外の世界...
それは幻想郷の住民にとってはあまりなじみのない場所だ...
外の世界から幻想郷に入ることはあっても出ることはあまりないのが一般的、故に幻想郷の住民は外のことを知らずに過ごしている者が大半である...
場面は変わりここは日本から遥か東に離れた大海原...
その海の上には巨大な豪華客船がそこにはあった...
洋風な船内には各ヶ国の人間がその身を豪華なスーツ・ドレスを纏いパーティのようなものを開いている...
まさに上流階層の人間のみ参加することが出来る娯楽施設であった...
その船の倉庫にスキマが開き中から幻想郷の母こと八雲紫がひょこっと現れる...
side紫
「さ~て!乗船完了ね!」
倉庫から脱出し私はパーティ会場へと向かう...
こちらの世界に来て早3日...それなりに時間がかかったし早く確認しないとね...
こちらは不法入船した身だけど、ここは豪華な衣装に着飾った人間が多い、私一人が増えても気づかれないわね...
「さてさて...」
パーティ会場を通り抜け、私はとある所へ向かう。
船の階段を降り無機質な廊下の先が私の本命...
この船の豪華なパーティ会場は只の隠れ蓑、この船の本来の目的はこちらのほう...
「さて...ギャンブル場はここね...」
重厚な扉を開けると煌びやかなギャンブル場が眼前に映る...
客は入っており、スロットやトランプなどの賭け事をしているけど、辺りをうろつく黒服が普通のギャンブル場とは違って多い...
明らかに合法なものではないわね...上のパーティ会場を隠れ蓑にしているくらいだし...
「とりあえず確認しないとね...でもここまで来ればどこにいるかわかるけど...」
私はまっすぐ奥のポーカー台へ向かう...
他の台と比べて人は人が多い...
「ああ!また負けた!」←英語
「またの機会をお待ちしております...」←英語
ポーカー台にいるディーラーがお辞儀をした後、老紳士が私の前を通りすぎる...
話しの内容からして負けたみたいね...
今の勝負を見てはいないけど辺りの客もその台から離れ始めている...
さっきの老紳士はそうとうな大敗をしたようだ...
ディーラーの方はリフルシャッフルをしながら鼻歌を歌っているおり機嫌が良さそうだ...
シルクハットを目深にかぶっており顔が見えないが薄ら笑いを浮かべている...
私はその台に座りディーラーと対峙する...
「私もよろしいかしら?」←日本語
「日本語...はいはい喜んでっ!?」
ディーラーは私の顔を見て僅かに後ろに下がるが体勢を崩したのか腕をばたつかせる...
台の裏に回ってみると彼女の足の下には蜜柑の段ボールがあった...
「驚きすぎて足を踏み外さなくてよかったわね...」
「なっ?何でここにいるの?」
かぶっていたシルクハットが床に落ち彼女の素顔が明らかになる...
長い金色の髪に同色の瞳の持ち主...遥か昔...日ノ本で暗躍した妖怪退治屋の当主...
大神暦がそこにはいた...
「お久しぶりね暦...」
「...そうだね...幻想郷創造以来じゃない?」
今の暦は以前と同じ子供の姿...
服装は以前と違い、赤いブレザーに黒のスカートを身に着け身の程ある長い金色の髪をなびかせている...
暦は床に落としたシルクハットをかぶりなおしてトランプをまとめているが蜜柑箱がぐらついているのか立ち辛そうだ...
子供の姿をしているだけあり、この場は場違いに見える...
「にしてもその子供の姿でよくこの仕事に就けたわね?」
「見かけなんて関係ないよ...この世界は実力さえあれば何だってありだもん...」
「ここってあきらかに違法賭博じゃない?」
「...」
私の言葉に暦は表情を崩さずに机のチップをまとめる
「それもかなりの性質の悪い方の...上のパーティ会場なんて只の隠れ蓑...この船のほとんどの収入はここでしょ?」
「鋭いね...貴女が言った通り、ここは裏社会の者が経営する違法賭博場...だから私のような存在でも働けるわけ、まぁ私の趣味でもあるけどね」
暦は辺りに人がいないか確認し誰もいないと分かると彼女は私の傍による
「何で私の職場に?貴女幻想郷の事で忙しかったじゃない!」
「ええ...ちょっと外の世界に用事があってね...3日程お休みをいただいているのよ」
「用事?」
彼女はパラパラとトランプをシャッフルするが表情は曇っている
そろそろ本題に入った方が良さそうね...
「実は貴女達大神を幻想入りさせようと思って来たのよ」
「は?」
暦は手に持ったトランプを盛大にばら撒いた後、台を叩き私を睨む...
「何で??私たちは幻想郷へは行かないと遥か昔に言ったじゃない!?それを破るわけ?それに達って!私だけではなく娘たちも?」
「時代が時代なのよ...この世界は貴女達のような人外が生きるにはあまりにも辛い世界になってしまったからね...」
「他の子だって生活があるのにっ!」
暦はイライラと爪を噛みながら目を泳がす...
ギャンブル好きの彼女でもこの話はポーカーフェイスを崩さざるを得なかったみたいね...
暦だけではなく彼女の娘もこの話に関わるのだから...
「他の大神の居場所を貴女は知っているのかしら?」
「知っているけど教えないよ?私の娘たちもやっと人間社会に溶け込めたのだからね...大体何でこのタイミングで来たのよ?」
「秘密よ♪」
暦に向かってウインクすると彼女はイラッとした表情を私に向ける...
何でしょ...すごく傷つくわ...
そして暦は深く溜息をついて蜜柑箱の踏み台を整える...
「退く気はなさそうね...仕方ないか...」
暦は台にトランプの山を置きチップを10枚を私側に置く?
「これは?」
「そのチップは私からのおごり...紫...ちょっとした勝負をしようよ」
彼女も自分の所にチップを10枚置いて身を乗り出す
「勝負?」
「私たちの幻想入りを分ける勝負というわけ...私に勝てば何でも言う事を聞いてあげるよ...その代わり私が勝ったら今後一切私にも娘にも余計な詮索はしないで」
遥か昔、暦と初めて会った時のダイスゲームを思い出すわ...あの時は負けてしまったけど今度は負けない...
「そう分かったわ...ゲーム内容は?」
「ここはポーカー台だからね...ポーカーにするよ...ルールは簡単チップが無くなった方の負け...簡単でしょ?」
まさかの勝負が始まってしまったけど私は負けられないわ...
あの子のためにもね...
「いいわ...では始めましょう」
更新遅いけど投稿できました!
この小説が終わらないと次に進めない...
ではこれにて