結界大戦争から3時間という時が経過し賛成派により反対派の妖怪が殲滅され戦争は幕を閉じた...
これで幻想郷の創造は決定的なものとなった...
八雲紫は勝利の余韻を噛みしめ皆が神社の方へ戻って来るのを楽しみに待っていた...
楽園が創造されると同時に別れが始まることを彼女はまだ知らない...
side紫
「...やったわ!!」
私は神社の境内から麓の戦場を眺めていた...
麓の戦場はすでに鎮静化しており争うような音も聞こえない...
大神に博麗がいるのだもの...
戦況を見なくても結果は分かっているわ...
これでこの戦いも私たちの勝ちで終わりを迎えた...
「長かったわ...」
目からこみあげる涙を我慢して私は皆が帰ってくるのを待つ...
しばらくすると博麗の巫女が一番乗りで境内に戻ってくる
「終わったなスキマ妖怪よ...」
「ええ...貴女たちの協力があったからよこれで幻想郷の存在は確定的なものとなったわ」
巫女は薄ら頬を赤めるが顔を背ける...
「ふん...私も漸く隠居が出来るものよ」
彼女は伸びをして神社の中へと入っていった...
「素直じゃないわね...あら?」
次は大神家の娘四人...
全員が無傷だが目が死んでいる気がする...
「貴方達...ご苦労さま...?どうしたの?」
「終わったな...役目がな」
「これでやっと消えれるわ...」
華楠は溜息交じりに言い境奈が続ける...
何かしら?すごい嫌な予感がする
「だから...どうしたの?」
「新たな...目的が見つかった...ただそれだけだよ」
「私たちもやっと目標が見つかっただけですよ」
銖理はボーっと返事をし潤香は無理笑って答える...
一体どうしたというの?
暗いオーラを出している彼女達の相手をしていると暦と藍・煌炉が帰ってくる
やっとまともなのが来たと私は一瞬安堵して彼女達を見るが...
しかし煌炉は大怪我をして気を失っており藍の背におぶさっている...
藍は煌炉の状態に錯乱でもしているのか冷や汗をかいている...
「煌炉ー!!」
私は彼女たちに近寄るが暦は私に手を振る...
「紫~待たせたね!」
「暦!何があったの!?煌炉が!」
暦は煌炉の頭を撫でる
「藍をかばって怪我しただけよ...大丈夫...この子は頑丈だからさ」
「...煌炉」
藍は心配そうに煌炉の方を振り向いている...
後で藍に詳しい話しを聞く必要があるみたいね...
それよりもこの大神家の心変わりは以上すぎる...
娘は暗くなっているし、当主である暦は吹っ切れたように明るくなっているし!
「ちょっと!暦!何なのよ!勝ったのにこの子達の暗いオーラは!」
私は娘たちを指差すと藍が反応する
「そ...それは」
「?」
...何か言い辛そうだ
藍は何か知っているのかしら?
藍が次の言葉を発する前に暦が話す
「それもそうだよ...だって大神家はこれをもって解散するからさ?」
「!?解散?」
...大神家が解散?
何で急に?
「な...何故?」
「至って簡単だよ...これから私たちは自分探しの旅をするって訳...幻想郷には行かないよ?」
暦はこれからの未来を楽しみにしているのか笑い、娘たちは虚空を見ている
そして暦は急に私の方を見ながら煌炉を撫でる
「私たちはいなくなるけどさ...この子のこと頼んだよ紫...」
「...ええ...残念だけど」
私は彼女達の決めたことを反対することは出来なかった...
どうせなら彼女たちも幻想郷の住民として暮らしてもらいたかったのに...
「じゃあ私たちはこれで...大神家...解散!」
暦が号令をかけると暦達の姿は霧に包まれていなくなる...
私たちがしばらくボッーとしていると神社の中から巫女が出てくる...
「勝利の酒...あら?あの狐共は?」
「...」
「...」
私たちは巫女の言葉に反応することもなく空を眺めていた...
その日の夜 博麗神社にて
side藍
「...今回の煌炉の怪我は貴女に責任があるわ...藍...」
「...分かっています」
現在博麗神社の居間にて私は紫様から説教を受けていた...
まぁ...本人もそこまで怒ってはいないが...煌炉の奴がこうなったのも私の無茶な戦いに原因がある...
...やはり心にくるな
「紫...そこまで怒らんでもいいだろ?」
酩酊状態の巫女は半笑いで紫様に言うが紫様は溜息をつく...
「怒ってはないわよ...怒る気分でもないし」
「そうか?機嫌が悪そうに見えるが?」
「怒ってない!」
紫様は巫女の方を振り向く
その顔は見えないが巫女が後ずさりするのを見るとすごいのだろう...
「...あの狐どもが消えたことか?私も残念だぞ?あの狐の当主とは良い酒が飲めそうだったからな...」
「もう寝るわ...お休み...藍...煌炉の看病宜しく」
紫様はスキマの中に入り巫女酒の飲み干す
「つれないな...まぁいいか...私も寝よ」
巫女も頭を掻きながら寝床の方へ向かっていく...
「...私の失態か」
私はその場を離れ煌炉が寝ている離れの方へ向かう...
煌炉の大怪我の事もあるが大神家の解散のことも今後に影響が出てくるだろう...
正直不安だ...味方がいなくなるというのもな...
私は離れの部屋の戸を開けて中に入る...
中には布団の中で眠りについている煌炉がいる...
規則正しい寝息を立てているため特に問題はないようだ...
「...煌炉」
私は布団の傍に座り彼女の手を握る...
私が煌炉を嫌っているのを知っているのに身を挺してこいつは私を守ってくれた...
私は何という愚か者だろうか...
私が都を追われている時だって...こいつが私を殺さなかったから今の私があるんじゃないか!!
「...ぐすっ」
...後悔の涙が出てくる
こいつにもしものことがあったら私はっ!!
「...ん?」
「!!」
しばらくすると煌炉が目を覚まし私の方をジッと見る...
「藍?ここは...」
煌炉は辺りをキョロキョロと見回している...
良かった...目を覚ました...
「っ!」
安堵からか私は彼女の体に抱き着く
煌炉は私の行動に驚いたのか私をジッと見つめる
「どうしたの藍?」
「...しばらくこのままでいさせてくれ」
「...分かった」
煌炉は私の頭を優しく撫でてくれる...
温かいな...こいつの体は...
今日は色々なことがあった...
幻想郷の創造の確定・大神家の解散・私の心変わり...
正直めまぐるしいな...
私は気が済むまで彼女の温もりを体で感じていた...
次回時間軸が経過します
ではこれにて