東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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華楠編ラストです


死ねぬ者

風見幽香と大神華楠の戦いは最終局面に迫っていた...

 

両者とも体力に限界が来ているが一向に攻撃の手を緩めることはない

 

幽香は傘を槍のように突出し、華楠は2つの扇を使い弾きながら戦いの勢いは増してきている...

 

もはや彼女たちの戦いの勝敗を決めるのは神であっても決めかねるだろう...

 

 

幸運の女神はどちらに微笑むのか...

 

それは誰にも分からない...

 

 

 

 

 

 

side幽香

 

「風見っ!幽香ぁ!!」

 

激昂した華楠は扇を振り回しながら私に攻撃を行う...

 

この扇よく切れるみたい...

 

現在疲弊している私がまともにあたったら危ないわね...

 

でもそれは彼女も同じのはず、再生能力も底が尽き今の彼女は不死ではない...

 

致命傷を後一回与えられたら私の勝ちは確実になる!

 

 

「来なさい!大神!」

 

私は傘で扇を弾き華楠に刺突をするが彼女はそれを寸でのところで回避し私に近づく!

 

「もらった!!」

 

「っ!」

 

華楠の扇の一薙が私に迫る...

 

何とか回避することは出来たがブラウスの胸の部分に亀裂が入る...

 

ちょっと危なかったわ

 

 

 

 

 

 

「浅い...」

 

華楠は大きく後退し今度は扇を投げつけてくる...

 

扇はブーメランのように鋭い軌跡を描いて私の所へ来る...

 

 

「っ!」

 

「中々しぶといな...だが数をこなしていけばいつかは当たる...」

 

華楠は戻って来た扇を受け取り再度攻撃を仕掛ける...

 

どんどん彼女の攻撃スピードが上がり始めている...

 

 

 

 

 

 

「薙ぎ穿て!」

 

2つの扇は地面を削りながら私の方まで飛んでくる...

 

傘を開き扇を弾くが彼女はまた扇を受け取り再度攻撃を仕掛ける...

 

 

 

 

もう彼女は指定の場所から動こうとしていない...

 

どうやら遠距離攻撃に徹するみたいだ...

 

これで私をなぶり殺しにする算段のようね...

 

「ちっ...これでは近づけないわ」

 

「悪いが...終わりにするぞ」

 

華楠は懐からアンプルを取り出し私の方へ投げ更に扇を投げアンプルを破壊する...

 

 

「!?」

 

辺りに灰色の粉が舞い上がるが何も起きない?

 

 

華楠は不敵な笑みを浮かべて体を放電させる

 

「今は弱々しい放電だが...この距離からでも届くはずだ!」

 

彼女から放たれる微弱な電流は私の方へ向かい舞い上がる粉の中へ入る...

 

 

 

 

「?」

 

「止めだ!」

 

華楠から放たれた微弱な電流は謎の粉に触れた後勢いを増してこちらへくる!?

 

「きゃああああ!」

 

何で?彼女の力は...もうないはず...

 

「液体と同じように粉も電気を通すのさ...殺すほどの電圧はないがこれで終わりだ!」

 

華楠はまた扇を1つ投げる...

 

こんなこと...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side華楠

 

勝った...

 

私は心の中で確信した...

 

 

これで彼女は動くことが出来ない...

 

私の放った扇も彼女の首にまっすぐに向かっている...

 

 

「これで...終わりだ!」

 

私の言葉に彼女は鋭い目を向ける

 

 

「こんなことでッ!終わるわけないじゃない!」

 

彼女は傘をバットのように振り抜き扇を打ち返す?

 

 

 

「な?何?っぐは!!」

 

跳ね返った扇は私の胸に突き刺さる...

 

...まさかの逆転だと?

 

「ぐっ...はっ!」

 

「これで終わりよ!」

 

幽香はまっすぐ傘を突き立てて私に突進してくる?

 

とっさに扇を盾にするが所詮は鉄扇...

 

彼女の傘による刺突を防げるわけもなく、傘は私の腹に突き刺さる...

 

 

 

「ごほ!?」

 

傘を抜こうとするが彼女は力を込めているため腹から抜けない...

 

 

 

...血が溢れる

 

...体が寒くなってくる

 

そんな...私が負ける?

 

 

 

 

...だがこれで良い

 

ようやく終わることができるのだから

 

「...鈴音...私もそちらに向かう」

 

「...」

 

幽香が腹から傘を引き抜き鮮血が噴水のように溢れ体に力が入らなくなり崩れ落ちる...

 

これで良い...

 

やはり君が私を終わらせてくれるのだな...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???

 

とある空間

 

暦と天の声は死闘を行っていた

 

暦による剣撃は天の声を切り裂こうとするが天の声は笑いながらそれを紙一重で避けていく...

 

まるで何もかも見透かしているように...

 

 

 

 

 

 

 

side暦

 

「何で?何で?」

 

あの黒いモヤに一太刀も与えることができない!

 

必死にやっているのに何で?

 

黒いモヤはケタケタ笑いながらゆっくり私との距離を詰めていく

 

 

「全て遅いねぇ...止まって見えるわぁ」

 

「舐めるなぁ!!」

 

私はコインを大量に投擲する...

 

私の運を最大にしたものだ!

 

1つでも触れれば只では済まないはず!

 

幸いここは部屋が狭い!これは避けれないはず!

 

 

 

 

「あらら?これは場所的に避けれないね...でも遅い」

 

彼女はコインの嵐を怯むことなく避けていき、あっという間に私の目の前に現れる!

 

「な!?」

 

「ホラホラ?もっと足掻かないと」

 

だが彼女は追撃せずにその場をうろうろするだけだ

 

 

一体何なの?こいつは!?

 

今になって考えてみるとこいつの力には違和感がある

 

私の力を元に戻しただけではなく、私の攻撃を見切り避ける程の高い戦闘を持っているみたいだが...今の無駄な動きを見る限り、手加減されている気がする...

 

「手加減してるの?」

 

「あら?バレた?」

 

モヤはわざとらしい声を出す

 

 

 

「気になったんだけど、私の力を戻したのは貴女の能力なの?」

 

私の問いにモヤは首を横に振る

 

「いや?それはこれのお陰」

 

黒いモヤは銀色の書を私に見せる

 

「アタシ様が寝る暇を惜しんで書いたアンタという存在のデータ...これでアンタの一番強い状態を具現化したに過ぎない...まぁアタシの物じゃないけどね」

 

私のデータ?

 

ということはこの姿は月面戦争の私の完全体を模したというわけか

 

 

 

 

「わざわざどうも!しかし余裕だね?敵である私を強くするなんて」

 

 

「ああ!?ああ...だってアタシが手加減できないのよねぇ...そうでもしないと弱いアンタじゃ消しかねないからね」

 

「!?」

 

 

「さてこちらの番だ...暴れるよ」

 

モヤは私の目の前に現れ拳を放つ

 

 

「ちっ!」

 

私は剣でそれを弾き彼女を切りつける

 

 

 

 

 

「遅い...」

 

彼女は私の剣の切っ先を指で摘まんで容易く止める!?

 

「!?」

 

「本気の一発!」

 

彼女からの掌底を鳩尾にくらい私はうずくまる...

 

「げほ!?ごほぉ」

 

息ができない!

 

次の備えないといけないのに!

 

モヤは私の顔を見てせせら笑う

 

 

 

 

 

「あら?耐えた?じゃあこれ」

 

彼女の腕から鎖が飛び出し私の体に絡みつく!!

 

「な...何なの!?」

 

「これでアンタは終わり...バイバイ♪」

 

彼女の鎖がどんどん私の体を締め付けていく!

 

「が!!!待って!た...助けて!!...っ!」

 

「苦しいでしょ?この鎖はどんな獣でも逃れることはできないわ...さぁ...アンタの顔をよく見せて」

 

黒いモヤの顔が間近に迫る

 

一瞬だけどこいつの素顔が見れた...

 

何て残虐な笑みを浮かべているのだろう

 

 

苦しい...もう...意識が...

 

頭の中が白くなり始め、力が入らなくなる

 

そして頭の中では走馬灯のごとく永琳が私を捨てたあの時の光景が過ぎる

 

そこには私を気絶させたときの彼女の表情...

 

 

 

 

 

 

 

 

(ごめんねっ!暦!!)

 

彼女は泣いていた...

 

私を抱きしめながら泣いていた...

 

まさかあのことは彼女の本意ではなかった?

 

では...私がしたことは...

 

 

 

 

「...ははは...何だ...馬鹿みたい」

 

全て思い出してしまった...

 

何だ...私は勝手に思い込んだだけだったんだ

 

あの戦争は何だったの?

 

ふふふふ!!

 

娘が傷ついたのも私の力が無くなったのも...

 

全て私の自業自得か...

 

 

 

「...疲れた」

 

抵抗をやめ私は意識を手放す

 




次回華楠編・???編ラスト


そして大神神社侵入編です

ではこれにて
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