どちゃクソラッキースケベなハーレム生活を望んだ結果、最終的に幼馴染を好きになった転生者の話 作:送検
私にとってのオリバー君は、私の大切な親友の一人息子であり、娘と同じくらい大切に思っている子。それは確かに傍から見れば他人の息子と言われてしまうのかもしれないけど。親友であるセシリアがお腹を痛めて産んだ子は、どうしても私にとって他人とは思えなかった。
私にとっての彼女は、そんなに軽い存在じゃなかったから。
それから、イレイナと同じくらい──とは流石にいかないけど、思い入れが深いというのもあるのかもしれない。生まれて間もないオリバー君を抱っこさせてもらった時、普通なら赤ちゃんは変な人に抱っこさせられて不安に思ったり、怖がったりして泣いてしまうと思うのだけれど、オリバー君は違った。
まるで私に抱っこされるのを待ち望んでいたかのように。思わず抱いてあげた側が嬉しくて仕方なくなるくらいの可愛らしい笑みを浮かべて、まだ地に足のつかない言葉を発したのだ。
「あうあうあー!」
「よーしよし‥‥‥お姉さんが抱っこしてあげるからねー‥‥‥」
「あう」
なんか興奮してたっぽいけど。
というより、ママに抱っこしてもらった時よりも無抵抗で、きゃっきゃって言ってたのはなにゆえ?
私、子どもに好かれる気質なのかしら。
兎にも角にも、そんなオリバー君は順調という言葉が似つかわしく思える程の成長を見せていた。どういうわけか他の子より歩くのが速かったり、学習意欲が異様に高かったり、何か興奮してたり、色々人と違うところはあったけど、それは私がオリバー君を嫌う理由なんかにはならなかった。
むしろ、活発な様に元気をもらっていた位だ。歩けるようになって間もない頃には勝手に外に出て、庭で遊んでたりしていたオリバー君は、見知らぬ世界に心を弾ませ、様々な物に憧れを抱き、たくさんの物事に触れていった。
探究心の強さは、イレイナに負けず劣らずなのかもしれない。普段からイレイナを見ている私がそんなことを思うくらい、オリバー君は元気良く外を駆け回っていて──
「あら、オリバーく──」
「ひょーっ!ロベッタすげー!ひょーっ!」
「‥‥‥まぁ」
なんかわからないけど、よくロベッタに興奮してた。
いえ、別に分からないこともないけれど。ロベッタは平和だし、自然もいっぱい。ましてや子どものオリバー君にとっては真新しいことばかりで、興奮するのも仕方ないと思うけど。
それでも、ロベッタに対して「すげー!」と興奮するのはなんかちょっとちがうと思う。
まあ、可愛いから別にいいけれども。
何はともあれ。
オリバー君が目の前にいて、私はその光景を偶然にも発見してしまった。リアにスイーツのお裾分けをしようとはるばる親友のお家に来てしまったことから起こった出来事は、私の足をリアのお家からオリバー君のいる場所へと方向転換させる。
オリバー君に近付く私。それに気付かず、今度は「ふぉぉぉぉ!」と可愛らしい声を上げたオリバー君。
一通り叫び終わり、落ち着きを取り戻したタイミングを見計らって、私はオリバー君の背に声をかけた。
「オリバー君、また1人で遊んでるの?」
「あれ、ヴィクトリカさん」
山吹色の髪が靡く。
生え揃った髪は、親友と同じ山吹。唯一違いがあるとすれば、その髪の長さが男の子らしく短く切られているということくらい。
それ以外は、あの子とまるで変わらない。山吹も、碧眼も、中性的で、笑顔が綺麗な表情も。
昔を思い出すなぁ、なんて感傷に浸ってしまう。
いけない、私はまだそんなおばさんじゃないのに。
「はい、木の棒といっしょに、あそんでます」
「あら、もうそんなに言葉を覚えたの?偉いわね」
「うへへー!」
オリバー君が優しく笑みを浮かべると、その笑みに思わずつられて彼の髪の毛を撫ぜてしまう。すると、一瞬目を見開くものの、オリバー君は私の手を受け入れたかのように目を瞑り、満足そうな表情で──
「はぁー円満具足ぅー‥‥‥」
「ちょっと待って、今の言葉誰に教えてもらったの?」
「おかーさん」
「後でお母さん呼んできて貰える?」
あれほど息子に変なことを教えるなと言ったのに、あのばか!
人の頭ぱっぱらぱーを馬鹿にする前に先ずは自分の頭ぱっぱらぱーをどうにかしなさいと悪態を吐きそうになるものの、子どもの前でそんな真似をしたら悪影響を及ぼすこともある。
取り敢えず、ふざけたことをオリバー君に教えたリアは後でシメるとして、私は普通のお母さんらしく、細かいことを気にしない風体を装って「うふふ」と笑ってみせた。
オリバー君が、「やばい、ほれる‥‥‥!」と言いながら私を見上げる様が映った。可愛いけど、やっぱリアはシメる。
「冗談はともかく、オリバー君もあそこにいる子達と遊んでみたり、色々挑戦してみなさいな。きっと楽しいわよ?」
それは私にはできなかった普通の生活。
子どもの頃に色々あって孤児院で暮らしていた私は、決して不自由な生活を送ってきたとは言わずとも、世間一般の子ども達が送るような暮らしはできなかった。お父さんやお母さん、近所の人達に囲まれて、色んな子達とたくさん遊んで、朝昼夜と暖かい手料理を食べて、安心できる場所で家族と一緒に眠る。
家族や、それに関係する人達がいてこそ成立するこの普通の生活をイレイナやオリバー君には是非、余すことなく謳歌してもらいたいのだけれど──
「あいやぁ‥‥‥お外より、まほう‥‥‥」
「え、魔法?」
「うん!まほう!ヴィクトリカさん、まほうのお話してくれませんか!?」
どうにもオリバー君のマイブームは、おひとり様でいることらしい。
何より、若干趣味が大人っぽいのだ。魔法を学ぶことや、文字を学ぶことは勿論。オリバー君の趣味は読書や勉学などに偏っていて、どうにも子どもっぽい遊びをあまりしたがらない。
実は、少しだけイレイナもそれらしい兆候はあって──人よりも趣味が若干大人びていることを考えると、どうしても2人は友達は作りにくい傾向にあるのかもしれない。
そう考えると、友達作りは存外に難しいことだと思う。ありのままの自分を受け入れてくれる子を見つけるのは、そう簡単ではないということなのでしょうね。
──と、ここで私はオリバー君が羨望の眼差しを向けながらこちらを見ていることに気がつく。
俗に言うところの「きらきら」した目付き。
この子は自分がどんな表情してるのか分かっているのだろうか。
少なくとも、万人がそんな可愛らしい目を向けながらお願いをすれば喜んで何かをしてあげたいと思えてしまうでしょう。
少なくとも、私の教えを受けた2人はそのきらきらした目付きに見事に殺られてしまうことだろうと──そんな予感が、私にはあった。
「‥‥‥うっ」
やはり、この子はリアによく似た子だ。
将来は、この可愛らしい顔がカッコイイ顔になって、多くの女の子を泣かせる羽目になるのだろう。
リアがそうだったように。
もう一度言う、
「‥‥‥やや。どしたの、ヴィクトリカさん?」
「いえ、何もないわ。それよりもお話、だっけ?私もお母さんだから長くオリバー君の傍にはいれないけど、少しならお話してあげる」
「まじですか」
「勿論よ」
因みにその日はリアが自宅を留守にしている短い間だけ、オリバー君と魔法のお話をした。
「さっきまでお外で遊べとか言ったくせになに家で遊ばせてんだ」みたいな批判に1つ言い返すことがあるとするのなら、私は間違いなくこう言う。
「私にも弱いものがあるのよ、例えば親友の一人息子の無邪気と羨望に溢れた表情とか──」と。
「おおお!ニケさんかっこいー!」
私の親友の子が可愛くて仕方ない。
●
と、まあそんなこともあって。
私がオリバー君とイレイナを引き合わせようと思い至ることはそう難しくはなく──私は徐々に家の手伝いをしたり、自由に遊んでいたりするオリバー君にイレイナのことを仄めかし、会ってみないかと提案するようになった。
「会ってみる?」
「あ、結構です」
それでも何故か「けっこーです」とか「お、おそれおおい!むりっす!」なんて言葉で逃げられ、どうにもならない──このままじゃ時間だけが経過してしまう、と考えたところで、私はオリバー君の母であり、私にとっての親友であるところのリアに「裏工作をしましょう」と言ったのだ。
最初、リアはかなり渋ってたけど最終的には縦に頷き、私の裏工作に協力してくれる運びとなったのだった。
似非ツンデレで。
「いい?今回ボクがキミを手伝うのはあくまでキミの言うことが正しいと思ったからなんだからねっ!決してキミのことが好きって訳じゃないんだからねっ!勘違いしないでよねっ!」
「一人称変わってるわよ」
「‥‥‥勘違いしないでよねっ!」
「無理やり押し通そうとするの本当にやめた方がいいと思う」
「あ゛?」
母親同士の密会をすることで子どもたちの予定を把握し、その上で2人を引き寄せ、あわよくば仲良くなってもらう。
丁度リアも自らの息子に友達がいないことをちょっとだけ気にしていたらしく、利害が一致したこともあり交渉自体はスムーズに成立。
後はそれぞれの子どもの予定を合わせるだけとなった私たちはそれぞれの家事を終わらせ──私は、イレイナにその話題を持ちかけることになった。
「ねえ、イレイナ」
「なに‥‥‥ですか」
「うふふ、どうしたの?その丁寧語」
娘であるイレイナの髪は、私と同じ灰色。まるで昔の私を見るかのような可愛らしい表情から織り成す笑顔は、私の夫を以てしても胸を痛めてしまう程に尊いらしく。
その笑みを見た私も心を暖かくしながらイレイナの丁寧語に関して優しく指摘すると、イレイナは笑みを見せたまま、続ける。
「お母さんに買ってもらった本にていねい語を使うことでいい印象を持たれるって書いてたから」
「それはまあ、まちまちだと思うけど」
それはまあ、余計な敵を作らなくて済むという点と、どの場でもある程度の丁寧語を弁えていれば失礼にはならないというのはあるけれども、人によっては距離感を感じてしまうこともある。
まあ、距離感云々はイレイナ自身が決めれば良い話だし別に良いのだけれど。
「で、どうかしたの‥‥‥ですか?」
と、まあ。
そんなことを思いながら丁寧語という新たな言葉遣いに挑戦するイレイナを微笑ましく見ていると、不意に不思議そうな表情をしたイレイナが私にそう尋ねる。あまりの微笑ましさに本題を見失いそうになっていたことに気が付いた私は、再びその本題を忘れてしまわないように一言。
「近所の子にイレイナと話が合いそうで、いつも魔力の塊を撃っている優しい子がいるの‥‥‥」
「‥‥‥毎日?」
「イチオシね」
「イチオシ?」
オリバー君が洗濯物を魔力の塊で大破させたことは私の記憶には新しく、その事実からリアに自分用の杖を買って貰ったということは私の耳に届いている。
それからのリアの話によると、なんとオリバー君。魔力の塊で遊んでいるのだとかなんとか。
今度様子を見に行ってもいいかも──なんてことを思いつつ、イチオシという言葉に首を傾げたイレイナに私は続ける。
「その子、オリバー君っていうのだけど。会ってみない?」
「会う‥‥‥?」
「ええ、きっと良いお友達になれるわよ」
「ともだち‥‥‥」
言って、思案するイレイナ。いつの間にか取り繕った丁寧語はいつものイレイナらしい言葉遣いになり、可愛らしい声から織り成すいつもの言葉遣いが私の耳に響く。
やがて、言葉がまとまったのかイレイナは私の目を見ると小さく胸を張り、自慢げに言葉を発した。
「なまえは、知ってる」
「え」
「だってお母さん、たまにおりばーって人の話ばっかりしてる時があるから」
「そんなに?」
「うん。お母さん、嬉しそうだったし‥‥‥お父さんは『ははー!僕の親友の息子が可愛くないわけないだろー!?あれはすごいカッコイイ子になるぞー!』って、言ってた」
「あらまぁ‥‥‥」
私、そこまでオリバー君のことが‥‥‥
なんて思ってはみたものの、自覚があるためなんとも言えない。と、いうのもここ最近のリアの息子自慢が非常に多く、その成長ぶりに私自身共感するところがあったからか時間がある時に、時々夫やイレイナにオリバー君の話をしていたのだ。
結果、夫からは「流石僕の親友の子だな‥‥‥」なんて浸られた。
イレイナには、「そんなことより本読んで」って頬を膨らませながら言われた。
悲しい。
「‥‥‥気になる」
「イレイナ、気になるの?」
「うん。だからていねい語、おぼえたら会ってみる。それでおりばーにれいぎさほーでマウントを取る」
「マウントなんて言葉何処で覚えたの?」
「本」
ともあれ。
暇さえあれば本の世界に入り込んだり、魔法の勉強をしているイレイナからそんな言葉を貰った私は、「イレイナは頭がいいわねー」と言いつつ、彼女の頭を撫でる。
もし価値観が合わないのなら友達にならなくても構わないし、これから先の未来で1人でいるのもそれはそれで構わない。それもひとつの生き方だし、現に私は
けど、挑戦はして欲しい。
体験だってして欲しい。
あなたは決して独りではない。その価値観を共有してくれる人と、これから出会えるかもしれないという可能性について知っておいて欲しい。
私にとっての目的は、きっとそれ。
イレイナのために。イレイナのこれからのために、これから起こるたくさんの出会いの一欠片を、知って欲しい──それだけなのだ。
「イレイナ」
「?」
「オリバー君、それなりにぼっちだから。できたらあなたのボキャブラリーでたくさんお話して欲しいの」
「ぼきゃぶらりー?」
だから私は、この娘に授ける。
これからの未来が、少しでもこの娘が笑える未来であるように、ちょっとしたヒントと、スパイス──じゃなくって、会話を盛り上がらせるための言葉を。
世界一大切な、私の愛娘に授けたのだった。
●
「同い歳の魔法使いがいて、将来こそはっきりしてないですけど魔法を頑張っている人がいるってお母さんから聞いて、とても嬉しかったです」
「俺もお前に会えてうれしかった。イレイナかわいい、あいらぶゆー」
「今後ともよろしくお願いしま‥‥‥あの、オリバー。今、あなた何て言いましたか?」
「妄言だ、忘れてくれ」
「は?」
それから、数ヶ月。
イレイナ自身、少しだけ躊躇うこともあってか長い時間を要したのだけど結果としてオリバー君とイレイナは友達と呼んでもいい関係になり、互いに握手をする。
引き合わせたり、きっかけを作ったり、
きっかけは作ったけど、その先を創り出したのは2人なのだから別に良いのでは?まあ、なんとかなるでしょ──なんて思いながら、私とお父さんは初々しさに溢れた2人の挨拶を影で見守っていた。
「と‥‥‥友達、友達ができたぁ‥‥‥!!」
そして、夫のこの感動具合である。
いえ、別に驚いても良いのだけどちょっと声がうるさいのと涙がひどい。というか隙あらば涙と鼻水を渡したハンカチでぬぐうのは正直やめて欲しい。
まあ、それくらいで嫌いになるのならこの人と結婚なんてしてないのだけれど。
「お父さん、イレイナにバレるわよ?」
「だ、だって‥‥‥あのイレイナに!イレイナに友達が‥‥‥!!」
「別にあの子だって友達を作りたくないってわけじゃないんだから、そこまで驚くことないじゃない」
「それに」と私は続ける。
「あなた、もしあの子とイレイナがお付き合いを始めたらどうするつもり?」
「──は?」
「もしイレイナが本当の意味でオリバー君を好きになって、将来的にお付き合いをしたとします。そして上手いこと私達のように親密な関係になった暁には2人して私達の家を訪問することになるでしょう」
「‥‥‥な、ははっ。まさか‥‥‥確かにオリバー君のことはセシリアさんと僕の
「それはむしろ危惧するべき内容だと思うけど」
あなただって分かっているでしょうに。
あの子はリアの血を色濃く引き継いだ男の子。この前も感じたように山吹の髪と、中性的な表情に、誰よりも優しいとすら錯覚してしまう──いや、事実そう思えてしまう笑顔。
全てがあの子と同じだとは言わないけど、オリバー君にはリアと同じ雰囲気を確かに感じてしまうから、多分私の予想は当たると思う。
というか、女の子の1人や2人は泣かすと確信できる。
「何せあのリアと、その彼女を虜にした貴方の親友の子だもの。イレイナもきっと虜にされてしまうんでしょうね‥‥‥」
「‥‥‥た、タチの悪い冗談はやめておくれよ。ヴィクトリカだってオリバー君の事はそこまで考えてないだろ!?」
「10年もしたらきっと、もっと親密な関係になっているんでしょうね‥‥‥」
「な、なってないッ!父さんは認めな──」
「20年後には孫の顔も‥‥‥」
「もう人生設計始まってる!?」
夫の「わ、渡さんぞ!イレイナは僕と結婚するって言ってくれてたんだ‥‥‥!!」なんて怒りの言葉を尻目に、私は2人の仲睦まじい光景を見つめる。
先程から怪訝そうな目でオリバー君を見るイレイナに「い、いやー!わざとじゃないんす!なんか言葉が頭の中に浮かんでくるんす!さーせん!!」なんて言いながらイレイナに土下座をするオリバー君。
その光景は、傍から見れば仲の悪そうな雰囲気に見えるけど、私には分かっていた。
「──いい光景ね」
イレイナが呆れたようにため息を吐きつつも、言葉を続けている上に微かに微笑んでいること。
それがどのような事を意味するのか親である私は知っていた。
そして、それは私の隣でようやく泣き止んだ夫も同じなのであろう。私の言葉に目を見開くと、少しだけ微笑んで2人を遠目から見る。
その視線は柔らかく、先程までの怒りは霧散していた。
「嬉しそうだね」
「当然よ、あれだけ本ばっかり読んでいたイレイナが他人の男の子とあそこまで会話をしている。親にとってこれ程嬉しいことはないから」
私にとって、イレイナは世界で1番大切な一人娘。だからこそ大切にしているという自覚はあるし、それ以上に私はあの子に人として大切なことをたくさん学んで、すくすくと育っていって欲しいと願っている。
何より、あの子の夢は『ニケのように自由に空を飛ぶ魔女』になること。
そのためには、魔法を学ぶこと以外にも学ばなきゃいけないことは沢山あるし──今のこの状況だって、私は必要だって信じている。
だって、
「──ねえ、あなた」
「ん?」
「子どもの成長って早いのね」
だからこそ。
イレイナには必要なことも、そうでないこともたくさん学んで、これからもすくすくと成長し、自分の夢を叶えられられるようになって欲しい。
そして、願わくば自分の選んだ道に対して後悔をしない子になれるように。
何より、決めた道を自由に突き進められる──そんな子になれるように。
「きっと、これからもっと早く成長していくだろうさ。キミの子だからね」
「あら、あなたの子でもあるのよ?」
「‥‥‥見た目に反して策士なところは真似しないで欲しいかなぁ」
「あらお父さん、後で少しお話してもいいかしら?」
そんな想いを込め、私は隣で苦笑する夫に微笑みかけたのでした。
2章終了後の3章は……?
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魔法統括協会編!(全15話完結予定)
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2人旅編(全30~40話完結予定)
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両方同時並行(がんばる)
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アムネシア編