わぁ、鳥!   作:ゆーり

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おびしまちゃんは可愛いと三回復唱してから読んでください。
ののさんはデカいは別に復唱しなくていいです。


第二十一話「帯」

「自分に、孤月の使い方を教えてほしいッス!」

 

「…………ええと、返事の前に、後ろの人たちは見学の方ですか?」

 

 弓場さんと藤丸さんはなんでそんなに不安そうな顔して付いて来てるんですかね。娘の授業参観に来た親御さんかな?

 

「帯島の自主性は尊重してやりてぇ。だが、何事もいい影響だけがあるわけじゃねぇからなァ」

 

「はぁ……、お前じゃなきゃ、あたしたちも気にせず送りだすんだけどな」

 

 そんな娘が趣味の悪い彼氏連れてきて紹介された両親みたいな反応やめてくれませんかね。俺のメンタルは比較的脆いですからね?

 

「うーん、おびしまちゃんには申し訳ないんだけど、弟子入りは受け付けてないんだよな」

 

 過去を鑑みた結果、たぶん俺には師匠適性がない。

 

「木虎には稽古つけたらしいじゃねーか。なのに、うちの帯島はダメとはどういう了見だ? あ"ア?」

 

 いや、あれは綾辻が魅了の状態異常攻撃を使ってきたからでして。もう言うこと聞くしかないかなって。

 

「ユカリにそんなはしたない真似はさせねぇからな」

 

 特にはしたないことではないんですけどね。むしろ、ベタなおねだりというか。

 

「あ、ののさんの魅了攻撃でも全然OKですから、今すぐここでやってください。ほら早く」

 

「頭ぶん殴って混乱状態になら今すぐしてやるぞ?」

 

 ……オペレーターたちのファイター思考ほんとやめてほしい。

 

「しかし、なんで俺に? 同じ弧月使いではあるけど、小柄さを活かした動きなら風間さんとかの方が詳しいよ?」

 

「それは……、そうなんスけど……」

 

「風間さんは目上だし、頼むにゃ最低限のレベルも不足してる。それに、今後のスタイルを考えるとお前が適任だ。帯島ァ、てめぇでちゃんと説明しろ」

 

 "ボーダー"の所属歴は俺のほうが長いし、元A級だから俺もある意味では目上と言えなくもないんですけど……。

 

「男がちっせぇことでぐちぐち言うんじゃねぇよ。ドンと構えて受けとめろ」

 

 ののさん、大きいですもんね。

 

「ッス! 実は今後は万能手を目指したいと考えてるッス! 弧月も攻め一辺倒じゃなくて防御も学びたいッス!」

 

 ほぇー、なるほど。たしかに型は俺とよく似てるな。攻めを弓場さん、援護を神田さん、二人の護衛を帯島がやるのね。

 

「それにしても、弓場さんがJCにお守りしてもらうと考えると笑えますね」

 

「てめェ、焼きいれんぞ?」

 

 ぴゃっ、怖い。

 

「ほらほら、二人ともそんな城戸さんみたいな怖い顔してないで笑顔笑顔。ののさんも、ちょっとニコッてすれば男の九割は落とせますよ」

 

 なんせ主砲の火力が違う。No.1部隊のオペレーターと比較しても三段上ってインフレしすぎでしょ。黒トリガーかよ。

 

「はぁー。コイツと話すと本当腹立つな。お前はあたしの胸しか見てねーのか」

 

「まさか。仮にののさんの胸が平地でも俺からの好意は何も変わりませんよ。大好きな先輩です」

 

 まぁ、視線は吸引されなくなるだろうけど、これは俺悪くないからね。

 

「……ちっ」

 

 ちょっと待って今なんで舌打ちされたの? "ボーダー"のオペレーターって皆可愛いけど、心身ともに攻撃的すぎない?

 

「そういうところも腹立つって言ってんだよ。ちったぁ分かれ。で、受けるのか受けねーのかどっちなんだよ」

 

 あー、どうしようか。木虎との訓練は終わってるし、暇がないってわけじゃないんだけど、なし崩し的に教える人が増えていきそうなんだよね。

 

「あの、やっぱり迷惑ですか? だったら諦めるッス……」

 

 ……ふぅ。

 

「任せてくれおびしまちゃん。すぐに王子先輩のすかした笑みに弧月を叩き込めるようにしてあげるからね。元弓場隊だからって二度とデカい顔すんなって言ってあげなさい」

 

「え、いや別にそんなことしたいとは……」

 

 まさか帯島が上目遣いに潤んだ目でお願いだなんて超高等テクニックを使うとはな。やられたぜ。

 

「おびしまちゃんは可愛くなるよ。俺が保証する」

 

「キリッとした顔で何言ってんだてめェは。そんなのは当たり前だろうが。保証すんなら強さの方にしろ」

 

 当たり前なんだ……。短期間とはいえ訓練付けるんです。強さもちゃんと保証しますよ。

 

「それとお前、ユカリが女子中学生だってこと忘れんじゃねーぞ。木虎と同じ扱いしたら張り倒すからな」

 

 あぁ、その話ね。根付さんが火消し作業してくれたらしいけど、燃え広がる速度が速すぎて結局"ボーダー"中に伝わったんだよね。おかげで俺は二十時以降に訓練室使うときは、時間とメンバーの事前申請を強制されました。

 

 木虎にもぶちキレられて、京介の誤解を解いてこいって言われたわ。京介は別になんも誤解とかしてなかったけどな。

 

「分かってますよ、ユカリちゃんのお母さん。遅くても二十二時までには家に送り届けるようにしますから」

 

「誰がお母さんだ! あたしはまだ十八の高校生だ!」

 

 豪腕の体育会系というよりも姐さんとか肝っ玉母さんな感じありますよね。弓場さんが隣に居ると尚更。

 

「いやー、でも包容力のあるオペレーターが居て弓場隊が羨ましいですよ。俺、今は独り身だし」

 

「そうだね。前のオペレーターも物理的な包容力はなかったもんね?」

 

 ………………………………すぅー。あの、歌歩さんはいつからそこに?

 

「最初から居ただろ。ユカリのこと頼むのに変な条件出されねーか心配だったんだと」

 

 変な条件ってなに。対価貰うとしても、せいぜい藤丸さんに臨時オペ頼むくらいだけど。それにしても、サイドエフェクトが反応しないのは知ってるけど、姿まで認識できないのはなんでなの?対俺用のカメレオントリガーでもあるの?怖いんだけど。

 

「とりあえず帯島に稽古つける話は取り付けられた。俺たちはこれで引き上げるとするか。帯島ァ、世話になるんだ。礼は言っとけ」

 

「ッス! 竹尾先輩、引き受けてくれてありがとうございます! ご指導よろしくお願いします!」

 

「じゃあな清志。ユカリのこと頼んだぞ。歌歩はあんま熱入れすぎんなよ」

 

 え?助けてくれないの。帯島に稽古つけられなくなるかもしれないよ?

 

「うふふ、それじゃあ、焼きいれよっか」

 

 楽しそうっすね、歌歩さん。

 

「ううん、全然楽しくないよ。あるのは怒りだけかな」

 

 あ、そっかぁ……。




ないのは師匠適正ではなく常識です。
オチに困ったらみかみかを呼べばいい、そうBBFにも書いてある。

弓場ちゃん:バカがエイチな方向にやらかすとは欠片も思ってないが、周りにバカを感染させる時があるのでオビニャンと会わせることには警戒している。オビニャンの居ないときはバカに対しても父親みたいなムーブをしてる。

ののさん:バカに会う度にキラキラした目で胸をガン見される。特に邪な感じはしないのため、毎回対応に困ってる。きっとこれは腹が立っているんだろうと自分を納得させているが特に避けたりはしない。バカがガン見しているのは超高層ビルをつい見上げてしまうのと同じなので、『すげぇ、でけぇ』と思ってるだけで特に他意はない。

おびしまちゃん:バカは年下の子供達には優しさが先行するので、周りの対応の理由はいまいち分かってない。恐らく女の子として秘めたスペックがかなり高い(私見)。
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