちもうすぐ死んじゃうんだぞ!!」
エイト「…はぁ、二つ間違いがあるぞ。まず一つ、シズさんはお前達を見捨てたわけじゃない。あの人の最後の旅はお前達のためだったんだよ」
ケンヤ「俺たちのため…?」
俺もこの子供達を前にしてやっとあの人の旅の目的がわかった。シズさんだって召喚された子供だったはず…だけど寿命を全うできたのは身内に溢れるエネルギーを安定させた人物がいたからだ。あの人は聞き出したかったんだ。相手にどんな意図があるにせよ自分を救った方法を…魔王レオン・クロムウェルに。
リムル「もう一つの間違いは『お前達がもうすぐ死ぬ』ってとこだ。安心しろシズ先生のやり残したことは俺たちが継いだ。だからお前達は俺たちを信じていい子になれよ?」
エイト「絶対に助けてやるから。必ずな」
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シュナ「まぁ!なんて愛らしい形のお菓子でしょう」
シオン「これがシュークリムルというスイーツなのですね!」
2人はシュークリームを食べながら言う。
リムル「シュークリームな」
ベニマル「あれ?リムル様?エイト様?」
リムル「よぅ、ベニマル。お土産あるぞ」ベニマル「いつの間に帰ったんです?」
エイト「ついさっきだ。影移動で一時帰国」
ほんとこの世界って便利だよな。
ゴブタ「あ!リムル様とエイト様っす!!」
ハクロウ「これはこれは…お迎えもできず申し訳ないですじゃ」
リムル「いいって、もうすぐ戻らなきゃならんしな」
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リグル「え!?本当か?」
ガビル「なんと!!」
「リムル様が……」
リグルド「なんですっとーーーー!!?」
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……なんでかなー?ちょっと様子を見に来ただけなのになんか…すごく集まってきたな。
エイト「町の運営は順調か?」
ベニマル「つつが無いですよ。ユーラザニアの使者もいつも通りですし工事の方はブルムンドから要請のあった簡易宿に着手しました」
リグルド「ブルムンドと言えば…そこからやってきた商人がハイポーションを大量購入していきましたな」
リムル「ほぅ!」
リグルド「商人の名はガルド・ミョルマイル。イングラシアにも行商に向かうと言っておりました」
エイト「ならあっちで会えるかもな」
シュナ「……リムル様、エイト様。お二人のお話もお聞かせください。人間の国で先生になられたとか」
そうだな。こいつらにも相談してみるか。
リムル「実はな…」
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リグルド「なんと…魔素が安定せず肉体の崩壊を待つ子供達とは…」
ベニマル「気の毒だとは思うが手を貸してどうにかなるもんなんですか?」
ハクロウ「難しいでしょうな。膨大な魔素を安定させる程のスキルとなるとユニーク級…厳しい修行を課したとて獲得できるとは限りませぬ」
だよな。
リムル「リグルド。シズさんを覚えているな?」
リグルド「は…もちろんです」
リムル「彼女は昔、子供達と同じ状況だったが魔素の安定に成功し長らえたんだよ」
リグルド「ふむ…その方法がわかればいいのですが今となっては調べることも…」
エイト「……実は見当はついてるんだ」
リグルド「え!?」
エイト「鍵を握ってるのはイフリートとの融合だ」
シュナ「イフリート…炎系の精霊では王級に次ぐ上位精霊ですよね」
リムル「そうだ。シズさんは幼い頃そいつを魔王レオンに憑依させられた。恐らくだがイフリートが魔素を制御していたんじゃないかと思う」
というのが、俺の英知とリムルとリムルの大賢者で立てた推論だ。
トレイニー「なるほど、つまりリムル様とエイト様は子供達に精霊を宿そうとお考えなのですね」
………………。
エイト「トレイニーさんいたのかよ!?」
トレイニー「はい。頂いております。シュークリムル。4つ目です」
ベニマル「(4つ目!?)」
トレイニー「とても良い案だと思いますよ。確かに精霊は魔素の扱いに長けています。しかし無視できない問題もあります」
リグルド「といいますと?」
トレイニー「まず下位の精霊ではそれほどの魔素を制御しきれないでしょう。ですが上位精霊はその数も少なく…」
トレイニーさんは精霊を召喚する。
リムル「…そちらは?」
トレイニー「この子は私の契約精霊『風の乙女』(シルフィード)。その名の通り『風』を司る上位精霊です。そこのあなた、ちょっとこの子に話しかけてごらんなさい」
トレイニーさんはガビルに言う。
ガビル「えっ!?えーと……わ、我輩はガビルと申す者。ご機嫌はいかがかな?」
シルフィード「…………」
すると、シルフィードはガビルから顔を背けた。
トレイニー「このように上位精霊は気まぐれです。気に入らなければ助力は望めないでしょう」
む、酷い……酷すぎる……。
トレイニー「せめて精霊の棲家へ行くことが出来れば相性のいい精霊に出会えるかもしれませんが…」
エイト「精霊の棲家?」
トレイニー「精霊女王の統べる別次元にある場所です。入り口は女王の意思一つで引っ越してしまうので特定は困難でしょう。私が取り次げたら良かったのですが現女王とは接点がないのです」
リムル「そうか…」
トレイニー「お役に立てず申し訳ありません」
エイト「いや、俺たちのやろうとしてることが間違ってないって分かっただけでも収穫だ」
リムル「さてと、じゃ、そろそろ戻………ど、どうしたシオン。やけに静かだと思ったら怖い顔して」
確かに…いつもならもっと騒ぐと思うんだが…。
シオン「このシュークリムル…これ以上食べたら工事現場のゲルド達の分が…っでもっ…でも美味しくて…っ私はどうしたらいいのですかリムル様!エイト様!」
平和だな、シオンは。
リムル「食べていいよまだあるから」
シオン「ほ、本当ですか!?」
トレイニー「では私も…」
ベニマル「待った!トレイニー殿はもう4つ食っただろ!!」
ハクロウ「若…」