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クローン大戦・・・それは、3年間続いた銀河規模の戦争のことだ。この戦争の要因は、第1次ジオノーシスの戦いの10年前、共和国による課税に反発した通商連合が惑星ナブーを占領したことに始まる。後にナブーはナブー王室保安軍と先住民のグンガン、ジェダイの協力によって解放されたのだが、共和国と連合の間に禍根を残した。そして、元ジェダイでシスのドゥークー伯爵の呼び掛けに応じていくつかの宙域が共和国から離脱して通商連合に合流、独立星系連合となる一方、共和国では非常時大権によって権力を得たパルパティーン議長の提案によって共和国軍が創設され、惑星カミーノに用意されていたクローントルーパーを戦力とした。連合が共和国側の議員とジェダイを拘束したことにより、両者はジオノーシスで激突するに至る。
ジオノーシスの地上でジェダイ率いるクローン軍とドロイド軍が正面から激しい衝突を繰り広げる中、中央に大型のホログラム装置が設置された連合側の作戦室近くのハンガーに、連合所属のベルブラブ22スターファイターが1機着陸した。そして、その目の前にはドゥークー伯爵が立っている。やがて、戦闘機のキャノピーがスライドし、中から出てきたのは、全身が機械となった身長2mを越える程の巨人だった。
「グリーヴァス、ジェダイ狩りはどうであったか?」
彼の名はグリーヴァス、サイボーグの戦士だ。元々はカリーシュという爬虫類知覚種族の軍将であったが、シャトルの事故により重症を負い、体の95%がサイバネティックスのサイボーグとなった。彼は、事故の原因がジェダイであると吹き込まれており、ジェダイを恨んでいる。そして、ドゥークーからライトセイバーの扱いを学んだ。
「2人のジェダイナイトを殺った。これで、ライトセイバーのコレクションも3本・・・」
彼には、倒した敵から奪った武器をコレクションする趣味がある。
「もう一本ライトセイバーが欲しくないかね?グリーヴァス」
ドゥークーの言葉に、グリーヴァスの目の色が変わった。
「4刀流はワシの目指すところ!是非もう1本欲しいものだ」
「お主に命令を出す。今、ジオノーシスの地下にあるドロイド工場に、お主が嫌いなジェダイとクローン共が侵入する動きがある。それを排除しろ」
「ジェダイ殲滅はワシの役目!このワシにお任せを!ジェダイ!恐怖に怯えるがよい!」
「その前に、お主を分離主義評議会の面々に軽く紹介したい」
「少しだけならいいだろう」
グリーヴァスはドゥークー伯爵の後を付いていき、作戦室に入る。作戦室に入ると、中にいた評議会のメンバーは驚き、ジオノージアンの兵士は警戒する。しかし、ドゥークーの姿に気づくと警戒は解けた。
「紹介しよう、彼はグリーヴァス。私が直々に剣術を教えた1人だ」
「役に立つのでしょうな?」
怪訝そうに言うのは、ヌート・ガンレイ。ニモーディアンと呼ばれる種族で、通商連合の総督だ。
「もちろん。彼はジェダイをも殺せる実力の持ち主だ。彼を怒らせないほうが良い、一捻りにされるぞ」
「ジェダイを・・・!これは頼もしい!」
ガンレイは、突然グリーヴァスを誉め出した。
「これよりグリーヴァスは、地下に突入してきたクローン軍とジェダイを殲滅しにいく。もしも成功したならば、彼を将軍とする」
ドゥークーに逆らえる者はいない。そのため、反対する者はいなかった。
動き出したグリーヴァスは、地下通路の工場から200m程離れた地点に来ていた。
(奴らは必ずここを通過するはずだ。ここに隠れて奇襲するだけで、ライトセイバーがもう1本手に入る・・・)
彼の目線は上に向いている。そのまま、彼は通路の天井に貼り付く。こんな怪物が待ち受けていようとは、クローンもジェダイも予想できないであろう。
一方、そんなこともいざ知らず、2個小隊12人のクローントルーパー特殊部隊と1人のジェダイは地下通路を進行していた。部隊を率いているジェダイの名はジャン・シュリ。将来を有望視されているナイトであり、破壊作戦の指揮官に選ばれた。
「キャプテン、ドロイド工場まで残りはどのくらいだ?」
ジャンは、自身のとなりを歩く大尉に尋ねる。
「はい。残り250m程です」
「もう少しだな・・・ん?」
「どうしました?」
いきなり怪訝な顔を浮かべるジャンに困惑したキャプテンは、彼に聞く。
「いや、この先に何者かの気配がする。一瞬であるが、強い殺気も感じた」
「我々は何も感じませんが・・・もしかして、フォースとやらですか?」
「そういうことだ。キャプテン、周囲を警戒しつつ進むぞ」
「イエッサー、総員警戒せよ」
彼らは、ジャンが正面、クローンは左右と後ろを警戒する形で進み、60m程進んだ。もうグリーヴァスは、彼らの上に潜んでいる。
「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!・・・」」
突然、最後尾のクローン2人が上に拐われ、悲鳴を上げる。
「何があった?!」
「大変です!クローンが2名、上に拐われました!」
「何?上を警戒!」
トルーパー達はブラスターに取り付けられたライトで、上方向を照らす。しかし、そこには何もいなかった。
「マヌケなジェダイ!ワシはここだ!」
突然聞こえてきた声の方へ全員が向く。そして、ライトによって照らされた姿は、マントを纏っている金属でできた怪物であった。
「誰だお前は!」
ジャンは、怪物に対して語調を強めて言う。
「このワシはグリーヴァス、ドゥークーから剣術の教えを受けたジェダイハンターだ」
「ジェダイハンター?まさか、以前私のマスターを殺したのはお前か?」
「知るか、大勢殺したから覚えているはずが無かろう。逆に聞くが、お前はいままで捕らえた海賊や犯罪者の名前を一人一人覚えているのか?」
「貴様!それは、私のマスターに対する侮辱に等しい!」
(未熟者め、簡単に挑発に乗ってきおったわ)
怒り狂うのはジェダイとしてあるまじき行為であるが、ジャンは咄嗟にライトセイバーを起動し、青の光刃を出す。そのまま、彼はグリーヴァスに向かって跳躍、空中で回りつつライトセイバーを振り下ろした。彼の戦闘型はアタロであり、跳び跳ねてアクロバティックな攻撃をすることが多い。
「フン!」
グリーヴァスは2本のライトセイバーを起動し、高速回転させて防御する。そのまま、ジャンを怪力で押し返した。
「指揮官、我々も援護します!」
キャプテンら残っているクローン10名はブラスターライフルをグリーヴァスに向けて構える。
「手を出すな!これは私の戦いだ!それに、連絡もするな」
クローン達は引き下がったが、彼らは後にこの選択が間違いであったことを知ることとなる。
ジャンは、再びグリーヴァスと向き合った。
「これで一対一だ、グリーヴァス!」
「この雑魚が!貴様が向かってきたところで、ライトセイバーのコレクションの4本目となるだけだ!」
「コレクション?貴様、大勢殺したのなら4本以上持っているはずだろう!」
「そのことか。単純に、ジェダイを倒したときに壊れただけのこと。ちなみに、この1本は2人目に殺したジェダイのものだ」
グリーヴァスは懐からライトセイバーを取り出し、ジャンに見せつける。
「それは・・・・マスターの持っていたライトセイバー!返してもらおう!」
「だったら、ワシを倒すがよい」
怒りで我を忘れているジャンは、跳び跳ねもせずに真っ直ぐ向かい、セイバーを振るう。
しかし、実力の差は歴然。再び、クロスしたセイバーでガードされる。そして、しばらくの間両者は押し合った。
「そんな調子では、貴様は貴様のマスターと同じ道をたどることになるな。フハハハハ」
突然グリーヴァスは3本目のライトセイバーを起動し、ジャンの胸部に突き刺す。
「カハッ・・・そのライトセイバーは・・・・マスターの・・・」
ジャンは事切れた。奇しくも、彼はマスターの所持していたライトセイバーで殺されることとなったのである。
「これで、4本目」
グリーヴァスはジャンのライトセイバーを拾い上げ、起動する。
「指揮官の仇討ちだ!撃て!」
キャプテンの号令で、グリーヴァスに向かって一斉にブラスターを放つ。しかし、クローントルーパー風情が勝てる相手ではない。ブラスターを避けられた上で次々と切り捨てられ、残りはキャプテンのみとなった。
「ジェダイハンターの攻撃により指揮官死亡!救援を求m・・・・」
通信途絶と共に宙を舞ったキャプテンのヘルメットが、固い地面にぶつかって特有の音を出す。
「フン、貴様のセイバーはマスターのセイバーと1組で使ってやる。感謝するがよい」
グリーヴァスは、その場を立ち去った。この惨劇の目撃者は、誰もいない。
グリーヴァスが作戦室に戻ってくると、なぜか連合側の人々は慌ただしく動きまわっていた。
「グリーヴァス、どうであったか?」
「フン、赤子の手を捻るようであったわい。ところで、何故こんなに慌ただしくなっている?」
「連合軍は撤退することになった。グリーヴァス、貴様は戦闘機で脱出して艦隊に合流するのだ。そこで、貴様は連合軍の将軍に任命される手はずになっている」
「ワシが将軍に?フム、ジェダイ狩りがやりやすくなりそうだ。感謝する」
そして、グリーヴァスは密かに戦闘機で惑星ジオノーシスから脱出、軌道上の独立星系連合艦隊と合流するに至った。後に、グリーヴァスは連合軍の将軍として幾度と無くジェダイと対峙することとなる。