同時刻...
人里から少し外れた森の中...
深く暗い森の中一人の夜雀が逃げ惑う...
「いぎゃー!!誰か助けてー!!」
「エサ・エサ・エサ!!」
彼女を追う者は巨大な妖怪...
今回のご飯はどうやらその夜雀のようだ...
身の危険を感じた夜雀は血相を変えて必死に逃げる...
「いやいや!!!無理無理!!」
「エサ!エサ!!オトナシククワレロ!」
夜雀を追う妖怪は速度上げ、負けじと夜雀も本気を出す!!
「ぜっったい!嫌ー!!!げふ!!」
だがそれが空回りし夜雀は木の根につまづく...
「エサ...エサ!!」
迫りくる妖怪に夜雀は絶望しきった真っ青な顔をする...
side?
「あ...ああ...」
目の前の妖怪に私は尻餅をついたまま目の前の光景に絶望する...
私はこのままこの妖怪に食べられてしまうのだろうか?
そんなの嫌!!私だってまだやり残したことが!!
「エサー!!」
妖怪が私にとびかかる...
「誰か!助けて!!」
こんな深い森に私を助けてくれる者など存在しないくらいわかっている!!
でも!誰か!私を助けて!!
私は目を閉じて蹲る...
だーん!
突如の銃声に何かが倒れる音が聞こえ私は目を開ける...
私の目の前には私を食べようとした妖怪が倒れている...
全く身動きをしないことから絶命していることが理解できた...
しかし何が起きたの?
私は少なくとも何もしていないのに...
「え?え?」
辺りを見回すと白い長い髪をした女性がいた...
つららのように固めた髪に黒い皮のジャンパー・白のミニスカートを来ており、顔には派手なメイクをしている...
彼女は不機嫌そうに手にもった銃の煙を吹き消し、私の方を見つめる...
「大丈夫ッスか?」
「う...うん」
イメージと違い軽い口調だったので私は少し困惑する...
でも会ったばかりだけどいい人だと直感で感じることができた...
彼女は私に近づき立たせてくれる...
「あ...ありがと...痛っ!」
足に痛みが走り痛みのところを見ると足首が青くはれている...
さっき転んだときにくじいてしまったみたい...
「大丈夫っすか?」
白髪の女性は私を心配そうに見つめる...
「別に大丈夫...くじいちゃっただけだから...っ!」
次の瞬間女性が私を抱きかかえる!?
「とりあえず家まで運ぶっす!!住んでいる家はどこッスか?」
こんなことされたことがなかったから、顔が真っ赤になっていくのがわかる!!
私は彼女に気づかれないように彼女の胸に顔をつける
「っ~!...あっちのほう...その...宜しくお願いします...」
「はいはい!では行くッスよ!!」
しかしこの子人間よね?
何で妖怪である私を助けたのかしら?
胸の中に疑問を持ちながら私は彼女に運ばれて森を抜けていく...
そしてしばらくすると迷いの竹林の中の私のお店へと到着する...
彼女は中へ入り私を畳の上に寝かせる...
「ふぅ!...これでOKッスね」
「色々とありがと...命を助けてもらった上に送ってもらうなんて」
彼女は笑う...
「困ったときは何とやらッス!では銖理はこれで...」
「待って!」
彼女が出ていくのを私は制止する...
「ん?」
「その...この竹林って...一度入ったら迷っちゃうから...その...今日は泊まっていったほうがいいと思うわ...」
白髪の女性は首をかしげる...
「良いんッスか?」
「うん!お礼も兼ねて私の料理を提供するわ!」
私の言葉に彼女は嬉しそうに笑う
「それは楽しみッス!銖理は大神銖理って名前ッス!貴女は?」
「ミスティア・ローレライ!...妖怪だけど...鳥肉と命の恩人は食べないわ!」
「妖怪ね...まぁ銖理も同じような者ッス!」
「?」
銖理が力をこめると彼女の尻に大きな白い尾が9本生える...
そして頭には獣耳?
この子妖獣だったの!?
「...」
「ん?びっくらこいたッスか?銖理は食べたりしないッスよ?」
銖理は心配そうに私を見つめる...
いけない!!いけない!!ぼーっとしてたわ!
「ん!驚いただけよ!さぁ!私の手料理を召し上がれ!!」
何というか彼女とは良いお友達になれそうな気がするわ!
彼女を後押しし私は料理の準備をする...
同時刻 八雲家
「煌炉~♪」
「っ!!藍...もう少し力を弱めてよ」
八雲家の居間には大神煌炉・八雲藍の2人がいた...
藍は煌炉に抱き着き自身の自慢の9本の尾は煌炉を包み込んでおり、煌炉の姿が確認できない...
煌炉が息をするため藍の尾から顔を出す
side藍
「ふぅ...」
煌炉が私の尾の隙間から出てきて息を吸う...
本当に愛い奴だ...
こいつを昔憎んでいた私を殴ってやりたいくらいだ...
恐らく私はこいつ無しでは生きていけないだろう!!
「はぁ~!温かいなお前は...」
「まぁ...火の妖狐だし...逆に熱くない?」
私は煌炉の頭に頬を寄せる...
熱くないとも...心地よいくらいだ...
「私はお前の全てを愛すぞ!」
私は煌炉に抱き着き頬ずりする...
永遠にこうしていたいくらいだ...
「煌炉~!...はっ!」
視線を感じその方向を見る...
そこには...
「...」
私の主八雲紫が...物陰からじーっとこちらを見つめていた...
何だ?何かうらめしそうな顔をしている?
「ゆ...紫様?何か?」
私が話しかけると紫様はこちらへとやってくる...
「...」
「どした?紫?」
煌炉が首をかしげると紫様は一息吸う...
「明日の夜...宴会を行うわよ...大神家の幻想入りを祝してね...」
「何で急に?」
「気分よ!気分なのよ!!飲みたい気分なの!!」
紫様はプンプンとそのまま奥へと引っ込んでしまう...
何か嫌な予感がする...
煌炉は煌炉で何も思わなかったのか立ち上がり、煙草をくわえる...
「じゃあ私は家族にこのことを伝えてこようかな?」
彼女はそのまま居間から消える...
「...煌炉」
何か胸騒ぎがする...
煌炉が消えてしまうような嫌な予感が...
次回ラスト!
本当に長かったなぁ...
ではこれにて