【休載中】転生八幡。スライムになったよ!てへっ♪ 作:甘味の皇帝
21話
ガゼル「なるほどな…つまり2年前の暴風竜消失は貴様らが原因だったと」
リムル「そういうことになるのかな」
俺たちが洞窟で遊んでるうちに世界では大騒ぎになってたんだな。
エラルド「新たな魔王が2人も出現して手一杯だというのにこの上暴風竜などと…」
ガゼル「西方聖教会が黙ってはおるまい。何せあそこは暴風竜を特に敵対視しておる」
エラルド「でしょうね」
ガゼル「復活すれば即座に気付くであろうな」
リムル「なぁ、ガゼル王。俺たちが西方聖教会と事を構えることになったらどっちに付く?」
おい、それを聞くなよ。可哀想だろガゼル王が。
ガゼル「それを聞くかリムルよ。ドワルゴンは西方聖教会に何の義理もないのでな。友好国の魔国連邦(テンペスト)を支持しない理由はない」
リムル「そうか。兄弟子がそう言ってくれるなら心強いよ」
ガゼル「貴様はもう少し腹芸を覚えよ。これが密談で良かっぞ…」
リムル「あ、はい…」
エラルド「他の国はどう判断するかわかりませんよ?戦争だといっても流石に戦況が一方的過ぎます。事情も経緯も知る術のない大衆から見れば、二万の死者を出した魔王となれば邪悪に映るでしょう。西方聖教会から"神敵"に認定されれば…西側諸国は敵に回ると思っておいた方がいい」
そうなれば友好国の立場も厳しいものになるなし…それは困るな。
リムル「魔導王朝サリオンとしてはどうお考えですか?」
エラルド「お答えしかねますね。今の段階では…ただ、エレンなのでしょう?貴殿に魔王化を促したのは。である以上、静観は出来ないのです。戦争被害の状況が西側諸国に広まれば我が国は厳しい立場に追い込まれる」
ガゼル「いや、その点については安心しろ。事実が広まることは一切ない」
どういうことだ?
エラルド「どういう事だガゼル?」ガゼル「死体は全て消え捕虜を除いて生存者もいない。そうだなリムル?」
リムル「…ああそうだ」
あーそういうことか…。
エイト「それで、どういう筋書きをでっち上げる気なんだ?」
ガゼル「…清濁併せ呑む覚悟は覚悟が決まったようだな。2人とも。それでいい、王たるものは悔いではならんのだ」
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シュナ「では、既に皆様自己紹介はお済みですので各国の代表者様のご紹介だけさせて頂きます。
武装国家ドワルゴンより国王陛下ガゼル・ドワルゴ様。
獣王国ユーラザニアより三獣士が筆頭アルビス様。
ブルムンド王国よりギルドマスター兼情報局統括補佐フューズ様。
魔導王朝サリオンより大公爵エラルド・グリムワルト様。
最後にジュラ・テンペスト連邦国より二大盟主改め魔王陛下リムル=テンペスト様、エイト=テンペスト様」
ちなみに、ヴェルドラには顧問として参加してもらっているがこいつが喋ると混乱が極まるので聖典(マンガ)を渡しておいた。
リムル「いいか、邪魔だけはするなよ」
ヴェルドラ「うむ…」
もう没入してるしこれで大丈夫だろ。
リムル「では始めようか」
フューズ「前にシズさんと同郷だと伺いましたが…」
そして、リムルは自分が転生者であることから魔王になるまでをかいつまんで話した。
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リムル「とまあ、そんな流れでファルムス軍には生贄になってもらった。そうして俺は魔王になったんだよ」
エイト「ねぇ、これ俺も話さなきゃダメ?」
リムル「うん」
うんって…はぁ、わかったよ。
エイト「あー俺はリムルとは少し違うんだが…」
と、そんな訳で俺も自分の今までをかいつまんで話した。
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エイト「まあ、そんな感じだ」
葉山とか女神とか面倒だからそこは省いたが、この大陸に害が無いことは伝えておいた。
リムル「でだ、事実は今言った通りだが、公にする筋書きは大きく変える」
すると、周囲がザワつき始めた。
ベニマル「どのような理由でどんなふうに変えるのですか?」
ガゼル「返り血で染まった手で有効を求められてもその手を取れる者はおらぬ。リムルとエイトの望みが人と魔物の共存共栄なのだとしたら恐れられるのは悪手だろう。それは配下がやったと言っても同じことだ。だが…"暴風竜"の仕業ならば話は別だ。その存在はもはや伝説でありその行いは紛う事なき"天災"だ。受け入れる以外の選択肢はない」
ヴェルドラ「"天才"か。ふっ…」
黙っててくんないかなオッサン。
エラルド「私もこの筋書きを支持します。娘のせいで新たな魔王が誕生したと恨まれるより魔王が誕生したお陰で暴風竜と交渉が可能になった」
エレン「パパ…」
エラルド「そう広まる方が都合が良い」
エレン「それってなんか姑息ぅ」
エラルド「!!」
可哀想に……娘のために頑張ってるのに…。
リムル「反対意見があれば言ってくれ。特にヴェルドラには俺の罪を背負わせてしまうが…」
ヴェルドラ「何も問題ないぞ。我はお前たちの業(カルマ)を共に背負うと決めていた。暴風竜の威、存分に使うがよい」
リムル「……おう、ありがとうな」
「本当に暴風竜と友達なんだな…」
ガゼル「所でリムルよ。捕虜はどうするのだ?そやつ等の口から真実が語られないとも限らんぞ」
リムル「…ああ。ファルムス王国には一度滅んでもらう」
エラルド「…ほう。それはまた直接的ですね。戦争を仕掛けるおつもりか?」
リムル「ある意味そう言える。だが軍は用いない。まずは現王を解放し我が国への賠償を行わせる」
フューズ「しかし言っては何だがあそこは一部の貴族を除いて腐ってますよ。賠償にまともに応じるとは思えんのですが…」
リムル「それが狙いだよ。賠償問題は切っ掛けに過ぎない。本当の目的はファルムス王国内に内戦を起こさせることだ」
「内戦…?」
ヨウム「……」
ヨウムは静かに席を立った。
リムル「一度滅ぼし新しい国に生まれ変わらせる。英雄ヨウムを新たなる王に据えてな。
幸い彼は国民からの人気が篤い」
ガゼル「小僧。あまり驚いていないな」
ヨウム「はは…旦那からこっそり聞いたんで」
「革命ということか」
「ファルムスは既に二万の兵を失っている」
「或いはなし得るかもしれんが…」
「しかし、そううまく…」
すると、ガゼル王がヨウムに向かって英雄覇気を仕掛ける。
ヨウム「うおっ」
だが、ヨウムは歯を食いしばり倒れなかった。
ガゼル「ふん…根性だけは大したものよ。だが覚悟はあるのか?」
ヨウム「…俺を信じて託されてこの役目。やるからには全力でやるさ。惚れた女の前でカッコつけたいのは男として当たり前だろ?」
グルーシス「ぶはっ」
ミュウラン「バカ…」
おい、ガゼル王も固まっちゃっただろ。
すると、グルーシスも立ち上がり
グルーシス「ドワーフ王よ、俺も保証する。コイツは馬鹿だが無責任ではない。あんたのように英雄王と呼ばれるその時までこのグルーシスが見届けよう」
ガゼル「…で、あるか。ならば良い。何かあれば俺を頼るが良い」
ヨウム「…心強い」
リムル「さて…この件について他に何かあれば意見を言ってもらいたい」
フューズ「いいですか?」
リムル「フューズ」
フューズ「その件、ブルムンドとしても協力できるかもしれません。ファルムス王国にミュラー侯爵というブルムンド王の遠縁に当たる方がいらっしゃいます。彼ならば交渉が可能だと思いますので上手くいけば便宜を図ってもらえるかと」
リムル「本当か!」
エラルド「プハハハハ!面白い。これは愉快だ!国を跨いで本音で語り合うなどと!これでは警戒している私の方が滑稽です。フューズとやら、一つ聞こう。貴国は何故…魔国連邦(テンペスト)と国交を結んだのかね?」
フューズ「それはどういう…」
エラルド「今の君はブルムンドの公人として
ここにいるわけだろう?私はブルムンド王の思惑が知りたいのだよ。失礼だが貴国は大国とは言い難い。有益な取引だけ行いつつ西方聖教会の出方を見ていても良かったのでは?少なくとも国交を結ぶ必要はなかったと思うのだがね」
すると、フューズは苦い表情をしながら頭をかいた。
フューズ「そんなもんわかってますよ…ええ、そうですよエラルド公。俺もベルヤード…知り合いの貴族も同意見でした。ですが…」
ブルムンド王『信頼関係を結び共存共栄の関係を築く。それしかない』
フューズ『し、しかし…』
ブルムンド王『豚頭帝や暴風大妖渦を退ける国だぞ?仲良くせんと我が国が滅ぶじゃろうが…!!』
ブルムンド王は左手を右手で包み、手汗をかき震えながら言う。
フューズ「というのがリムル殿とエイト殿がブルムンドに来られる前の王の言葉です」
やっぱりあの国王…見た目に反して曲者だな。
フューズ「結果としてこの選択は正解だった。ブルムンドはルミナス教への信心が薄い。命運を賭けるなら西方聖教会ではなく魔物の主たちを信じよう…と。ま、それが理由です」
エラルド「なるほど…つまり生存戦略として西方聖教会よりテンペストを選んだ。という事ですか。すまなかったねフューズ殿。お陰でよく理解できましたよ」
ガゼル「小狡いなエラルド。他国を試さずとも俺がリムルとエイトを信じているのだから疑うまでもあるまいよ」
エラルド「それを言うがなガゼル。魔物の国との国交となるとそう簡単には決めかねるのだよ」
ガゼル「…で?決断は下せたのだろう?」
エラルド「私なりに結論は出ているがね。それを答える前にリムル殿とエイト殿自身にひとつ伺いたい」
エレン「ちょっとぉパパ!勿体ぶらずにさっさと答えてよぅ!」
カバル「ちょ、お嬢様今は不味いですって!」
公爵形無しだな…。
エラルド「エレンちゃん今大事なところだから…」
エレン「??」
リムル「…それで、なんだって?聞こうかエラルド」
エラルド「(魔王覇気…!なるほどこれは凄まじい…)」
演出臭いな…。まあ、いいか。形無しだったところ雰囲気も出たし。
エラルド「…では魔王リムル、魔王エイトよ。お2人は魔王としてその力をどう扱うおつもりなのか?」
なんだそんなことかよ。
リムル「なんだそんなことか。俺は……俺たちは俺たちが望むままに暮らしやすい世界を創りたい。出来るだけ皆が笑って暮らせる豊かな国を」
エイト「ま、そんな簡単にいかないんだろうけどな…はは」
エラルド「そ、そんな夢物語のようなことを…っ本気で実現出来るとでも!?」
エイト「ああ、できる。そのための力だからな」
リムル「力なき理想は戯言だし理想なき力は空虚だろ?」
エイト「俺たちにただ力だけを求める趣味なんてねーよ」
エラルド「…は、ははは…ははははははっこれは愉快ですな。魔王リムル、魔王エイトよ!(エレンちゃんが懐く訳だな)。貴方方が覚醒できた理由が理解できた気がします」
すると、エラルドは頭を下げて、
エラルド「失礼しました。私は魔導王朝サリオンよりの使者として貴国…ジュラ・テンペスト連邦国との国交樹立を希望致します」
リムル「その話是非ともお受けしたい。こちらからも善き関係を築きたいと思っていた」
そして、周りから歓声が上がった。
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ガゼル「初めから魔国側に付くと決めておったくせに、この狐め」
エラルド「暴風竜がいる時点で敵対は有り得んがね。最後の決め手は2人の魔王としての在り方さ。まさかいきなり呼び捨てで威圧されるとは思わなかったがね」
リムル「申し訳ない。エラルドさん…殿?」
エラルド「個人的な会話ならさんでも殿でも結構です。ですが公的な場では名前と役職で呼んでください」
リムル「すみません…」
だが、エラルドさんは手を出しリムルの謝罪を止める。
エラルド「ああいう演出はとても効果的だ。どんどんやるといい」
リムル「…感謝するよエラルド公」
良い人だな。
リムル「よし、一旦休憩入れよう」
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「若い魔物2人が魔王を名乗った?」
「はい。それを理由に魔王達の宴(ワルプルギス)が提案されました。発議はクレイマン様。賛同者はミリム様にフレイ様です」
「ミリム……相変わらずバカの考えはわからんな」
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休憩中に街道について話し合うと、会談が再開する時間になった。
リムル「さて、休憩を挟んでリフレッシュしたところで、会談を再開する。まず話しておきたいのが西方聖教会への「あ、ちょっと困るだす!今は偉い人たちの会談中で…っ!」!?」
なんだよあの小さい妖精…。
ラミリス「話は聞かせて貰ったわ!この国は滅亡する!」
リリベ「「「な、なんだってーーー!!」」」
ディアブロがラミリスをつまむ。
ディアブロ「リムル様。この巫山戯た羽虫にどのような処分を下しましょう?」
リムル「いや…えっと…」
それ魔王だよね?ラミリスとか言ったっけか…。
ラミリス「何よ!何なのよ!アタシが何をしたって言うのさ!」
フューズ「リムル殿あちらの妖精は…」
リムル「ああ、ラミリスって言う知り合いで、あんなナリだけど一応魔王らしい」
ラミリス「あんなナリってどう言う意味よ!?アタシはねぇこの国にとって重大な情報を」
リムル「はいはい、後で聞いてやるから」
流石に可哀想になってきた…それに…
エイト「リムル。会談の方は頼む。ラミリスの話を聞いてくる」
リムル「ん?いいけど…ろくな事ないんじゃないか?」
ラミリス「ちょ!?ろくな事ってなによ!?」
エイト「いや、結構重大なことらしいしな。スキルでしょうもない事を言いに来たわけではないのはわかってる」
リムル「ま、お前が言うなら信じるよ」