東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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藍様暴走回...


狐様の慈愛

長い冬が明け...

 

この幻想郷に春が訪れる...

 

暖かな気候となり花々や野生の生き物が活発になる頃とある妖怪も活動し始めていた...

 

そう...幻想郷の母こと八雲紫...

 

彼女は八雲家の自室にて目を覚まし欠伸をする...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side紫

 

「...ふぁぁぁ...やっと春が来たわね」

 

伸びをして私は目を開ける...

 

長い冬眠もやっと終わった...

 

去年の最後の思い出は藍が子供になったことかしら?

 

こうして私が無事に冬を越せたということは彼女達が無事に結界の管理をこなせたということね...

 

これも一安心...

 

外は夕方みたいだ...

 

 

「さて...愛しの我が式神たちに会いに行きましょうか」

 

私は障子を開け部屋の外に出る...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん?」

 

「おはようございます!紫様!!冬眠お疲れさまでした!!」

 

私の目の前には式神である八雲藍が跪いていた...

 

体は元に戻ったみたいだけど何かおかしいわね?

 

 

 

 

 

 

「ええ...おはよう...ところでどうしたのよ?そんなに改まって?」

 

「...」

 

藍は静かに頭を上げる...

 

その眼は真剣そのものだ...

 

「実は紫様にお願いがあります!」

 

彼女からの一言...

 

それは力強く...ことの重大さを感じる...

 

私は彼女の言葉に耳を傾ける

 

「何かしら?」

 

「実は!」

 

藍は私に詰め寄る...

 

彼女の整った顔が私の顔に間近に迫る

 

 

 

 

 

 

 

 

「煌炉を!私に下さい!!!」

 

「...え?」

 

藍の言葉に全身の力が抜ける...

 

煌炉を藍に?

 

ちょっと先が分からないわ

 

「待って...いきなりで分からないわ」

 

藍は力強く拳を握り力説し始める

 

 

 

 

 

 

 

 

「ですから煌炉の式神の権利を私に下さいと言っているのです!」

 

「な...何で急に?彼女と貴女は仲が悪かったじゃない?」

 

藍は私に顔を近づける

 

表情は嫌悪に満ちており今の発言でかなり怒っているようだ...

 

 

「それを...言わないでくださいっ!」

 

どうやら過去のことは禁句のようだ...

 

黙っていよう...

 

「...分かったわよ...で?念のために聞くけど?何で煌炉が欲しいのよ?」

 

藍は目を閉じて拳を再び強く握る...

 

「それは...あ!こんな時間!」

 

彼女は時計を見て居間を飛び出す!

 

現在時刻16:00...

 

何か藍に頼んだかしら?

 

 

 

「ちょっと!藍!」

 

「すみません!時間なので!!」

 

藍を追いかけていくと煌炉の部屋に入っていく...

 

私はそっと部屋を覗く...

 

 

 

 

 

 

 

部屋の中には居眠りをしている煌炉と彼女の頭にひざまくらをして片手に櫛を持って笑みを浮かべている藍の姿...

 

藍は煌炉の結った髪をほどいてその長い髪に櫛を入れていく...

 

「髪の手入れだぞ~♪煌炉~♪」

 

「すぅ...」

 

藍は上機嫌で煌炉の髪に櫛を入れ煌炉は気持ちよさそうに寝息を立てている

 

...いつの間にこの子達仲が良くなったのかしら?

 

 

 

 

 

 

 

 

私はそっと部屋の中に入り藍達を見る

 

藍は私に軽くウインクし口に人差し指を当てる

 

「紫様...煌炉が起きてしまいます...」

 

「...私が寝ている間何があったのよ?」

 

藍は嬉しそうに煌炉の頭を撫でる

 

「こいつは私に温もりをくれたんです...」

 

「?」

 

温もり?

 

一体何があったというのかしら?

 

藍は私が理解できていなかったことを察したのか話を続ける

 

「...こいつは私がどんな姿になっても愛してくれたんです...私を優しく抱きしめてくれて...私にはそれが嬉しかった...」

 

「...」

 

そういえば藍は帝の妻だったわね...

 

まぁ...あれは藍の姿のみを愛してたわけだし彼女が妖怪だと知ってから討伐までかけたものね...

 

愛に飢えている藍にとって全てを愛してくれた煌炉の行動は藍にとっては安らぎだったのかもしれないわね...

 

 

 

「なるほどね...何となく分かるわ」

 

藍は私にガッツポーズをする

 

「だから私は...本気でこいつを愛します!!」

 

「へぇ...そう...うん?」

 

何かちょっと違和感が...

 

私が問いただそうとすると煌炉の耳がピクッと動く

 

 

 

 

 

 

「ふぁぁ...」

 

煌炉が目を覚まし眠たげな目で私を見つめる

 

「煌炉~♪起きたか?」

 

「あら?おはよう!煌炉」

 

「...」

 

煌炉はしばらく私を見つめた後私に向かって手を向ける...

 

そして...

 

 

 

 

 

 

ボン!

 

 

私の前の空間が爆発し私は庭まで吹き飛ぶ...

 

 

 

 

 

 

 

「ぎゃああああ!?煌炉!何をやっているの!ふざけないで~!!」

 

煌炉は鬼のような形相+赤いオーラをまき散らしながら縁側に立ち再度私に向けて手を向ける!!

 

まずい...次の爆発が!

 

「やば!」

 

私はスキマの中に入り転移する...

 

そして先ほど私がいたところを見ると見事に爆散していた...

 

 

 

 

「...速いな」

 

「ちょ...待ってよ!いきなり何よ!?私が何をしたというの!?」

 

煌炉は私を睨む

 

「何をしただぁ?冬眠に入る前に!藍を子供にして逃げやがったじゃないか!!」

 

 

 

 

 

 

 

...うん...何かしてたわ...

 

私の罪を煌炉に押し付けたわね...

 

 

 

 

 

 

 

 

「ちょっ!確かにそれは私が悪かったわ!!でもあれは私にも予想外であって!!」

 

私は必死に弁明するが彼女は聞き入れないのか至近距離まで私に近づき手をかざす

 

鬼の形相...

 

駄目だわ...聞く耳を持っていない...

 

 

 

「安心しろ...抑え目にやるから!」

 

「...あああ」

 

冬眠から覚めて早くも一回休み...

 

今度から軽薄な行動を慎もう...

 

私は観念して目を閉じる

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「こらこら!煌炉!」

 

「っ!?藍?」

 

煌炉の困惑したような声を聴き目を開けると藍が笑みを浮かべながら彼女を抱きかかえている...

 

とりあえず...助かったのかしら?

 

 

藍は煌炉を抱えたまま部屋へと踵を返す

 

「待って!藍!紫を爆破するまで私は!!」

 

「まぁまぁ...そう言うな...それにまだお前のブラッシングは終わってないぞ?」

 

藍は煌炉をなだめながら再び部屋へ戻りブラッシングを開始する

 

 

 

 

「ええ?私は?」

 

私はその場で呆気にとられながら彼女たちを観察する...

 

前と比べて仲は良くなった気がするけど...

 

藍の態度が変わり過ぎている...

 

煌炉の事を愛してやるとか言っていたし...

 

ちょっと妖しい感じが...

 

煌炉も煌炉で薄ら藍に尻に敷かれている感じがするけど...

 

 

 

 

 

 

「ちょっと観察が必要ね!!」

 

私はメモを持って彼女たちの行動を監視することにした!

 

 

 

 

 

 

 

 

17:00

 

夕飯準備...

 

藍と煌炉は台所に立ち夕飯の準備をしているようだ...

 

藍は煌炉に引っ付きながら包丁を動かしている彼女を見ている

 

「...藍近いけど?」

 

「ん~?大丈夫だ!おまえがちゃんとやっているか見ているだけだ!」

 

藍は尻尾を振りながら彼女の肩に顎を乗せる...

 

 

...料理を見るにしてもこれは流石にも近いと思うわ

 

煌炉の方もやり辛そうだし

 

 

「...」

 

私はそっとその場を後にする

 

 

 

 

 

 

 

18:00

 

夕飯

 

皆が居間に集まりちゃぶ台を囲む...

 

本日の料理は焼き魚に野菜炒めなどといったものだ...

 

「煌炉~!あーん♪」

 

「...あーん」

 

藍は相変わらず煌炉に引っ付き彼女に白菜を食べさせている...

 

にしてもくっつきすぎよ!

 

「...」

 

ちゃぶ台を3人で囲んでいるのに藍が煌炉側に寄りすぎているため私が孤立している気がするわ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19:00

 

お風呂

 

「...」

 

夕飯が終わり私は風呂に小さいスキマを開いて中を確認する

 

お風呂場では煌炉が体を洗っており一人のようだ...

 

(藍がいないわね?)

 

スキマで脱衣所を見ると何か人影が見える...

 

「あ...」

 

「煌炉ー!一緒に入ろう!!」

 

私が察する前に扉が開き藍が広場に侵入し煌炉に抱き着く...

 

 

「!?藍?」

 

藍は煌炉を抱き上げそのまま浴槽へと飛び込み浴槽のお湯が激しい水しぶきをあげる...

 

 

「わぷ!?」

 

そしてその水しぶきはスキマを通じて鉄砲水の如く私の顔へと直撃する...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20:00

 

休息時間

 

縁側では寝巻姿の煌炉と藍がお酒を飲みながら夜空を眺めていた...

 

相変わらず藍は煌炉にべったりだ...

 

そして藍は黙って座っている煌炉に向かい合って抱き着く...

 

何というか少しエッチな感じが...

 

「藍?」

 

「...」

 

藍は黙って煌炉の導師服型の寝巻の首のボタンをはずして彼女の首を舐める...

 

「っ!」

 

「んんっ!んぁ...ふふふ!こういうのは初めてか?」

 

藍は煌炉の体に手を回してながら酒を一気飲みし彼女の額にキスをする...

 

「ふふ...後でゆっくり優しく可愛がってやるからな?」

 

「...」

 

煌炉...顔真っ赤だ...

 

藍は妖艶な笑みを浮かべてその場から去る...

 

何か不穏な予感がするわ...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

22:00

 

就寝

 

煌炉の部屋にスキマを開くと煌炉は布団の上で正座をしている...

 

藍はいないようだが何か緊張しているような顔をしている

 

 

そしてしばらくすると戸が開き藍が現れる...

 

彼女は寝巻を乱らせて胸を露出し煌炉を抱きしめる?

 

 

「煌炉...準備はいいな?」

 

「...」

 

煌炉の方は緊張のあまり思考を停止させているみたいだ!

 

まずい!煌炉の貞操のピンチ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでよ!!」

 

スキマから飛び出し私は藍を引き離す

 

「!?紫様?」

 

「...紫?」

 

 

「藍!不純行為は禁止よ!!今日見たけど度が過ぎているわ!!」

 

「...申し訳ありません」

 

藍はしゅんとし耳が垂れる

 

少し落ち込んだみたいだ...

 

 

 

 

「いいこと?貴方達は私の式神よ?一線を越えてしまったらそこに綻びが生まれて指令通りに動けなくなるわ!特に藍!貴女は一番ここでは戦闘力が低いんだから!」

 

「っ」

 

藍は更に落ち込み煌炉の方へとスルスルと近づき後ろに隠れる...

 

その藍を見て煌炉も哀れに思ったのか私を手で制する...

 

 

「もういいだろ?そこまで怒鳴らなくても?」

 

「これは藍のためでもあるのよ?」

 

煌炉は首を横に振る

 

「私の方でコントロールするよ...少し驚いたけど彼女は愛してもらいたい...ただそれだけだと思う」

 

「...」

 

愛してもらいたいか...

 

何となく分かるけど...

 

 

妬けるわね...

 

私だって...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

side藍

 

うう...何ということだ

 

煌炉の後ろで私は今までの行いに後悔する...

 

流石にも行き過ぎたか...

 

思い返してみれば煌炉の奴にとっては迷惑だったかも?

 

「...」

 

紫様は難しそうな顔をしながら私を見つめている...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして小さな溜息をつきスキマの方へと歩みを進める

 

「...後は任せたわ」

 

それだけを言い紫様はスキマの中へと消える

 

折檻だけは回避できたか...

 

そして残ったのは私と煌炉...

 

彼女はわずかに笑みを浮かべて私をそっと抱きしめる

 

動作が凄くぎこちない...

 

「煌炉?」

 

「...今まで戦闘ばかりだったから愛すとかそういうの私よく分からないんだよねどうすればいい?」

 

 

 

 

...それを私に聞くのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

「...」

 

だが悪くないな...

 

彼女なりに私を愛してくれているみたいだ...

 

 

私は抱きしめてくれる彼女に身を任せる...

 

まだこいつのことをあきらめたわけではないが少し焦りすぎていたみたいだ...

 

ゆっくり時間をかけて彼女を愛していこう...

 

 




今年は後どれくらい更新できるだろうか?

ではこれにて
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