【休載中】転生八幡。スライムになったよ!てへっ♪ 作:甘味の皇帝
ルミナス「魔王エイトよ、迷惑をかけたようじゃな」
エイト「…?」
やって来たのは魔王バレンタインだ。
何でこんなところに来るのか…まあ、理由は
一つしかないだろう。彼女こそが__神ルミナスの正体…ルミナス・バレンタインなのだから。
〜二ドル領〜
ディアブロは先程、リムルに思念伝達で七曜が犯人だったことが判明したと伝えた。そして、その返答は簡潔なもので___
『許す。駆逐しろ』
この言葉によってディアブロの全ての実力行使が可能になった。
ディアブロ「クフフフフ…」
ディアブロは歓喜に打ち震えつつ、邪悪に嗤う。
さっそく愚か者共を駆除したいとこらだが……その前にやることがある。
ディアブロ「さて、皆さん。御無事ですか?」
気分良く報道陣に問いかけるディアブロ。
[火球]はディアブロの張った[結界]によって阻まれ、報道陣に犠牲者はいない。
それだけでなく、[結界]に逃げ込んだ者たちは誰一人残らず怪我一つしなかった。
『チィ、忌々しい悪魔め。これほどとは、な』
『恐ろしいヤツ。ならばこちらも、聖なる力を見せ付けるとしよう』
『やるぞ、準備せよ!』
全員を簡単に始末出来ると考えていたが、流石に想定外だった。どんな強力な悪魔族であろうとも、その受肉した肉体を滅ぼせば、影響力を失う事になる。魔体を維持できなくなった瞬間に、精神世界に戻るからだ。
”七曜“達は、それを前提として出現と同時に究極魔法を発動させた。
極大火球___核撃魔法: 破滅の炎(ニュークリアフレイム)を。
一人では制御すらも出来ない、三人がかりで行使する元素系究極魔法である。あらゆるものを焼き尽くす、地獄の業火。それなのに、ディアブロの前では無力だったのだ。
驚愕した”七曜“達は、迷わずに最終手段を選択する。
そんな危険なディアブロを倒すには、聖なる力を用いるしかないそう考えて、今度は用意しておいた奥の手である
”聖三位霊崩陣“(トリニティブレイク)の使用を決断したのであった。
別の者達がリムル達に向けて使用した術式であり、彼等の奥義である。多少準備に時間がかかるものの、術中は[結界]に守られるので安心。その上、この術式の最後に放たれる
”三重霊子崩壊“(トリニティディスインテグレーション)は、あらゆる物質を消滅させる神聖系究極魔法である。どんな巨大な魔物や魔人それがたとえ魔王であろうとも、この術式には耐えられない。
そうした絶対の自信を以て、”七曜“達は術式を起動させるさた。
だが、その頃ディアブロは、そんなことを気にせず交渉を開始した。
”七曜“達の事など眼中になく、視線は報道陣に向けられたままだ。
ディアブロ「今の攻撃を見たでしょう?彼等があなた方を殺すつもりだったのは明白、そう思いませんか?」
優しく問いかけるディアブロ。今まで戦っていたサーレでさえも、ディアブロの言葉を否定
出来ないでいた。当然、報道陣から否定の声は出ない。皆が頷き、そして理解している。
人類の守護者、偉大なる英雄伝説にも残る
”七曜の老師“達。そんな彼等の事を、記者ともなれば知らぬ者はいない。
ディアブロの言葉は真実であり、自分達は生贄にされたのだと悟っていた。”七曜“はディアブロ諸共に自分達を葬り去り、そして全てをディアブロの仕業だと宣伝するつもりなのだ、と。
ディアブロ「ですが、安心するがいい。私がお前達を守ってやろう」
記者達の目にはディアブロの笑みが、御仏の如く慈愛に満ちているように見えた。
そしてその言葉を信じる。”三武仙“のサーレを軽くあしらうその強さならば、伝説的存在である”七曜の老師“にも勝てるのではないかと考えたのだ。
「お、俺達は何をすれば」
「金、ですか?」
ディアブロが何を見返りとして求めるのか、それを気にする者もいる。悪魔はタダでは動かない。必ず何らかの見返りを求めるものなのだ。
そしてそれは、ディアブロも同じ。リムル以外の者に対しては、理由なしには動かないのである。
ディアブロ「クフフフフ、理解が早くて助かります。私が求めるものは一つ」
笑顔のままに、ディアブロは要求する。自分の無実を証明せよ、と。
記者たちは、それを聞くと同時に、安堵すると同時に納得ともした。
「勿論だとも!是非宣伝させてくれ!」
「ああ、何でも記事にするさ!アンタの華々しい活躍もな!」
「おうとも。だから、頼む!俺達を助けてくれ!!」
百名近い報道陣。その全員がディアブロへの支持を約束する。
そしてそれは、ユニークスキル[誘惑者](オトスモノ)の影響下に入る事をを意味していた。
裏切りは許されない。契約は完了したのだ。
ディアブロ「クフフフフ、いいでしょう。皆様をお助けすると、この私が約束します。ただし、お前だけは駄目だ」
そう言ってディアブロが指差したのは、気絶から目覚めたエドワルドだ。
エドワルド「な、何故!?余が何をしたと__」
ディアブロ「黙れ!貴様は偉大なるリムル様を愚弄した。その罪は、万死に値する。貴様など、助ける価値がないと知れ」
吐き捨てるようにそう告げるディアブロ。エドワルドは、回らぬ頭で必死に考える。しかし、何も良い考えなど浮かばない。ただ一つ確かなのは、このままでは自分が確実に死ぬという事だけ。
騎士達を見るも、サッと視線を逸らされた。それはそうだ。あんな化け物や伝説上の英雄に、逆らったところで勝てるはずもないのである。
エドワルド「お願いします、何卒、どうか何卒、余も、いや、私もお救い下さい!」
エドワルドに出来るのは、涙ながらに訴える事だけだった。しかしそれでは、ディアブロの心に届かない。
ディアブロ「クフフフフ、そこで自らの愚かさを嘆きながら、あの世へ行くがいい」
記者達も、誰もエドワルドを助けようとはしない。そんな事が出来る訳もないのだ。
そもそもの原因がエドワルドにある以上、仲裁しようもないのだから。そんな事をして、とばっちりが自分に向く方が問題である。
誰も助けてくれないと理解して、エドワルドは泣き出した。
エドワルド「全てやる。金も、地位も。王、
王位も譲ります。私は退位して全て譲るから」
それを聞いて、暫し熟考するディアブロ。
ディアブロ「そう言えば、英雄ヨウムがエドマリス殿の後見人になっていましたね。彼こそ、このファルムスの地を導くに相応しい男だと思うのですが、貴方はどう考えますか?」
そしてディアブロは、少しだけ口調を優しくして、エドワルドにそう問いかける。エドワルドも理解した。人生で最大限に頭の回転を速くして、そして理解した。
エドワルド「わ、私もそう考えます!彼は見所がある。是非とも私の後継者として、公に発表したく__」
エドワルドの出した答えは、ディアブロを非常に満足させるものだった。
記者達もまた、その様子に察するものがある。
「は、ははは。英雄王の誕生ですかな?」
「これは大々的に宣伝しないと」
空気を読み、ディアブロの意図を正しく理解してそう述べる。ディアブロは嬉しそうに頷く。
これでお膳立ても完璧となった。少し計画が狂ったが、結果は満足いくものとなりそうである。となれば、後はゴミの始末をするだけ___その時は来た。
『ふん、覚悟は良いか?』
『もう間もなく、邪悪を滅ぼす光をくれてやる』
『それまでの命、せいぜい楽しんで__』
自分達の術式への自信からか、余裕ぶった態度で成り行きを見守っていた”七曜“達。
そんな彼等に、絶望の時が訪れる。
ディアブロ「覚悟?笑わせるなよ、ゴミ共が。この私の計画を邪魔して、リムル様の前で私に恥をかかせた事その罪は、余りにも重い。私が味わった恐怖と絶望を、何倍にもして返してやろう」
”七曜“達を見るディアブロは、少しも笑っていなかった。その貌に表情はなく、その美しさがかえって恐怖を掻き立てる。
『な、何?』
『貴様は何を言っておる?』
『気でも触れたか?この術の前には__』
ーパチンッ
”七曜“達の言葉を遮るように、ディアブロは
指を一つ鳴らした。そして、世界は恐怖に包まれる。
ディアブロ「緩やかに滅び行く世界の中で、
何も出来ぬ絶望を知れ!
発動__”絶望の時間“(ディスペアータイム)」
それは、ディアブロの力。
ユニークスキル『誘惑者』の権能の一つ___『誘惑世界』利用している。
本来は対象者の意識に直接作用し、相手の精神に影響を与えるという効果なのだが、ディアブロはそれを更に発展させていた。
仮想世界を具現化させて、その世界の中で絶対権力を発動させるに至ったのだ。
その世界では、対象者の生死すらもディアブロが司る。そして、その世界で起きた出来事は『虚実変転』により、仮想と現実を入れ替える事が可能となるのだ。
ディアブロによって与えられた幻覚が、物質世界での現実となるそんな、理不尽なまでに恐るべき技なのであった。
この能力を破るには、単純に精神体(スピリチュアルボディー)を鍛えて意思の力で打ち破るしかない。しかし、精神生命体であるディアブロに勝る者などほとんどおらず、
”七曜の老師“と言えども例外ではない。
『な、なんじゃこれは!?』
『魔法が、魔法が消えたッ!?』
『ば、馬鹿な……』
驚愕して騒ぐも、それで何が出来る訳でもない。ただ、絶望の時を過ごすのみ。やがて、世界は崩壊する。
ディアブロ「その愚かさを、深淵の底で反省するがいい」
ディアブロはそう告げて、最後の仕上げを行った。
”崩壊する世界“(エンド・オブ・ワールド)『誘惑世界』崩壊は、その内に取り込んだ者をも巻き込んで進行する。
”七曜“達の絶望も呑み込んで、世界は終わりを告げたのだった。
そして、この場で行われた約束は、無事に履行されるのである。
〜魔国連邦〜
ルミナスの登場後、扉からもう一人の人物が出てきた。
エイト「(魔王ヴァレンタインか?)」
服が何故か司祭服で、なんか偉そうな感じだ。確かバレンタインの影武者をやってたと思うが…
ルイ「控えよ。余は法皇ルイである。そして、こちらにおわす御方こそ、我等が神ルミナス様で在らせられるぞ!」
と、良く通る声で宣言した。
それを聞き、聖騎士達が一斉に脆いた。
そして俺達は戸惑いつつも、成り行きを見守る事にしたのである。
しかし……魔王が神って、何の冗談だよ。その影武者役が法皇?いやはや…プロパガンダが酷すぎて、俺でさえドン引きするレベルだ。
だが考えてみれば、それは非常に効率的なんだろう。
叡智之王『是。”人“という種族を支配するのに、効率的な環境を用意出来るでしょう』
あ、うん。真似しようという提案じゃないから、そこは間違えないでね?
ルミナス「ヒナタ。自重せよと申し付けたであろうに、勝手な真似をしおって……」
ヒナタ「申し訳ありません…」
ルミナス「"七曜"は…もう消えてしまったようだな」
エイト「ああ、何か悪かったか?」
ルミナス「…いや、元々死罪にする予定だったから手間が省けて助かった。感謝するぞ」
お、おお…中々恐ろしいことを言うな…。
その時、ディアブロから俺とリムルに報告が届いた。
ディアブロ『リムル様、エイト様。終わりました』
リムル『おう。それで、首尾は?』
ディアブロ『クフフフフ。全て、予定通りに』
ご機嫌だな。ディアブロのやつ。そんなに嬉しかったのか。
リムル『よし、ひと段落したら一度報告に戻って来い』
ディアブロ『承知しました。その時を楽しみにしております』
〜〜〜
立ち話も何なので、俺たちは場所を移すことになった。町までルミナスやルイ、そしてヒナタ一行を案内しつつの凱旋である。
そして、俺たちを出迎えてくれたヴェルドラを見て思い出す。
リムル「あ、すまん。最終防衛ラインさんの
出番はなかったわ」
ヴェルドラ「何っ!?せっかく気合を入れて待っておったというのに…」
ヴェルドラは不満そうだが…そこは納得してもらわなければ。
ということで、事件は円満解決___と思ったのだが、そうは問題が卸さない。
そして、よく思う。俺の[未来予知]はこう言う時に便利だ。
ヴェルドラ「ッ!!おお、お前は!思い出したぞ!ルミナ…「ちょっと来ようかヴェルドラくん」ちょ…何をするのだエイト!?」
下手したらバレンタインを怒らせることになる。ここはヴェルドラに退場して頂かなくては…。
そう思って俺はヴェルドラを瞬間転移で食堂まで運んだ。
俺が見た3秒後の未来…
ヴェルドラ『思い出したぞ!ルミナス、魔王ルミナスではないか!我が城を吹き飛ばしてやった、あの女吸血鬼(ヴァンパイア)。いやあ、思い出せてスッキリ、スッキ___』
まあ、ここまででわかるだろう。この後ルミナスがヴェルドラに剣を突きつけていたのだが…まあ、それを未然に防いだのだ。
俺はヴェルドラを置いて元の場所に戻る。
リムル「何をしに行ったんだ?」
エイト「ああ、まあ色々とな」
ルミナス「…」
〜〜〜
まあ、色々あったが俺たちはルミナスと和解した。
ヒナタとの誤解も、まあ最初から解いていたが解けたってことにしよう。リムルに俺たちが最初から知っていたことを伝えたら、少しだけ怒られた。
んで、そのあと俺たちへの詫びとして、西方聖教会の名に置いて、俺たちが無害であることを宣言する事を約束してくれたのだ。
当面の不可侵条約を締結し、互いに互いの行動を黙認することで話は纏まったのである。
どういう流れでそうなったのか知らないが
ヨウムの即位も決定した。後は戴冠式を待つばかりだというし、非常に順調そうで何よりだ。
とまあこんな感じで、一気に問題が片付いたのだった。
そしてこの日以降___俺達は正式に、西方諸国に受け入れられる事になる。
こんにちは。次の投稿は遅くなるかもしれませんのでよろしくお願いします。