毒霧が晴れ始め草原には倒れている華楠と幽香の2名がいた...
華楠の毒霧は両者の肉体を蝕んだが華楠は生命エネルギーを操る木行の妖狐であり自身が死んだところですぐに生き返ってしまうのだ...
しばらくすると華楠の心臓が動きだし彼女は目を開けて立ち上がる
side華楠
「っ...げほげほ!!...ふぅ...」
流石は私の作った猛毒だ...
不死である私の意識が簡単に飛んでしまった...
複雑な調合配分だ血清も効かないだろう...
私は倒れている風見幽香を見る
この私と渡り合える数少ない妖怪であり私を始めて三途の川送りにした者でもある...
彼女との戦いが終わってしまったのは心残りがあるが仕方ない...
彼女なら私を...
「...考えていても仕方ないな...さて急いで神社へ戻らなくては...」
私は彼女に背を向けて神社へ歩を進める...
残りは八雲紫か...潤香1人ではきつそうだな...
「なめんじゃ...ないわよ!!」
「!!?ぐはぁ!!」
背後から来た攻撃を受け私は前方の神社の方まで吹き飛び木にぶつかる...
「けほ...今のは少し危なかったわね...」
「...馬鹿な?」
衝撃が来た方向を見ると幽香が立っていた...
私の毒を受けたというのに立ち上がるとは一体何が起きた!?
「なぜ?私の毒を受けて立ってられる?」
「貴女の毒はそれなりに効いたわよ...でもね私も2度は負けてられないの...貴女の毒は気合で何とかしたわ!!」
彼女の体から濃厚な妖気が流れている...
「...」
今まで感じたことが無い量だ...
まさか体の中の妖気が毒を中和したというのか?
私としてもこれは予想外だ...
「ちっ!」
「させるわけないじゃない!!」
懐からアンプルを出そうとするが木の枝が私に絡みつき私は木に磔にされる...
「!?何故...」
「私の能力は(植物を操る程度の能力)よ!これで貴女の動きは封じたわ!!」
幽香は素早く私に近づき傘を私の胸に刺す...
「ごほ!ぐっ...ぐっ!!」
「貴女が不死なら私は死ぬまで貴女を殺すだけよ!!」
幽香は返り血を浴びながら攻撃を続けていく...
この状況はマズイな...
不死とはいえ痛みつけられるのは私としても嫌だし...
身動きが取れないため反撃すらままならない...
後がいるから余力は残しておきたいし薬も出来る限り温存しておきたい...
そろそろ日が暮れてしまう...私も本気で行くか...
side幽香
「!」
濃厚な力を感じ私は背後へと飛ぶ...
華楠の方は不敵な笑みを浮かべており彼女の体から妖気が流れ始めている...
「ふふふ...全く君には恐れ入るよ...大神家最強の私を本気にさせようとしているのだからな...」
華楠は尾を動かして口から垂れた血を拭う...
態度からしてまだ余裕がある...
木によって身動きが封じられているというのに...何かあるというの?
「隠した力でもあるのかしら?」
「ああ...君に見せてあげよう...私の覚醒九尾の姿をな!!」
華楠の妖気が急激に高まり彼女の体が変化し始める
彼女の体は巨大な妖狐の姿になり緑色のつややかな体毛は電気を帯びている...
その体は彼女の動きを封じていた木を破壊し彼女はゆっくりと地面に立つ...
彼女の9本の尾は花のように広がって甘い匂いを発しており華楠は目をゆっくりと開ける
「さて...本気でいくぞ...幽香」
華楠は尾を振り回して私を攻撃する...
私はとっさにガードするが反動を逃がしきれずに元の草原に弾き飛ばされる...
前より威力が高いわね...
これが彼女の切り札というわけか...
こっちも面白くなってきたわ!!
「やるじゃない!!では私も!ダブルマスタースパーク!!」
私は両手を使いマスタースパークを放つ...
私も本気よ...妖力使い切る気でいかないと彼女を倒すことができない気がする...
華楠も9本の尾を私の方を向けて雷撃を放っていく...
「私の最高電圧だ...受けろ」
「私は負けるわけにはいかないわ!!」
2つの力は互いにぶつかり合いエネルギーを辺りに散らばせる...
私の最大出力だというのに何てこと...
「さて...これは消耗戦になるようだな」
「くっ!」
私は片手のマスタースパークを中止し彼女の攻撃を避けて横にそれる...
これなら彼女の体の側面はがら空き...渾身の一撃を与えれば!!
私はもう片方の手でマスタースパークを放ち彼女の体を撃つ...
「ぐっ...」
華楠はひるむが体勢を元に戻すと彼女の体毛が光だし受けた傷を回復させる...
さっきと比べて回復スピードが速い!!
「そんな...」
「...とっさの判断だが...私には無意味だ...幽香」
華楠は尾を私に向けて雷撃を撃つ
私はそれを避けられずそれを浴びる...
「ああああああっ!!!ぐ...」
雷撃がおさまり私はその場に崩れる...
幸い華楠は追撃することもなく私を見るだけ...
強者の余裕というわけか...
「またっ!...なめんじゃないわ!!」
私は起き上がり彼女へ向け傘を投げる...
傘は華楠の前足に刺さるが彼女はそれを口に咥えて引っこ抜き傷口を舐めるだけだ...
彼女のあの再生能力は脅威すぎる...
幾らダメージを与えようが彼女には無意味...
彼女を倒す方法何て無いのかしら?
「?」
華楠の前足をよく見ると先ほどの傷が治りきっていない?
彼女が直すのを忘れた?
いや...傷口を舐めていたのだから気付いていないわけない...
ちょっと試してみようかしら?
私は不意打ちで光弾を彼女へ放つ
「む...」
華楠は尾で光弾を弾くが何個かの光弾が彼女の体に被弾する
「...」
彼女の体を観察すると彼女の体毛が鈍く発光し傷を治していくがいくつか治りきっていない個所がある...
もしかして...彼女の不死というのも何かの発生条件があるのかしら?
そういえば以前戦った時も不審な行動をしたわね...
あの時の戦いは確か...
彼女は私に止めを刺す時に急に攻撃を中止して空を見上げていた...
何故空を見た?
あの時は夕日が沈み始めて辺りが薄暗くなっていた...
その時の彼女が言った言葉は...
(...時間か)
「...」
何となく彼女の能力の秘密がわかった気がする...
あれならばあの時の謎の行動も説明がつくわ...
ちょっとカマをかけてみようかしら?
「植物の光合成と同じ...それが貴女の不死の秘密というわけね...」
華楠は驚いた顔をするが淡々と話す
「そう...私の不死の能力は植物と同じように外部から日光・養分を取り入れて自分の体に貯蔵しエネルギーとするものだ...良くわかったな?」
「...只カマをかけただけよ...ぺらぺら話してくれて助かるわ」
「っ~!」
華楠は顔を真っ赤にし辺りに電撃を散らばせる
「だが...私を殺せるのは母さんのみ...君に私が倒せるわけないだろう?」
「貴女は悠長なのよ...あまり人を見くびっていると痛い目に合うわよ?さぁ!続きを始めましょう!」
私は華楠と対峙する
彼女の不死の能力が完璧でないことはわかった...
なら私に出来ることは彼女が死ぬまで攻撃するだけよ!!
まだ続きます
ではこれにて