side紫
テーブルには私の10枚のチップと暦の10枚の計20枚のチップが置いてある...
これが0になったプレイヤーの負け...
私としては何としてでも暦に勝たないといけない!!
あの子のためにね...
テーブルの向こうの暦はトランプをシャッフルした後、私の方を向く...
その眼は光がこもっていないが真剣な雰囲気を醸し出している...
「では始めるよ?」
「ええ...早く配って頂戴」
私は暦がカードを配るのを観察する...
万が一、暦がイカサマをしたらすぐに見破るためだ...
彼女はこの手のものに関しては天才...
本職が違法ギャンブル場のディーラーというのだからイカサマも得意としているはず!!
彼女のイカサマを見破れなかったら、すぐに私のチップが0になる!!
私が見張っているのに気づいたのか暦は不服そうに鼻をならす
「何?イカサマを疑っているの?」
「ええ...この手の天才が私の前にいるもの...」
「そんなことはしないよ!無意味だもの...そこのところは安心してもらいたいな...私と貴女の真剣勝負なのだから...」
「そうなの?」
「...面倒だな」
暦は胸ポケットからペンとメモをだし一筆を書く
(私大神暦はイカサマをしません...したら即敗北で構わないことを記します)
「私がイカサマしたら即!私の負け!」
「そう...お願いしますわ」
「ちなみに仮に紫がイカサマをしようとしても私にはお見通しなのでそこのところはヨロシク」
「...ええ」
暦相手にイカサマは無謀としか言いようがない...
実力で勝ってみせるわ...
暦はカードを配り終えるとチップを指差す...
「ルール説明...これがなくなった方の負け...参加料はチップ1枚必要だよ?そしてカードチェンジにも1枚...コール宣言に1枚、そのあとに賭ける数はお好きなように...後追加ルールとしてイカサマしたら即敗北ということもお忘れなく...」
「分かったわ...」
簡単なルールだけど一回に必要最低限の事をするには3枚必要となる...
持ち数は10枚だから少なくても3回は出来る計算ね...
カードチェンジを行わないとしても最低2枚必要になる...
慎重に行わないと万が一に不利になったらカードチェンジすらできなくなるわ...
「ではゲームスタート!」
暦がゲームの開始を宣言し参加料としてチップを1枚ずつ出し私は自分のカードを見る...
ハート・スペード・クラブの5とハートのAとダイヤの9だ...
すでにスリーオブ・アカインドは確定ね...
Aと9をチェンジすればフォーオブアカインド・もしくはフルハウスを狙えるわ!
初手から中々の手札ね...
暦の方を見ると彼女は黙ったままチップを1枚出す...
「2枚チェンジ...」
彼女は置かれたトランプの山から2枚引く...
私もチェンジしとこうかしら?
「私も2枚チェンジで...」
チップを支払い2枚引く...
「...」
引いたのはダイヤの5とスペードの2
フォーオブアカインド確定!
残りはこの手札でどれだけ上乗せするか...
レイズする権利はあるけど暦相手に最初から危険な綱渡りは出来ないわ...
「コール...とりあえず様子見ね」
「同じく様子見で...コール」
私たちは1枚ずつチップを支払いカードを開示する...
「フォーオブアカインド!」
「スリーオブアカインド...この勝負は紫の勝ちみたいだね...」
暦はチップを私の場へと移動させる...
紫:13
暦:7
とりあえず一回目は私がもらったわ...
結果論だけどレイズ(上乗せ)しておくべきだったわ
彼女の残りは7枚...
暦の方を見ると今の負けに何も意を示さずに黙ってカードをシャッフルしている
「初戦おめでとう...私も本気で行くわ...」
暦がカードを配り終え、私たちは参加料を出して自分の手札を見る...
「...」
スペード・ハートの5とハートの2・3クラブの8のワンペア...
ワンペア確定だけど手が悪すぎる...カードチェンジが必要ね!!
「チェンジ...」
一枚払って私は3枚カードを変える...
しかし来たのはスペードの9・クラブのAダイヤのQ...変えたカードも現状を変えるには至らなかった...
無駄にチップを消費してしまったわ...
暦の方はそのままカードを盤に置く
「私の方はノーチェンジ...」
カードを変えない?
...ということはそれなりの手が出来ているみたいね
暦は私の目をジッと見る
「で?降りる?降りない?」
光のこもっていない眼差し...
彼女はこの手の天才...
無駄なチップの消費は出来ないわ...
私の手はワンペア...
この役で勝負に出るのはチップの無駄になる...
引き際を見極めないと彼女に勝つことはできない!大神を幻想郷につれていくことができなくなるわ...
「フォールド降りるわ...」
私が盤にカードを置くと暦は鼻で笑う...
「へー...そうなの...まぁもっとも私の手札は...」
「ハイカード(ブタ)だけどね...」
「!?」
暦が開示したのはバラバラのカードだった...
役が出来ていない最弱の手...
降りなきゃ良かった...
紫:11
暦:9
差が狭まってしまった...
出来る限り差を広げたかったのに...
暦の方は不服そうにカードを混ぜる...
「札の調子が悪いな...良い手が全くこない...」
「確かに調子が悪そうね...」
そういえば...暦は月面戦争の時に力の大半を失ったとか...
昔よりは彼女の力も弱まっているということね...
さっきは弱気になって降りてしまったけど強気に攻めれば彼女に勝つことが出来るかもしれない!
「次やりましょう?今度は同じ失敗はしないわよ?」
「そう...ではネクストゲーム!」
互いにチップを支払い暦はカードを配る...
「!!」
来た!
8のフォーオブアカインド!!
これでなら!彼女に勝つには十分な手!
「チェンジは要らないわ」
「そう...では私の方は3枚」
暦の方はチップを支払い3枚チェンジしている...
そして私たちは向かい合いチップを1枚支払う...
「「コール!」」
コール宣言が来たわ...
残りはどれだけレイズするか...
暦のチップは9枚...
出来る限り削りたいわね
「...6枚レイズするわ!」
私が6枚チップを置くと暦は頷く...
「強気だね...なら私も6枚レイズしましょうか!」
彼女も6枚盤に置く...
これで彼女の場のチップは無くなった!
随分と強気ね...でも私も退くわけにはいかないわ!
私の手はフォーオブアカインド!
暦の方は先ほど3枚チェンジした!
つまり最高でワンペアしかそろっていないということ!
この手を崩すには8以上のフォーオブアカインドか同じ絵柄にして数字を階段にさせてつくるストレートフラッシュぐらいしかない!!
彼女には私の手を越える役を作るのは確率からして不可能に近いわ!
この勝負もらった!
この勝負勝てば彼女のチップは0!
私の勝ちよ!
「私はこれよ!」
フォーオブアカインドのカードを場に宣言すると暦は目を見開き右手の爪を噛む...
「8のフォーオブアカインド!?」
「どうかしら?流石の貴女でもこれ以上はでないと思うけど?」
暦は両手で顔を覆う
「...全く恐ろしい奴だよ八雲紫...娯楽の天才である私を追いこもうとするとはね」
「夢のために色々なことをしたわ...これくらいのこと幾らでも体験したわよ」
暦は手の指を開いて私を見据える
「...努力は認めようか...でも!娘たちのために退くわけにはいかないのよね!!」
彼女は盤に置いたカードを爪で弾くとカードが開示される...
「!?」
彼女の場には9のフォーオブアカインド!
そんな!私の負け?
私を見て彼女は不服そうにカードをシャッフルする
「ギリギリ勝ったという感じだね...この私がギリギリの勝負しか見せられないとは...私の力も落ちぶれたみたいだね」
紫:5
暦:15
あっという間に逆転された!?
暦は光のこもっていない目でカードをシャッフルしながらチップを数えている...
「15:5...次のゲームで終了させようかしら?」
「...くっ」
私の顔を観察していたのか暦は乾いた笑いをする
「さて...未来の大神は歴史から完全に抹消される...あいつの思惑通りになってたまるか...ククク...アハハ!!!」
彼女は歪んだ顔をしながら高笑いし、他の客がいるにも関わらずにカードを宙にばら撒く...
ばら撒かれたカードは虚空に静止しており、私たちの上空を漂っている...
「さぁ!ラストゲームの始まりだ!妖怪の賢者!!」
遅れましたが投稿です!
ではこれにて