「ねぇねぇ、辻ちゃん。辻ちゃんてどう女性が苦手なの?」
「え?」
どういう意味?って感じに首傾げてるな。そんな表情もあざとい。だから女共に弄られるんやで。ニノさん並に鉄面皮で行けや。
「いや辻ちゃんてさ、女の子に近寄られたり話しかけられると照れた感じでどもるじゃん? でも嫌悪感だともっとビクつくだろうし、興味ないならガン無視すればいいから苦手にも色々あるよなーって」
別に辻ちゃんの女性苦手問題自体はどうでもいいのだが、こやつはなぜか女性人気が高い。もしやあの反応は意図的なものでは?という疑惑(偏見)があるのだ。
「疑わしきは罰せよ。辻ちゃんが高度なテクを使う女キラーだということを白日の下に晒す使命が俺にはあるのだ」
「今日も意味分からない方向にフルスロットルだね。俺としては清志と一緒に居ると女生徒があまり近寄ってこないから有難いけど」
……ん?こいつ今すごい失礼なこと言わなかったか?
「てめぇ! ちょっとちやほやされてるからって調子乗ってると鉛弾で動けない状態にして加古隊と那須隊の合同訓練にぶち込むぞ!」
疑惑も晴れて苦手も克服できるかもしれない一石二鳥の迷采配だなぁおい!
「ひっ、助けてひゃみさん!」
アンパンヒーローでもあるまいに呼ばれてすぐ来るか!ここで分からせてやる!
「こらー!! なに辻くんをイジメてるの!」
「げぇ! でたぁ!」
氷見のクラス二つ隣だろ! 聴覚強化のサイドエフェクトか!?
「あんたの声が大きすぎるのよ。ジンジャエール入れ替えるだけじゃ飽き足らず辻くんをイジメるなんて、二宮隊に対する宣戦布告と受け取るわよ!」
いや、結局ジンジャエールも返したから俺はドク〇ーペッパー差し入れただけなんだが。
「あ、あのジュース美味しかったよ。ありがとうね」
ほう、辻ちゃんは違いの分かるいい男だな。今度はルー〇ビアー差し入れしちゃる……じゃなくて!
「上等だ! 二宮隊がなんぼのもんじゃい! こっちにはモテたいのに大してモテない同盟の仲間がいるんだ。勝てると思うなよ!」
「え? なにその悲しい同盟は。誰がそんなのに参加してるの?」
辻ちゃんが本気で分からないって顔で尋ねてきやがる。ふん、所詮はお前も持ってる側の人間よ。
「俺、イコさん、賢」
「微妙に二宮隊でも勝てるか分からない程度に強い……! というかそれはモテてる自覚がないだけの人たちでは」
「いいえ辻くん。その人たちは本質はともかく普段の言動が残念すぎるわ。妥当な結果よ」
氷見が好き勝手いいやがる。その言葉、後悔させてやるからな!
「はっ! 確かに同盟は3人だがな。俺の人脈を使えば同盟に近しい強力な助っ人をいくらでも呼べるんだよぉ!」
「まさか太刀川さんや迅さんを呼ぶつもり!?」
……こいつナチュラルに太刀川さんと迅さんをこっち寄り扱いしたな。控えめに言って二宮隊はすごい失礼なのでは?
Prrrrr…………
『はい、烏丸ですけど』
「烏丸ァ! これから二宮隊と戦争をする!お前もあのコスプレリーマン部隊を一泡吹かせるのに協力しろ!」
「ちょっと烏丸くん呼ぶのは卑怯でしょ!? というか全然同盟に近しくないし!」
お前が京介ファンのミーハーガールってことは調べが付いてんだよ。相手の弱点を突くのは当然の戦術だ。さぁ氷見、これで二宮隊に京介が負けたらお前がモテない烙印を押したことになるなぁ?(※なりません)
「これで勝っても負けてもひゃみちゃんにダメージがいくってすんぽ『玉狛の人たちから任務中以外の清志さんの言うことは聞かなくていいって言われてるんで失礼しますね』うよ……」
ツーツーツー……
誰だあの素直で純粋だった京介に余計なこと吹き込んだのは!?鳥みてーな髪型の斧ガールか!トリオン体だと見せ筋にしかならないゴリスナイパーか!あいつらゆるせねぇ!!
「これで形勢は逆転ね。大人しくモテないと認めたらどうかしら?」
「はーっ!? 二宮隊なんて俺一人でコテンパンだから! 問題ねーから!」
なにを言い争ってんのかよく分からなくなってきたが、とにかく負けるわけにはいかないのだ。男の子にはプライドがあるのだ。
「いや、清志。俺がどう女の人が苦手なのかって話でしょ? それは俺が臆病だからだよ。皆やさしい人達だって頭では分かってるのに確信が持てなくて動けないんだ。自分で覚悟を決めて歩み寄るしかないって思ってはいるんだけど中々ね」
おお、そういえばそれが本題だったな。うーん、これなら多少は荒療治でも悪化はしないか?俺は女性の注目を引くモテテクが知りたかっただけだが……まてよ。
「じゃあ俺と一緒に女子の会話に混ざってくのがいいな! 辻ちゃんいれば向こうの警戒度も下がるからwin-winだぜ! とりあえず早紀ちゃんと香取から行くか!」
なーにボーダーの武闘派女子に一発かませば度胸も付くってもんよ!流石は俺だ。二宮隊との無益な争いは起きず、俺自身は強力な随伴機を手に入れられるとは!今孔明は東さんじゃなくて俺のことだった……?
「いや、清志と一緒に女子と話すとむしろ怖い面を見ちゃうから避けたいかな……。あとその二人は最終試練付近じゃない?」
いや俺はともかく辻ちゃんなら二人とも普通にフレンドリー……って。
「てめぇ! ちょっとちやほやされてるからって調子乗ってると鉛弾で動けない状態にして加古隊と那須隊の合同訓練にぶち込むぞ!」
「いい加減にしなさい!!」
氷見の鉄拳制裁で俺の目の前は真っ暗になった。
竹尾 清志PROFILE3
派閥は城戸派だったが、高校入学頃から忍田派に寄り始めている。
大規模侵攻時に父と弟妹が死亡し、母が意識不明の重体になった(後に死亡)。
奨学制度による学費免除を受けるために常に成績上位をキープしている。
中学時代は三輪を超えるバーサク状態だったし、今も任務中は雰囲気と目付きと口調が怖い。
・なんやかんや辻ちゃんが女子の対応で困ってるとフォローに入るので好感度が高い。清志は辻ちゃんが表情豊かだと思っているが、それを見られるのは選ばれし者だけである。辻ちゃんが女性苦手な理由はてきとう。