【休載中】転生八幡。スライムになったよ!てへっ♪   作:甘味の皇帝

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32話:悪魔の逆襲と魔王の制裁

ディアブロ「クフフフフ…」

 

その悪魔___ディアブロは邪悪に嗤う。

 

蝙蝠のような翼を大きく広げて、その姿は邪悪であった。上空より戦況を見渡し、自分を陥れた者を探す。敬愛するリムルの前で恥をかかされた事を、ディアブロは決して許さない。恐怖を感じた事など生まれてから一度もないというのに、仕事を奪われるのではないかと考えるだけで身震いがした。またも「帰っていいよ」などと言われでもしたらと思うと、ゾッとする。

 

想像するだけで、身を裂かれるよりも辛いのだ。そんな恐怖をディアブロに与えた者達には、必ず報いを受けてもらわねばならない。

 

ディアブロはそう考えて、その笑みを深くする。そしてディアブロは、後方に陣を構える新王エドワルドを発見した。他にも数名、少し目立つ者を発見する。有象無象に比べるとマシ、という程度の認識だ。少なくとも、ディアブロの前に立てるだけの力は感じる。

 

ならば彼等こそ‘”十大聖人“とやらなのだろう。

 

当然、無抵抗の兵士は見逃すが、向かって来る者は別だ。一方的に攻撃を開始するような愚か者など、情けをかける必要もない相手であろう。今直ぐにでも挨拶に出向きたい気持ちを抑えて、ディアブロはハクロウに『思念伝達』で知らせを入れる。リムルの望みは、

”無関係な犠牲者を出さない“というものだ。

 

それが関係者であったならばその限りではない。

これはディアブロだけではなく、目付け役のハクロウも同意見である。

 

『ハクロウ殿、そちらに一名、少し目立つ者が向かっています。ランガ殿の良き退屈凌ぎになるでしょう』

 

『ほう、了解じゃ。殺さぬ方が良いか?』

 

『ええ。その者は、噂の出所であるルベリオスの関係者でしょう。生かして捕らえて、交渉の材料にしようかと』

 

『心得た。ランガ殿にはそう伝えよう』

 

『それと……その者は、五千程度の兵を率いています。自由組合の強さの基準でいうと、Aランクを超える者も数名混じっているようですね』

 

『ふむ、それは丁度良いな。ゴブタとガビルを向かわせよう』

 

『ああ、それは良い考えですね。万が一にも

敗北はないと思いますが…』

 

『うむ、安心せよ。ワシも見ておる故、お主はお主の好きにするが良かろう』

 

『それを聞いて安心しました。それでは、私はこれで』

 

『やりすぎぬようにな』

 

ディアブロは、偵察で得た情報をハクロウに流した。そして最早、自重も遠慮もせずに、そのまま一気に獲物に向けて飛翔したのである。

 

突如やって来たディアブロを前に、新王エドワルドは凍りついた。その隣で一緒に紅茶を楽しんでいたサーレも、突然のことに反応が遅れた様子。

 

ディアブロ「初めまして皆様。エドワルド王にはお久しぶり、ですかね。私の名はディアブロと申します」

 

ディアブロは舞い降りるなり、優雅に一礼してそう挨拶した。

 

「散開!警戒態勢を取れ!エドワルド王をお守りしろ!!」

 

ディアブロの挨拶が終わるのを待たずに、騎士団長が大声で命令を出す。

 

王を守る護衛騎士達が、その声に突き動かされるように反応し、エドワルドを抱えて後方に下がった。それを守るように、人の壁が出来る。

 

近衛師団の騎士達は、ディアブロを目撃するなり瞬時に展開しており、既に防衛体勢に入っていた。そんな彼等が、エドワルド達の前に進み出たのだ。

 

ディアブロは悠然と構え、慌てふためく者達の準備が整うまで何もしない。目標を捕捉した今、残る仕事は多くない。

 

荒てる必要など何一つないからだ。

 

野営地に設えられた軍用テント。その中でも一際豪勢な王専用のテントの前に立つディアブロは、匝ぐにサーレとその部下達によって取り囲まれた。

 

それでも楽しそうなディアブロ。

しかしその瞳は怒りに燃えているのだが、それに気付く者はいなかった。何事かと驚いて出て来た報道陣に対しても、ディアブロは笑みを絶やさない。

 

ディアブロ「あなた方に危害を加える気はありません。そこで大人しくしていることです」

 

そう言って、パチンと指を嗚らす。音が響くと同時、報道陣は『結界』に包まれた。

 

巻き添えにしないようにという、ディアブロなりの配慮である。その裏には、そこから出た者に対しては容赦しないという意思も込められているのだが、記者達は思い至らぬ方が幸いであろう。

 

準備が整った段階で、エドワルドが余裕を取り戻した。

 

エドワルド「これはこれは、魔王リムルの使者殿でしたか。本日はどのような用件なのですかな?」

 

少し威厳を出すのに失敗したものの、それでも尊大な態度を取り繕って、エドワルドはそう問いかけた。ディアブロは答える。

 

ディアブロ「クフフフフ…何、用件は一つ。

警告ですよ」

 

エドワルド「警告?それはどのような?」

 

ディアブロ「今直ぐ兵を退き、ヨウム殿と和解しなさい。そうすれば、知らずに済む恐怖を味わう事もないでしょう」

 

一応形式として、和解交渉から始めてみた。といっても、それはディアブロの本音ではない。逆に、応じられると面倒だとまで思っている。

 

エドワルド「ははは、これは異な事を申すものよ。そもそもこれは、我が兄が貴国への賠償金を横領した事が発端。それを余が貴国に誠意を示すべく、回収しようと動いたまで。口を出される謂れはない!」

 

ディアブロ「なるほど。あくまでも和議を守っていると主張される訳ですね?」

 

エドワルド「当然である。もっとも、その必要はなかったようであるな。余も蝙されるところであったわ!」

 

ディアブロ「と、言いますと?」

 

エドワルド「フンッ、白々しい!兄上、いや、エドマリスや詐欺師連中と共謀し、我が国から二重に賠償金をせしめようとしたのであろう?そんな姑息な企みなど、全てお見通しよ!」

 

ディアブロ「……」

 

エドワルド「言葉もないか?魔王と名乗ったところで、リムルとやらも底が知れておるようじゃ。金に汚く、戦の火種をばら撒くつもりであろう?」

 

ディアブロ「………」

 

エドワルド「しかし、残念だったな。大司教レイヒム殿を口封じに殺したようだが、彼の言葉はここにちゃんと記録されておる!!」

 

ディアブロが黙っているのをいい事に、エドワルドは饒舌になる。

 

そして取り出した水晶球を掲げ、報道陣にも良く見えるように賢して見せた。映し出されるのは、拷問を受けたようなレイヒムの姿だ。その映像の中でレイヒムは、

 

レイヒム「裏切るつもりなどなかったのです!お許しを、お許し下され!」

 

と叫んでいる。誰が見ても、殺される直前に撮られたと思しき映像だった。

 

ディアブロ「それが一体どのような証拠になると?」

 

ディアブロが聞くと、心底馬鹿にしたようにエドワルドは笑った。

 

エドワルド「わからんか?これはな、そこのグレンダ殿が持って来てくれたのだよ。貴様がルベリオスに潜入して、レイヒム殿を殺したのだろう?レイヒム殿を脅して安心しておったのだろうが、彼の信心深さが貴様への恐怖を上回ったのだ!それを知おおやけった貴様が、公の場で発言されるのを恐れて事に及んだのであろうが!!」

 

どうだといわんばかりに、エドワルドはディアブロを見た。 

しかし、ディアブロは笑みを湛えたままだ。

 

ディアブロ「それは素晴らしい。私への恐怖を、ただの”人間“が克服したと?中々に面白い冗談ですね」

 

エドワルド「誤魔化すな!これだけの証拠がここにある。言い逃れなど__「もういい。もう黙れ」ギロッ

 

報道陣を前に威厳を見せようとしたエドワルドを、ディアブロが静かな声で遮った。

 

その顔から、一瞬だけ笑みが消えた。

 

酷く虚ろで、底知れぬ恐ろしさを感じさせる貌。

 

ディアブロ「茶番は止めだ。知恵比べを楽しむにも、お前ではレベルが低すぎる」

 

ディアブロはそう断じて、エドワルドを硬直させる。

 

ディアブロ「真実をつまびらかにして身の潔白を証明しようと考えていましたが、どうやら無駄らしい。人は、自分の信じたい事しか信じぬ生き物ですからね。ですが、もっと簡単に証明は出来るのですよ」

 

エドワルド「な、何を言っておる……?」

 

ディアブロの雰囲気の変化に、エドワルドは

怖気づいていた。もしかして自分は間違ったのではないかと、今になってようやく悟ったのだ。そして、ディアブロは告げる。

 

ディアブロ「証明して欲しいのだろう?この中で一人でも、私への恐怖を克服出来たならば、今回は負けを認めてあげましょう。ですが、忠告を一つ。私は今まで、一度も敗北した事はありません。敵対するならば覚悟することです」

 

あくまでも穏やかに。

しかし、その金色の瞳の中では、紅い瞳孔が怒りに染まって燃えている。自分の事だけであれば、ディアブロはまだ自制していた。

 

しかしエドワルドは、リムルの事も悪し様に罵ったのだ。この時点で、エドワルドの命運は尽きたのである。

 

恐怖に駆られたエドワルドが叫ぶ。

 

エドワルド「やれ、そいつを殺せ!!その危険な悪魔を__」

 

その命令を待ちわびていたのは、エドワルドを護衛する者に紛れていた悪魔討伐者達(デーモンハンター)だ。

 

次々と飛び出していき、ディアブロへと攻撃する。

 

「恐怖を克服だと?笑わせるな!悪魔の中で最上位の上位魔将(アークデーモン)だからと調子に乗っているようだが、我が祖国では珍しくもないわ!」

 

「悪魔族(デーモン)なんざ、その身を砕けば存在を維持は出来ん!それは上位魔将といっても同じ事よ!」

 

「対悪魔の戦術は研究されているんだ。人間を祇めるなよ!」

 

悪魔討伐者達(デーモンハンター)は連携してそんな事を口々に叫びつつ、必殺の陣を

張った。

 

その言葉の内容とは裏腹に、決して油断はしていない。なぜならディアブロは名乗っている。

 

”名持ち“(ネームド)となった上位魔将は、その脅威度が一段階上昇するからだ。

 

「どうした、反応も出来んのか?」

 

「所詮は口だけという事か」

 

特殊合金を聖なる属性に染め上げた鎖で、ディアブロを雁字搦めに縛り上げる悪魔討伐者達。

 

初手が簡単に成功した事で、ディアブロヘの警戒心が少しだけ緩んでいた。西側諸国に比べると、東の帝国では悪魔被害が大きい。

 

その理由は、東の地に巨大な力を秘めた悪魔の拠点があるからだ、と言われている。しかしだからこそ、対悪魔の戦術が磨かれたのも事実である。

 

西側では伝説的な脅威でしかない上位魔将(アークデーモン)でさえも、その力を段階ごとに区分けして対処方法が研究されていたのだ。

 

悪魔討伐者のリーダーは、ディアブロを中世種と見倣していた。しかし”名“があるという点を考慮して、古代種に匹敵する脅威と認識を改めている。絶大な力と知識を蓄えた、貴族階級の悪魔。

 

多数の脊属を従える存在も確認されている脅威であり、決して祇めてかかっていい相手ではない。だがリーダーは、それでも勝てると踏んでいた。

 

実際に何度か、上位魔将との戦闘経験もこなしている。その自信から来る判断を、リーダーは疑わない。

 

ディアブロ「準備は終わりましたか?」

 

だからこそリーダーは、ディアブロにそう聞き返されて戸惑った。

 

「な、何?」

 

「いえ、準備が終わったのなら、開始の合図をお願いします」

 

ディアブロの平然とした様子に、リーダーは何を言われたのか理解出来なかった。

 

「……ほう?我等が何をしても邪魔をしないとでも?」

 

戸惑いを隠して、挑発するようにリーダーが問う。

 

ディアブロ「何故そのような事をする必要があるのです。せっかく努力してくれているのですから、邪魔はしませんよ。だってその方が……より恐怖が大きくなるでしょう?」

 

「ふ、フフフ、祇めるなよ、悪魔め。

その傲慢、その身を滅ぼすと知れ!!」

 

ふざけた返答をするディアブロに、薄ら寒い感情を抱く悪魔討伐者達。悪魔とは元来、自信過剰で人を見下す者が多い。故にディアブロの発言だけ見れば、飛び抜けて異常という訳ではない。

 

しかし今回は、既にその身体を縛られた上でのこの発言である。その余りの自信を前に、歴戦の悪魔討伐者達も不安を抱いてしまったのだ。

 

だが、彼らはプロだ。その行動に遅滞はなく、

何度も繰り返した訓練通りに、速やかに準備は整った。

 

「ならば、その傲慢をあの世で悔いるがいい!滅せよ、六連雷光撃(サンダーボルト)!!」

 

エドワルド王、各国の記者、そしてサーレ以下ルベリオスの近衛騎士の面々が見守る中で。眩い雷光がディアブロを焼く。

 

「どうだ!魔素を介在しない、自然の雷を味わった気分は!!」

 

「貴様のような悪魔族は、その身を多重の

[結界]で守っているのだろう?だが残念だったな!帝国の技術はその[結界]を破る術を発見したのだ!」

 

「悪魔族が物質世界に影響を及ぼすには、受肉する必要がある。その肉体を壊してしまえば、もう貴様には何も出来はすまい!」

 

自信満々に言い放つ悪魔討伐者の面々。

 

魔素によって発動する力では、魔素を妨げる『結界』によって簡単に防がれてしまう。そこで考案されたのが、魔素を介在させない兵器の開発である。

 

今回のこの雷撃もその一つ。対悪魔の最新兵器なのだった。それを聞き、恐怖を感じていたエドワルドも安堵した。

 

エドワルド「素晴らしい!流石は”東“の勇者達じゃ。あの商人にも、褒美を取らせねばなるまいな」

 

喜色満面でそう言いながら、歪んだ表情でディアブロを見た。

 

雷撃は、ディアブロを焼く。

 

焼く…?…果たして、本当に?

 

 

光に包まれたのに、ディアブロの口元には笑みが浮かんだままだ。

 

決定的に異常を感じたのが、悪魔討伐者のリーダーだった。

 

「(おかしい。おかしいぞ!何故、服に焦げ目すら付かぬのだ!?)」

 

そう疑問に感じて、そして気付いた。

その、邪悪な笑みに。

 

「き、貴様…ッ!!」

 

ディアブロ「クフフフフ、貧弱。余りにも、貧弱過ぎますね。この程度で、私と戦うつもりだったとでも?せっかく努力してくれたのに、

期待外れでした」

 

そう言うなり、ディアブロは軽く腕を上げた。その途端、ディアブロを縛っていた鎖が弾け飛ぶ。

 

「うぉ!?」

 

「グヌゥ!!」

 

信じられぬような剛力で、ディアブロが特殊合金製の鎖を引き千切ったのだ。

 

「ば、化け物め!!」

 

驚愕したリーダーの口から、思わず零れ落ちた言葉である。

 

ディアブロ「さて。それでは、選別の試験(テスト)を開始しますね」

 

何事もなかったように、ディアブロはそう言った。

 

「ま、待て!おかしいだろうが!何で雷撃に効果がないのだ!?」

 

納得がいかないのか、それとも恐怖を紛らわす為か。リーダーが問う。

 

それに対して、優しくディアブロが答えを述べる。

 

ディアブロ「何故と聞きますか。答えは簡単です。私はね、自然影響への高い耐性を備えているのですよ。それには放電現象も含まれます。今のあなた方の攻撃など、防御結界を用いるまでもない貧弱な刺激でしかありませんでした」

 

これで満足ですか?と…。

 

ガクガクと震えだすリーダー。だが、それはまだマシな反応だった。その言葉の意味を理解したからか……

 

「う、うわーーッ!!!来るな、やめろ、来るな!!」

「ヒィーーっ!た、助けて!!」

 

などと口々に叫びながら、隊員がその場に崩れ落ちたのである。

 

一流の悪魔討伐者として、様々な場数を踏んだ猛者達が、だ。

 

それだけではない。保護されている報道陣を除いて、この場に居る者全てが、その時、背筋が凍るような恐怖を感じていた。エドワルドなど、その場で泡を吹いて失神してしまったほどである。

 

それはエドワルドだけではなく、護衛騎士達も同様であった。

 

何が起きたのか?リーダーは、十分に理解出来た。これは、この圧倒的な恐怖は目の前の悪魔が放った威圧なのだと。

 

簡単に言えば、ディアブロが抑えていた妖気(オーラ)を解放した、ただそれだけの事なのだ。ただしその妖気には、人を殺せるような威圧の力が備わっている。

 

ディアブロ「おやおや?試験に合格出来たのは、たったの三名ですか?ですがまあ、一応は褒めて差し上げましょう。手を抜いているとはいえ、私の[魔王覇気]に耐えたのだから。

直接相手をする事を許可しましょう」

 

それを聞き、呼吸困難になりそうなほどに恐怖を感じつつも、リーダーは振り返る。そこに立っていたのは、ディアブロの言葉通り後二人のみ。少年と、野生的な美女サーレとグレンダだ。

 

平然とした様子のその二人を見て、リーダーの心に力が戻った。

 

「(大丈夫、まだ大丈夫だ。流石は”三武仙“、西の頂点に立つ英雄達だな。俺の部下共はもう駄目だが、この二人がいるならば勝ち目はある……)」

 

力を得たリーダーは、勢い込んでディアブロに向き直った。

 

「ふ、ふふふ、流石は魔王に仕える悪魔だ。中々にハッタリも得意としているようだな」

 

ディアブロ「ハッタリ、ですか?」

 

「ああ、そうだとも。お前、今、[魔王覇気]と言ったな?それを操れるのは”魔王種“となった魔物のみ。悪魔族の最終進化が上位魔将である以上‘”魔王種“には絶対に到達しない!お前の言葉がハッタリであるという証拠だよ!!」

 

これこそ、東の研究成果の極秘事項であった。悪魔の魔素量には上限がある。等しく同じ数値でありながら、強さには個体差があるのだ。

 

この事が指し示すのは、古き悪魔ほど戦闘経験が豊富で、効率的な戦闘方法を確立しているという事実であった。そして同峙に、悪魔を恐れる必要がないという恨処にもなっている。

 

その力の限界値を熟知していれば、悪魔が何をしようとも対処が可能だからだ。

 

知識は力。正しい情報を知っているだけで、

悪魔のハッタリに心を惑わされる事もないのである。

 

ディアブロ「なるほど。それは正しくもあり、間違ってもいます。確かに我々悪魔族は、その魔素量の上限が定められています。ですが、上位への進化は可能なのですよ。ある条件を満たせば、ね」

 

「はあ?」

 

ディアブロ「例えば”赤“などは、あなた方にも有名なのではありませんか?」

 

「”赤“だと?何を言って……」

 

そう言いかけて、リーダーの脳裏にとある悪魔が思い浮かんだ。余りにも有名なその悪魔は、有名過ぎて例外となっている……。

 

ディアブロ「そして、魔王となる資格を得るだけならば、これは簡単です。限界値まで力を蓄えてから、二千年以上年を重ねるだけで済む。何の苦労も必要としません」

 

ディアブロは簡単に言うが、これは実は困難を極める。

精神生命体である悪魔族は戦いを好む種族だ。

 

現世に召喚されていなくても、精神世界では常に戦いを繰り返している。敗北すれば魔素量(エネルギー)の絶対値が下がるので、退化する場合もあった。

 

"限界値まで力を蓄えてから二千年以上年を重ねる"というのは、

上位魔将に進化してから一度の敗北も許されない、過酷な条件を意味しているのだ。

 

悪魔討伐者のリーダーはそれを理解した訳ではないが、ディアブロが非常識な事を言っているというのはなんとなくわかった。

 

しかしそれ以前に気になるのが、ディアブロが”赤“と呼び捨てにしている事実である。

 

あの、余りにも有名な悪魔の絶対支配者を、呼び捨てに___。

 

「(ありえない。そんな事は、絶対にありえない!!)」

 

悪魔には、絶対的な上下関係がある。

 

東の帝国の偉大なる大魔法使い、ガドラ老師が提唱した理論である。

 

同系統の原初たる王に対しては当然、他系統の上位者に対しても、厳格な身分関係が存在するとされる。

 

下位存在が上位存在を呼び捨てにする、そんな事は天地がひっくり返ってもあり得ないのだ。

 

 

ディアブロ「貴方の出身地である東方ならば

”白“の方が有名かも知れませんね。つい先日、東方の地で彼女の[魔王覇気]を観測しましたし」

 

呆然としていたリーダーは、ディアブロのその言葉で思い出す。数年前、”白“……。

 

あの恐るべき"原初の白"(ブラン)が、この世に顕現し、受肉する寸前まで至った事件を。

 

通称__”紅に染まる湖畔事変“と呼ばれるそれ。

 

下手をすれば、第二のギィ・クリムゾンが生まれていただろう。

 

魔王間のバランスを崩し、世界は混沌に飲み込まれる直前だった。帝国の威信をかけて闇に葬った事件。リーダーは青ざめ、理解した。

 

”赤“‘そして”白“そう呼び捨てにする目の前の

悪魔が、そうした存在と同格なのだ、と……。

 

「(あり、ありえ、ありえる…

ありえるかーーッ!!!)」

 

内心で絶叫する。

 

「(勝て、勝てる……勝てる訳がない!!馬鹿げてる。

こんな事があるはずがないだろうッ!!)」

 

そして、折れた。簡単に折れた。

 

悪魔討伐者は。プロの職業であり、料金以上に命を賭ける事などない。親しい者を守る為ならば話は別だが、こんな異国の地で死にたいと思う者などいない。まして、絶望的なまでに力の差があると知ってしまえば、抵抗など無意味と諦めたのだ。

 

「助けて下さい!命だけはどうか、何卒、何卒、助けて下さい!!」

 

恥も外聞もなく、リーダーはディアブロに懇願する。それに対してディアブロは、とても優しく微笑んだ。

 

ディアブロ「おや、どうされました?せっかく試験(テスト)に合格したのですから、是非とも楽しんでみてはどうですか?知りたいでしょう?私の言葉がハッタリなのかどうか、を。

その身で確かめてみればいい」

 

そう言われても、リーダーとしては必死になる。最早、ディアブロの言葉を疑っておらず、その正体が危険極まりない存在であると気付いてしまった。ハッタリなどと、とんでもない。

 

「お許しを、お許し下さい!私は金で雇われただけなのです。今後、絶対に逆らわないと誓います!決して邪魔も致しません。そこで気絶している王を殺せと命じられれば、喜んで従いましょう!ですからどうか、命だけは!!」

 

なりふり構わず、みっともなく命乞いを続けるリーダー。そして、その甲斐はあった。

 

ディアブロ「ふむ、ならば下がっているといい。そこの報道陣がいる[結界]まで、邪魔者共を片付けろ」

 

ディアブロはリーダーヘの興味を失い、そう告げたのだ。リーダーは従った。迷わず従った。

 

部下達を叩き起こし、転がる騎士達を回収させた。そして自分は王を担いで、言われるままに[結界]に逃げ込んだのである。それを笑う記者はいない。この異常事態を前に、固唾を飲んで成り行きを見守るのみだ

 

サーレは不敵な笑みを浮かべて、ディアブロの前に立った。

 

サーレ「ふーん、なかなかやるようだね。

上位魔将とは思えないよ」

 

ディアブロ「…貴方は逃げないのですか?」

 

サーレ「逃げる?面白い事を言うね。僕の名はサーレ。神聖法皇国ルベリオスの法皇直属近衛師団所属、魔王に対抗する”十大聖人“にして

”三武仙“の一人さ。それで、お前は一体何者なのかな?」

 

ディアブロ「先程も名乗りましたが、私の名前はディアブロと申します。偉大なる我が王、

リムル様に授けて頂いた素晴らしい”名前“ですよ」

 

サーレ「……あくまでも、正体は明かさないつもりかい?」

 

サーレは余裕の態度を崩さぬものの、その心は屈辱で沸騰しそうになっていた。

 

一人でも恐怖を克服したらなどと、ディアブロの言葉はサーレを完全に侮辱していた。思考だけは冷静に。つまらぬ怒りで自制心を見失ったりはしないが、ディアブロの反応は余りにもサーレを見下したものだと感じたのだ。

 

”東“の悪魔討伐者達は滑稽だった。悪魔退治のプロと豪語していたのに、無様にも命乞いまでして逃げる臆病者だった。捨石にしようとグレンダには言われていたので好きにさせていたが、余りにも期待外れである。

 

サーレ「(所詮は民間人だな。法皇陛下の、ひいては神ルミナスの守護を任される僕達とは、戦いに向ける覚悟が違う!)」

 

そう考えて、サーレは内心で悪魔討伐者達を

嘲笑った。警戒だけは一段階引き上げ、ディアブロと対峙した

 

サーレ「(グレゴリーも戦いたがっていたが、獲物の方が僕を選んでくれたね。さて、それじゃあその祇めた態度、後悔させてやるよ)」

ディアブロなど、どんな古い文献にも記載されていない。まるで聞かぬ名前で、脅威とされる大悪魔ではないという事である。

 

サーレ「(”赤“だ”白“だと御託を並べられただけで、何をそんなに怯える必要がある)」

 

名も無き”原初“ならばいざ知らずと、サーレは思う。ただの上位魔将ではないと理解したが、それでもサーレにとって脅威ではないと考えていた。知識なき者の悲しさ、悪魔に対する認識不足である。

 

サーレは考える。

 

正体を言うつもりがないのなら、実力で以て暴けばいい。何故ならばサーレは、単独で魔王と戦えるだけの力を持っているからだ。以前に行った魔王ヴァレンタイン討伐作戦でも、惜しくも逃がしたが仕留める寸前まで追い詰めている。

 

上位魔将如き、恐れるまでもない相手だった。

 

そんなサーレだからこそ、ディアブロの態度に我慢がならなかったのだが……ディアブロの次の言葉を聞いて、耳を疑う事になる。

 

ディアブロ「正体、ですか?そうそう、強さに興味がないので忘れていました。

私は確かに、貴方が仰っているような

上位魔将(アークデーモン)ではありません。

悪魔公(デーモンロード)に進化を果たしています。

大して違いませんが、お間違えなきようお願いします」

 

と、軽く言われて。

 

ディアブロにとって重要なのは”名前“であり、自分の種族ではない。だから興味もなかったのだが、サーレにとっては大問題なのだった。

 

サーレは動揺した。

 

信じられない。そして、信じたくない。目の前の悪魔は、今、何と言った?悪魔公と言わなかったか?確か、”悪魔公“(デーモンロード)

 

それは、伝説上の存在。非公式ながら、災禍級(ディザスター)に区分される脅威なのだ。

 

ただしその実力は、並の魔王を凌駕する。

 

上位精霊クラスでも、その足元にも及ばないだろう。対処可能となるのは、精霊王クラスを

複数体ぶつけた場合くらいか。

 

この世界に干渉した事例は古い文献に記されるのみだが、確かに存在すると定義されていた。

 

その証拠が__あの最強の魔王。

 

サーレ「(魔王リムルは、一体何を考えているんだ…ッ!!)」

 

サーレは瞬時に判断した。これは無理だ、と。

 

グレンダ「何を呆けているんだい、サーレ!

アンタとアタイでさっさとあの色っぽい悪魔を始末するよ!!」

 

サーレ「馬鹿!やめろ、グレンダ!!」

 

グレンダは風のように素早く、黒塗りのナイフをディアブロに突き刺した。

 

グレンダ「ハンッ!口ほどにも無い!!」

 

確かな手応えに、グレンダは笑った。

 

だが、ディアブロにはまずまず回避する必要などなかったのだ。

 

ディアブロ「クフフフ、見事な身体能力です。ですが残念な事に、私に物理攻撃は通用しません」

 

ディアブロの持つ特性[物理攻撃無効]によって、グレンダの攻撃は防がれた。

 

グレンダ「チィ、厄介だね!」

 

グレンダの行動に、サーレも仕方なく覚悟を決める。グレンダを放ってはおけないからだ。

 

霊力解放を行い、身体能力を最大まで高める。

 

有り余る財力で手にした特質級(ユニーク)の武器、破邪の剣(デモンスレイヤー)で以ってディアブロへと斬りつける。

 

しかし、その攻撃もまるで通用しない。

 

サーレ「クソが、本当に斬撃が通用しないだと!?グレンダ、時間を稼げ!その間に僕が[神聖魔法]の__」

 

と、いった頃にはグレンダはその場から逃走していた。

 

ディアブロ「お仲間の女性なら、さっき全力で逃げて行きましたよ?」

 

サーレ「………クソがーーーッ!!!」

 

サーレはグレゴリーが戻るまで時間を稼ごうと決めたが、それは叶わぬ夢だった。

 

なぜなら、今この瞬間にも、二ドル領での攻防戦は本格化するまでもなく終了したからである。

 

そして、グレゴリーが来るのを願って戦っていたサーレも、ここに来てあることに気がついた。

 

サーレ「(魔王ヴァレンタインより強いこの化け物が、わざわざ大司教レイヒムを殺す理由があるのか…?だとしたら、僕は何でこんな目に遭っているんだろうな…?)」

 

今も全力でディアブロの攻撃を凌いでいるサーレだが、限界は近い。

 

ディアブロ「クフフフフ、もっと頑張って。

面白い技を見せて下さい」

 

そんな楽し気なディアブロの声に、サーレは心の底から泣き叫びたいと思った。

 

帰りたいと心底思う。

 

だが、ディアブロはサーレを殺せるのに殺そうとはしていない。

サーレもそれに気がついていた。

 

サーレ「(そうしないってことはやはり…)」

 

であるならば、大司教レイヒムを殺した真犯人がいるという事で、それが誰なのかと考えると、答えは一つしかない。

 

サーレ「(そうだよ。ヒナタは、今回は関与せずという方針だった。そして事件が起きたのも、ヒナタが旅立った後という狙ったようなタイミング。という事は、やはり)」

 

疑わしい、いや違う。間違いなく

”七曜の老師“が真犯人なのだ。サーレはそう

確信した。そしてその時……

 

『サーレよ、応援に来てやったぞ』

『感謝せよ。共に悪魔を滅ぼそうぞ!』

『そのまま悪魔を抑えよ。我等の魔法で始末しよう』

 

サーレの背後の空間が歪み、巨大な力を持つ

存在が出現した。現れたのは三名の賢人

”七曜の老師“の面子である。そして”七曜“は、自分達の言葉とは裏腹に、この場で使用するには危険過ぎる魔法を発動させようとしていた。

 

犯人は、証拠隠滅を謀るもの。

 

この場の証拠とは、大司教レイヒムを殺した者がディアブロでないと気づいたもの達を指す。

 

サーレ「まずい、逃げろーーッ!!」

 

サーレが報道陣に警告すると同時に、その場を巨大な火球が呑み込んだのだった。

 

 

〜魔国連邦〜

 

エイト「はぁ…やれやれだな」

 

空間が歪み、やってきたのは謎の二人。

 

『魔王リムル、魔王エイトよ。お初にお目にかかります。我等は、"七曜の老師"と申す者。

此度は、命令違反を行ったヒナタ・サカグチを始末しに参りました__』

 

エイト「ああ、そういうのいいんで」

 

どうせ証拠隠滅を図って全員殺すつもりなんだろう。既に周りには魔法陣が気づかれないように準備されてある。

 

『…何故、ヒナタが無傷なのだ?』

 

だが、俺がそれに応えようとした瞬間…

 

レナード「ふ、ふざけるな!!貴様ら私を欺いたな!?最初からヒナタ様を抹殺するつもりで……」

 

と、シオンが相手をしていた騎士達の一人の聖騎士が言った。

 

そして、聖騎士はその隣にいた騎士団の団長に背中を刺された。

 

レナード「なっ…ギャルド…お前…!」

 

ギャルド「無礼だぞ、レナード。"七曜"の御方々への暴言、目に余る。貴様こそ逆賊ヒナタと共謀し、俺たちを欺いた張本人だろうが!」

 

確かヒナタを狙った閃光はギャルドとかいうやつのいた方向から放たれた…つまり、あいつは七曜と繋がっているか、七曜本人である可能性が高い。

 

リムル「エイト、どうするんだ?」

 

エイト「ディアブロの方は始末していいって言ったんだろ?ならこっちも同じだ」

 

リムル「フッ…そうだな。生かしておく価値はなし、ここで放っておいても害になるからな」

 

その会話を聞いていた七曜は、すぐに攻撃体勢になった。

 

『ク、ククク…これはこれは…』

『良いのですかな?我々との全面戦争になりますぞ?』

 

エイト「寝言は寝て言え」

 

リムル「お前らは、やり過ぎた。大司教レイヒムを殺した罪までなすりつけてくれたそうだが、全てお見通しなんだよ。俺たちに喧嘩売ったんだから、覚悟はできてるんだろう?」

 

『クックック…真実を知ってしまった貴様達も魔王もろとも始末しておくとしよう!』

 

七曜は、騎士達に向けてそう言うと、飛び上がった。それはギャルド…いや、化けていた七曜も含めて三人。

 

その三人を頂点として大規模な魔法陣が構築されていく。

 

範囲内には俺たちは当然、三獣士の二人や聖騎士達も含まれている。

 

ベニマルとソウエイが突破を図るが、俺が手を上げて止めた。

 

エイト「下がってろ。今回は俺に任せてくれ」

 

今までテンペストに関する事で、俺は大して働いていない。まあ、その辺の仕事なんてめんどいからやりたく無いが…こういう場面で何もしないっていうのはやっぱりダメだろ。

 

エイト「それで?聖なる属性以外を弾く魔法陣らしいが…それで終わりか?」

 

『!?…クッハッハッハ、愚かなり』

 

『いくら魔王といえど、この攻撃には耐えられまい。術式を看破した事は褒めてやるが、そこまでよ』

 

叡智之王『告。攻撃が来ます』

 

『『『死に絶えるがいい![聖三位霊崩陣](トリニティブレイク)!!』』』

 

エイト「[守護之王]"完全結界"」

 

三者の声が重なり、その魔法は発動した。

そして、俺の[守護之王]によってアッサリ

防がれる。

 

エイト「(まあ、これだけじゃないらしいな…)」

 

叡智之王『告。霊力反応が上昇。本命の攻撃が来ます』

 

『『『滅べ、魔王よ![三重霊子崩壊](トリニティディスインテグレーション)!!』』』

 

叡智之王『告。[天災之王]の"四位一体"による攻撃の相殺を提案します』

 

え?このまま防げるのにか?

 

叡智之王『はい。それにより"七曜"からの恐怖が高まると推測。牽制に適切です』

 

おお、そこまで考えてくれてるのね…ありがたいありがたい。

 

エイト「[天災之王]"四位一体"」

 

[青炎][雷炎][暴風嵐][裂氷]による

四位一体攻撃を正面からぶつける。

 

とてつもない爆発音とともに、三重霊子崩壊は完璧に封じられたのである。

 

〜〜〜

 

『馬鹿な、そんな、馬鹿はぁーーッ!?』

 

『ありえぬ。そんな馬鹿な話はありえぬのだ!!』

 

『この世に"霊子崩壊"(ディスインテグレーション)の直撃に耐え得る存在などあってはならぬ__』

 

エイト「あれ?もう終わりか?なら……」

 

リムル「(急に七曜が可哀想に……は、ならないな。どんどんやれエイト)」

 

エイト「([守護之王][天災之王]

[暗黒之王][自由之王]を並列起動)」

 

「な、何だこの結界は…!?」

 

「ッ!?魔法が使えないぞ!?」

 

[思念]が切れ、言葉で喋り出す七曜。

 

更に、その直ぐ後に気づいたのは自分達の感覚が大幅に引き伸ばされている事実。数値にして約四百万倍。

 

そして、中に起こるのは暴風の嵐だ。

 

エイト「引き伸ばされた時間で、精々お前らの犯した罪を悔やむんだな」

 

「ぐ、ぐあぁぁ!?」

 

「た、魂ごと…削れる…!?」

 

暗黒之王による[影斬り]と[魂斬り]と、

天災之王の[暴風嵐]の掛け合わせだ。即席でやってみたが中々いいな。

 

そして、自由之王による思考加速と、守護之王による魔法の使用不可を付ける事であの中であいつらはただの力を持たない老害として、ひたすらに長い痛みだけを味わうことになる。

 

リムル「うわぁ…」

 

ヒナタ「君、性格悪いって言われない?」

 

エイト「おい」

 

と、そんな軽口を叩いている間に七曜は粉消しになって消えた。

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