ネイバーに連れ去られたあの日から、2週間程経った。
あの後、地獄のような実験を終えて連れて行かれた先は無機質な広い部屋だった。その部屋は軍人の訓練施設らしく、様々なことを行った。
主に、トリガーという聞いた事もない未知の兵器を用いて実験を行った。
不思議な感覚だった。
初めて触れたはずのそれは、何故かとても手に馴染んだのだ。まるで、何年も何年も使い続けたきたかのように。
それも、1つでは無い。その手に馴染む感覚は、数多のトリガーにおいて感じられた。傍でこちらの事を興味深そうに見てきている研究員の男にその事について尋ねてみると、目を見開いた後、凄い、凄いぞと叫び出してそのまま部屋の外へとかけていき、暫くして戻ってきたと思ったら今日の実験は終わりだと伝えられた。
その後、研究員の男から部屋が与えられた。この部屋の中で今日はもう自由にしていいと言われたので、隅のほうにあったベッドに倒れ込んで泥のように眠ったのを覚えている。
それから数日間、あの日と同じように訓練室の中でトリガーを使用して実験や訓練を行った。
そして今に至るのだが、先日、男から今日はブラックトリガーと呼ばれる特別なトリガーを使用するから楽しみにしているように、と伝えられた。
ブラックトリガーがどういうものなのかは分からないが、特別なトリガーと言われるくらいなのだから、きっと他とは一線を駕すものなのだろう。
それにしても、遅い。昨日までならこの時間には男が部屋に訪れてきて訓練室に向かっている筈なのに、一向に来る気配がない。
それに、かすかに爆発のような音と、建物が振動しているような気がする。
そんな事を考えていると…………
轟音と共に部屋の壁が破壊された。
「ひっ……」
がらがらと崩れ、瓦礫となったそれの中から、白い怪物が現れた。
それは、形こそ違えど自分が今ここにいる原因となったものと同じものであると本能で理解した。
その瞬間、走り出した。脱兎のごとく逃げ出した。
「はぁ、はぁ…げほっ、おぅぇ、はぁ、げほっ……」
正しい呼吸ができず、息を荒げながら後ろを振り返らず必死に駆け抜ける。
行先は、あの訓練室。
あそこなら、実験の為に用意されたトリガーがある。
ただひたすら、訓練室を目指して駆けていた。
そして、やっと訓練室までたどり着いた。幸い、ドアは開いており中にはすんなりと入ることが出来た。
白い怪物、ネイバーはまだここまで来ていない。
机の上に置かれているトリガーの中で、1度起動した事のある剣型のものと、銃型のものを手に取る。
これで、一先ずは安心出来るだろう……
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