わぁ、鳥!   作:ゆーり

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原作のおまけコーナーに外観の描写があるだけの高校に三話も引きこもり、四話目にしてやっと外にでたオリ主がいるらしい。


第四話「影」

 ジュ~。ぺんっ。

 

「ほっ」

 

 ベシャァ!

 

「……カゲさ~ん、俺お好み焼き注文したのに具のデカいもんじゃ焼きができそうなんだけど~。生地間違ってない?」

 

「んなわけねーだろうが! 作れねーんなら自分でやろうとすんじゃねぇよ!」

 

 おかしいな。器用万能たるこの俺がヘラで生地を裏返す程度のことができないはずは……。もしや左右の装備構成に問題が。

 

「弧月二刀流じゃないから利き手のヘラ一本でやろうとしたのがマズかったか?」

 

「意味の分かんねーチャレンジ精神を発揮すんな! 作り方書いた冊子置いてるだろ!? 指示に従えや!」

 

 ワルで俺に指図すんなスタイルのカゲさんが指示に従えとかウケるんですけど。

 

「てめぇ、上等だ。今すぐ表に出ろ」

 

 まだ何も言ってないだろ!

 

「サイドエフェクトで小馬鹿にしてんのが伝わってきてんだよ!」

 

 全く厄介なサイドエフェクトだぜ。俺が持っていれば全方位からカンストの好意がビシバシ来て皆ハッピーだったのに。まぁ、逆に女性陣の誰かが持ってたら俺はブタ箱行きだったかもしれんが。

 

「ふっ、カゲさん。俺にはそのサイドエフェクトを打ち破る秘策があるんですよ。不用意に仕掛けると後悔しますよ?」

 

「はぁ? 何言ってんだてめぇ。そもそも戦闘中ならお前も似たようなもんだし、大して俺が有利でもねーだろうが」

 

 ……俺のサイドエフェクトの話は置いておいて。この手段は何としてもカゲさんの協力が必要なときに取っておきたかったが仕方がない。主にガチで特定女子を切れさせてしまったときに匿ってもらうとか。

 

「だが背に腹は代えられん。くらえっ!カゲさん大好きーーー!!!」

 

「がはぁ!」

 

 膝から脆くも崩れ落ちるカゲさん。ふっふっふ。カゲさんのサイドエフェクトは『感情受信体質』。視線から相手の感情が読み取れてしまう能力だ。それは裏を返せば誤解なく純粋な好意も伝えられるということだ。さぁ、曇りない笑顔で自分を慕う可愛い後輩に怒りが持続させられるかなぁ!

 

「……ちっ、代わりの生地持ってきてやる。その失敗作は俺が食っとくから適当に端に寄せとけ」

 

 ……は?いい奴かよ。惚れてまうやろ。

 

「おーー寂しい男とバカよ! ヒカリさんが来てやったぞー! 感謝して崇め奉れよー」

 

「Foooooooo!!↑↑ 女神ヒカリちゃん来た! これで勝つる! あとカゲさんのことバカって言っちゃダメだよ?」

 

「「バカはお前のことだよ!!」」

 

 ふぁっ!?六頴館の連中ならともかく君たちにバカ扱いされるのは納得いかんのじゃが。たぶん二人のテストの点数足しても俺の方が上よ?

 

「ガッコのお勉強じゃなくて普段の言動とかだっつーの。お前ももうちょいキリッとしてりゃ言う事なしなんだがなぁ」

 

 いやいやいや、影浦隊から素行で問題視されるとかさすがのわたくしも不服でございますことよ?隊にゾエさんが居てくれなかったら不良の溜まり場扱いされてるところだぞ。

 

「うちの隊のことはどうでもいーだろ。それよりさっきのでけぇ声はなんだったんだ。また誰かに告白する練習か? 店の外まで聞こえきたぞ。」

 

「ん? いや、あれは本当にカゲさんに言ったんだよ。練習とかではないね」

 

 ……なんかカゲさんが変な顔して厨房に入っていったがどうしたんだろうか。

 

「あー、なんかかぐわしい匂いがするがアレだ。あたしは懐が広いからそういうの特に気にしないからな?」

 

 そりゃお好み焼き屋なんだから匂いもするだろうけど気にするって何をだ。服に臭いが付くとかか?

 

「俺はソースの匂いがするヒカリちゃんも可愛いと思うよ?」

 

 なんなら香水とかより、家庭の臭いみたいなのがする人のほうが好みである。

 

「お前のぶっ飛んだ思考回路が何を弾き出したのか知らねーがそうじゃねーよ。てか、よくカゲが不機嫌にならなかったな。あいつそういう類の冗談は大嫌いだろ」

 

 俺この店に入ってから一度も冗談なんて言ってないはずなんだけど、さっきから何の話をされてるんだろうか。

 

「……え? いやマジで? ああいやでも本当に好意だけだとあの反応になるのか?」

 

 仁礼が難しい顔をして唸りはじめた。俺が豚玉かイカ玉か悩んでるときみてーだな。あ、もしかして。

 

「俺がカゲさんに愛の告白したと思って妬いてるの? カゲさんは頼れる先輩だけどあるのは友情だよ? 心配なら今からヒカリちゃんに告るよ俺」

 

 それならそうと言ってくれればいいのに。多感なお年頃なのだろう。こういう時は汚れ役を引き受けるのが男というものだ。

 

「手酷くこき下ろして振ってもいいなら、どーぞ勝手にやっててくれ」

 

「ヒカリちゃんにコキおろされるか。悪くない」

 

「死ね。できるだけ粘らず疾く死ね」

 

 ひどい!なんで気を遣ったのに罵倒されにゃならんのだ!

 

「いっぺん気の遣い方ってのを弓場隊に教わってきたほうがいいんじゃねーか」

 

 弓場隊のノリは嫌いじゃないけど藤丸さんの大胆な視線誘導で集中力が乱れるんだよなぁ。弓場さんのことはリスペクトしてるけど。主に口調とか。

 

「そういう事ばっか言ってるから女性連中に冷たい目で見られるんだぞ。特にののさんの話題なんてクラスで絶対にするなよ? 血を見ることになるぞ」

 

 ……オペレーターの子達、なんかステゴロの技術が凄い勢いで上達してるもんね。あれトリオン差がなければ皆レイガスト(拳)で攻撃手やれるよ。

 

「蓮さんの上段回し蹴りでお前のトリオン体、壁にめり込んでたもんな」

 

「おいお前らアホな話ばっかしてんなよ。ほれ、焼いてやっから鉄板から顔離せ。」

 

 カゲさんが戻ってきて鉄板に生地を流してくれる。……ん?

 

「カゲさん。俺が頼んだの豚玉だよ? これどうみてもスペシャルとかミックスみたいなやつじゃん」

 

 豚、イカ、エビ、ホタテと具材もりもりである。

 

「常連客へのサービスだ。今後とも御贔屓に」

 

 ……は?イケメンかよ。惚れてまうやろ。

 

「何だかよく分かんねーけど青春だなー。どうせならゾエ達も呼ぶか」

 

 ああ、それはいいね。最近は凍てつくような冷気ばかり受けてた気がするから、鉄板の熱が身に染みるぜ。




竹尾 清志PROFILE4
サイドエフェクトは『死線投影体質』。自身に迫りくる危険を第六感が感知して視覚に投影する。
危険な攻撃の予兆ほど視覚に赤く映る。このサイドエフェクトがあるためボーダーでも随一の防御・回避能力を有しており、不意打ちできないため撃破が非常に困難になっている。
最近感度が上がってきており、車や起動してない防衛機構にも反応するため本部基地付近にいると視界が真っ赤に染まり大変邪魔。

・ヒカリちゃんは世話を焼く姉目線でキリッとしてれば言うことないと評価だだ甘だが、他の女性陣は言いたいことが山ほどある。
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