by大神煌炉
side煌炉
色々な屋台を堪能しながら私は藍の様子を見る...
先ほどより笑顔になり彼女も私に対しての警戒心はなくなったようだ...
「えへへへ~」
「~♪楽しんでる?」
「うん♪煌炉しゃま!」
リンゴ飴を舐めながら藍と歩いていると人だかりができ始める...
そろそろ花火の時間か...
「花火が始まるの?」
「ああ...そうみたいだ」
人だかりがどんどん集まり辺りが騒がしくなる...
この人混みは子供の藍にとっては危ないかもな...
「よっと...」
「うわ!」
私は藍を肩車して花火が見えやすいようにする...
彼女は満足そうに私の頭に両手を置く...
「これで花火が良く見えるかも!!」
「そろそろだよ」
リンゴ飴を咥えながらしばらく待っていると遠くから火薬の臭いがしてくる...
そして...
ひゅ~!
ドーン!!
夜空に大きな火の花が咲く...
赤・緑・青など様々な色の花火が打ち上げられて辺りは歓声に包まれる
それにより藍は興奮したように私を見る
「見た!見た?煌炉しゃま!!大きな花火!!」
「ああ...見えてるよ」
燥ぐ藍を見ながら私は夜空に咲く花火を観察することにした...
しかしながら人間の技術はすごいな...
火薬の配合バランスと薬品を使うだけでこのような色彩を表現できるとは...
火を操る私でも色とりどりの火を発火させることは少々難しいものがあるな....
どんどん人が力・知能が高くなっている気がする...
私たち妖怪も立場がなくなって来たな
「煌炉しゃま!花火綺麗だね~!」
「そうだね藍...」
彼女は私の頭に顎をつける
「煌炉しゃまはあんな風に花火は出来るの?」
「...努力すればかな?」
藍は嬉しそうな声を出す
「じゃあ!煌炉しゃまが居ればいつでも見られるね!」
「...」
藍の顔は肩車しているから見えないがおそらく期待に満ちた目を私に向けているのだろう...
藍の今後・結界管理・花火...
今後の課題が増えてしまったな...
どーん!
次の花火が上がり再び歓声が辺りに響く...
「また上がったよ!煌炉しゃま!!」
「うん!まだ沢山あるからゆっくり見よう」
とりあえず今後の課題のことは忘れて今を楽しもうか...
私たちは花火大会が終わるまで夜空に咲く大きな火の花を眺めていた...
帰還八雲家
「楽しかったね~!煌炉しゃま!」
「ん~!そうだね」
屋敷に帰宅して八雲家の居間でゆっくりしている
藍もお祭りに満足したらしく満面の笑みを浮かべて私に甘えてくる...
藍が元に戻ればいいのにと思っていたがこのままでいて欲しいという私の勝手な思いも浮き出てきたところだ...
正直昔よりは改善はしたがまだ藍との仲は微妙なところである...
藍と仲良くしたい...そう思っていたが私がしたことは彼女の幸せな未来を奪ったことだ...
これは私の罪...
永遠に刻んでいかなくては...
藍は私に抱き着き満面の笑みを浮かべる
「煌炉しゃま!今日は一緒に寝よう!!」
「え!?」
まさかの不意打ち...
彼女の方からお願いが来るとは...
「え~と?」
...時計を見ると午後10時になろうとしている
もう眠い時間だなこれは
藍は欠伸をしながら私に擦りつく
「煌炉しゃま...温かい~」
「う...」
微笑ましい光景だが万が一藍が元の姿に戻ったら...
(何でお前が私と一緒に寝てるんだ!!!)尻尾ビンタ!
(げほぉ!!)
という未来しか見えない...
「煌炉しゃま~私眠い~」
「...分かったちょっと待ってて」
私は急いで布団の準備を始める...
「...こんな感じ?」
とりあえず二人分の布団の準備は完了した...
何か...変な感じだがとりあえず何とかなったな...
「煌炉しゃま~!寝よ~!」
満面の笑みで枕を抱えた藍が現れる...
「一応できたよ?」
私は布団の方を指差すと藍は先ほどの笑みを崩して膨れる...
「...違う」
藍は片方の布団を部屋の隅に吹き飛ばす
「!!」
「そしてこれを...」
彼女は枕をを残った布団の上に置く...
「これでOK!」
「...」
一緒に寝ようというのは1つの布団で寝ようということだったのか...
幾らなんでもいらない布団を吹き飛ばすのは無かったんじゃないの?
「煌炉しゃま...寝よ!」
「はい」
...薄ら彼女の笑みに畏怖を覚えた
まるで獲物を狙っているような目つきだったような?
とりあえず私は彼女の言うとおり布団に横になり彼女は私に覆いかぶさる...
「!?」
「うわぁ...温かい~」
藍は私の胸に頬をすりすりして私の体にしがみつく...
...先ほどの畏怖は気の所為か
私は毛布を掛けて藍と一緒に寝ることにした...
「...」
「煌炉しゃま~!」
あれから20分ほどが経過しただろうか?
藍は一向に寝る気配を見せず私に抱き着いている...
藍って...こんなに人懐っこいのかな?
とりあえず彼女の体が冷えないように抱きしめてあげるけど...
この後どうすればいいかわからない...
もし藍がこの状態で元に戻ったら...
(何でお前が私と寝ているんだー!)黄金の右!
(ぎゃああああ!!)
っと言うことになりそうだ!!
正直明日が来るのが非常に怖い...
誰か助けて...
「煌炉...」
藍が私に抱き着きながら身を寄せる...
「ん?どうしたの?」
彼女は私の顔を見ずに胸に顔を押し付ける
「私の事...好き?」
「ん?」
急にどうしたのだろうか?
先ほどとは違い声のトーンが落ちた気がするな...
しかし好きか...
私も随分と懐かれたな
「好きだよ?」
「じゃあ!私の事!ずっと愛してくれるのか?」
藍は私の目を見つめながら言う...
子供にしては力強い目だ...
「ああ...そうだよ?嘘じゃないよ」
藍は私の顔に自身の顔を近づける
「嘘偽りはないんだな?」
「...嘘はつかないよ?」
私の言葉に藍は笑みを浮かべる...
「良かった...安心したこれで心置きなく...」
「元の姿に戻れるというものだ」
「へぇ...そうなの...ん!?」
私が身を起こすと藍の体に変化が起きる
体は大きくなり私の体に覆いかぶさっていたため少し重さも出てくる...
そして大人の女性らしい体つきになり尾は一本から九本に増えていく...
そして藍の体は元通りの八雲藍の姿に変化する...
「ふぅ...子供のふりをするのも大変だな」
彼女は首をゴキゴキ鳴らして自身の耳を撫でる
「え~と...いつから子供のふりを?」
「いつからも何も...子供になってしまった時からだ...」
「...まさか最初からなの?」
...嘘?
体だけではなく精神まで子供になっていると思ったのに!
まさか最初からだったとは...
流石傾国の美女...演技が素晴らしいわ
藍は顔を私に更に近づける
「ああ...精神は最初から同じだ...だが体は小さくなってしまったし元に戻れなかったからな...今やっと力を取り戻して元に戻れたというわけだ...」
彼女が身を起こすと彼女の体が露わになる...
...子供用の導師服が破れてしまったため彼女は全裸になっている
これは流石にもまずいのでは?
「すぐに着替えを!」
私は布団から出ようとするが彼女は私を押さえつける
「待て!お前が消えたら寒いだろうが!!このまま私を温めてくれ...」
藍は私を優しく抱きしめる...
「藍?」
その体は心なしか震えている気がする
「...お前の言葉に嘘偽りがないのなら私を愛してくれ...私もお前を沢山愛してやる」
「藍?私は貴女の敵だよ?」
私の言葉に藍は私を睨む
「...もうそれは終わりだ今日のお前を観察してお前という存在のことを理解した...だから...昔の私のことを忘れてくれっ!」
彼女は私の胸に顔をうずめる
...薄ら私の導師服の胸の部分が濡れてきている気がする
「...分かった...愛してあげる」
私は彼女の体を抱きしめ尾で包む...
彼女が凍えないように震えないように...
彼女の心が温かくなりますように...
というわけで短いですが藍様の子狐編でした!
次回をお楽しみに!
ではこれにて