東方五行大神伝・過去の章   作:ベネト

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華楠・境奈partです




幻想入りと大神家

大神家が幻想入りして一日が経過する...

 

大神神社にいる当主の暦は居間でお茶を啜りながら庭を見つめる...

 

 

 

side暦

 

「...ふぅ...中々和むかも...」

 

私は湯呑をちゃぶ台に置き、畳に寝そべる...

 

確かに平和かもしれないが...

 

いかんせん...暇な気がする...

 

考えてみてやることも思いつかないし、何をすればよいのだろうか?

 

 

 

 

「お母様?何をしているのです?」

 

「んあ?」

 

寝そべった状態で庭の方を見ると潤香が私を見下ろしていた...

 

あらあら...みっともない姿を見せたかも...

 

 

 

 

 

 

 

「ん~?何というか暇をいうか...何というか?やることがないというか?」

 

潤香は私の言葉に溜息をつく...

 

「仮にも幻想郷のパワーバランスの一角なんですから威厳くらいは....」

 

「だって!聞いてないもん!!弱くなっちゃったもん!!」

 

紫の奴!自動的にこんな役割埋め込むなんて!!

 

幻想郷に仇なす存在の対処?

 

力を失った私にどうしろと!?

 

 

 

 

「そうですか?力を失ったわりには...博麗結界を創造する時は戦えていた気がしますが?」

 

「うぐ...でもあの時は只の雑魚だったじゃない!!この上がいたら終わりよ...」

 

「まぁ...そのために私達がいますが故...大丈夫でしょう...」

 

「私達ねぇ...」

 

居間を見回すが潤香以外の子がいない...

 

妖気を辿っても...屋敷の中にもいないようだ...

 

 

 

 

 

 

 

「他の子は?」

 

「幻想郷の探検とか...各自で向かいましたよ?」

 

各自自由行動か...

 

それぞれに思うことがあるのだろうか?

 

 

「へぇ...ところで潤香はいかないの?」

 

潤香は笑みを浮かべ首をかしげる

 

「私は...特にやることがないので...やりたいことはこの後見つけます...」

 

「やりたいことね...私もどうしようかな?」

 

まぁ...この長い幻想郷生活...

 

時間は沢山あるし...ゆっくりと考えていこう...

 

私が...したいことは...

 

 

「まぁ...叶わぬ夢かな?せめて子供たちに幸あることを...」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幻想郷...太陽の畑...

 

幻想郷の端には太陽の畑というものがある...

 

そこ地域には向日葵が多数群生しており、幻想郷の隠れスポットとなっている...

 

只幻想郷の者はあまり足を運びこまない...

 

そこにいる主は...

 

 

 

 

 

side華楠

 

 

「ここか」

 

妙な力を感じ私は広大な向日葵畑へとたどり着く...

 

向日葵畑か...

 

随分昔を思い出す...

 

私に黒星をつけた彼女を思い出すな...

 

 

 

 

 

 

 

「...」

 

「あら?随分と懐かしいお客さんね?」

 

後ろを振り向くとそこには緑色のショートヘア・ブラウス・赤いチェックのベスト・スカートを身に着けた女性...

 

風見幽香がそこにはいた...

 

 

「やはり君の妖力か...」

 

「ええ...うっすらと出していれば貴女が来ると思っていたわ...」

 

幽香が傘を閉じて私へ向け、嫌というほど殺気を出す...

 

 

 

「私が来ると思った?来たのは昨日というのに...随分と情報が早いな...」

 

「只の感よ...今朝起きたら貴女のことが頭に思い浮かんだから...もしかしたらと思ってね?」

 

...すさまじい感だな、そこまで来ると脱帽だ

 

「感ね...しかし?その殺気は何とかならんのか?私は戦いに来たわけでは...」

 

ブン!

 

 

 

次の瞬間...

 

私は傘で薙ぎ払われて遠くの地面へと叩き付けれられる...

 

 

 

 

「げほ!!!」

 

「貴女にその気はなくても私にはあるのよ...まだ勝負はイーブン...完全な勝利はできていないのよね?」

 

「...貴様」

 

過去のことをいちいちと...

 

やはりここへ来るべきではなかったか!!

 

 

傷を完治させ立ち上がると幽香は首をかしげる...

 

 

「しかし弱くなったわね?」

 

「?」

 

「今の貴女は全くと言ってもいいほど警戒もない...外の世界で腑抜けたのかしら?」

 

「外の世界では仕事仕事だったからな...人の命を預かる身としては戦いなど忘れるものだ...」

 

「ふふ...人の命ね...」

 

彼女はうすら笑いを浮かべながら傘を差してくるくる回す...

 

 

 

「何がおかしい?」

 

「...昔の貴女の言葉を思い出したのよね...死んだ友人に会うことが楽しみだとね?」

 

「...ああ...それの何がおかしい?」

 

「貴女は無意識だったかもしれないけど...貴女のその行動...その友人と他人を重ねて見ているだけじゃないの?」

 

「!?」

 

「死んだ友人の事を他人の命を救うことにより正当化しているだけよ...友人の死を他人の命でごまかしているだけよ!!」

 

正当化?

 

違う!私は鈴音の死をごまかすなんて!!

 

 

 

 

 

 

 

 

side幽香

 

華楠の奴...うつむいてしまったわ...

 

しかしまぁ...昔より肉体的にも精神的にも弱くなったのは確定ね...

 

これが大神シスターズの頂点?

 

堕ちるところまで堕ちたわね...

 

「...」

 

「外で堕落した貴女には興味がなくなったわ...どこへでも行きなさい...臆病者」

 

私の言葉に彼女は私を見つめる

 

 

「臆病者?」

 

「ええ...人1人ごときの命が消えるだけで堕落する臆病者と言ったのよ...失望したわ...」

 

「...黙れ」

 

「?」

 

うっすらと殺気が出てきたわね?

 

そして彼女の姿が変化し緑色の九本の尾・頭部に同色の狐の耳が生え、半獣と化する...

 

半獣化した彼女は殺気を放出させて私をにらみつける...

 

 

 

「いい気になるなよ...貴様の相手をする以下までは堕落はしていない...昔の勝負の続きをしようか...風見幽香!!!」

 

彼女の体から電気が放出される...

 

辺りの空気も彼女の殺気のおかげで重くなり始めている...

 

 

でもそれがいいわ!!

 

少しだけど昔の彼女に戻った気がするわ!!

 

 

 

「いいじゃない...これでこそ...楽しめるというものね!」

 

「ほざけ!!」

 

彼女のこぶしと私の傘が衝突する...

 

 

さぁ...久しぶりに楽しみましょ...

 

私の永遠のライバル...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所変わって...妖怪の山...

 

大神暦の娘の一人である大神境奈は、妖怪の山のふもとを行ったり来たりを繰り返していた...

 

その表情は不安気であり、しきりに山の上の方を眺めている...

 

彼女の目的...それはいかに...

 

 

 

 

 

 

side境奈

 

 

「...はぁ...やっぱり帰ろうかな?」

 

山の頂上付近を眺めながらアタシは深く溜息をつき近くの切り株に腰を掛ける...

 

 

ここからでも分かる重々しい雰囲気...

 

これが天狗のテリトリーか...

 

スパイ時代の時よりもその警戒心の濃さが上がってきているみたいね...

 

うっすらと誰かに見られているような...

 

来て早々問題を起こすわけにはいかないわね...それなりの覚悟をもってきたのに...

 

 

 

「仕方がないわ...目的は達成できなかったけど...これで終了というわけで...」

 

アタシが立ち上がろうとすると一陣の風が吹き抜ける

 

やば!目にゴミが...

 

「!?...すごい風だこと...!!?」

 

目をこすりながら前を見るとアタシは目を見開く...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あやや!お久しぶりですね!境奈!!」

 

アタシの目の前には白のワイシャツに黒のミニスカートを来た黒髪の天狗こと射命丸文がそこにいた...

 

格好が変われど懐かしい顔だ...

 

「文...なんで?」

 

文はアタシのそばによりじっと笑みを浮かべてアタシを観察する...

 

 

「不審な人間がいるとのことで見に来ただけですよ~!おかげで懐かしい顔に出会えました!」

 

文はアタシに抱き着いて胸に顔をうずめる...

 

力が入りすぎているため少し体が悲鳴をあげてきているわ...

 

 

 

 

「文?少し力を弱めて?アタシの体人間だから...怪我しちゃうわ」

 

「...嫌です...こうやって捕まえていないと境奈が消えてしまいますから...」

 

彼女は更にアタシの胸に顔をうずめる...

 

「文...」

 

「...ずっと待っていたんですよ?貴女が消えても忘れることはありませんでした...」

 

「...ごめん」

 

文は力を強める

 

 

 

「ですから...もう二度と消えないでください...それだけが私の望みです...」

 

...何百年待たせたのだろうか?

 

殴られる覚悟はあったのに...これはこれで罪悪感が重くのしかかる...

 

 

 

「もう逃げたりはしないわ...だから安心して?ね?」

 

「...逃げませんか...なら...」

 

文は顔を上げる...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう一度!私と熱い夜を過ごしてくださいな!!」

 

「ぎゃ!!!」

 

文はアタシを押し倒し馬乗りになり、アタシの服を剥ごうとする!!

 

こいつ!!今までのはすべて演技か!!

 

 

「アンタ!!やっぱりか!!」

 

「数百年ぶりの境奈の香り!!次は境奈の体です!!いただきます!!」

 

文はアタシに覆いかぶさる...

 

 

 

「させるか!土狐!!」

 

文とアタシの間に土狐を出現させて文の進行を食い止める!!

 

これでなら何とかなる!!

 

「あや?」

 

「これで終わりだ!!」

 

土狐が文を押しのけ、彼女はそのまま土狐に組み落とされる...

 

 

 

「いぎゃー!!ギブです!!境奈!!」

 

「...全く」

 

立ち上がり体の埃を叩いた後、土狐を解除し文を開放する...

 

彼女は息絶え絶えに地面に転がっている

 

 

「こうもあっさりと終わってしまうとは...」

 

「仮にも大神家ナンバー3よ?うまくいくわけないじゃない?」

 

文は悔しそうにアタシを見上げるが、しばらくすると笑みを浮かべる...

 

 

 

 

 

 

 

「?」

 

「ふふ...でも元気そうで安心しましたよ...こうやって元気な姿でまた会えるのですからね?」

 

「また罠に嵌める気?」

 

アタシの言葉に文は頬を膨らませる...

 

 

 

「違いますよ!!今度は真面目な話です!!!」

 

「そう?本当?」

 

アタシが警戒すると文は私の手をつかむ...

 

「...少し紆余曲折ありましたが境奈!幻想郷へようこそ!!」

 

「え?うん...ありがと...」

 

文はアタシが困惑している様子を楽しんでいるみたいだ...

 

彼女は立ち上がりアタシの手を引く

 

 

 

「とりあえず...人里の甘味処で境奈の幻想入りを祝福しましょうか!」

 

「え?急に?」

 

「私がおごりますから!!」

 

文に手を引かれアタシたちはその場を後にする...

 

 

...少し腑に落ちないけど、丸く収まったかな?

 

 

 

 




終わりまで後わずか...

ではこれにて
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