その他もろもろ終了です
幽香と華楠の戦いは幽香に軍配が上がり戦いは終結に向かった...
幽香は勝利を完全に確信し笑みを浮かべるがしばらくして倒れている華楠の方へとゆっくり向かい近くにしゃがみ込む...
華楠は血にまみれているがまだ生きており、荒い息を吐きながら彼女の方を見つめていた...
side幽香
足元に倒れている華楠は血だまりの中でもまだ生きている...
しかし彼女はもう妖力を使い果たし能力が使えない...
これだけの重症...もう何もしなくても彼女は...
華楠を眺めていると彼女はいつもの険しい表情を崩して柔和な笑みを浮かべる...
もう死ぬというのに何故?
「...はぁ...はぁ...全て終わったか...」
彼女は血を吐きながら仰向けになり胸に刺さった扇を抜き息を大きく吸う...
「...随分と嬉しそうねこれから死ぬというのに」
「ふふ...長い時を生きたからな...ずっとこの時が楽しみだったんだ...」
「?」
死を楽しみにしていた?
確かに彼女は不死だけど...考えていることが理解できないわ...
彼女は更に話を続ける
「これで死んだ友人と会えるのだからな...楽しみに決まっているだろう?」
「....友人?」
「ああ...人間のな」
人間の友達?
成程ね...確かに妖怪の寿命と人間の寿命には違いがあり過ぎる...
大事な人に先立たれ彼女は取り残されたのか...
華楠はやすらかな笑みを浮かべる...
「...やっとあの世にいる友人に会えるというものだ...礼を言うぞ風見幽香」
「っ!」
...結局彼女の思いのままにされてしまうとは!
このままコケにされてるわけにはいかないわ!!
私は華楠の体に手を当てて自分のなけなしの妖気を分け与える...
もちろん彼女は笑みを崩して驚きの表情を私に向ける
「な...何で?こんな...」
「只の嫌がらせ...死にたいと思ってるなら逆のことをしてあげるわ」
「貴様っ!」
彼女は凄むがすぐに効果が表れた...
華楠の傷が回復し始めて血が止まり始め、彼女はその光景を見て諦めに似た表情を浮かべる
「...死に損なった...か...」
そのまま彼女は目を閉じ力なく地に臥す...
「...これで満足ね...ふぅ」
脱力感が凄まじいわ...
華楠に妖気を与えた所為かしら?
まぁいいか...やっとイライラが消えたもの...
これで貴女との戦いの戦歴はイーブンよ...
今度も私が勝たせてもらうわよ
私も彼女の体に寄りかかり目を閉じる...
残りの大神家?
どうでもいい...後は任せたわ
???
謎の空間...
大量の本棚がある真っ白な部屋...
その中央では鎖に締め付けられ気絶している大神暦とその光景を面白いがっている黒いモヤはがいた...
彼女は気絶した暦の頬をぺしぺし叩く...
(もしも~し!生きてますか~?)
「げほ!!ごほっ!!」
暦が意識を取り戻して吐血しているのを黒いモヤは観察するように見ると椅子に座り直して銀色の書に筆を進めていく...
(処刑完了...これでならもう余計なことはしないでしょ...)
「うっ...」
倒れている暦の体が光りだし、彼女の体の傷は元通りに綺麗に治癒していく...
そして五行カラーの髪はまた白い髪に戻り体は子供の姿に戻っていく...
(...やっぱり短期間が限界か...自分で何とかしてよぉ?)
「...」
暦は起き上がり虚空をハイライトのない目で眺めている...
黒いモヤは暦の前に移動する
(あれ?大丈夫~?やりすぎたかなぁ?)
黒いモヤは手を暦の前で振るが彼女は反応を示さないかわりに目から大粒の涙を流していく...
(ありゃ?)
「...スン...スン...ごめんね永琳...私は...」
暦が泣くことが予想外だったのかモヤは辺りを落ち着かないように右往左往するが慌てて本に筆を進める...
(あ~!もう!元の世界に戻してあげっから!泣くなっての!!)
「...すんすんすん」
暦の姿は消え部屋には黒いモヤだけが残る
彼女は深くため息をついて机の方へ向かう
(はー...疲れた...全く楽じゃないよぉ...いてて)
黒いモヤは机に置いてあった錠剤を大量に口に含む...
そして一瞬彼女の姿が別の姿になるが彼女は気にせず書をめくる
(ぐぐ...古傷が...げほ...さて...そろそろあいつの出番かな?アタシの役目は後僅かね)
そして彼女はまた執筆活動を再開する
side暦
「...」
目を覚ますと大神家の自室の天井が目に映る...
あいつは一体何だったのだろうか?
でもどうでも良くなってしまった
今後の大神家のことすらどうでも良い...
「とりあえず...娘の問題だけでも解決しないと」
...パッと感じると潤香以外の子が全員やられてしまったようだ
崩壊しかけてるわ...
「もう降参...降参」
布団から身を起こすと屋敷の前に大きな妖気を2つ感じる...
来たか妖怪の賢者め
「...」
私は玄関の方へ向かう...
大神神社...
その神社の前には八雲紫・八雲藍がそこにいた...
彼女たちは辺りを警戒しながら歩を進めていく...
物語の終わりはもう近い...
side紫
「ここね」
私たちは神社の中へ侵入し巨大な橋の前に立ち止まる...
「どうしました?紫様?」
...警備が薄すぎる
残る大神は2人のはずだけどそれらが来る気配がない...
それどころか霧も晴れているし...一体何が起きているの?
「いえ...進みましょう...一層気を付けていくようにね」
私たちは神社目指して橋を進んでいく
そしてしばらくすると和風の屋敷が目の前に現れる...
ここに暦が...
「永かったわね...」
「ええ...本当に...?紫様!あれを!」
よそ見していた藍が橋の下の大きな池を指差す...
そこには池に浮いている大神潤香の姿...
気絶しているのか只浮いているだけだ...一体ここで何が起きたの?
「藍...彼女を回収してあげて」
「ええ!?...分かりました」
藍はしぶしぶと池の中に入り潤香を抱える...
そして屋敷の前に彼女を寝かせようとすると彼女が跳ね起きる
「ここは!!っ!」
彼女は背中を押さえる...
「大丈夫かしら?」
潤香は私たちに気づき諦めたようにそのまま起き上がり戸の前につく
「どうやら...私たちの元まで来れたみたいですね...」
「ええ...暦に会える?それともあなたも私たちと戦うかしら?」
潤香は首を縦に振る
「まだ...お母様は床についています...おそらく会話は無理でしょう...」
「ということは?」
「戦いは行いますよ...ですが私も先ほどきつい攻撃を受けてしまいましてね...貴女たち2人相手は分が悪い...本当は姿を晒すのも嫌ですが...致し方ありません!」
潤香の体に妖気が溜まり始める...
いきなり覚醒九尾か...
「藍...準備して...」
「ええ...分かっています」
私と藍が戦闘態勢になると潤香の後ろの戸が開く
「潤香...やめて...」
「!?」
私たちが戸を見るとそこには子供の姿の暦がいた...
金色だった髪は白くなっており以前と比べて力が弱くなっているように見える
「お母様!?動いてはダメです!!」
潤香が変化を中断し暦に駆け寄るが暦は彼女の頭を撫でるだけ...
「大丈夫...紫達入ってきなよ...お茶くらいは出すからさ」
そのまま暦は潤香を連れて中に入ってしまう...
彼女にしてはやる気が見られないけど?
「罠ですかね」
「いえ...それも感じられないわとりあえず入りましょう」
私達も中へお邪魔する
彼女の心境の変化も気になるし丁度良いわ
今の彼女なら私の言葉に耳を傾けてくれるかしら?
この章も終了です
ではこれにて