東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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外の世界探索中...


続・外の世界

現在時刻8:30...

 

「何とか潤香との連絡はできたよ~!時間がかかるけどこっちに来るってさ!」

 

「...ほう?まさかあいつがな」

 

暦が華楠・潤香とのコンタクトに成功した8時間が経過する...

 

暦と華楠は遅めの朝食をとりながら今後の事について話しあっていた

 

 

 

「とりあえず5日かかるみたいだからさ~時間には余裕があるってわけ!この調子なら境奈・銖理を見つけるのも楽ってものよね!」

 

「だが時間は限りがあるぞ?只でさえこの広い日本の地だ...少々時間的には厳しいと思うが?」

 

インスタントみそ汁の飲みながら華楠は苦言を発するが暦は対照的に胸を張る...

 

 

「大丈夫!血を分けた娘たちがどこにいるかなんて私にとっては問題ないよ!だって~!一日かからずに華楠と潤香にコンタクトをとる事だってできたでしょ?」

 

「...何か怖いなその力」

 

「ふふん♪」

 

そんな華楠の言葉を気にせずに暦は朝食を頬張る...

 

華楠にとっては母親である暦だが体と言動がやや幼い...

 

第三者から見れば母親=華楠・子供=暦といった真逆の印象を受けるであろう...

 

華楠も暦を観察して薄々そのようなことを思い始めていた...

 

 

 

 

 

 

 

「...」

 

「どしたの?」

 

「いや...そう言えば境奈・銖理はどうやって探すんだ?一応私も同行するが?」

 

華楠が質問すると暦は思いだしたかのように立ち上がる...

 

「そこの所は問題ないよ♪潤香の時と同じよ」

 

暦は電話を指差し華楠は溜息をつく...

 

 

「昨日のやり方か...同じ手が通用するとは思えんが?」

 

華楠の言葉に暦は頬を膨らませながら電話へと近づく...

 

「いいから!任せて♪ではまずは境奈に電話をしましょうか!」

 

彼女は適当にダイヤルを押して耳をつけ、しばらくの間狭いアパートの一室に電話の通話音が響き渡る...

 

 

「~♪...ん?」

 

(お繋げしましたがお出になりません...電源が入っていないか、電波の届かないry)

 

不在の着信音声が流れ華楠は笑みを浮かべる...

 

「ほら...」

 

「ぐぐぐ!!なら!今度は銖理に電話をかけるわ!!」

 

暦は負けじと適当にダイヤルを押して再度通話を開始し再び通話音が鳴り響く...

 

 

 

 

「ま~た...間違えるぞ」

 

「今度は正解するもん!!」

 

彼女たちが口論していると電話の相手が通話に応じる...

 

 

 

 

 

 

 

(はいはい~誰ッスか~?銖理ちゃんッスよ~!)

 

「...」

 

「...」

 

電話の主の間の抜けた声を聞き、暦・華楠は呆気にとられ、暦は電話から耳を離す...

 

「...繋がったけど...銖理なのかな?」

 

「...銖理って聞こえたぞ?」

 

彼女達にとって銖理は寡黙な印象を持っており、電話の相手と一致しないことに困惑を隠しきれないのであろう...

 

暦達が相談していると電話の主の声が更に響く...

 

 

 

 

 

 

(もしも~し!誰ッスか~!この携帯は大神銖理の携帯ッスよ~!)

 

「...やはり銖理みたいだね」

 

「あいつの心境の変化が気になるな...」

 

暦は意を決して受話器に耳をつける...

 

 

 

「もしもし?お久しぶりね...銖理?」

 

(!?この声...まさか!!)

 

銖理の反応を見て本物と確信した暦は笑みを浮かべて次の言葉を紡ぐ...

 

 

「中々元気そうじゃない~?」

 

(か...母さん?久しぶりじゃないッスか!!何で銖理の番号が分かったんッスか?)

 

「私の力を忘れたの?とりあえず会って話がしたいんだけど?どこにいるの?」

 

(○○県××市ッス...)

 

「...案外近いな」

 

華楠の話を聞き暦は薄ら笑いを浮かべて次の言葉を紡ぐ

 

 

「なら丁度いいわ...今から華楠と一緒にそちらへ向かうから最寄りの駅で待ってて...」

 

(了解ッス!!××駅で待っているッスよ!!)

 

そう言って銖理は電話を切る...

 

 

 

 

「コンタクト完了ね...」

 

「...マジか」

 

暦は立ち上がり華楠の手を引く

 

「さて!行くわよ!華楠!××駅だってさ!!さぁ!華楠も着替えて行くよ!!」

 

「はいはい...」

 

華楠は暦に為すがまま、立ち上がり出発の準備をする...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

××駅

 

10:26...

 

暦一行は待ち合わせ場所である××駅に到着する...

 

時間的に込み合っているわけではないが人がそれなりにおり、彼女たちは辺りを見回す...

 

 

 

side暦

 

 

××駅に到着し私たちは銖理を探す...

 

やはり都心に近いだけあり、それなりに人がいるな...

 

これは探すのに一苦労かもね...

 

 

「着いたが...これは少し根気がいるな...」

 

「うん...本当にどうなるか...」

 

本当に何年ぶりだろうか?

 

あの子のことは良く覚えているが如何せん長い月日が経過したから風貌が変わっているかも...

 

あの電話の話し方だって、今まで聞いたことが無いトーンだったし...

 

「...ある意味成長かな?」

 

「どうした?切なそうな顔をして?」

 

「ん~?親としてあの子の成長を見れなかったのは残念かなって...」

 

そんな私に華楠は不服そうに鼻を鳴らす

 

 

「何を今更...我々は何千年も生きた存在だ...成長も何もないだろ...」

 

「そうだけどさ...成長と言っても色々とあるものだよ...華楠だってまだ成長できるところはあるんだからさ...」

 

「どういうことだ?」

 

華楠は首を傾げる...

 

 

自覚はないみたいだね

 

でも母親だから分かる...貴女の心の奥底のことはね...

 

 

 

 

「!おーい!母さんー!華楠姉ー!」

 

遠くから私たちを呼ぶ声...

 

トーンは変わったけど銖理の声だ...

 

私たちはその方向を向く...

 

 

「...」

 

「ん!?」

 

「いや~!久しぶりッス!」

 

私たちの目の前には白のロングヘアーをツララのように固め、目元に奇抜なメイクをした女性の姿...

 

白いシャツを身に着け、黒の革のジャケット・白のミニスカートに同色の腰巻をつけている...

 

見目はすごく変わっているが銖理に間違いない...

 

 

「...お久しぶりね銖理?中々元気そうじゃない?」

 

「ん~!何で疑問形なんッスか~!?」

 

銖理は私の頭をわしわしと撫でる...

 

 

あまりにも変わりすぎている...あの寡黙な銖理が...

 

そして銖理は華楠の方を向き抱き着く...

 

「華楠姉もお久ッス!」

 

「...ああ...中々ファンキーな姿になったな?」

 

「この姿はNEW銖理ッス!過去の銖理と比べてはダメッスよ~!」

 

銖理は上機嫌に私の方を向く...

 

 

「とりあえず久しぶりの再会ということで!どこかでゆっくりできるところでお話しようッスよ!!」

 

「はいはい...」

 

ふと向こうを見るとファミレスが見える...

 

あそこなら会話をしやすい環境かもしれないわね...

 

「じゃあ!あそこでしようか...銖理のことも聞きたいし、私・華楠のことも話さないといけないからね」

 

「了解ッス!!では行くッスよ~!」

 

銖理に手を引かれ、私たちはファミレスに入る...

 

さて...幻想郷の話はいつ切り出そうか...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ファミレスで個々の注文をした後、私は銖理に尋ねる...

 

「銖理は今何をしているの?昔と随分と変わったけど?」

 

現在銖理は何をしているかなど...

 

今の私にとってはそれだけが知りたくてたまらない...

 

 

 

 

 

「ん?無名のバンドメンバーッスよ?」

 

銖理はそっけなく答える...

 

バンド?

 

 

「バンド?つまり音楽業界か?」

 

華楠が尋ねると銖理はドリンクバーからそれぞれのドリンクを置いた後、コーラを啜る

 

「まぁ...有名じゃないッスけどね...食べるに苦労はしないッス」

 

音楽ね...

 

私は詳しくないけど、沢山なライバルがいて競争率が高い大変な業界だと思う...

 

しかし...あの銖理がどうしてそんな世界に入ったのだろうか?

 

そんな派手な子ではなかったと思うけど?

 

「意外だな?お前に音楽の才能があるとは?」

 

私が口を開く前に華楠が感想を述べ、銖理は華楠の言葉に笑みを浮かべる...

 

 

「それは華楠姉のおかげッス...戦ばかりの世界じゃないから銖理がしたいことを見つけろって...」

 

「私が?言ったか?」

 

何も覚えていない華楠にショックを受けたのか銖理が立ち上がる

 

 

 

 

「忘れたんッスか!?それが銖理の自分探しの旅のきっかけになったというのに!!」

 

「落ち着きなよ...銖理...続きを聞かせて?」

 

私の言葉に銖理は席に座り口を開く

 

「大神家が解散した後、銖理は前々からうっすらと趣味だった楽器の演奏に目をつけて、それを銖理がしたいこととして進んできたんッス!」

 

「楽器か...」

 

そういえば昔の銖理は時々、琵琶やら何やらを時間があるときに奏でていたな...

 

まぁ...終始無表情でやってたから、それが好きだったかまでは分からなかったけど...

 

 

「そういえばそうだったね...琵琶とかやってたわ...」

 

「そうッス!大神解散後は日ノ本各地を回って様々な曲を奏でてきたッス...今思えばあのお客さんたちの視線は気持ちかったな~」

 

楽師というやつか...

 

その経歴により、現在に至るというわけか...

 

しかしそれだけではこの銖理の変わりようの説明がつかない気がする...

 

 

 

「銖理が明るくなったのもそれのおかげ?」

 

「ん~!これは最近ッスね!キャラを変えたんッス!」

 

「きゃら?」

 

華楠が理解できなそうな顔をすると銖理はニシシシと笑う...

 

 

「バンド活動するようになってから昔の銖理のようなキャラじゃ人気がないと気づいて、このようなはっちゃけたキャラ替えをしたんッス!!おかげである程度の人気は出てきたというわけで...」

 

「...銖理」

 

成程...かなりの努力の結果そうなったか...

 

それなりにこの世界を楽しんでいるみたいだし幻想郷に連れ込むのは少し気が引けるな...

 

華楠もそう思ったのか神妙な面持ちで沈黙を貫いている...

 

どうしたものか...

 

 

 

 

 

「...で?母さんと華楠姉は銖理に何か用でもあるんッスか?」

 

「!?」

 

私の動揺に気づいたのか銖理はコーラをストローでかき混ぜる...

 

「銖理でも分かるッス...この時期になって母さんと華楠姉が会いに来るということは大神家関連の事なんでしょ?」

 

「察しがいいわね...実は大神家を再結成しようとしているんだけど?」

 

「はい!予想通りッスね!」

 

銖理は何も驚きもせず、コーラを啜る...

 

動揺も見られない...

 

しかし次の言葉はどうだろう?

 

彼女の作った夢を無に還すことなのだから

 

私は一呼吸置いて口を開く...

 

 

 

 

 

 

「そして幻想郷に家族全員が入る予定なんだけど...銖理にとって迷惑だったかな?」

 

「いいっすよ?」

 

「「え!?」」

 

私と華楠が驚くと銖理も困惑したような表情を浮かべる...

 

「ありゃ?どうしたんッスか?」

 

「いや...断られるかと思っていたからさ...」

 

私の言葉に銖理はゲラゲラ笑う...

 

 

「あははは!!まさか!?キャラは変わっても銖理は母さんに忠実ッスよ?」

 

「私に忠実なのは嬉しいけど...でも...今の暮らしは...」

 

「そんなものは向こうの世界でもどうにかなるッス!!」

 

「...そう」

 

昔より随分と前向きになったみたいね...

 

とりあえず、銖理もOKか...

 

 

 

 

 

「...ありがとね」

 

「礼はいらないッス...ところで残りのメンバーはどうなってるんッスか?」

 

「潤香にも了承をもらって、6日後に来るとして残りは境奈だけよ...」

 

「...あ」

 

銖理は少し表情を曇らせる...

 

先ほどとは違いテンションも下がったみたいだ...

 

 

「どうした?」

 

華楠が尋ねると銖理は目をそらす...

 

「境奈姉は少し厳しいかもしれないと思って...」

 

「境奈が?境奈のこと何か知っているの?」

 

銖理は頷く...

 

銖理が境奈の事を知っているのなら次の目的地が楽になるが、彼女の表情を見る限り楽には済まなそうだ...

 

 

 

「おまたせしました!ご注文でございます!」

 

タイミング良く注文品がテーブルに並ぶ...

 

境奈の話はこれを食べてから始めようとしますか...

 

 

私たちは手を合わせていただきますと手を合わせ、個々の食事にありつくことにした...

 

 




大神家幻想入りまで後僅か...

ではこれにて
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