どちゃクソラッキースケベなハーレム生活を望んだ結果、最終的に幼馴染を好きになった転生者の話 作:送検
因みに前者が99%です。俺じゃタメ口イレイナさんを可愛く書けなかったので、誰かタメ口が可愛いイレイナを書いて......書いて......
それからイレイナやヴィクトリカさんとの関係を中心に、1年に1回あるかないかの確率でシーラさんと会話したりを繰り返していると、あっという間に年月が過ぎて9歳になった。その頃にはイレイナの少したどたどしかった敬語が完全に慣れ親しんだそれになり、それと同時にイレイナ自身の言葉も鋭くなった。
しかし、たどたどしさよりも『そういうの』を求めていた俺にとっては哀しみよりも嬉しさが勝り、結果として俺の妄言もより多くなったのは言うまでもないことだろう。
ああ、後学校に通うようになった。そして、当然のように制服を着たイレイナさんを見ることになって──うん、制服イレイナさんはめちゃくちゃ可愛かった!まあ、それを言ったら公衆の面前で魔力の塊撃ち込まれたんだけど。ほんと、むごい。
いやしかし、妄言などを吐いてしまうのは何も俺だけが悪いことではないと思うんだ。俺だってただの有象無象に罵倒されて嬉しがるほどドMじゃない。
イレイナさんの鋭い言葉だからこそ興奮するのだ。彼女の言い分が的を射たものであるから納得するのだ。
そして何よりイレイナさんが可愛いのが悪いのだ。
天才的な可愛さは人を熱くさせる。
故に俺はその熱情の侭に妄言を口走ってしまうのだ。
「敬語イレイナ可愛い」
「妄言も程々にしてください」
キミの可愛さいとおかし。
※
「はい、どうぞオリバーくん」
「ありがとうございますっ!」
「このアップルパイ、イレイナと一緒に作ったのよ。美味しい?」
「ははっ、美味いです!」
「あらあら、お上手ね。まだ一口も食べてないじゃない」
時は学校がお休みであるが故に1日暇を持て余す今日の午後。
世間の子どもはおやつタイムに興じているであろう今日この頃、俺は近所のヴィクトリカさん&イレイナさんが調理したスイーツを頂こうとしていた。
見るからに甘くて美味しそうな造形美をしているアップルパイは食べるには惜しく、とはいえ食べてしまいたいという欲求が理性とせめぎ合い、現在進行形で心が悲鳴をあげている。
「ふわぁー!俺、ヴィクトリカさんの親切で心がいっぱいなのですー!けど、イレイナさんの人を殺しそうな目のせいで心が壊れそうなのですー!」
「‥‥‥」
「視線が痛いのですー!」
「‥‥‥」
ついでに、イレイナさんの視線のせいで心が悲鳴を上げている。『何こんなところで油売ってんすか』的な冷たい視線が俺を殺しに来てるのだ。
とはいえ、俺にもここに来た理由がある。理由もなしに女の子の家でくつろいでたまるかってんだ。
「まあまあ落ち着きたまえよイレイナ。これにはれっきとした理由があるんだ‥‥‥あー、なのです」
「その敬語擬き気持ち悪いのでやめてください」
酷いのです(アヴィリア擬き)。
「‥‥‥ヴィクトリカさんに誘われたんだ」
「お母さんが、ですか?」
「常日頃から誘われてたもんで、遂に俺が折れた‥‥‥というか、言葉遊びに殺られたんだ」
「どういう意味ですか」
イレイナが間髪入れずに俺の言葉に反応する。すると、鼻歌を歌いながら皿洗いをしていたヴィクトリカさんがタオルで濡れた手を拭きながら、こちらへ笑顔を見せた。
「オリバー君がやっと私のお誘いを受けてくれたのよ。今まで即答で断られていたのに今日は即断即決」
「昨日と今日で何が変わったのかは知りませんが、取り敢えずオリバーが欲望に忠実な馬鹿野郎だということは分かりました」
「違うよ!」
本当に言葉に弄ばれたんだって。いつものように原っぱで魔力の塊ぶち込んでたらヴィクトリカさんと鉢合わせて、いつものように会話したら言葉遊びされたんだって。
『今日も来れないわよね?』
『いいえ』
『‥‥‥あら?あらあらあら?』
『え』
具体的に言うとこんな感じに。
つまり俺はヴィクトリカさんにまんまとしてやられたという訳だ。
いやね、そりゃあ俺だって精神年齢大人ですよ?けど俺はその中でも特筆すべき点のない一般的な大人。加齢と共に当たり前のように成長する心しか持ってない奴がヴィクトリカさんのようなつよつよ魔法使いに勝てるわけないだろいい加減にしろ!!
「‥‥‥騙されたんだよ。普段は来れるか否かを聴いてくんのに、今日は『来れないよね?』って聴いてこられた。策士だよあの人、怖いよあなたのお母さん」
「‥‥‥それは、はい。まあ‥‥‥ご愁傷さまです」
イレイナの目が、何かを哀れむような目に変貌し俺を捉える。その瞳は正味興奮するのだが長時間その視線で眺められても困るので、勘弁して欲しい。
「それはそうと」と話題を変えて視線を本へと移すイレイナ。
いやはや、話題を変えてくれて感謝感激だ。
「読書と勉強は進んでますか?」
「ページの進行度合いと勉学に関する意欲は比例しないことが分かったよ」
「あ、全然進んでないんですね」
「仕方ないじゃん!調合関連は嫌なの!!市販品とか買えば良い話じゃん!」
「調合できるものなら作って金銭を浮かせた方が建設的ですよね。なんですかあなた、もしかして無駄遣いさんだったんですか。将来的にお金に泣きますよ」
またしても哀れみの視線で見つめられる俺。しかし今回のイレイナはそれだけではなく、ため息を吐くと席を立ち上がり本棚へと向かう。数秒後に調合に関しての本を取り出すと、4人席のテーブルの向かいから俺の隣の席へと位置を移す。
え、なんですか。横からぶん殴る寸法っすか──と疑心暗鬼と隣のイレイナの良い香りに内心クラクラしていると、イレイナが調合関連の本を俺に押し付ける。
そして、視線を俺とは合わせずにそっぽを向いた状態で一言。
「調合関連の何処が分からないんですか?」
「‥‥‥鎮痛剤の作り方」
「仕方ないですね、1から教えます」
その言葉をきっかけに、イレイナの集中力が一気に増幅し、辺りは一気に勉強ムードへと切り替わった。隣合って、イレイナ先生の指示を受けながら召喚したペンと羊皮紙と本で勉強する様は、今までお目にかかることのなかった友達との勉強会のようで──胸が高鳴った。
魔法に触れ、ファーストコンタクトに失敗しないように気張ったことでイレイナさんとお友達になることができて、あまつさえイレイナさんとこうして勉強するまでに至ったのだ。
これぞ魔法に触れた特権なのかもなぁ。
それはそうと、イレイナさんの横顔可愛いなぁ。
「で、あるからして‥‥‥あの、聞いているんですか?」
「あ、ごめん。今日のイレイナの無限大の可愛さについて考えてた」
「馬鹿が一向に治りませんね。困った友人です」
「‥‥‥おやおやイレイナさん、これは謀反かな?」
「1人の生きとし生けるものとしてそろそろ己の成長速度に謀反を起こした方が良いのでは?」
「遠回しに俺をディスるのやめてよね」
「蔑むことと事実を述べることは違うと思うのですが」
「ほんとむごいからやめて」
でも、こういう罵倒の鋭さは歳を追うごとに鋭くなっているんだよね。
デレは金では買えないとはどこぞの誰かが言っていたような気もするのだが、俺と話す時のイレイナはそもそもデレの概念がないように見受けられる。
いつかイレイナさんはデレを見せてくれるのだろうか。
希望的観測だが、いつか見てみたい。
※
イレイナ先生との個別授業は、白熱の様相を呈していた。
「では、これから問題用紙を提示するのでそれを解いてください。ひとつでも間違えたらやり直しですので」
「しゃっ、任せとけ!えーと、1問目は‥‥‥あ!これイレイナ先生のスパルタレッスンで叩き込まれたやつだ!」
「あの、最初の問題から間違えてるんですけど。小テスト舐めてるんですか?」
「あ、アレー‥‥‥」
問題を1問でも間違えたら小テストのやり直しという地獄のイレイナ先生のスパルタレッスンは、図らずも俺の頭を集中力の塊とし、疲弊させた。
甘いものには疲労回復効果があるというのは前世で得た知識なのだが、これならもっと早く来て勉強してからイレイナとのスイーツタイムを楽しむべきだと心底思った。
それくらい、イレイナの勉強指導は厳しいものであり。それと同時にイレイナがどれだけの時間を魔法や勉学に使い、努力しているのかということを知るだけでなく
「‥‥‥勉強ってさ、やる方も大変だけど教えるのも大変なんだよな」
何気なくそう言うと、紅茶を飲んでいたイレイナがそれを飲み込みこちらに視線を向ける。
「急にどうかしましたか?」
「いや、前から思ってたんだよ。学ぶ側は分からないことを学ぶのが仕事なんだけど、教える側って生徒が分からなくなるであろう事を知識として修めてなきゃ教えることができないから、生徒よりも大変なんじゃないかって」
俺も魔法や勉学を多少齧っちゃいるが、理論的なものを熟知しているわけではないために技や知識を教えるとなると、何から説明すれば良いのか分からなくなる。
けど、イレイナはどれも勤勉に理解しようと務めているからこういった『教える』という行為ができる。
そこに厳しさの是非なんて関係ない。
たくさんの知識を知識として教えてくれることに、俺は1人の友人として感謝しなければならないのだ。
「教えてくれてありがとう、イレイナはちゃんと努力してんだな」
「‥‥‥それは、当たり前の一般常識です。そんなことを言ってる暇があるのなら少しでも知識を知識として修めてください」
「あ、照れた?ねえねえ、今どんな気持ち?くそやろうに褒められて、今どんな気持ち?」
「あなたの頭を粉砕したい気分です」
「やめて」
折角褒めたんだからもっと笑って。
激おこのイレイナもクールなイレイナも俺にとってはご褒美に違いないが、やっぱり可愛い女の子には何時でも笑顔が似合う。
だから俺は、イレイナにどんな表情でもいいから笑って欲しいのだ──
「全く、馬鹿な人ですね」
「ははっ」
そう、そんな感じにな。
ちょっと遠慮がちに笑う様も、なかなか至高じゃないか。
と、そんな感じに俺とイレイナが休憩時間中に談笑的な何かをしていると、不意に後ろから足音が近付いてくる。
どうやらヴィクトリカさんが台所の仕事を終えたらしい。その一方で、何処か申し訳なさそうに苦笑している様を見て、何があったのだろうかと考えているとヴィクトリカさんがイレイナを見て一言。
「イレイナ、勉強している所悪いのだけどお使いに行ってもらっても良い?」
「何か足りないんですか?」
「胡椒を切らしちゃったの。行ってもらっても良いかしら」
胡椒、となるとロベッタの街にまで繰り出す必要がある。いつもヴィクトリカさんがどのルートや、物を使って移動しているのかは分からないがそれによっては少し時間のかかるお使いになるだろう。
ふむ、勉強はここで終わりかもな。
「少し遠いですね‥‥‥」
そして、前者はイレイナも感じていたことなのだろう。行くことは確定として、その距離の遠さに難色を示した彼女は顎に手を当てると「どうしましょう」と唸った。
ほう、だったら──
「俺も行くよ」
「結構です」
「何でさ」
「見るからに面倒な予感がするからです」
そりゃまた失礼な。
いやしかし、先程まで馬鹿丸出しだった俺が急にそんなこと言ったら確かに疑われるのも無理はない。
ここはイレイナの意図を汲んで、理由と条件をしっかり話そう。
何事も話し合いの精神が大切なのだから。
「‥‥‥まあまあ、聞いてくだせぇイレイナセンセ」
「は?」
「俺はな、この時間のお礼にセンセの足になってやるって言ってんですよ」
「さっきから何を言っているんですか?」
怪訝そうな表情を崩さないイレイナ。依然として俺を疑ってかかるその姿勢に負けることなく、俺は一言。恐らく誰が見てもドヤ顔と言うであろう表情で言葉を発した。
「俺が箒でお前を店まで連れていこう。イレイナは胡椒のことだけ考えてりゃいい」
「2人乗りとか何考えてんですか」
「はぁ?乗り物は2人乗りが鉄板だろ?」
「そんな思考している人に命を預けたくないです」
イレイナはそう言うと、「こっち見ないでください」と言う言葉を最後に外に出る支度を始める。薄手のカーディガンを羽織った少女は、最近になって俺の見覚えのある小生意気で可愛いイレイナさんの面影に適合し始めている。
最近になって髪を伸ばし始めたのはその最たる例だ。
長く伸びた艶のある灰髪は、ヴィクトリカさんに似たのか。もしくは、髪は女の命故か。
俺には分からない。
「貴重な時間だぞ」
「1人で物事を考えるのも有益な時間の使い方ですね」
「俺に勉強教えてくれるんじゃなかったのか」
「終わりです。私の用事を優先させてください」
「俺との関係は遊びだったのかよ!」
「さっきからなんなんですかあなた本気で怒りますよ」
と、まあ。
何を言ってもイレイナは俺の話をロクに聞いてくれやしない。俺の言葉に本気度が伝わらない故か、彼女は尽く俺の提案を突っぱねる。ならば、本気を魅せるしかないと思い立った俺。ドアを開けようとするイレイナの前に立つと、大きな声で一言。
「イレイナが心配なんだよ!」
「私はあなたの頭の方が心配ですね」
「え、それご褒美?」
「そういうとこだってんですよ。良いから退いてください」
結果、本気を見せても失敗した俺。渋々引き下がり、横にズレると満足したようなドヤ顔でイレイナはドアに手をかけた。
意固地なイレイナである──そう思い、仕方ないとため息を吐いた瞬間。
「あら、イレイナはオリバー君の首に縄つけてでも読書と勉学の習慣を付けさせるって言ってなかったかしら」
ヴィクトリカさんが頬に片手を添えながらそう言い。
イレイナの動きはピタリと止まり、それと同時に壊れたブリキのように首を動かして後ろを振り向いた。
「‥‥‥それとこれとは、話が違いますよね?」
「そうかしら?オリバー君を読書漬けにしたいのなら、隙間時間こそ活用すべきだと思ったのだけど‥‥‥」
‥‥‥ん?
読書漬け?
隙間時間?
あなた達何言ってんすか。あれっすか、俺をクスリ漬けにでもしようってノリで勉強させようとしてんすか?
「‥‥‥あの、話が読めないんですけど」
あまりに唐突に発せられた一言と、その内容に困惑して思わず後ろにいたヴィクトリカさんに尋ねる。その一言に「気になる?」と返したヴィクトリカさんは目を瞑り、過去に耽るように言葉を続けた。
「あれは3年前のことよ──」
「‥‥‥やめてください」
「本嫌いのオリバー君のことを心配したイレイナが‥‥‥」
「やめてください!」
途端、普段のイレイナからは想像だにできない大声が響き渡る。その声は下手したら外に漏れてもおかしくない位の声であり、その声に驚いていると不意にイレイナの右手が俺の右手首を掴み、引っ張られる。
視線を強制的にイレイナ側に向けられると、そこには視界いっぱいにイレイナの姿が映った。
え、表情?まあ、あれだな。頬を紅潮させたイレイナはどちゃクソ可愛いな。
「オリバー、箒で私をお店にまで連れて行ってください」
「え、良いのか?」
「あなたをお母さんと一緒にすると、良くないことを吹聴されそうですので。それから、気も変わりました。先程の小テストの続きをしましょう」
「それならお前も箒を使えば良いだろ、もしかして使えないの?」
「自由自在とはいきませんけど移動くらいなら出来ます。馬鹿にしないでくれませんか?」
別にバカにはしてねえんだけどなぁ。
まあ、それでイレイナが納得してくれるのならそれで良い。何かしてあげたいと思えたのは確かなんだ。何を言われても、結果的にイレイナに何かをしてあげられるのなら別に良いや。
「問題に齧り付きながら箒の操縦なんてしたらぶつかってぺしゃんこです。オリバーが箒の操縦をできるのなら、その方が効率的で安全ですから」
「‥‥‥分かった。んじゃ、行くか」
「はい」
了承の言葉とは裏腹に、不当とでも言いたげに不機嫌な様子を見せたイレイナ。そんな様に、『怒ったイレイナ可愛い‥‥‥』なんて妄言を吐きそうになった俺は、ひたすらその言葉と買い物&勉強デートにも近い何かにより浮ついた気持ちを誤魔化すために咳払いして、空を見上げた。
今日の平和国ロベッタは、馬鹿みたいな快晴だ。
幼少編残り3話の予定です。
閑話はやるかも。
2章終了後の3章は……?
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魔法統括協会編!(全15話完結予定)
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2人旅編(全30~40話完結予定)
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両方同時並行(がんばる)
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アムネシア編