東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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無知とは恐ろしいもの

危険なものを知らず危険へと足を踏み入れてしまう


狐ファミリーと里の神様

side暦

 

しばらく歩いていると森の外へ出る...

 

目の前には大きな草原が広がり遠くに集落のようなものがあり中には人の気配も感じる...

 

「村かぁ...良かった誰かいるみたいだ...」

 

私は自分の姿を確認する...

 

今の私は人間と狐の姿が混じっている存在だ...集落に入って人に驚かれないだろうか?

 

「...しまったな~!これ...引っ込まないかな...」

 

耳を触ったり尾を弄っていると耳と尾が消える...

 

なるほど...この耳や尾は消すことができるのか!

 

 

 

 

 

「フム...この体も色々とできるみたいだ...さてこれで集落に...」

 

私たちは草原を抜けて集落へ進み入り口を確認する...

 

入り口には防人が2人おり何やら険しい顔をしている...

 

「見張りか...とりあえずここはどこか聞かないとね!」

 

門の方へ近づくと防人の1人が私に気づく...

 

 

 

「何者だ!」

 

防人は私に槍を向ける...何故に!?

 

私は両手を上げる...

 

「え?ちょっ!?私怪しい者では!!」

 

「大和の国間者かもしれん...洩矢様に伝えなくては!こいつを牢に入れろ!」

 

「は...話くらい聞いてよぉ~!」

 

私は2人に腕を掴まれて集落の中へ連行される...

 

 

 

「入れ...」

 

「はい...」

 

集落の端にある建物はどうやら牢屋になっているようだ...

 

私は牢に入った後おとなしく簀子の上に座る...

 

「弱ったな~何も悪い事してないのにねぇ~」

 

「「「「「キューン!」」」」」

 

子狐たちは私の近くに擦り寄ってくる...

 

私たち全員が牢に入れられたわけだけど...

 

一体何が何やら、大和の間者とか言われていたがそれ以前に大和って何?って感じだよ...

 

だがこうして捕まってしまったしもう姿を偽る必要はないか...

 

耳と尾を元に戻すと牢の外にいる防人が叫び声を上げる...

 

「ひぃ!こ...こいつ妖怪か!ば...化け物!」

 

「うるさいな...随分と失礼な言い方を...ん?」

 

外の扉を開く音がする...誰か入って来たのかな?

 

 

 

「ご苦労様...大和の間者を捕まえたって本当?」

 

牢の前に金色の髪をした少女が現れる...

 

薄紫色の着物に何やら茶色の目玉のような帽子をつけている...何で子供がこんなところに?

 

「も...洩矢様!間者が化け物に化けたー!」

 

防人は少女の方へ逃げる...全く大の大人が情けない...この少女に様付け?

 

洩矢様ねぇ...さっきの防人も洩矢様とか言っていたけど...この子は一体?

 

 

「へぇ~狐の妖怪かぁ...9本も尻尾が生えているねぇ~」

 

少女は牢の前に座り私を観察する...

 

「「「「「グルルルル...」」」」」

 

私の子狐達は毛を逆立たせて少女を威嚇する...

 

「も...洩矢様...危ないのでは?」

 

防人はビクビクしながら私を見ている...少女は二ヘラっと笑って手を振る...

 

「大丈夫~この人と2人きりにしてくれないかな~?」

 

少女の言葉に防人は逃げるように外へ出ていき少女は再び私の方へ顔を向ける...

 

 

 

 

 

「さて!これで話し合えるね!貴女名前は?」

 

「大神暦...」

 

私が名前をつぶやくと少女は頷く

 

「暦ねぇ...良い名前だ...私の名は洩矢諏訪子...この国の神をしているよ!」

 

「へ~...神ね~...?神?」

 

予測していなかった言葉を聞き私は変に声を高くしてしまい狐達は私の声に驚く...

 

諏訪子は不思議そうに私を見つめる

 

「オーバーだね...そんな声あげなくとも...」

 

「いや!子供じゃない!軽く神を言われても私だって驚くよ?」

 

諏訪子は頬を膨らませる

 

「...人を見かけで判断しない方がいいよ」

 

「え?」

 

諏訪湖の体から何やらオーラのようなものが流れ始め、強い力と威圧するような圧倒的な気の流れが辺りを包む...

 

「「「「「キュ~ン!!」」」」」

 

子狐達は私の後ろへと逃げてくる...この子達にも分かったようだ全員怯えている...

 

 

 

 

 

「ざっと私の力はこんなもの...どう?信じた?」

 

「うん!信じた!貴女は神!!帰ってもいいですか!?」

 

「駄目だよ~!お前は大和の間者かもしれない疑いがあるんだ...」

 

「大和って!何!?」

 

「...この国を奪おうとする人達のことだよ...近々戦争になるかもしれないからこの村の警備を高くしていたんだけど」

 

戦争!?国を奪おうとする人たちと戦争!?

 

まずいとんでもないところへ来てしまった!!

 

「せ...戦争!?そんな!私は逃げるよ!」

 

「いや...だから駄目だって!仮にここから逃げたとしても大和の連中に見つかったら殺されるよ...」

 

「そんなー!」

 

諏訪子は私の顔を見て笑う...

 

 

「まぁ...大丈夫...しばらくお前はこの村に軟禁させてもらうよ...まぁ大和の者でないにしろ貴重な戦力になるかもだし...」

 

ちょっと...この子とんでもない事を口走ったよ!!

 

「戦力って!私はさっき目覚めたばかりだし戦ったことなんて一度もないよ!!私のようなゴミクズ戦力にならないし何の役にも!!!」

 

「...私が消してあげてもいいんだよ?」

 

諏訪子がニッコリと笑い私は反論をやめる...

 

あ...駄目だどっちにしろ私死ぬわ...

 

「じゃあまた来るね!村人にはお前が無害だってことを言っておくからさ~!」

 

諏訪子は外に出て私は牢にポツンと残る...

 

「「「「「キューン?」」」」」

 

子狐達が私を心配そうに見る...

 

「...大丈夫...泣いてないよ...頑張るよ...私」

 

 

 

 

 




本編ではまだ出ていない諏訪子様の登場でした!

ではこれにて
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